シェルティ売れ残りの原因は何?禁止されている交配についても解説!
この記事では
・ペットを取り巻く状況について
・シェルティレスキューについて
・禁止されいる交配「ダブルマール」について
シェルティの子犬はどこから迎える? ペットショップvsブリーダー
みなさんはシェルティの子犬を迎えたいと思った時、どこへ行きますか?
ペットショップ?
それともブリーダーから直接迎えますか?
シェルティの子犬の迎え方~①ペットショップ
「子犬を迎えたい」「シェルティが欲しい」と思ったらまずペットショップへ行く人が多いでしょう。
ペットショップで販売されている子犬は「契約しているブリーダーから入手」「オークションで落札する」という経路を経てペットショップに並んでいます。
【メリット】
・簡単に入手できる
・もし店頭にいなくても系列店などで探してもらえる
・気に入った子がいたら、家族や友人と何度も気軽に見に行ける
【デメリット】
・両親や兄弟犬についての情報がほとんどない
・飼育されていた環境が分からない
・シェルティについて詳しい情報をもっている人がいない場合が多い
子犬の迎え方~②ブリーダーから直接入手
【メリット】
・実際に暮らしている環境を見ることができる
・兄弟犬や親犬をみることができる 将来的な大きさや被毛の色が想像できる
・飼育に関する相談をすることができる
【デメリット】
・近くにブリーダーがいない可能性もある
・直接犬舎まで出向いていかなくてはならない
・良心的なブルーダーかどうか見極める目も必要
ブリーダーの多くはその犬種を愛し、真剣に繁殖に取り組んでいます。
しかし、中には劣悪な環境の中で繁殖を繰り返しているブリーダーもいます。
義務づけられているワクチン接種を行っていなかったり、けがや病気の治療を行っていない例もあります。
国民生活センターに寄せられるものにはブリーダーがらみの相談も年々増加傾向にあるようです。
悪徳ブリーダーと言われる一部のブリーダーの中には犬舎の見学や飼育状況を見学することを拒否する人もいます。
実際に犬舎を見て、直接ブリーダーさんと話すことで、ある程度繁殖に真剣に取り組んでいる人か、そうでない人がが判断できるでしょう。
また「繁殖に役にたたない」と、リタイアした犬たちを倉庫に閉じ込め劣悪な環境にさらしている悪徳ブリーダーもいます。
シェルティの迎え方~③ネットで探す
お近くでブリーダーさんが見つけられない場合、ネットで探すのも一つの選択肢です。ネットで探した上で、直接犬舎を訪問します。
ネットでは・・・と不安に思われる方もおられるかもしれませんが、2019年の動物愛護法の改正で「犬の販売場所は動物取扱業者の事業所のみで可能(個体確認、対面説明が必要・契約はネット上でも可 契約後は空輸も可)になりました。
つまり、迎えたい子犬の犬舎に直接出向いて実際の固体を見て、説明を受け、迎えるかどうかを判断することになります。
ネットで探す場合、子犬の情報だけでなくブリーダーや犬舎の紹介なども併せて行っている方とコンタクトをとることをお勧めします。
手間はかかりますが、実際に繁殖の犬舎を見学することで安心材料になるでしょう。
近年「動物愛護管理法」の改正などがあり、ペットをとりまく環境は少しずつではありますが、進歩してきています。
同時に「悪徳ブリーダー」が摘発されるニュースが目に付くようになりました。
悪徳ブリーダーと言われる一例(朝日新聞DEGITAL):2021.9月に摘発されたブリーダー組織では1000匹以上の犬を劣悪な環境の中で繁殖させていたという衝撃的なニュースもありました。
ここで繁殖された犬たちもオークションに出されれば落札され、普通にペットショップで販売されます。
いかがでしょうか?不安になりませんか?
コロナ禍にあるここ数年、「巣ごもり需要」という現象の中でペットをご家庭に迎える人が増えています。需要が増えペットの価格も高騰しています。この流れの中で、上記の摘発されたブリーダーのように「販売する」ことに重点をおいた乱繁殖が行われることが懸念されます。
ペットを取り巻く状況
近年ペット関連の法改正が少しずつ進んできています。
ペットに関する法改正
動物にまつわる法改正の中で、飼育頭数の制限や母犬の出産回数の制限などが盛り込まれました。
犬は季節繁殖ではなく、個体差がありますが6~10ヶ月で発情を繰り返します。妊娠から63日で出産します。
令和3年環境省令第七号により「生涯出産回数を6回まで、交配時の年齢は6歳以下(7歳に達した時点で出産回数が6回以下なら7歳まで可)
と定められました。
高齢になると難産や先天性疾患、奇形児が生まれるなど出産のリスクが上がるので、母体保護の上で大きな意味があるといえるでしょう。
繁殖の役割を終えた母犬も、奇形や障害を持って生まれた子たちも、ブリーダーには愛情をもって終生飼育する義務があります。食事代、ワクチン接種、病気の治療費などなどの経費もかさみます。多くを抱えすぎるとブリーダーも大変で、最悪崩壊することになってしまいます。
シェルティの売れ残りの原因は遺伝性疾患?
