マルチーズのなりやすい病気を解説!性格や特徴からわかる注意点
この記事では
・マルチーズの罹りやすい病気
マルチーズとは
マルチーズは最も古い歴史を持つ愛玩犬です。絹のような美しい光沢をもつ被毛の持ち主で、愛らしい顔立ちの超小型犬。
シングルコートの被毛は抜け毛が少なく、性格は飼い主大好きで甘え上手ということで、飼いやすい犬種の一つに挙げられます。
ただ、華奢な体をしており骨折や膝蓋骨脱臼、シニア犬になると心疾患にも注意が必要です。
マルチーズの特徴
マルチーズは、犬種特有の先天性・遺伝性疾患も少いのが特長です。またそれが愛玩犬として長く人気を保っている理由です。
ドッグショーなどで見かける姿は美しい被毛が床まで垂れさがり、あたかも純白のロングドレスを身に纏っているように見えます。
古い歴史の中で、ヨーロッパの貴婦人っちに「抱き犬」として愛され、「犬の貴婦人」と呼ばれてきたのも頷けます。
マルチーズの歴史
マルチーズの歴史は古く、紀元前1500年ころフェニキア人(現在のレバノンあたりで海洋貿易を主としていた民族)が貿易中継地点であった地中海のマルタ島に持ち込んだ犬種と言われています。
よって原産国は「中央地中海沿岸地域」となっています(一説にはアジアから持ち込まれた犬種ともいわれています)。
船員たちのペット的存在として共に行動していたそうで、何と、イソップ物語にも2度にわたり登場しています(No.73 イルカと猿・No.91 じゃれつく驢馬と主人)。
やがてヨーロッパに紹介され、フランスでは貴婦人たちの抱き犬として可愛がられました。また1813年にマルタ島がイギリス領土になったことにより、ビクトリア女王も愛玩犬として傍に置いたことから人気に火がつき大流行することになります。
日本では1960年代から人気が出て、1968年から1984年までの長きにわたって登録犬数トップを維持していました。
現在も人気は健在で2021年JKC(ジャパンケンネルクラブ)によるとマルチーズの登録犬数は8,886匹で第9位を占めています。10年前の2011年は8,297匹で第8位とほぼ変わっておらず、時代の波に支配されない安定した人気を誇っています。
また近年ではマルチーズのミックス犬も人気が出ています。例えばチワワとのミックスは「マルチワ」、トイプードルとのミックスは「マルプー」等と呼ばれて愛されています。
マルチーズの性格
・明るく活発
・陽気で遊び好き
・甘えん坊
・人になつきやすい。
小さく可愛らしい容姿を持ちながら、大きな犬に対しても立ち向かっていく勇敢さも持ち合わせています。
その姿はあたかも「飼い主さんを守ろうとする姿」にも見え、これはマルチーズの「あるある」です。
小さくてかわいく「箱入り娘」的にかわいがっていると、勇敢さが裏目に出て攻撃的になって噛んだり、無駄吠えが多くなるので要注意です。しつけは小さい時からきちんと行いましょう。
運動量はさほど必要ではないのですが、社会性を身に付けるために毎日散歩に出て様々なものに接する必要はあります。人や犬、車の音や自然など、小さい内からなるべく多くの経験をさせましょう。
マルチーズのサイズ
マルチーズは交配を重ねて小さいサイズを作った犬種ではなく、元々サイズの小さい愛玩犬です。
・体高:20~25㎝
・体重:2~3㎏
ペットショップなどからマルチーズを迎え入れることができるのは56日以降、約2か月位です。
その時の体重は約700グラム程度。無条件に可愛くてついつい甘やかしがちですが、ここからがスタートです。
しつけをしながら、しっかりと体重管理も行いましょう。マルチーズは肥満になりやすい犬種ともいわれています。どの犬種もそうですが、肥満は様々な病気の原因になり得ます。
マルチーズの寿命と犬の年齢(人間の年齢に換算すると?)
