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犬の鼠経ヘルニアは寿命に影響する?手術費用や保険の適用等も解説!

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犬の鼠経ヘルニアの治療はペット保険で補償されますが、補償する保険会社はかなり少数です。症状や治療法、治療費用についても説明していますので参考にしてください。
愛犬の足の付け根辺りにポッコリと飛び出したものが手に触れ、仰向けにして観察すると何も触れない。こんな症状がみられたら、これは鼠経ヘルニアかもしれません。一度、動物病院で相談してみましょう。
「大したことはない」と自己判断せず、獣医師と相談することでこれからどうするかという道筋が見えてきます。
今回は「犬の鼠経ヘルニア」ついて詳しく解説します。

この記事では

・犬の鼠経ヘルニアの症状や原因
・犬の鼠経ヘルニアの予防及び治療
・犬の鼠経ヘルニアに罹りやすい犬種や年齢
・犬の鼠経ヘルニアを補償するペット保険はかなり少数
について解説します。
最後までお読みいただければ、「鼠経ヘルニアの症状・原因・治療・予防」と「鼠経ヘルニアにかかりやすい犬種や年齢」がわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

犬の鼠径(そけい)ヘルニアとは?

犬の鼠径部に隙間が開いていて、本来はお腹の中にある脂肪や大網、あるいは腸の一部などが皮膚の下に飛び出している状態を言います。先天的に起こる場合と、事故などによって後天的に起こる場合があります。

 

鼠経ヘルニアとは、鼠径部の隙間から脂肪や臓器が飛び出る病気

ヘルニアとはラテン語で「飛び出る」という意味で、「身体の一部があるべき場所から飛び出している状態」を言います。

「椎間板ヘルニア」「臍ヘルニア」「会陰ヘルニア」「横隔膜ヘルニア」などがあり、ヘルニアの部位によって呼び方や症状が変わってきます。

鼠経ヘルニアはヒトにも生じるもので俗に「脱腸」と呼ばれるものです。

鼠径部(後ろ足の付け根辺り)は主に2つの薄い筋肉と1つの靭帯で構成され、その3つが重なった場所に鼠経輪というわずかな隙間があります。

その隙間を通って血管やリンパ管、神経などが腹空内から太腿の内側に走行しています。

本来は非常に狭い隙間なのですが、何らかの原因によって隙間が広がり、脂肪や大網(内臓を支えている脂肪に富んだ薄い膜~腹膜の一部)、場合によっては腸や膀胱、子宮などの臓器が飛び出してしまうのが鼠経ヘルニアと呼ばれる疾患です。

ヘルニア部は指で触るとぽっこりと膨らんでおり、弾力性があります。仰向けにすると引っ込んでしまうこともあるので、立ったままの状態で触ってみましょう。

また、ヘルニアに飛び出している部分は外から押すと引っ込んでしまうことが多いのですが、引っ込まなくなった状態を嵌頓性鼠経ヘルニアと言い、外科的治療が必要になります。

鼠経ヘルには手で触れることができるので、触って分かる病気です。早期に発見しておけば避妊や去勢手術などを受ける機会があれば、同時に処置することもでき、その後のトラブルを予防することができます。

 

犬の鼠径ヘルニアの症状

鼠経ヘルニアの症状は、ヘルニアの部分に飛び出している組織や臓器によって異なります。

ヘルニアの隙間が小さいと飛び出している物もヒトの小指の先程度で何の問題もないのですが、隙間が大きくて腸や子宮、膀胱などが飛び出した場合その大きさも拳大になることもあります。

症状はヘルニアにどんな組織や臓器が飛び出しているか、嵌頓性(かんとんせい)か否かによって異なります。嵌頓とは飛び出した組織や臓器が元の状態に戻らなくなった状態を言い重篤な症状が現れます。

・ 脂肪や大網が飛び出している場合 ⇒ 無症状のことが多いが嵌頓性になると痛みを伴うこともある。

 小腸の一部が飛び出している場合 ⇒ 腸の動きが悪くなり下痢・便秘・嘔吐・食欲不振などの症状が出る。また、腸の内容物がうまく流れずつっかえてしまうと「腸閉塞」を起こしたり、腸が捻じれてしまう「腸ねん転」を引き起こすこ危険性があり、こうなると早めに対処しなければ命に係わる状況に陥る。

・ 腸の絞扼しめつけられる・嵌頓性の場合) ⇒ 飛び出した部分の根元を輪ゴムで縛ったような状態。飛び出した部分は押しても元に戻らず熱をもち、血行が悪くなり、その部分が壊死。早急な対応が必要です。

・ 膀胱が飛び出している場合 ⇒ うまく排尿ができなくなり、尿閉になる危険性もある。食欲不振になり元気がなくなるので別の原因を考えてしまう場合もあり注意が必要。

・ 子宮が飛び出している場合 ⇒ 無症状のこともあるが、腹痛や衰弱が認められることもある。特に妊娠中や子宮蓄膿症に罹っている場合は要注意。

犬の鼠経ヘルニアは隙間が小さくて脂肪や大網が飛び出しているだけなら緊急性はないのですが、腸や膀胱、子宮等などの臓器が飛び出している場合には早急な対処が必要なことが多いので動物病院を受診しましょう。

