この記事では
・猫の乳腺腫瘍の治療方法や治療費用
乳がんで苦しむ猫をゼロにする「キャットリボン運動」とは
キャットリボン運動とはJVCOG(一般社団法人日本獣医がん臨床研究グループ)が運営している猫の乳がん予防啓発プロジェクトです。
乳がんで苦しむ猫をゼロにすることを目標に立ち上げられました。
このプロジェクトを通して、
・乳がんの予防や早期発見、早期治療
などをしっかり理解できるようサポートしています。まだあまり知られていない猫の乳がんの事実を多くの方に知ってもらうことが、キャットリボン運動の主な活動です。
2019年9月1日にはキャットリボン運動公式ホームページが公開され、猫の乳がんの基礎知識や早期発見方法などが紹介されています。
猫の乳腺腫瘍とは?原因や症状、見分け方を詳しく解説!
猫の乳腺は前足の付け根から後ろ足の付け根まで左右4つ、合計8つあります。その乳腺にできる腫瘍を「乳腺腫瘍」といいます。
・1つのこともあるが、60%は複数の乳腺に発症
・乳腺にできたしこりの約8割が悪性
・できる場所は様々だが、内股に近い方や乳首に近い部位に発症する傾向がある
猫の乳腺腫瘍は症状が分かりにくく、腫瘍が大きくなるまで気づきにくいことが多くあります。
脇の下や足のつけ根が触ってわかるほど腫れて腫瘍に気づき、治療を行う頃にはかなり進行しているケースも少なくありません。中には皮膚が破けて出血してしまうこともあります。
乳腺腫瘍は肺やリンパ節に転移しやすく、しこりが2㎝以内で発見されるかどうかがその後に大きく影響します。
早期発見、早期治療が重要な疾患です。
猫の乳腺腫瘍とは?レントゲン等の検査方法も解説!
猫の乳腺腫瘍では主に
・腫瘍の細胞診
・リンパ節の超音波検査
・肺のレントゲン検査
・手術で切除した腫瘍の病理検査
などの検査を行います。ほかにも必要に応じて血液検査や尿検査が行われる場合もあります。
リンパ節の触診
触診でしこりの位置や大まかな大きさを確認します。
腫瘍の細胞診
しこりの一部を針で吸引し、採れた細胞を顕微鏡で観察する検査です。
この検査で確定診断はできませんが、
・悪性の可能性が高いかどうかを知ることができる
・乳腺の部分にある皮膚腫瘍のケースもある
ため、鑑別のためには不可欠な検査です。
リンパ節の超音波検査
リンパ節への転移がないか確認できます。
肺のレントゲン検査
リンパ節同様、肺に転移がないかレントゲンで確認します。
手術で切除した腫瘍の病理検査
病理検査で確定診断となります。がん(悪性)かどうかが分かり、抗がん剤の投与など今後の治療方法の目安になります。
乳腺腫瘍の原因は?高齢や避妊手術をしていない等の原因を解説
猫が乳腺腫瘍になる原因ははっきりとは解明されていません。
ただし一説として
・発情を迎える前に避妊手術を行った猫では発症率が1/7になる
猫の乳腺腫瘍の症状は?腫瘍の大きさやリンパ節への転移も解説!
