犬の尿路結石に食べていいものは?食べてはいけないものや予防も解説
・犬に結石ができやすい食べ物
・結石ができても食べてよいもの
・結石の予防法
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「犬の尿路結石」とは
犬の尿路にできる結石の大半を占めるのがストルバイト結石と尿酸カルシウム結石です。その他にも尿酸アンモニウム結石などいくつかの種類があります。
結石のできる原因は複雑ですが、食べ物も原因の一つです。偏った食生活が尿石の原因になることもあるので知識を持って対処する必要があります。
犬に結石ができやすい食べ物は?
犬の尿石症は偏った食事が大きく影響する場合があります。
犬の尿路結石においてはストルバイト(ストラバイト)結石とシュウ酸カルシウム結石が全体の8割程度を占めています。また近年これらの混合結石も多くなってきています。
ここではどんな食材を多くとると結石ができやすくなるか、結石の成分ごとに解説します。
避けるべき食材・食品①【ストルバイト結石の場合】
ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)ができやすい状態とは、尿中のアンモニア濃度が上がり尿がアルカリ性に傾いた状態です。以下の食品を多く摂り続けると結石ができやすくなります。
【ストルバイト結石で注意すべき食品】
・リン
・マグネシウム
・尿をアルカリ性にする食品
【高タンパクな食品】
・魚介類
・大豆製品
・卵
・乳製品
・大豆製品 (豆腐 がんもどき など)
・魚介類 (カツオ まぐろ 金目)
・穀類 (玄米 雑穀 米ぬか)
・野菜 (そば ごぼう ほうれん草 枝豆)
・ナッツ (アーモンド カシューナッツ)
・肉類(特にレバーは含有量が多い)
・魚介類(丸ごと食べられる小魚や小エビ・・・しらす干しやちりめんじゃこ)
・乳製品(牛乳 チーズ)
【尿をアルカリ性にする食べ物】
【尿を酸性にする食べ物】
避けるべき食材・食品②【シュウ酸カルシウム結石の場合】
シュウ酸カルシウム結石ができる理由は完全に解明はされていませんが、原因の一つには偏った食事が挙げられます。
シュウ酸カルシウム結石のできる条件としては、酸性尿とマグネシウムの不足が同時に起こると尿中のカルシウム濃度が上がって結石ができやすい状態になります。
避けるべき食材はカルシウムやシュウ酸の含有量の多い食品を多く食べ続けることです。ただし、食べ合わせとしてはシュウ酸とカルシウムを一緒に食べることで、腸の中でシュウ酸とカルシウムが結合して便に排泄されます。極端なカルシウム制限はかえって尿中のシュウ酸を増やしてしまいます。
【カルシウムの多い食品】
・大豆製品 (かんもどき 焼き豆腐)
・魚介類 (わかさぎ 干しエビ シシャモ)
・野菜 (小松菜 モロヘイヤ ゴマ)
シュウ酸塩の前駆物質であるビタミンC(イチゴ、柿、キウイ、オレンジなど)の積極的な摂取も控えた方がよいでしょう。
【シュウ酸を多く含む食品】 (野菜に多くえぐみや灰汁に相当する成分)
ほうれん草 キャベツ ブロッコリー カリフラワー レタス さつまいも なす 大根 小松菜 カブ レタス ブロッコリー ピーナツ バナナ キャベツ など
これらはシュウ酸カルシウム結石にとって良くない野菜ですが、ゆでることでシュウ酸を減らすことはできます。ほうれん草を3分茹でるとシュウ酸の量を37~51%へらすことができるという報告があります。
※ 食品に含まれる成分については詳しくは文部科学省・食品成分データベース食品成分ランキングで項目を選択してご覧ください。
避けるべき食材・食品③【尿酸アンモニウム(尿酸塩)結石の場合】
尿酸アンモニウムはプリン体に関連する成分で、幅広く多くの食材に含まれているある種の旨味成分です。
プリン体は食物のみならず、体内でも生成分解されて尿酸(細胞の老廃物)として体外に排泄されます。人の場合はこの尿酸がたまると痛風を発症するのですが、犬では尿酸は水に溶けやすい物質へと変化して尿に溶けこんで排泄されます。
プリン体の代謝異常を遺伝的に持っているのがダルメシアンです。パグでもその傾向があると言われています。
また肝疾患を有する犬でも尿酸塩結石ができやすくなります。リスクを持っている犬はプリンタ体を含む食品を避けた方がよいでしょう。
【プリン体の多い食品 】
犬が注意すべき結石の種類は?
犬の尿路結石は結石成分によっていくつかの種類があり、多いのはストルバイト結石(リン酸マグネシウムアンモニウム)とシュウ酸カルシウム結石、次いで尿酸アンモニウム結石です。
ストルバイト結石は療法食による溶解が期待できるのですが、シュウ酸カルシウム結石は溶けません。
尿酸アンモニウム結石は療法食と内科的治療で効果が期待できます。
尿路結石で注意すべきは尿石の種類もさることながら、腎臓にできた結石が尿管に詰まる尿路閉塞、膀胱結石が尿道に詰まる尿道閉塞、膀胱の出口を尿石が塞いでしまう尿閉です。尿管に結石が詰まると腎臓で作られた尿がどんどん腎臓に溜まり水腎症を起こし、急性腎不全につながります。
尿道が詰まると膀胱内に尿が限度いっぱい溜まり膀胱破裂をおこすこともあります。いずれも死亡する危険性のある症状です。
犬が結石になってしまった場合の対処、治療方法は?
