この記事では
・猫の白いできものを見つけたときの対処法
・できものとニキビの見分け方
・猫に白いできものができたときに考えられる5つの病気
・猫の白いできものの治療方法や治療費用
猫に白い・黒いできものができるのはなぜ?対処法まで徹底解説!
猫を撫でていたら、ポコっとしたできものに気づくことがあります。
「ただのできものだろう」と放置してしまうと、どんどん大きくなっていくことも…。
猫に白や黒のできものができている場合は、何らかの病気にかかっている可能性が高いです。
今回は、猫に白や黒のできものができる理由や対処法などについて詳しく紹介していきます。
そもそも猫のできものとは?できものを見つけた際の対処法も紹介
そもそもできものとは、本来あるはずのない場所にできた塊のことを指します。
飼い主が気づきやすいのは皮膚上にできるできものですが、たとえば腸や胃などにもできものができることがあります。
皮膚上にできる白いできものは、毛穴のつまりによるものから腫瘍までさまざまです。
猫の場合は皮膚上にあまり皮脂がないため、毛穴のつまりによるできものとは考えづらく、腫瘍である可能性が高くなります。
ただ、素人による判断は危険です。
猫にできものができていた場合は、自分で判断せずに必ず動物病院で詳しくみてもらいましょう。
そもそも猫のできものとは?ニキビ等との違いも解説!
猫のできものは、獣医学には「腫瘤(しゅりゅう)」といいます。
腫瘤は毛穴のつまりによるニキビや腫瘍などを含み、体内外のあらゆるところにできるため、見た目だけでは良性か悪性かの判断ができません。
腫瘤の色もさまざまで、白や黒、赤やピンクなどもありますが、いずれも色だけで良性・悪性の判断は難しいです。
ただ、顎の下や口の周りにできた黒いブツブツは挫創(ざそう)と言い、猫のニキビといわれる皮膚疾患の一つである可能性があります。
挫瘡は皮脂腺からの分泌物が多い上、毛づくろいのできない顎下にできやすいのが特徴です。
かゆみはありませんが、放置しておくと症状が悪化し、脱毛して赤い斑点ができます。
家具や床に顎下を擦り付ける仕草が見られたら、かゆみや痛みがあるサインなので動物病院を受診しましょう。
また、頭や耳などに虫刺されのような小さなできものができた場合は、悪性腫瘍の「肥満細胞腫」である可能性があります。
肥満細胞腫は猫の皮膚腫瘍の中で発症率の高い悪性腫瘍ですが、外科手術によって完治できます。
できもののほかに、元気がない、食欲がないなどの症状があれば、すぐに動物病院でみてもらいましょう。
猫にできものを見つけたらどうする?放置せずに動物病院を受診!
猫のできものは、形や色、感触などで良性か悪性かを判断するのは獣医でも難しいものです。
猫にしこりを見つけたら、まずは場所を覚えておき、数日間でどれくらい大きくなったかを把握しておく必要があります。
数日間で急激に大きくなるようであれば、悪性腫瘍の可能性があるため、すぐに動物病院でみてもらいましょう。
できものの成長スピードが遅い場合でも、できものを発見してから遅くても1~2週間以内には一度獣医師にみてもらうと安心です。
動物病院では、できものに針を刺して細胞を取り、顕微鏡で検査をします。
この検査は、できものが炎症によるもなのか腫瘍によるものなのかを判断するものであって、病名を特定するものではありませんが、治療方針を決める上で役立ちます。
猫にできものを発見したら、動物病院でみてもらうのが一番です。
猫の白い・黒いできものの原因として考えられる5つの病気とは
猫にできものができる原因はいくつかありますが、炎症や外傷、腫瘍などが主な原因です。
ここでは、できものの原因として考えられる5つの病気について詳しく解説していきます。
予め原因を知っておけば、愛猫にできものができても落ち着いて対処できるでしょう。
①乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、乳腺にできる腫瘍です。
早期に避妊手術をしなかったメス猫が発症することが多く、ほとんどの場合10歳以上のシニアに発症します。
ごく稀にオス猫に発症することもあり、その確率は1%です。
猫には8個の乳腺があり、それぞれに腫瘍が発生することもあります。
乳腺腫瘍は硬いしこりができるのが特徴で、早い段階で肺やリンパ節に転移するリスクが高い病気です。
ただ、早期に発見し外科手術によってしこりを摘出すれば、再発確率が低くなります。
