猫にフケが出る病気とは?原因や自宅でできる対処法も解説!

猫のフケについて解説します。フケの原因になる病気や、病気以外の原因も解説します。併せてフケの予防に有効なお手入れについても解説します。
猫も人も、皮膚トラブルの1つの症状としてフケが出ることがあります。
しかしフケは正しい治療や生活環境の見直しにより、多くは改善する傾向にあるため、正しい知識を身につけることが大切です。

この記事では


・猫にフケが出る病気と治療
・猫にフケが出やすくなる飼育環境と理由
・猫のフケの予防と対策

について解説します。
最後までお読みいただければ、「猫のフケ」がわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

「猫のフケ」とは

フケとは古くなった角質(皮膚を構成している層の一番上)が剥がれ落ちたもので、白い粉のようなものです。

皮膚は大きく分けると3層に分かれており一番上(表面)から表皮、真皮、皮下組織となっています。

フケが目立つのはこの表皮の一番上、角層にある角質が過剰に剥がれ落ちたことが原因です。

 

猫のフケの原因とは?

猫からフケが出る原因はストレスから病気まで様々です。

今回は病気以外でフケが見られる原因を5つ解説します。

 

猫のフケ原因①乾燥

猫の皮膚も人と同じように乾燥するとフケが出やすくなります。

皮膚の乾燥によりフケが出やすくなる理由は皮膚のターンオーバー(古い細胞や組織が新しく作られた細胞や組織と入れ替わること)です。

ターンオーバーは皮膚の水分や油分が不足し乾燥することでも早くなります。

この早い方向に乱れてしまったターンオーバーによって、剥がれ落ちる皮膚の量が増え、フケが多く出るようになります。

 

猫のフケ原因②不適切なスキンケア

本来、猫はフケが目立つ動物ではありません。

なぜなら猫は自ら毛づくろいを行い、その際に細かいフケも一緒に掃除ができるので目立ちません

しかし中にはあまり毛づくろいをしない猫もいます。

毛づくろいをしないとフケの掃除もできないため、体に残り目立ちやすくなります。

また飼い主さんのブラッシングする力が強すぎたり、頻繁にやりすぎてしまうと皮膚を刺激しすぎてしまい、ターンオーバーの乱れによりフケが増えることがあります。

逆に飼い主さんが全くブラッシングをしない場合もフケが目立つことになるので、適切なブラッシングが必要です。

 

のフケ原因③ストレス

猫のフケはストレスでも増えます。

原因はストレスにより免疫力が下がり、皮膚のバリア機能が落ちたり、心を落ち着かせるために過剰に毛づくろいをしてしまうことなどが考えられます

 

猫のフケ原因④フードや栄養素

フードや栄養素に偏りがあると皮膚の健康維持に必要な栄養が足りなくなり、フケが出やすくなります

また、栄養素に偏りがなくてもフードに使われている食材にアレルギーが有る場合ではアレルギー性皮膚炎を発症し、フケが増えることがあります。

 

猫のフケ原因⑤加齢

加齢や老化によってもフケが出やすくなるなります。

理由は皮脂の分泌量の減少です。

加齢により皮脂の分泌量が減少すると、皮膚の油分が減り水分が奪われ皮膚が乾燥をしやすい状態になります。

皮膚の乾燥はフケを増やす原因の1つなので、フケが出やすくなるのです。

 

猫のフケの原因となる病気とは?

猫の病気の中で「フケが出る」という症状を表すものは多様です。

今回はフケが出る症状の中でよく見られる病気を3つ解説します。

 

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎とはアレルゲン(アレルギーの原因物質)に触れたり、摂取することによって発症します。

アレルゲンとなるものは猫によって違いますが、代表的なのは

・特定のタンパク質(牛肉、乳製品、穀類、鶏肉、卵など)
・花粉
・ホコリやハウスダスト
・ノミやダニ

などがあります。

アレルギー性皮膚炎の初期症状の多くは痒みです。

症状が悪化すると

・毛が抜ける
・痒みからくる引っ掻き傷
・傷口から細菌などのが感染して起こる化膿性の皮膚炎

などがあります。

 

寄生虫による皮膚炎

猫に寄生する寄生虫は多種多様ですが、中でも皮膚炎を引き起こす代表的な寄生虫は以下のものが有名です。

・猫小穿孔ヒゼンダニ
・ネコツメダニ
・イヌノミ
・ネコノミ
・ネコハジラミ

猫小穿孔ヒゼンダニによる疥癬症は激しい痒みが特徴です。また、湿疹やかさぶたを伴う抜け毛や大量のフケが見られます。

ネコツメダニによるツメダニ症ではかゆみの程度は様々です。しかし、体幹部や背中にフケが見られ、皮膚に小さなブツブツやかさぶたが見られることがあります。

イヌノミやネコノミの場合、痒みはありますが大きな皮膚トラブルになることは少ないです。

しかしノミアレルギーを発症してしまった場合は、アレルギー皮膚炎を発症しフケが増え抜け毛が見られます。

ネコハジラミによるシラミ症の症状は背中部分のフケを伴う皮膚炎です。痒みの有無は個体差があり、稀に皮膚にブツブツができることもあります。

またノミ取り櫛で毛を梳いたときに白い粒粒した卵が取れるので見分けることができます。

しかし現在はシラミ症自体が稀な病気で、健康な猫、清潔な環境で飼われている猫にはまず見られることはないでしょう。

これらの寄生虫は駆虫薬の投与で治療が可能です。

しかし多頭飼育の場合は他の猫にも感染ってしまうので、感染防止のため症状がなくても同時に治療を進めていく必要があります。

また寄生虫はカーペットやクッション、ブラシの汚れの中などにも潜んでいるため、猫が使っている物全てを清潔にすることも重要です。

 

