猫が痙攣!ストレスも原因になる?痙攣を起こす疾患についても解説

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ご家庭の猫ちゃんが突然倒れて痙攣していたらパニックになってしまいませんか?
その原因がストレスということはあるのでしょうか。
この記事では
・ネコの痙攣とストレスの関係
・ネコが痙攣をおこす病気
・ネコが痙攣をおこしたときの対処方法
・ネコのストレス症状や対処法
について解説します。
最後までお読みいただければ「猫はストレスで痙攣をおこすのか」「猫が痙攣をおこす病気」などがわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

猫の痙攣の原因は?ストレスや寒さ、病気等の原因を解説!

俗に言う「震え」は正確に言うと「振戦」と「痙攣」に分けられ、いずれも自分の意思に関係なく全身または体の一部が勝手に動いてしまう症状です。

振戦(しんせん):体が小刻みに震える

痙攣(けいれん):体が大きく震える

振戦は生理的なものが多く、痙攣は何らかの病気が背景にある場合がほとんどです。

一般的には猫がストレスや寒さで痙攣をおこすことはありません。

ただし「強い光・大きな音・強いストレス」などがてんかん発作の誘因になることはあります。

 

原因①:ストレスや寒さ、高齢等、生理的なものによる震え

生理的な震えは正確には振戦といい、痙攣とは区別されます。振戦に見える場合でも、意識がなければ痙攣の可能性もあります。

【猫の生理的な震え:主な理由】

・寒さ
・心因性(緊張 恐怖 ストレス)
・痛み(骨折 歯の痛み)
・筋力の低下によるもの(高齢猫)
・睡眠中に体がピクピク動くなど
成猫は一日の三分の二の時間を寝て過ごしますが、その8割がレム睡眠と呼ばれる浅い眠りです。
レム睡眠の間は、体は休んでいても脳は活動している状態であり、夢や記憶に反応して体を動かすことがあります。
寒いとき体が震えるのは人も猫も同じです。これは体が体温を上げようとして筋肉を小刻みに収縮させて熱を産生するための現象です。
猫は高齢になると後ろ足から衰えてきます。そのため立ち上がる時などに震えが見られるようになります。
このような生理的な震えは基本的には心配いりません。ただその中にも病的なものが含まれる場合もあるので注意深く観察しましょう。
原因②:てんかんや腎不全等、病気によるもの

猫が痙攣をおこす病気は次のように分類されます。

【てんかん】
①特発性てんかん(遺伝など)
②構造的てんかん(症候性てんかん)

【反応性発作】
(非てんかん性)
①代謝性 低血糖 肝障害 腎不全 など
②中毒  有害なものを口にした場合

猫の痙攣の原因として考えられる病気をそれぞれ詳しく解説!

ここからは猫が痙攣をおこす可能性のある病気について説明します。

①:てんかんや脳炎等、脳の異常・病気

痙攣発作と聞いて真っ先に頭に浮かぶのがてんかんではないでしょうか。猫はその他にも様々な病気が原因で痙攣をおこす可能性があります。

【てんかん】 発症率は犬よりも少なく0.5%(0.3-1.0%) 程度

てんかんとは
慢性の脳の病気で,大脳の神経細胞が過剰に興奮することによって,脳由来の発作が反復性(24時間以上の間隔を空けて2回以上)に起こるもの(IVETSによる定義)。

治療法  抗けいれん剤の服用
分類   :特発性/構造的
発作の種類:全般発作/部分発作(焦点発作)

特発性てんかんと構造的てんかん
特発性てんかんとは、遺伝など原因が特定できないものを指し、構造的てんかんとは奇形・水頭症・脳腫瘍・炎症など脳の構造に異常が生じたものが含まれます。
発作の種類(全般発作・部分発作)
全般発作は主には全身を硬直させ、痙攣するものであり、部分発作(焦点発作)は体の一部に症状がでるものを指します。