未避妊のメス猫を飼っている人は、乳腺にしこりがないかをこまめにチェックする習慣をつけるといいでしょう。
これからメス猫を家族に迎えようと考えている人で子どもを望まないのであれば、1歳未満で避妊手術をすることをおすすめします。
②扁平上皮癌
扁平上皮癌は、皮膚細胞の腫瘍です。
上皮細胞がある場所ならどこでも発症する可能性があり、中でも耳や鼻、まぶた、口腔内など紫外線にさらされやすい部位にできるとされています。
耳や鼻などに盛り上がったような赤いしこりができるのが特徴です。
しこりが口の中にできた場合は、膿や血液が混ざった唾液が出ることもあります。
老猫の発症率が高く、メラニン色素が少ない白いの猫、毛が薄い猫も発症しやすいようです。
扁平上皮癌は、皮膚表面にできた小さいものなら早期治療で良い結果が得られますが、そうでないものだと予後が悪いという報告があります。
また、口腔の扁平上皮癌の経過は厳しいものであることが多いようです。
③肥満細胞腫
肥満細胞腫は、細胞由来の悪性腫瘍です。
名前に「肥満」とついていますが、体型に関係なく発症します。
シャム猫と雑種の高齢猫で発症率が高いようです。
猫の皮膚に発症する腫瘍の中で2番目に多い腫瘍で、内臓に発生することもあります。
肥満細胞腫は、皮膚型と内臓型に分けられ、皮膚型は良性なものが多いです。
皮膚型は頭や首などに白やピンクの小さなできものが1個、または複数個できます。
内臓型は脾臓や消化管に発症することが多く、悪性度も転移リスクも高いです。
おなかにしこりがあり、嘔吐や下痢、食欲不振などそのほかの症状もある場合は内臓型の肥満細胞腫である可能性があるため、早めに動物病院でみてもらいましょう。
④リンパ腫
リンパ腫は、白血球の中にある細胞のリンパ球ががん化する病気です。
リンパ腫は身体のいたる所で発症します。
皮膚にできたリンパ腫は感触や色などで異常に気づきやすいですが、体内にできたリンパ腫は気づくことが難しく発見が遅れてしまうことも。
リンパ腫は発生した場所によって「縦隔型」「消化器型」「多中心型」に分類されます。
「縦隔型」は縦隔と呼ばれる場所にリンパ腫が起きるタイプで、2~3歳の若い猫での発症率が高く、胸水が溜まる、呼吸が苦しい、咳き込む、食欲不振などの症状が特徴です。
「消化器型」は腸にできるリンパ腫で、高齢の猫が発症しやすい傾向にあります。下痢や嘔吐の症状がみられ、進行も早いため早期発見治療が大切です。
「多中心型」は顎、1~4歳の若い猫での発症率が高く、猫白血病ウイルスに感染していると発症しやすいとされています。脇の下などのリンパが大きく腫れ、食欲不振、元気がないなどの症状がみられます。
⑤その他皮膚疾患
肉芽腫やワクチン誘導性肉腫などでもできものができる場合があります。
肉芽腫は、何らかのアレルギーなどによる好酸球が引き起こす炎症で、皮膚や口内に1~3cm程度のしこりができるのが特徴です。
しこりは激しいかゆみを伴うため、掻きむしることで脱毛することもあります。
肉芽腫の原因ははっきりとわかっておらず確立した治療法がありませんが、まずはかゆみや炎症を抑える目的で副腎皮質ホルモン剤を投与することが多いようです。
ワクチン誘導性肉腫は、ワクチン接種後に注射をした部位の組織が悪性化して形成された腫瘍のことです。
非常に稀な肉腫ですが、ワクチンを打つ場所を毎回変更することで予防できるとされています。
ワクチン誘導性肉腫の好発部位は後ろ足、わき腹などで、ワクチン接種後3ヶ月~3年でしこりが徐々に大きくなっていくのが特徴です。
ワクチン誘導性肉腫は、外科手術による切除が可能ですが再発率が高く、根治は難しいとされています。
補足:悪性だけでなく良性の腫瘍の場合もある
猫にできるできものには、良性と悪性の2種類があります。
良性のできものは、他の細胞との境界線がはっきりしていて、他の臓器への転移がありません。
悪性のできものは、他の細胞との境界腺がわかりにくく、他の臓器への転移もあります。
また、悪性のできものは感触が硬く、動きが悪いとしているネットの情報もありますが、実際はしっかりと検査をしないとわかりません。
できものと聞くと「悪性なんじゃ」と不安になってしまうかもしれませんが、良性の場合もあるので、素人目で判断せず、動物病院でしっかりと検査をしてもらいましょう。
猫の白いできものはどのように治療する?治療費用の目安も紹介!