マルチーズの平均寿命は12~14歳(13.1歳)で全犬種中18位です。超小型犬(5㎏未満)の平均寿命は13.8歳なのでやや短いということになります。
日本ではマルチーズの寿命の最長記録は24歳(人間でいうと112歳)と報告もありますが、残念ながらギネス記録には登録されていません。
マルチーズの月齢を人間年齢に換算してみました、併せて成長レベルも記載しておきます。
月齢 | 人間年齢換算 | 成長レベル | 月齢 | 人間年齢換算 | 成長レベル |
3か月 | 4歳 | 子犬 | 6歳 | 40歳 | シニア犬 |
6か月 | 7歳半 | 子犬 | 7歳 | 44歳 | シニア犬 |
9か月 | 11歳 | 子犬 | 8歳 | 48歳 | シニア犬 |
1歳 | 15歳 | 子犬 | 9歳 | 52歳 | シニア犬 |
1歳半 | 19歳半 | 子犬 | 10歳 | 56歳 | シニア犬 |
2歳 | 23歳 | 成犬 | 11歳 | 60歳 | シニア犬 |
3歳 | 28歳 | 成犬 | 12歳 | 64歳 | シニア犬 |
4歳 | 32歳 | 成犬 | 13歳 | 68歳 | シニア犬 |
5歳 | 36歳 | 成犬 | 14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳⇒76歳・16歳⇒80歳・17歳⇒84歳というように犬年齢が1歳上がると人に換算した年齢は4歳上がっていきます。
上記の表のように小型犬は2歳で大人になり、6歳でシニア期に入ります。平均寿命を過ぎるころから高齢犬になります。
マルチーズのかかりやすい病気
マルチーズは遺伝性疾患や先天性疾患も比較的少なく、病気にはかかりにくい犬種ですが以下の疾患には注意が必要です。
なりやすい病気は遺伝的要素の大きい疾患なので常日頃から気を付けておくことで早期に発見が可能です。
マルチーズがなりやすい病気①「心臓病」
マルチーズは。ほかの犬種に比べて心臓病に罹りやすい犬種です。
心臓病の中でも多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」で、他の高齢の小型犬にもよくみられる疾患です。心臓の左心室と左心房の間にある僧帽弁が上手く閉じなくなり血液が逆流する病気です。
しかし、逆流していると聴診で「心雑音」として異常が発見できるので、きちんと健康診断を受けていれば早期に発見できる病気でもあります。
高齢のマルチーズでは程度の差はあるものの、7~8割程度が発症すると言われています。6~7歳くらいで発症することもあり、10歳くらいからは増加していきます。
なるべく早期に発見して、内服治療を開始すると進行を緩やかにすることができます。
マルチーズがなりやすい病気②「流涙症」「涙やけ」
被毛の白い犬は特に目立つ涙やけ。目の周りの毛が赤茶色になっているのを見かけることがあるでしょう。
犬の涙はもともと透明なのですが、毛についたままにしておくと酸化や細菌の増殖によって涙の付着している部分が鉄錆色に変色します。この変色を防ぐにはこまめにふき取ることが大切です。
犬の目は表面を涙で覆われていますが、その涙を排泄する流涙管に何らかの異常があるとその中にうまく流れ込めず外に溢れ出てしまいます。原因は様々ですが、病気が原因となっているものもあり、治療が必要な場合もあります。
流涙症の原因としては
・機械的刺激によるもの
・構造的欠陥(鼻涙管閉塞 等)
・眼瞼内反症 等
※ 解剖学的に「短い鼻・異常に狭く湾曲した涙管・前面に突出した目」を持つ犬は、涙やけが起こりやすく、マルチーズも涙焼けを起こしやすい犬種の一つです。
マルチーズがなりやすい病気③「膝蓋骨脱臼(パテラ)」
小型犬全般に注意が必要な疾患です。先天的に骨格や靭帯・筋肉などに異常がある場合が多いと言われています。
膝のお皿(膝蓋骨)がずれてしまうことで、足に力が入らなくなったり痛みを感じて歩行に支障をきたすのですが、初期では簡単に元に戻すことができます。
繰り返す頻度が多い場合や、症状がひどい場合は手術が必要となります。
マルチーズがなりやすい病気④「外耳炎」
垂れ耳の犬は外耳炎になりやすくなります。耳の通気性が悪いため、様々な原因で発症します。
主な原因は次の通りです。
・細菌や真菌の増殖
・耳ダニなどの寄生虫
・アレルギー
・異物の混入 等
耳を後ろ足で掻く仕草や、首をブルブルとふる、耳の毛が抜ける場合も外耳炎が疑われます。
上記の原因のに加えて耳毛の多い犬種は外耳炎になりやすく、シングルコートの犬種(トイプードル、シーズー、マルチーズ等)は耳毛が多い犬種です。
耳垢が増えてきたり、特に黒っぽい耳垢がでてきたり、悪臭がするようであれば早めに動物病院で診てもらいましょう。
犬の外耳は複雑な構造をしており、きちんと診察をしてもらうことが大切です。
マルチーズにおすすめの保険は?