真菌による皮膚炎

寄生虫と同様、猫に寄生する真菌(カビ)は多種多様です。

中でもカビが起こす皮膚炎として代表的な皮膚糸状菌症は、皮膚の常在菌の1つである皮膚糸状菌が過剰に繁殖することで発症します。

皮膚糸状菌症の主な症状は

・円形の脱毛
・湿疹
・フケ

などがあります。

治療は症状の進行具合に応じて

・毛刈り
・シャンプー
・塗り薬
・内服薬

などが選択されます。

また、皮膚糸状菌症は感染性があるため他の犬や猫、人にへの感染への注意が必要です。

 

猫のフケの予防と対策

フケの予防と対策には、猫の皮膚を清潔に保ち適度な油分と水分のバランスを保つことが大切です。

ここからは自宅でできる猫のフケ予防と対処法を5つ解説します。

 

シャンプー

シャンプーはフケの予防と対策に効果的ですが、いくつか注意点があります。

まず使うシャンプーは猫用の低刺激シャンプーにしてください。

人間用のシャンプーは猫の皮膚には刺激が強すぎるため使用は厳禁です。

またシャンプーはしっかりと洗い流し、すすぎ残しがないようにして素早く乾燥させてください。

すすぎ残しや濡れたままの放置は肌荒れや雑菌の繁殖の原因になるため、暴れてしまう猫の場合は無理に行う必要はないでしょう。

シャンプーの頻度は1〜2ヶ月に1回程度が目安になります。

洗いすぎは逆に皮膚の油分を奪いすぎてしまうので注意が必要です。

 

ブラッシング

ブラッシングも猫の皮膚を健康に保つために効果的です。

ブラッシングは毎日行っても問題ありませんが、力を入れすぎてしまうと逆に皮膚を傷つけてしまうことがあるので、優しく行ってあげてください。

また、猫に皮膚炎がある場合は症状を悪化させてしまうので避けましょう。

 

加湿

空気の乾燥は皮膚の乾燥を招くので、加湿器で部屋を加湿することも有効です。

空気の乾燥は冬と思われがちですが、夏もクーラーを長時間使用している部屋は乾燥してしまう場合があります。

 

キャットフード

キャットフードに含まれている栄養素や添加物、食材などが猫の体に合わないとアレルギー反応が起き、フケが増えてしまう場合があります。

そのため餌を変えてみるのも1つの選択肢になります。

しかし、猫のフケが本当に食事からくるものなのか一度獣医師に相談してから変更するようにしてください

 

ストレス軽減

ストレスは猫の免疫力を弱めてしまい、皮膚トラブルの原因にもなります。

ストレスがたまらないように上下運動ができるスペースを確保したり、おもちゃを使って遊んだりして、猫が遊びながら運動できる環境を整える必要があります。

また、猫が1人で落ち着ける場所も同時に用意してあげましょう。

 

よくある質問

猫は腎臓病になるとフケが増えるの?

絶対ではありませんが増える可能性が高いです。
慢性腎不全になると様々な症状が現れるようになり、その中の1つに毛艶が失われるというものがあります。
毛艶が悪い状態というのは、しっぽや背中の毛のベタつき、毛が固まるといった状態です。
このように皮膚の健康が損なわれている状態ではフケの量は増える傾向にあります。

猫のふけが多くなる時期はあるの?

フケが出やすい時期は一般的には冬だと言われています。
理由は空気の乾燥が皮膚の乾燥を招くからだと言われています。
しかし最近では、猛暑の影響から夏のクーラーの使用時間が長くなり、それによって部屋が乾燥することも多くなりました。
そのため、夏でも長時間クーラーを使用する際には加湿にも気を配ってあげると良いでしょう。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

 

補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう

ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。

そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。

また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。

また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。

「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。

補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。しかし保険料も高くなり補償内容のグレードも普通のプランより下がってしまいます。

高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。

 

【猫のフケ】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・猫のフケは病気が原因のものと生活環境が問題のものに分かれ、病気のものは治療は必要になること
・フケの原因によっては飼育環境を整えることで改善するものもあること
・感染症が原因のフケは人や他の動物にも伝染る可能性があるため早期&同時の治療が必要になること
について解説してきました。
フケは猫自身が健康ならば目立つものではありません。また早期に治療を行えば完治するものも多くあります。
早期治療には早期発見が欠かせないので、ブラッシングやスキンシップを通して皮膚の状態を観察しておくことが大切です。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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