この記事では
・犬が痙攣を起こした時の対処法
・犬の痙攣の予防について
犬の痙攣の原因
犬の痙攣の原因はさまざまです。
身体の動きは、脳から発信される電気信号によって動かされますが、何かの原因によって信号が異常に発信されてしまい、体の一部や体全体が震える痙攣が起きます。
犬自身の意思とは関係なく、筋肉が勝手に動いてしまいます。
症状は、ひっくり返って足をバタバタさせたり、足だけの動きがピクピク止まらないなどがあります。
犬の痙攣の原因となる病気とは?
犬の痙攣の原因となる病気について解説します。
てんかん
てんかんは、犬の痙攣の原因として最も多い病気で、大脳の神経細胞バランスが崩れて過剰に放電されることで起こる脳の病気です。
てんかんには、症候性てんかんと特発性てんかんの2種類あります。
症候性てんかんは、脳の外傷や脳炎、脳腫瘍、水頭症などの脳の異常が原因で、二次的に引き起こされるてんかん発作のことです。
特発性てんかんは、特に体全身の異常がないのに起こるてんかん発作のことで、原因は不明で遺伝的要因が大きいのではと考えられています。
特発性てんかんの場合、6ヶ月~6歳ほどの若い年齢で最初の発作が起こることが多いです。
代謝の異常
肝硬変や慢性腎不全などの病気によって、肝臓や腎臓などの臓器が機能しなくなると、体内に毒素が溜まり、代謝異常が原因で、痙攣を起こします。
痙攣の症状が見られた段階では、病気がかなり進行していて、余命は短い状態とも考えられます。
中毒
犬にとって毒となる食べ物、薬物や殺虫剤などの中毒性物質を犬が摂取してしまうと、痙攣を引き起こします。
特に中毒症状により痙攣を引き起こすものには、チョコレート、キシリトール、保冷剤、殺虫剤などに含まれるエチレングリコールがあります。
もし犬が中毒性物質を口にした疑いがあれば、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
感染症
犬ジステンパーに感染し、ウイルスが神経細胞に侵入することで、手足などの痙攣を起こすことがあります。
水頭症
水頭症の多くは、生まれつきの頭蓋骨内部の異常が原因です。
脳内の脳脊髄液が異常にたまってしまい、脳を圧迫し、脳の正常な機能ができなくなってしまう病気です。
特にチワワ、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パグなどの犬種に多く見られます。
水頭症は主に神経症状が見られ、痙攣やてんかん発作を起こすこともあります。
脳の炎症や腫瘍
脳炎や脳腫瘍が原因で、てんかん発作を引き起こすことがあります。
高齢犬で、内臓の病気がなく、急に痙攣を起こすようになった場合は、脳内の腫瘍の可能性があります。
また、若い犬で水頭症など生まれつきの脳の異常がなく痙攣が起こる場合、脳の炎症が疑われます。
犬の痙攣で、こんな症状ならすぐ病院へ
犬が痙攣を起こしても、様子によっては心配のいらないケースの場合もあります。
心配のいらない犬の痙攣の症状
犬が寝てる時に手足がビクっとなったり、走っているような動作をすることがありますが、この場合は心配いりません。
犬も人間と同じように睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していて、レム睡眠時に夢を見てピクピク動いたり吠えたりすると考えられています。
受診を強く勧める犬の痙攣の症状
犬が痙攣を1日に何度も繰り返す「群発発作」や、痙攣中に別の痙攣を起こす「重積発作」は脳へのダメージが強く、危険度が高いです。
できるだけ早めに動物病院に連絡をしましょう。
犬の痙攣はほとんどの場合、数分で落ち着くことが多いので、基本的には発作が終わって犬が落ち着いたタイミングで動物病院へ連れて行きます。
犬の痙攣がすぐにおさまって、普段通りに戻り元気に過ごしているようだったら、急いで動物病院へ行かなくても大丈夫でしょう。
ただ、痙攣を起こすということは、例え軽い痙攣だったとしても、体への負担がかかっています。
痙攣の大きさに関わらず、痙攣を起こしたら動物病院を受診するようにしましょう。
犬が痙攣を起こしたときの対処法
愛犬が痙攣を起こしたときの対処法について解説します。
犬がてんかん発作を原因として、痙攣を起こす場合
痙攣を起こした直後
愛犬がてんかん発作による痙攣を起こしたら、飼い主さんは抱っこをしたりなでてあげたくなると思いますが、愛犬の体に触ることは避けましょう。
痙攣は、犬の意思とは関係なく起こっていることです。
無意識状態なので強い力で噛まれて大きなケガにつながる恐れもあります。
痙攣が始まったら、愛犬がケガをしないように、周りにクッションやブランケットで囲ってあげましょう。
もし屋外で痙攣が起こった場合、お尻を支えて安全な場所に移してください。
痙攣中