ここではマルチーズに合ったおすすめのペット保険、比較・選び方について解説します。
全てのペット保険で補償の対象外である去勢の費用等の項目は除き、あくまで保険会社・プランで差別化になるポイントに絞って解説します。
他サイトのようなランキング形式ではなく、あくまでマルチーズ目線で解説していきます。
マルチーズのペット保険加入の選び方のポイント
①マルチーズのなりやすい病気が補償されるか確認
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・涙やけ
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
③更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
④通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも手術は他社と比較しても手厚いか
①マルチーズのなりやすい病気が補償されるか確認
ペット保険は保険会社によって補償する病気や、補償の対象外となる項目が異なります。
中にはマルチーズがなりやすい高額治療が必要なパテラを補償の対象外としているペット保険も存在します。例えば「プリズムコール」や「日本ペット少額短期保険:いぬとねこの保険」ではパテラが補償の対象外です。
特に下記の傷病・疾患は保険会社によって補償されるかが異なりますので、必ず保険約款や重要事項説明書を確認することをおすすめします。
また公式HPでも「保険金のお支払いできない事例」の中に記載されていることがほとんどですので必ず確認しましょう。
・涙やけ
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
全てのペット保険で加入前に発症している先天性、遺伝性疾患は基本的には補償の対象外となってしまいますが、加入後に発症した先天性、遺伝性疾患を補償するかどうかは保険会社によって異なります。
こちらも併せて公式HP内の「保険金をお支払いできない事例」や保険約款・重要事項説明書を確認しましょう。
③通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも手術補償の手厚さを重視するのがおすすめ
マルチーズがなりやすい病気である「外耳炎」「僧帽弁閉鎖不全症」は、長期もしくは複数回の治療が必要になる疾患です。また「膝蓋骨脱臼(パテラ)」は手術を必要とすることもあり、高額になりやすい病気です。
そのため、マルチーズには「通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険」に加入することがおすすめです。
また、膝蓋骨脱臼(パテラ)は平均手術費用が約22万円、骨折でも10万円以上かかることが多いことから、マルチーズにはフルカバー型の中でも手術補償が他社より手厚いペット保険に加入することをおすすめします。
特に
④更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
ほとんどのペット保険が一年契約となっており、契約を毎年更新していくことで終身の補償となっています。
つまり、ペット保険に加入すると毎年契約更新の審査があります。
中には「前年度にかかった傷病や慢性疾患」等の、特に治る見込みが少ない、再発の可能性が高い慢性疾患を、更新の際に「来年度から補償の対象外とします。」と条件を付け加えてくる保険会社があります。
もちろん中には「更新の際に条件を付け加えることはありません」といった記載をしているペット保険もあります。
マルチーズがなりやすい「僧帽弁閉鎖不全症」はかかってしまったら一生の付き合いが必要な病気です。
加入を検討しているペット保険会社の「更新時の対応」についても必ず確認することをおすすめします。
また、ペット保険比較アドバイザーではそういった情報も一つの記事内でまとめていますのでぜひ一度ご確認ください。
トイプードルにおすすめのペット保険をご紹介!
最後に、今回ペット保険比較アドバイザーではポメラニアンにおすすめのペット保険を2社ご紹介します。
おすすめの理由としては上記で説明したマルチーズのペット保険の選び方、ポイントや条件をすべて満たしているからです。
一部PS保険は手術の補償金額が1回あたり最大10万円だったり不安な点はありますが、先天性疾患や更新時の対応が他社より優れています。
ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。
あくまで参考ですが、保険料重視であればPS保険、補償内容重視であればアニコム(ふぁみりぃ)に加入することをおすすめします。
メリット | デメリット | |
・複数回通院にも強い ・手術は一回当たり最大14万円まで補償(補償割合70%プラン) |
保険料が高い
※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】 |
|
保険料が安い | ・1つの病気に対しての限度額・回数があり (更新時にリセットされない) ・手術は一回当たり最大10万円まで |
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。
補償内容やそれぞれのデメリット等がより気になる場合は下記の記事を参考にしてください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
マルチーズの値段はいくらくらいなのでしょうか。
マルチーズの黒い鼻がだんだん色が薄れてきました。何か病気なのでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に入ることをおススメします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【マルチーズの特徴や病気】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・マルチーズの罹りやすい病気