結石ができた場合の治療目的は次の通りです。
・これから結石ができないように予防する
対溶解食処・治療方法①【ストルバイト結石】
ストルバイト結石の原因の多くは膀胱炎です。膀胱の中に細菌が増えると、菌が出す毒素で尿がアルカリ性に傾き結石のできやすい環境になります。
膀胱炎を発症しているなら抗生物質や抗菌剤を使用して膀胱炎の治療を行います。
結石に対する治療の第一選択は「療法食」による食餌療法です。アルカリに傾いた尿のpHを下げることで結石の溶解が期待できます。それでも溶解しない場合は手術が必要になります。
結石に対する療法食には、結石を溶かすための療法食(溶解食)、溶解後の維持食があります。溶解食を食べている間は他のものは与えないようにします。
対処・治療方法②【シュウ酸カルシウム結石】
シュウ酸カルシウム結石を溶解できる療法食はありません。
手術が唯一の治療法になります。オスに多くみられる結石であり、尿道閉塞には注意しましょう。もし、尿がなかなか出ない様子があれば早急に動物病院を受診しましょう
ごく初期(結晶のレベル)では、タンパク質・シュウ酸・ナトリウムを適度に制限し、リン・マグネシウム・ビタミンD・ビタミンCは正常に配合した療法食を使用します。
結石の再発を最小限に防ぐためにタンパク質含有量の多い食事・シュウ酸・カルシウムの過剰摂取を避けて定期的なモニタリングが必要です。シュウ酸カルシウム結石は結石のできる原因がきちんと解明されていないため、完全に予防する療法食はありません。そのため療法食のみを食べていても多くの場合再発する危険性があります。
結石のできやすい犬種では特に、普段から水分を十分にとるように工夫しましょう。
対処・治療方法③【尿酸アンモニウム結石】
尿酸アンモニウムは、ダルメシアンやブルドッグは遺伝による尿酸塩結石が出やすい犬種として知られています。その他の犬種でも危険性はあります。
また、ある種の肝疾患がある犬によく見られる結石であり、基礎疾患の治療を行います。
尿酸アンモニウムは尿が酸性に傾くと結晶化しやすいといわれているため、療法食と内科的治療で溶解が可能です。
アルカリ性で溶けやすい性質を持っているので、尿路結石の再形成を防ぐためには尿をアルカリ性に保つことが重要です。食事においてはプリン体の摂取を控えるよう心がけましょう。
犬の結石予防や結石になった際におすすめの食事・食材は?
尿石症になった犬は療法食に切り替えて、おやつやトッピングなどは控えるのが基本となります。
しかし、ちょっとくらいなら食べてもよいものはもちろんあります。食べさせる場合は自己判断をせず、種類や量などを獣医師と相談してみましょう。
おすすめの食事・食材①【ストルバイト結石】
ストルバイト結石になった場合のおすすめは、適度なタンパク質制限とマグネシウム、リンの含有量の少ない尿を中性から弱酸性に保つ療法食です。犬におやつを与えている飼い主さんも多いと思いますが、療法食に切り替えたならおやつも控えましょう。特に高たんぱくなジャーキーなどは与えないようにしましょう。
それでも何かおやつをとお考えならおすすめはクランベリーです。日本では生のクランベリーを見かけることは少ないと思いますが、フリーズドライの商品やジュース類はネット販売も行っています。
クランベリーの実やコーヒー豆に含まれるキナ酸は体に入ると「馬尿酸」に変化し、尿を酸性にする働きがあります。その他にも抗酸化作用、抗炎症作用があります。
ビタミンCを含むミカンなどの柑橘類は尿のpHを下げウレアーゼ(尿素を分解して二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素)の活性化を防ぎます。アセロラ、りんごなど水分が多くカリウムの少ないビタミンCの多いフルーツもおすすめです。
おすすめの食事・食材②【シュウ酸カルシウム結石】
基本的にシュウ酸の多い葉物野菜やカルシウムの多い食品は控えましょう。シュウ酸の前駆物質であるビタミンCをサプリなどで補うことはやめて、積極的に果物を与えるのも控えましょう。
イモ類をおやつやトッピングに使用されている方はじゃがいもはおすすめ食材の一つです。犬の好むさつまいもにはシュウ酸が含まれています。キャベツを与える飼い主さんも多いようですが、しっかり茹でるとシュウ酸を減らすことができます。
犬の好きな食材の中ではゆでたささみ・無糖のヨーグルト・ゆで卵・茹でたキャベツなどは少量なら問題ないでしょう。
おすすめの食事・食材③【尿酸アンモニウム結石】
プリン体を含む食材(肉類、魚類・白子、貝、海老、タコ、魚の干物など)を避けましょう。
気にしないで食べられる食品としては、チーズ・卵・乳製品・果物などが挙げられます。
犬の結石の予防方法は?