痙攣中は、大きな声で呼びかけたりすることは避けましょう。
愛犬のことが心配で声を掛けたくなるとは思いますが、大きな声が刺激となり、さらに発作を誘発させる可能性があります。
発作は、2~3分の短い時間で終わることがほとんどなので、落ち着いて静かに見守るようにしましょう。
後から痙攣の様子を獣医師に正確に伝えるため、動画を撮影しておくことをおすすめします。
また、発作の持続時間を測って、重積発作が起きていないかを確認しましょう。
重積発作は、5分以上発作が続く、または1回目の発作が終わっても意識が戻らず、2回目の発作が起きることです。
重積発作は緊急性が高いので、早めに動物病院へ連絡してください。
痙攣後
犬は痙攣が終わると、ウロウロ歩きまわったり、フラフラすることが多いです。
しばらくすると、いつも通りの状態に戻るので、家具などに当たってケガをしないように配慮しながら、様子を見守りましょう。
普段通りの状態に戻っていれば、焦って病院へ行く必要はないので、愛犬が落ち着いてから動物病院を受診しましょう。
ただし、発作が終わった後も、1日に何度も発作を繰り返す群発発作を起こす場合があります。
その場合は、緊急性が高く危険なので、早めに動物病院を受診しましょう。
犬がてんかん以外の病気を原因として、けいれんを起こす場合
代謝の異常
腎不全などによって代謝の異常が認められる時は、体内の毒素を排出するため、点滴治療を行います。
また、代謝異常を起こしている原因に対して、症状を緩和させるための薬を投与します。
食事は、獣医師の指導のもと、療法食へ切り替えるようにしましょう。
中毒
犬が中毒症状によって痙攣を起こしている時は、解毒剤を使用します。
また、点滴治療、臓器を保護するための薬を投与します。
感染症
感染症には、点滴治療や二次感染予防のための抗生物質の投与などを行います。
水頭症
水頭症の治療には、脳圧を低下させるため、利尿剤やステロイドを用います。
場合によっては外科手術を行うこともあります。
痙攣発作が続くようなら、抗てんかん薬を用います。
脳の炎症や腫瘍
脳の炎症や腫瘍の場合、ステロイド剤のような抗炎症作用のある薬を投与します。
腫瘍が摘出が可能な場合は、外科手術を行います。
それでも痙攣が続くようなら、抗てんかん薬を処方してもらいます。
犬の痙攣の予防
犬の痙攣の予防方法を、てんかんとそれ以外の病気に分けて解説します。
てんかんの予防
てんかんの場合、残念ながら予防方法はありません。
発作は、強いストレス、大きな音、フラッシュのような光など、何かの強い刺激を受けたことによって起こることがあります。
発作の引き金になる要因を見つけ出すために、発作が起こった日の時間、天候、状況、体調などを細かく記録しておくと役に立ちます。
てんかん発作が頻繁に起こる場合は、抗てんかん薬を処方してもらい、発作の症状を緩和させます。
完全に発作をなくすことは難しいですが、発作の頻度と強度を軽減できます。
それ以外の病気の予防
代謝の異常
肝臓や腎臓などの臓器の疾患による代謝異常に関しては、定期的な健康診断を受けることが病気の早期発見・早期治療につながり、病気の予防対策となります。
中毒
中毒の予防は、愛犬が誤飲誤食しないように注意することです。
犬が中毒症状を起こす食品や薬剤は、愛犬が手の届かない場所に管理することを徹底し、食卓などに置きっぱなしにすることのないように十分気を付けましょう。
感染症
感染症は、混合ワクチンで予防ができるので、毎年1回の定期的なワクチン接種を忘れないようにしましょう。
水頭症
水頭症は先天性のことが多く、予防が難しい病気です。
特に発症しやすいと言われる犬種は、自宅で普段から異常な行動がないかを観察しておくことが大切です。
水頭症による異常な行動とは、てんかんのような全身のひきつけ、ぼんやりする、奇声をあげる、ふらつき、同じ場所をぐるぐる回る、などがあります。
脳の炎症や腫瘍
脳の炎症や腫瘍は、はっきりとした原因が分かっていないため予防は難しいです。
犬種や性別は問わず発症しますが、特に高齢犬に多い傾向があります。
特に脳腫瘍では、痙攣発作の他、意味もなくグルグルと歩き回る旋回運動、平衡感覚の異常などが症状にあります。
早期発見・早期治療が重要となるので、気になる症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
よくある質問
てんかんを起こしやすい犬種は?
てんかんはどのような症状ですか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【犬の痙攣の原因は?考えられる病気や痙攣を起こした時の対処法について解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬が痙攣を起こした時の対処法
・犬の痙攣の予防について