シェルティの売れ残りはあまり見聞きしませんが全くいないわけでもありません。
【売れ残りの原因】
・見た目の問題(可愛さ 大きさ):小さい子は比較的人気ですが、大きい子はやや人気薄です。シェルティはもともと体重のばらつきがあり、ペットショップでは比較対象がないためわかりづらい面もあります。ブリーダーさんから入手するときは親犬や兄弟犬からの情報もあるのでおおよその推測が可能です。
・皮膚炎を起こしている子
・遺伝性疾患:家族性皮膚筋炎(紅斑 脱毛 潰瘍 痂疲 咬筋や側頭筋の委縮を認められることもある)
・槍状歯(ランスティース)歯が上ではなく前面に向いて生えている(シェルティの遺伝性疾患)
繁殖に真剣に取り組んでいるブリーダーさんは繁殖に使用する犬たちの遺伝子検査もきちんと行っています。それらの情報収集もしておきましょう。
何らかの遺伝性疾患が発覚した場合、その犬は繁殖に使わないようにするべきですが、一部の悪徳ブリーダーは黙認して繁殖に供しています。
ブリーダーが崩壊したらどうなる?
崩壊したブリーダーの元にいた犬たちは様々な形で新しい飼い主さんのもとにたどり着きます。
・販売
・里親探し
過去には面倒を見られなくなった犬たちを山奥に放棄したというニュースもありました。
そのようなことが起こらないようにシェルティの場合はシェルティレスキューという保護団体が存在します。発足前ころ、関西と関東(千葉)でブリーダーの崩壊があり、そのときのシェルティも数頭保護しています。
シェルティレスキューとは
2009年発足したシェルティレスキューはシェットランドシープドッグ・コリーの救護ボランティア団体で、行き場をなくしたシェルティの保護と飼い主探し、啓蒙活動などをおこなっています。
このように単犬種レスキューを行っている団体はいくつかあるようです。単犬種に固執するのは「特にその犬種に愛着を持っている人達」が中心になって活動しているからです。
シェルティも然り。「せめてシェルティだけでも・・・」という気持ちの表れなのです。
シェルティレスキューでは
・シェルティの情報収集
・保護の必要なシェルティを救護
・シェルティ愛好家などボランティアさんのもとで心と体のケアを行い里親さんに迎えてもらう準備
・送り出せる状態になったら里親さん募集・譲渡会などを行う
・譲渡後のバックアップなども行う
このような活動のもと、行き場を失ったシェルティは再び温かいご家庭に引き取られていきます。
知っておきたい!シェルティの禁じられている交配とは
シェルティの魅力の一つはその美しい毛色にあります。
【JKCで認められている毛色】
・セーブル(茶色っぽい色、一番なじみのる色)
・トライカラー(ブラック・ホワイト・タン)
・バイブラック(ブラック&ホワイト)
・ブラック&タン
・ブルーマール(正式にはブルーマール&ホワイト&タン)
ここで注目したいのがブルーマールという色です(下記画像がブルーマール)。
ブルーマールは「マール遺伝子」という特殊な遺伝子を持っています。
マール遺伝子とは
被毛の色に関して言えば、もともとの色を希釈する遺伝子です。本来の黒色に作用すると青みがかったシルバーになります。
マール遺伝子は胎生期にメラニン細胞が正しく分布されないように働きかける遺伝子で、どこの色が抜けるのかランダムなため個体差があります。
成長の過程で色の抜けている部分が無くなったり、毛色に影響が出ない場合もあります。虹彩の色にも影響を及ぼし、ブルーの目をした個体も存在します。
特記すべきは「ブルーマール」×「ブルーマール」の交配で「ダブルマール」と言います。
ブルーマールの犬自体には重大な障害は出ないようですが、問題は接合する遺伝子で、「マール遺伝子」が2つ重なった場合、重大な障害が発症する危険性が極めて高いため禁止されている交配です。
単に確立だけの話をするとブルーマール同士の交配で生まれる子は
・50%がブルーマール
・25%がマールではない
・25%がダブルマール
ダブルマールの悲劇
ダブルマールがみんな障害があるわけではないのですが、危険性が大きいために禁止されている交配です。
皆さんは白いシェルティを見かけたことがありますか?
白い色の犬はたくさんいると思いますが、白いシェルティは確実にダブルマールです。
・死亡率が高い(死産含む)
・白が多い毛色
・難聴もしくは耳が聞こえない
・無眼球・小眼球症・目が見えない
・体が弱い
・奇形
・心臓の奇形
かつてはレアカラーの白いシェルティを求め、またブルーの目を求めて知識のないまま繁殖を行い多くの犠牲を出していました。
また、知識があっても美しいブルーマールの毛色を求めて繁殖を行っていたブリーダーもいます。
ブルーマールの中でも茶色の発色のないバイブルー(ブルーマール&ホワイト)と言いかなりのレアカラーです。
人間が勝手に作り出す交配の犠牲に多くのシェルティが苦しみました。
ブルーマールの子犬を探しておられる方、また繁殖を希望されている方は、マール遺伝子を持つ犬同士の交配は行ってはならないことを覚えておきましょう。
よくある質問
シェルティは一度に何匹の子供を産みますか?
犬の交配確率はどれくらいでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【シェルティ売れ残りの原因は何?禁止されている交配についても解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ペットを取り巻く状況
・シェルティレスキューの活動
・シェルティの禁止されている交配