犬の抜歯の費用は高い?手術費用や乳歯遺残・保険の適用について解説
その他にも犬の歯周病を紹介するので治療方法で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
この記事では
・歯周病の予防法
・ペット保険で抜歯が補償されない場合
【犬の抜歯】抜歯の必要があるのはどんな時?
犬が抜歯をしなければいけない状況というのはどのようなものなのでしょうか。
愛犬が抜歯をしなくてもいいように日々注意しておかなければいけません。
【犬の抜歯】歯周病の悪化
歯周病が悪化すると抜歯が必要になります。
歯周病とは口内細菌が歯石内の空洞で繁殖し、歯茎またはその周辺組織に炎症を起こすことをいいます。
・口臭がきつくなる
・根元全体に茶色い歯石が多く溜まっている
・放置すると歯がグラグラになる
そうならないためにも歯石がついたと思ったら早めに歯石除去を行うことが重要です。
歯石は固くこびりついているため、専用のスケーラーでなければ除去できません。
愛犬の歯を守るためにもできるだけ早めに動物病院の受診をお勧めします。
【犬の抜歯】歯の位置異常
犬の抜歯が行われる場合には下記のケースがあります。
・他の歯に影響が出る
・不正な歯が口の中を傷つけ、痛みがある
※乳歯遺残とは歯の生え変わる時期が過ぎても乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきて、永久歯と乳歯が併存している状態のことです。
※埋伏歯とは歯の一部や全部が顎の骨や歯茎の中に埋まって出ていない歯のことをいいます。
その中でも犬の乳歯遺残や埋伏歯のような位置異常は基本的に抜歯が必要になってきます。
しかしそれ以外の歯並びの悪さが部分的なケースでは、歯の重要性は人ほどないため、問題がないのであればそのままにされることもあります。
しっかり嚙んで食事する人と違い、犬はあまり嚙まずほとんど丸飲みにするので歯がなくても食事できます。そのためわざわざ抜歯を行わない場合もあります。
加えて歯磨きの習慣があまりないのも犬の特徴です。
歯の位置異常が原因で後に口の中の病気になるような場合には抜歯を行うケースもあります。
つまり犬の場合だと生活に支障が出ると判断されたときに抜歯を行うということです。
抜歯にかかる治療費はどのくらい?
歯周病などで抜歯が必要な場合、費用の相場は下記のとおりです。
全身麻酔代 | 15,000円程度 |
検査費用 | 10,000円~20,000円 |
抜歯費用 | 2,000円~20,000円(抜歯の本数による) |
歯石除去 | 20,000円程度 |
検査
犬の抜歯は全身麻酔です。そのため麻酔に耐えられるかどうかの検査を行います。
病院によって検査内容は異なりますが血液検査が中心です。年齢によってはレントゲンや心電図などを行う場合もあります。
検査に問題がなければ手術を行います。
手術
抜歯を行わなければいけない場合、歯石を取るだけの手術と比べてかなり高額になります。
抜歯は歯の根元を分割し歯茎から歯を剝がしながら抜いていきます。
加えて歯を抜いた後は歯茎を縫合しなければいけないように手間も時間もかかるからです。
抜歯が無く歯石除去のみであれば、およそ20,000円程度が目安です。
一方抜歯の費用は一本当たりの料金になります。
抜歯の料金は病院によって大きく異なるので確認しておきましょう。
術後は抜歯の本数や出血具合などによって入院が必要になることもあります。
また歯茎を縫合していることから痛み止めや抗生物質が処方され、退院しても通院しなければいけないこともあるためさらに治療費がプラスされます。
このように抜歯には高額な費用が必要なことが分かります。
歯周病の範囲によってはほぼ全部の歯を抜歯しなければいけないケースもあります。
費用面だけでなく愛犬にも痛くて辛い思いをさせると考えると、抜歯の手術をしなくていいように日頃から愛犬の歯の管理をしておかなければいけません。
歯周病の予防法
犬の歯周病はかかる前の予防が重要です。
犬は人と比べて歯周病になりやすいと言われています。
その理由は唾液のphが関係しています。
人の口のph値は普段はほぼ中性です。これが酸性に偏ると虫歯になります。
一方犬の口の中はアルカリ性です。そのため虫歯にはなりにくいのですが、歯石は形成されやすくなっています。
人の歯石が形成されるのに25日間かかるのに対して、犬の歯石が形成されるまでの日数はたったの3日間です。
歯周病は歯石に含まれる細菌が原因で
・『歯周炎』 歯茎が衰えたり口臭が発生する