 

鼠経ヘルニアの戻し方

鼠径部に膨らみがあっても嵌頓性でない場合や、無症状の場合は飼い主さんが元の位置に戻すこともできます。

飛び出している部分を片手で優しくさすって元の位置に戻します。無理やり押し込むのは禁物です。

仰向けにして、足の付け根の方からお腹の中央部に向けて優しく、ゆっくりと何度もさすります。全部を一度に押し戻そうとするのではなく、少しずつゆっくり優しく押し戻すのがコツです。

 

犬の鼠経ヘルニアの原因

では、なぜ鼠経ヘルニアが生じるのか原因について説明します。

原因 ① 先天性 : 遺伝的要素は証明はされていないが関与していると考えられている。
原因 ② 後天的 : 事故などの外傷・腹圧の上昇(妊娠や肥満など)・よく吠える等

後天的に起こる場合でも、生まれつき鼠径部に異常(先天的な筋肉虚弱など)があり、これが素因となっていると考えられています。

事故や妊娠、肥満などで大きな腹圧がかかると鼠径部の隙間がどんどん広がり腹腔内の臓器が飛び出してきます。

 

犬の鼠径ヘルニアの治療や手術

鼠経ヘルニアの治療としては、飛び出している部分が小さければ様子観察することもあります。鼠経ヘルニア自体は寿命に影響するような状態ではありませんが、その隙間が大きくなって臓器が飛び出してくるようなら危険です。

子犬の場合は成長するにつれて自然治癒するケースもある反面、放置しておくと妊娠や過度の肥満でヘルニアが大きくなる場合もあります。

犬の鼠経ヘルニアに気づいたら、軽度であっても獣医師と相談しながら慎重に経過観察をしましょう

 

【手術が必要な場合】

・ 腸や子宮、膀胱などがヘルニア内に飛び出している場合
・ 膨らみが大きく指で押しても戻らない(嵌頓性)場合

 

【手術費用】

手術費用については動物病院・犬種・症状によって大きく異なります

軽度の場合は鼠径部の隙間を閉じるだけの手術です。しかし、腸閉塞や腸ねん転を起こしている場合、腸の一部が壊死することもあり、その場合は腸の切除も伴います。いずれにしても全身麻酔下の手術となります。

素術費用の一例を紹介するとA動物病院の場合、術前検査(血液検査・レントゲン)16,543円、鼠経ヘルニア手術(片側)4日入院を含む費用は10万円~と料金表を公表しています。

一般的には手術費用・入院費・検査費用等含めおよそ4~10万円程度となります。

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犬の鼠径ヘルニアの予防法

なんらかの先天的要因が関与していることも多く、予防は難しいですが注意深く観察することで早期発見は可能です。

日ごろから遊び感覚でスキンシップしながら異常がないかどうか確認しましょう。

最初は無症状でも成長するにつれて隙間が広がり症状が出ることもあります。定期的な健康診断を受けるように心がけましょう。

また、他の症状で動物病院を受診した際に鼠経ヘルニアのこともついでに話し、獣医師に確認してもらうことも一つの方法です。

肥満は腹圧をかけることになり、症状を悪化させる可能性もあるので、適正体重を保つように心がけましょう。

可愛いからとついついおやつをたくさんあげたり、お腹がすいているみたいと食事の量を増やしたりすることはありがちなことです。

しかしペットの健康のためには害になることもあるのです。適切な食事量を管理し、しっかり運動をさせて、十分なコミュニケーションをとり、ペットとの生活を楽しみたいものです。

 

参考:犬の鼠径ヘルニアの術後や再発のリスクについて

鼠経ヘルニア自体の手術は飛び出している組織や臓器をもとに戻して「隙間をふさぐ」ことになるので、再発のリスクなどは極めて低く失敗することはほとんどありません。

術後は基本的には24時間絶飲食、経過が順調なら4日から週間くらいで退院できます。

ただし、全身麻酔下での手術なので麻酔のリスクは考えなくてはなりません。老犬、基礎疾患(呼吸器や循環器疾患等)がある場合は慎重に検討します。

麻酔のリスクと症状と手術の必要性を検討した上で治療方法を選択をします。

 

鼠径ヘルニアにかかりやすい犬種や年齢は?

鼠経ヘルニアには先天的なものも多く何らかの「遺伝」因子が関与していると考えられています。それではどのような犬種に症状が現れやすいのか説明します。

 

鼠径ヘルニアにかかりやすい犬種

特に鼠経ヘルニアにかかりやすい犬種は次の通りです。

・チワワ
・ミニチュアダックスフンド
・ミニチュアピンシャー
・ポメラニアン
・ウエストハイランドホワイトテリア

飼いたい小型犬人気ナンバーワンのトイプードルも上記の犬種に比べると少ないようですが、発症することも稀ではありません。

 

鼠経ヘルニアにかかりやすい年齢

鼠経ヘルニアには小型犬がかかりやすいと言われていますが、小型犬でなくても「子犬」に見られることが多い疾患です。

ご家庭に新しくペットを迎え入れるのはペットショップやブリーダーから子犬を迎え入れることが多いと思いますが、その際には単にビジュアルやかわいらしさのみを重視するのではなく、自分で触ってみることも大切です。

ずっと一緒に生活するペットだからこそ、注意を払いましょう。

その他、統計的には「避妊していない中年齢の雌」、「2歳以下の雄」に多いというデータが出ています。

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鼠経ヘルニアはペット保険で補償される?