猫に白いできものができた場合、なんの病気かにもよりますが、悪性の腫瘍なら外科治療や化学療法、放射線治療などで治療をするのが一般的です。
ただ、外科治療や化学療法などは治療費が高額で、1回の治療で数万円かかることも珍しくありません。
ここでは、猫のできものの治療法や治療費について解説していきます。
猫の白い・黒いできものはどのような治療が行われる?
猫にできものができた場合は、外科治療・化学療法・放射線治療・免疫治療などが行われます。
外科治療は腫瘍が小さく、ほかへの転移もない場合に行われる治療法です。手術によって腫瘍を切除するため、傷跡が残る可能性があります。
化学療法は、ほかへの転移が疑われる場合に行われることが多い治療法です。抗がん剤を投与して癌細胞の増殖を抑えます。
放射線治療は、癌細胞に放射線を当てる治療法です。外科治療や化学療法よりも体への負担が少ないですが、実施している動物病院が少なく、費用も高額なので、できる人は限られます。
免疫治療は、猫自身の免疫力を利用して癌を攻撃する治療法です。体への負担が少ないのが特徴で、他の治療と組み合わせて免疫治療を行うケースが多いです。
猫のできものの治療費用の目安はどれくらい?
猫のできものの治療費は、病気や治療法によっても異なります。
たとえば、猫が内蔵型の肥満細胞腫になり手術で摘出するとなった場合、約20万円かかります。
20万円には入院費も含まれていますが、かなりの高額ですよね。
また、手術後に再発してしまい、がん剤治療を行うことになれば、1回あたり1~2万円程度の治療費がかかります。
抗がん剤をしたあとは副作用がでることが多いので、副作用を抑える薬や検査費用も加算されると、1回の抗がん剤にかかるトータル費用は3~4万円です。
抗がん剤は数回にわたって行う治療なので、少なくても15万円以上はかかると考えておきましょう。
猫におすすめのペット保険は?
最後に、今回ペット保険比較アドバイザーでは猫におすすめのペット保険を紹介します。
おすすめの理由としては
・通院、手術、入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも通院補償に手厚い
・付帯サービスで腎不全の早期発見、治療に役立つ簡易的な健康診断が自宅でできる
また付帯サービスで「腸内フローラ測定」を年一無料で行えるため、猫の死因ランキング1位である腎不全の予防・早期発見できる他、外出しずらい猫には有効な健康チェックでき、測定結果によっては血液検査も無料で受けることができます。
アニコム損保は入ると健康になる「予防型保険」を目指しており、この点が多くのペット保険と違う点で、そもそも病気にさせたくないと考える飼い主様にはアニコムがおすすめです。
「ふぁみりい」は7歳11か月までの猫さんしか加入できませんが、「しにあ」では7歳以上であれば全ての猫さんが加入でき、「しにあ」でも腸内フローラ測定が年一回無料で受けられます。
メリット | デメリット | |
・歯科治療も補償 ・「腸内フローラ測定」等の予防型サービスも付帯 ・通院は一日当たり14,000円×年20日まで補償(補償割合70%プラン) |
保険料が高い 保険金請求回数に応じた保険料割増制度あり |
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
よくある質問
猫の耳の付け根と耳の後ろにできものがありますが、これはなんの病気でしょうか。
猫のお腹にピンク色のおできがあります。ニキビでしょうか。
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【猫の白いできもの】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・猫の白いできものを見つけたときの対処法
・できものとニキビの見分け方
・猫に白いできものができたときに考えられる5つの病気
・猫の白いできものの治療方法や治療費用