・『歯槽膿漏』 歯茎に膿が溜まる
歯磨き習慣がなによりの予防法
犬の歯周病予防には何といっても歯磨きが第一の予防法になります。
犬が野生化で歯磨きをしなくても歯周病にかからないのは、その歯で獲物を仕留めることが理由にあげられます。
実は狩りをすることで犬は人の歯磨きと同じ効果を得ているのです。
愛玩犬として人と一緒に暮らす犬は狩りを行わないため、人が歯磨きを行ってあげなければいけません。
①獲物を捕らえたとき、犬の強いあごの力で犬歯が獲物に深く刺さる
②その際歯周ポケットの奥にまで獲物の肉が入り込み、そこについていた食べかすなどの歯垢を細菌ごとこそぎ落とす
③狩った獲物の肉は固く、前歯で細かくちぎって奥歯でしっかり嚙むことで全ての歯の歯垢が落ちる
愛犬の歯を守ってあげられるのは飼い主だけです。
そのため犬を飼い始めたら犬に歯ブラシを慣れさせておく必要があります。
歯ブラシには幼犬の頃から慣れさせておかなければいけません。大きくなってからでは拒否され、最悪噛まれることもあるからです。
犬の歯周病は歯周病菌が血管を通って体に回ると内臓疾患までも引き起こすことがある恐ろしい病気です。
犬と飼い主の歯磨き習慣で、愛犬の歯と命を守ってください。
犬の抜歯はペット保険で補償されるのか
犬が抜歯を行った場合、費用が高額になることを先述しました。
そのような時にペット保険で補償が受けられるととても助かります。
それでは犬の抜歯はペット保険で補償されるのでしょうか。
補償されるかどうかは2つの理由により異なります。
・抜歯した理由
補償対象かどうかは保険会社により異なりますが、多くの保険会社は補償対象です。一方で人気のペット保険でも歯周病を含む歯科治療を補償の対象外としていることもあります。
補償内容も保険会社ごとに違いがあるため確認しておく必要があります。
また、補償対象になるかどうかは「なぜ抜歯するのか」でも変わってきます。
抜歯が補償対象になるのは基本的には
ことが条件です。
つまり
・歯周病など病気と診断され症状があれば補償対象
・歯周病にならないための予防の歯石除去や乳歯遺残の抜歯などは補償対象外
というわけです。
抜歯には必ず全身麻酔をかけます。
全身麻酔をかけるためには術前検査を行わなければならず治療費用は安くありません。
抜歯が補償対象に含まれているペット保険に加入していると、いざ歯周病で治療費が高額になっても安心です。
犬の歯科治療を補償するペット保険をご紹介!
各保険会社がどのような対応をとっているかご紹介します。
歯科疾患を補償の対象外としていないペット保険 | 歯科疾患を補償の対象外としているペット保険 |
アイペット損害保険会社 | アクサ損害保険株式会社 |
アニコム損害保険株式会社 | au損害保険株式会社 |
ペット&ファミリー損害保険株式会社 | SBIいきいき少額短期保険株式会社 |
イーペット少額短期保険株式会社 | SBIプリズム少額短期保険株式会社 |
イオン少額短期保険株式会社 | ペッツベスト少額短期保険株式会社 |
株式会社FPC エフ・ピー・シー | 日本ペット少額短期保険株式会社 |
つばき少額短期保険株式会社 | リトルファミリー少額短期保険株式会社 |
楽天少額短期保険株式会社 | |
ペットメディカルサポート株式会社 |
詳細は各保険会社の重要事項説明書及び約款でご確認ください。また実際の保険金支払いにおいては補償範囲等、状況によって各社対応が異なる場合もあります。
例えば日本ペット少短の場合、歯周病を含め、歯に関する処置は補償対象に含まれません。しかし歯肉炎等の歯に触れない治療であれば補償されます。
よくある質問
犬の歯がぐらぐら揺れています。歯周病でしょうか?
他の原因も考えられますので出来るだけ早く動物病院で診察を受けることをお勧めします。
犬は全部の歯を抜歯してもご飯を食べれますか?
ただし歯周病を放置すると痛みでご飯を食べられないことがあります。
そのため歯周病が重症化すると歯のほとんどを抜歯する場合もあります。
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に入ることをおススメします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【犬の抜歯の費用は高い!ペット保険は使えない?】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・歯周病の治療費と予防法
・ペット保険で補償される抜歯の種類