鼠経ヘルニアを補償するペット保険はかなり少数です。

ほとんどのペット保険が鼠経ヘルニアにかかる治療費を補償の対象外としており、公式HPや重要事項説明書、保険約款にて鼠経ヘルニアを補償の対象外としていることがしっかり明記されています。

下記の2社は「保険金をお支払いできない主な理由」等のページにおいても鼠経ヘルニアを補償の対象外とは記載していません。

鼠経ヘルニアが心配でペット保険に加入したい場合は、下記の2社のペット保険を検討することをおススメします。

一般的に鼠経ヘルニアの治療には手術費用・入院費・検査費用等含めおよそ4~10万円程度が必要ですが、どちらのペット保険も十分な補償内容です。

また、どちらの保険も更新時に「慢性疾患等の前年度にかかった病気・けがを補償の対象外にする等の条件を付け加えることはない」と公式HPに明記しています。

 

2社で迷うのであれば下記の選び方がおすすめです。

・補償内容重視    → アニコム
・支払う保険料も重視 → PS保険

PS保険は同じ病気に対して保険適用の限度回数・金額を設定しているため、慢性疾患等の長期に渡る治療に対して若干の不安要素があります。

ただし、その分支払う保険料はアニコムと比べてもかなり安いです。

メリット デメリット
複数回通院にも強い 保険料が高い
保険金請求回数に応じた保険料割増制度あり
PS保険ロゴ 保険料が安い 同じ病気に対して限度回数・金額があるため慢性疾患等の長期に渡る治療に弱い
アニコム(ふぁみりぃ)
2年目以降のご契約継続について
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書保険約款もご確認ください
PS保険
PS保険のロゴ

罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。

引用:PS保険
引用:よくあるご質問

※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書・保険約款もご確認ください

それぞれの保険会社のデメリットや口コミ等が気になる方はぜひ下記の記事を参考にしてください!

補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう

ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。

そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。

また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。

また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。

「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。

補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。

高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。

 

よくある質問

犬の鼠径ヘルニアの手術費用はペット保険で補償されますか

少数のペット保険会社が鼠経ヘルニアを補償の対象としています。
ほとんどの保険会社は鼠経ヘルニアを補償の対象外としているので公式HPや保険約款、重要事項説明書をよく確認するようにしましょう。
「保険金をお支払いできない主な場合」「補償の対象外となる項目・疾患」等のページを確認することをおススメします。

犬の鼠径ヘルニアの手術費用は後天的なものでも補償されないのですか

後天的な鼠経ヘルニアも先天的な要因が強いと判断され補償の対象外になることがほとんどです。ただし一部のペット保険では「他の傷病の治療手段として鼠経ヘルニアの処置をした場合は補償対象とする」「ヘルニアが病化(腹膜炎など)しておりその治療を実施した場合保険金を支払われることもある」というケースもあります。各保険会社に問い合わせてみましょう。

 

ペット保険は必要?

動物病院

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に入ることをおススメします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

 

【犬の鼠経ヘルニア】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・鼠経ヘルニアとは「鼠径部の隙間から組織や臓器が飛び出した状態」を言う。
・症状はヘルニア内に飛び出している組織や臓器、あるいは嵌頓性か否かによって異なり、最悪の場合命に関わることもある。
・原因は先天的なものが多く、後天的なものでも先天的な要因が関与していると考えられる。
・予防は難しいが肥満に注意し、早期発見するために日ごろの観察が大切。
・鼠経ヘルニアは小型犬や仔犬に多くみられる。
・治療は軽度の場合は経過観察することもあるが、根治には外科的治療が必要。
・治療費は、手術・入院・検査費用を含めるとおおよそ4~10万円程度が必要。
・鼠経ヘルニアはペット保険で補償されないので、早期発見し悪化させないことが大切。
について解説してきました。
鼠経ヘルニアはペット保険で補償されますが、ほとんどの保険会社が補償の対象外としています。
ヘルニア内に腸が飛び出した場合、腸閉塞や腸ねん転を引き起こし重篤な症状となることもあります。
腸が壊死すると切除しなければならず、大掛かりな手術となり、ペットも苦しい思いをし飼い主さんも高額な治療費を支払わなくてはなりません。
そうならないためには早期発見がとても重要になります。
ペットの健康管理は飼い主さんに任されています。ペットを迎え入れたら可愛がるだけでなくしっかりと様子観察をし、異常を感じたら早めに動物病院で相談しましょう。
ペット保険比較アドバイザーではその他保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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