猫の乳腺腫瘍の初期症状は、しこり以外に大きくわかりやすいものがありません。しこりも皮膚の下に数ミリ程度と小さく、目視で見つけることは困難な大きさです。
しっかりと触って小さなコリコリが確認できる程度なため初期症状は気づきにくいといわれます。
症状が進行して
・体重減少
など体調の変化が現れます。
このころには腫瘍の表面は潰瘍化し、
・痛みを感じて猫がなめたり気にするしぐさを見せる
・皮膚が破れて細菌感染をおこし強いにおいを発する
などがみられます。
先述したように乳腺腫瘍は転移のリスクが非常に高く、腫瘍を発見した時には既に20~40%がリンパ節に転移しているといわれています。
乳腺腫瘍のステージ分け
猫の乳腺腫瘍は
・リンパ節への転移
・他臓器への転移
の進行状況によりステージ分けされます。これらの評価で治療目的を明確にし、治療方針を決定します。
ステージ | 腫瘍の大きさ | リンパ節への転移 | 多臓器への転移 |
---|---|---|---|
ステージ1 | 2cm未満 | 転移なし | 転移なし |
ステージ2 | 2〜3cm | 転移なし | 転移なし |
ステージ3 | 2~3cm | 転移あり | 転移なし |
3cm以上(リンパ節の転移ありなしにかかわらず) | |||
ステージ4 | 腫瘍が大小関わらず多臓器への転移(特に肺)が認められる |
乳腺腫瘍の予後は
・腫瘍の大きさ
・リンパ節への転移
・組織的に悪性度が高いか
で決まります。
多くは腫瘍が3㎝以上になるとリンパ節へ転移している可能性が高くなり、予後が悪いとされます。一方で腫瘍の大きさが1㎝以下でも悪性度が高いと進行も早く、予後が良くないケースもあります。
そのため腫瘍が小さいからと油断しないよう注意が必要です。
猫の乳腺腫瘍の治療法、治療費用、予防法を詳しく紹介!
猫の乳腺腫瘍の治療法は
・または反対側の乳腺も切除
乳腺腫瘍の腫瘍切除等の治療費、手術費用を紹介!
アニコム損保「家庭どうぶつ白書2019」によると、
・全部切除
・部分的に切除
診療項目 | 費用 |
---|---|
診察 | 10,000~15,000円 |
検査 | 15,000~20,000円 |
手術 | 部分切除:30,000~60,000円 |
片側乳腺切除:100,000円程度 | |
全乳腺切除:200,000円程度 | |
全身麻酔 | 5,000円~13,000円 |
入院(1日) | 2,000円~3,000円 |
病理検査 | 5,000円~15,000円 |
入院や手術の後には抗がん剤などの治療が必要なこともあり、さらに治療費が上がります。
このことから猫の乳腺腫瘍は治療費が高額になる可能性が高い疾患であることが分かります。
猫の乳腺腫瘍の予防法は?動物病院を受診して早期発見しよう
猫の乳腺腫瘍の一番の予防法は
・1歳未満だと86%減少
との報告があります。
一方で生後24か月以降の避妊手術は乳腺腫瘍の予防効果が認められないとされています。獣医師が早期の避妊手術を推奨するのはこのためです。
それでも避妊手術をすれば、どの月齢に限らず乳腺腫瘍の発生を40%~60%減少させる報告もあります。
そのため出産させる予定がなければ、2歳を過ぎていてもあきらめず避妊をしてあげることが重要です。
セルフチェックで早期発見を!
乳腺腫瘍は早期に発見すれば重篤化を防ぐことができます。
重篤化を防ぐためには
必要があります。
乳腺腫瘍は症状が出にくいため、見つけた時にはしこりも大きく転移していることも少なくありません。
早期で発見するためにもセルフチェックを行いましょう。
キャットリボン運動運営HPでは「セルフチェックの方法」をご紹介しています。
【セルフチェックの方法】
①愛猫を胸からお腹が触れる体制にします。仰向けがベストですが嫌がるようなら触れる体制であればなんでもOKです。
②おっぱいの周りや脇の下から足の付け根まで、広い範囲を チェックします。
③上から下に向かって右側・左側と順に行い、もれがないようにチェックしましょう。
セルフチェックは
・愛猫の機嫌がいいとき
・遊んでほしそうな時やかまってほしそうな時
のタイミングで行います。途中で猫が嫌がるようなら無理に続けず、次回行うようにしましょう。
スキンシップを取りながら行うことで、愛猫も楽しく腫瘍の確認ができます。
乳腺腫瘍になりやすい猫種や年齢、性別はある?