てんかん発作の症状は多岐に渡ります。

・目や顔、体の一部が痙攣する
・歯をカチカチさせる
・何もない空中を噛む
・異常な声で鳴く
・多量の涎や泡を吹く
・走り回る/転げまわる
・手足をバタバタさせる
・全身の硬直や痙攣
・意識消失
・体に力が入らなくなるなど

軽度の場合、発作は通常は数秒から1、2分ほどで終わり、その後は平常に戻ることがほとんどです。

ただし、全身の痙攣や脱力などの全身性の発作が5分以上続く場合一日に何回も発作が起こる場合完全に意識が回復する前に次の発作が続いて起こる場合は、脳にダメージが残ることがあり、また命にかかわる重篤な状態に陥ることがあるため、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

【脳炎】

原因 : 主に感染症
症状 : 発熱 神経症状で麻痺や痙攣
治療法: 抗けいれん剤 利尿剤 など

猫が脳炎を発症する感染症で最も多いのは、猫伝染性腹膜炎ウィルス(FIP)によるものです。

 

【水頭症】 何らかの原因で脳内に脳脊髄液が過剰に溜まり脳を圧迫する病気

・原因 : 多くは先天性
・症状 : 神経症状
・治療 : 対症療法 手術

症状は脳脊髄液によって圧迫さえている脳室の場所や度合いによって異なります。対症療法には限度があり、手術で脳に溜まっている脳脊髄液を腹腔に逃すシャントチューブを入れる手術があります。

【その他の原因疾患】 脳出血・脳腫瘍・外傷による脳の損傷などがあげられます。

 

②:腎不全や中毒等、脳以外の異常・病気

脳以外に原因があり痙攣をおこす病気は以下のようなものが挙げられます。

低酸素・低血糖・低カルシウム血症・低ナトリウム血症・各種中毒・熱中症・感染性中枢神経疾患(FIP・FelV・FIVなど)・高アンモニア血症(肝性脳症)・高尿素血症(腎不全) など

【腎不全】

腎臓病は猫の宿命ともいわれる病気で、慢性腎臓病(腎不全)は特に高齢猫に多く、死亡率の高い病気です。

猫は元来飲水量が少ない傾向にあり、濃い尿を出すため腎臓に負担がかかるためではないかと言われています。

腎不全(慢性腎臓病)になると、健康な時には尿として体外に排出される毒物や老廃物が、腎機能の低下によって排出されなくなります。

その結果、老廃物が血液中に高濃度に溜まり、筋肉や神経が損傷することで痙攣がおこります。

 

その他・腎不全をおこす疾患としては

・細菌や猫伝染性腹膜炎(FIP)等のウイルスの感染による腎炎
・外傷
・薬物などによる中毒
・心筋症やショック等による腎血流量の低下
・免疫疾患などによる腎炎
・結晶や結石などによる尿路の閉塞

など

 

【肝機能障害】

肝機能不全になると血中アンモニアが増え、脳に影響が及びます。

アンモニアは食事(肉などのたんぱく質)したものを腸内細菌で分解する時に生じます。その後、腸で吸収され血液に入り、肝臓で無毒な尿酸へと変化します。

肝機能が低下すると血液中にアンモニアが溜まり、脳へ運ばれて脳神経に障害がでる(高アンモニア血症)ため、痙攣をおこします。

 

【その他の理由による痙攣】

低血糖:脳に十分なエネルギーが回らなくなり結果として痙攣
熱中症:高熱や脱水によりミネラルバランスが崩れるために痙攣
誤飲による中毒:アルコール類やカフェイン マカダミアナッツ など

 

猫の痙攣の対処法とは?飼い主にできることを解説!

では、ご家庭の猫ちゃんが痙攣をおこしたとき、飼い主さんはどのように対処すべきなのでしょうか?