大切な愛犬が尿路結石になると食べることへの配慮が一段と大変になり、犬も辛い思いをします。日ごろから以下の点に気を付けましょう。
結石の予防方法①【飲水量を確保】
結石は寒い時期に多くなると言います。寒くなると飲水量が減ることで尿量も減り、尿が膀胱の中に長い時間溜まっている状態になります。
結石の初期段階である結晶は尿と一緒に排泄されるのですが、尿量の減少はこの流れを妨げてしまいます。結石の予防にはしっかりと水分をとり膀胱の中の尿をどんどん入れ替えることが必要になります。
【飲水量を確保するための工夫】
・水飲み場の工夫 (水を飲める場所を増やす)
・水の温度 (愛犬の好みを知る)
・肉のゆで汁、ヨーグルトなどを薄めて香りづけする
結石の予防方法②【肥満にさせない】
肥満・中性脂肪の多い犬は尿路結石ができやすいという統計もあります。また肥満になると尿道を脂肪が圧迫するため結石が詰まりやすくなる危険性があります。
肥満は犬の様々な病気の引き金になります。しっかり運動をして、食べすぎに注意し、適正体重を守るように心がけましょう。
結石の予防方法③【膀胱炎の早期発見・早期治療】
ストルバイト結石は膀胱炎が原因となることが多いので注意しましょう。
【膀胱炎の症状】
・トイレ以外でもらしてしまう
・陰部を舐める
・排尿時間が長い(尿がなかなか出ない)
・尿に血が混じっている 濁っている
・痛がる(排尿時に痛くてなく 小刻みに震える) など
犬が何度もトイレに行くのになかなか尿が出なくて量が少ない、陰部をよく舐めているなどの症状が見られたら注意深く尿の状態を観察することが大切です。外で排尿する犬なら受け皿を持参して尿の状態をチェックしましょう。
異常があれば様子を見ないで早期に動物病院を受診しましょう。
結石の予防方法④【食事を考える】
飼い主さんの食事をついついおすそ分けしている方もおられるのではないでしょうか?「欲しそうにしている」「あげると喜ぶ」と分け与えていませんか?
人間と犬では必要な栄養素が異なるため、飼い主さんと同じ食べ物を与えるのはNGです。塩分が多いなど犬にとっては弊害があります。また人と犬では消化吸収のメカニズムが異なる場合があるので注意しましょう。飼い主さんと同じ食事を多く食べていると尿石症になることが多くみられます。
飲み物にしても同様で、犬と人では必要なミネラルやバランスが異なるために、飼い主さんが飲むミネラルウォーターを飲ませることは禁止です。
現在では多くのメーカーから多種多様なドッグフードが販売されているので、ライフステージや犬種に合わせたフードがおすすめです。獣医師に相談したり、専門家にフード選びの相談に乗ってもらえるメーカーもあるので利用するとよいでしょう。
犬の尿路結石の治療費はペット保険で補償される?
犬の尿路結石の治療費は基本的にほとんどのペット保険で補償されます。ただし、必ず保険約款や重要事項説明書を確認するようにしてください。
また上述したとおり、犬の尿路結石の手術は3泊4日程度の入院も必要になり、総額15~20万程度と高額になりがちです。
また、再発性が高く、その後も通院等も頻度が高くなることが予想できます。しっかり補償してほしいと考えるのであれば、「通院・手術・入院を補償するフルカバー型」のペット保険がおすすめです。
ペット保険比較アドバイザーでは、犬の尿路結石におすすめのペット保険を2社ご紹介します。
おすすめの理由としては、
・更新時に条件を付けないペット保険の中でも、手術に強い
の2点があります。
犬の尿路結石の治療を考えると、一番おすすめはアニコムです。
「PS保険は1つの病気に対しての限度額・回数があり(更新時にリセットされない)」「手術の一回当たりの上限金額が10万円まで」などの注意点があります。
「同じ病気の治療であっても更新時に回数がリセットされる」「手術の一回当たりの上限金額が14万円まで」という点でPS保険よりアニコムは補償内容が優れています。
その分、アニコムよりPS保険のほうが保険料は安いです。
補償内容重視であるならアニコム、保険料も考えるならPS保険を選ぶことをおすすめします。
メリット | デメリット | |
・「腸内フローラ測定」等の予防型サービスも付帯 ・手術は一回当たり最大14万円まで保障(補償割合70%プラン) ・窓口精算可能 |
保険料が高い ※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】 |
|
保険料が安い | 1つの病気に対しての限度額・回数があり (更新時にリセットされない) |
2年目以降のご契約継続について
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。
アニコムやPS保険の補償内容や口コミ、デメリットについては下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や、既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」また「年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
犬が結石用のご飯食べないのですが、良い方法がありますか?
犬の膀胱炎で気を付ける食事はありますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
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【犬の尿路結石に食べていいものは?食べてはいけないものや予防も解説】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬に結石ができやすい食べ物
・結石ができても食べてよいもの
・結石の予防法・箇条書き