乳腺腫瘍にかかりやすいのは圧倒的に
・日本猫
猫の乳腺腫瘍は完治する?再発や転移はせず、予後が良好なのか
悪性の乳腺腫瘍を含めたガンには再発や転移の可能性があるため、症状がなくなり治ったように見えても完治したとは言えません。
そのため
といわれます。
また犬や猫のガンは人よりも転移しやいことで知られています。治療後の再発率はおよそ50%と高い確率です。
中でも猫の乳腺腫瘍は湿潤性(その場で広がっていく性質)が高く、しこりが見つかった時点で転移していることが多くあります。
猫の乳腺腫瘍は再発後の治療が難しいといわれていることから
・セルフチェックで早期発見に努める
【完治と完解の違い】
・「完治」 病気や怪我が完全に治り、以前の状態にまで戻ること。
・「完解」 病気や怪我が一時的によくなり、症状が抑えられていること。
猫におすすめのペット保険は?
最後に、今回ペット保険比較アドバイザーでは猫の腎不全におすすめのペット保険を紹介します。
おすすめの理由としては
・通院、手術、入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも通院補償に手厚い
・付帯サービスで腎不全の早期発見、治療に役立つ簡易的な健康診断が自宅でできる
また付帯サービスで「腸内フローラ測定」を年一無料で行えるため、猫の死因ランキング1位である腎不全の予防・早期発見できる他、外出しずらい猫には有効な健康チェックでき、測定結果によっては血液検査も無料で受けることができます。
アニコム損保は入ると健康になる「予防型保険」を目指しており、この点が多くのペット保険と違う点で、そもそも病気にさせたくないと考える飼い主様にはアニコムがおすすめです。
「ふぁみりい」は7歳11か月までの猫さんしか加入できませんが、「しにあ」では7歳以上であれば全ての猫さんが加入でき、「しにあ」でも腸内フローラ測定が年一回無料で受けられます。
メリット | デメリット | |
・歯科治療も補償 ・「腸内フローラ測定」等の予防型サービスも付帯 ・通院は一日当たり14,000円×年20日まで補償(補償割合70%プラン) |
保険料が高い 保険金請求回数に応じた保険料割増制度あり |
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
予防や早期発見に!毎年受けられる「腸内フローラ測定」
アニコム損保:腸内フローラの結果表示のサンプルページ
アニコム損保に加入すると「腸内フローラ測定」が毎年無料で受けられます。有料でも検査キットを販売していますが、8,800円(税込)かかります。
ペットの腸内を検査し、腸内に存在する菌の状態や環境を測定することで健康状態の確認ができるという優れものです。
犬の場合は「アレルギー体質チェック」、猫の場合は「腎臓チェック」等ができます。特に猫の場合は腎不全の予防に備えることができます。
そして、こちらの腸内フローラ測定の検査結果が悪かった場合、アニコム損保指定の動物病院で、無料の健康診断(血液検査)を受けることができます。
アニコム損保は入ると健康になる「予防型保険」を目指しており、この点が多くのペット保険と違う点です。
全てのペット保険では「予防目的の検査や健康診断」は補償の対象外としています。「腸内フローラ測定」や「無料の健康診断」等の予防型サービスもアニコム損保以外のペット保険会社ではありません。
いざという時の備えであるペット保険ですが、一番いいのは何も起こらず健康でいることに違いありません。ペットの健康を本当に考えたペット保険がアニコム損保です。
※腸内フローラ測定は「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「どうぶつ健保しにあ」のみになります。
よくある質問
猫の乳腺腫瘍の治療費は高額になりますか?
手術を行うまでにも検査を行い全身状態を調べます。術後も数日の入院が必要なため、入院と点滴費用なども考えられます。
それらを含めると治療費が高額になることが分かります。
猫の乳腺腫瘍に手術以外の治療方法はありますか?
・手術後に転移するリスクが高い
・全身状態の問題から全身麻酔をかけることができない
・飼い主さんが外科的な切除や化学療法を希望しない
などで選択される治療法です。
獣医師と相談しながら、納得したうえで愛猫に合う治療方法を選択することが重要です。
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
ペット保険比較アドバイザーでは公式LINEでの「ペット保険の適正診断」「保険相談サービス」を開始いたしました。
従来の比較表だけではわかりづらいペット保険の補償内容の範囲や充実度を踏まえたうえで、保険の募集人資格 を持った、ペット保険のプロが提案させていただきます。
【猫の乳腺腫瘍の費用はどれくらい?抗がん剤や手術の治療費は?】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・猫の乳腺腫瘍の治療方法や治療費用