 

出来るだけ早く動物病院に連れて行くようにする

猫が痙攣をおこしているのを目の当たりにすると、慌てるのは当然だと思います。

そんな時に「すべきこと」「してはいけないこと」を説明します。

 

すべきこと

・飼い主さんが冷静になる
・周囲に危険なものがあれば片付ける
・様子を観察/記録/できれば動画撮影

とはいえ、初めての痙攣発作を目の当たりにしたら戸惑うことでしょう。
まずは周囲にぶつかりそうなものがあれば取り去り、クッションなどで防御しておきます。
発作の様子と継続時間をしっかりと見ておきます。時計が無ければ飼い主さんが数を数えて大体の時間を把握しておきましょう、
攻撃的になることもあるので、小さなお子さんは遠ざけておきます。
可能なら、様子を動画撮影しておけば診察の時に大きな情報になります。

やってはならないこと

大きな声で名前を呼びながら体を揺さぶる
口の周りの涎をぬぐう、物を咬ませる

余計な刺激を与えると、さらなる痙攣を誘発することがあるので、絶対にやらないようにしましょう。

高い場所や階段など、危険な場所で発作をおこしていたらタオルなどにくるんで安全な場所に移動させます。

発作のタイプによっては部屋中を走り回ったり、転げまわるものもあるので、危険なものは片付けましょう。

また、痙攣発作時は意識が無い場合が多いので、体に触ると本気で噛みつくこともあるので注意が必要です。

 

【発作時の観察の要点】

・痙攣の様子
・意識の有無
・発作が継続した時間
・失禁の有無
・痙攣発作のおさまった後の状態

発作が終わり、立ち上がったり目が合うようになるまで静かに見守りましょう。

 

痙攣発作後に病院に行くタイミング

【緊急性が低いケース】

・痙攣が1分以内でおさまる
・おさまった後、痙攣を繰り返さない
・痙攣が起きたあと、猫の様子がいつもと変わらない

このような場合には緊急受診ではなく、通常の診察時間内に受診しましょう。

最初に痙攣発作が起きた後は、その後異変がなくても必ず受診して、原因の確認が必要です。

 

【緊急を要するケース】

・24時間以内に2回以上の発作が起きる場合(群発発作)
・5分以上発作が続く場合
・発作が終わり正常に戻る前に次の発作が起こる場合(重責発作)

このようなケースでは、放置すると脳に障害が残る可能性もあり、最悪の場合命を落とすこともあります。

 

補足:猫のストレスの原因や症状、ストレス発散法を解説!

まず、猫の習性を知りましょう。

猫はこんな生き物です。

・単独行動
・縄張りのパトロールが日課
・高いところに上る
・爪とぎをする
・ハンター
・夜行性(薄明、薄暮性動物)早朝や夜間に活発になる
・警戒心が強い
・キレイ好き
・一日の三分の二は寝ている

現在では室内飼が主流となり、少し変化している部分もあります。

ストレスの原因は?

・飼い主の接し法
・生活環境の変化
・運動量の不足
・家族構成の変化や来客
・狩りができない

猫は環境の変化に弱く、きれい好きな生き物です。また、飼い主さんにも「自分が構ってほしいときに構ってもらいたい」という性質を持っています。

ストレスの症状は?

・イカ耳(耳を平らにする)ひげが上をむく
・トイレの外に排泄
・過剰なグルーミング
・ひきこもり 飼い主ともコミュニケーションをとらない
・激しく鳴く/泣き続ける
・威嚇(シャー ウー など)
・攻撃的 同居猫や飼い主に噛みつく
・活動量の変化

など

 

猫はストレスで病気になることもあります。

特発性膀胱炎:膀胱炎の原因となる細菌感染や結石が認められず、多くはストレスが原因と言われています。自然に治ることもありますが、半数では1年以内に再発します。

猫感染性鼻気管炎(猫ウイルス性鼻気管炎):ヘルペスウイルスによる感染で、風邪の症状が出ます。感染猫の分泌液(目・鼻・唾液)を介して感染し、子猫や免疫状態の落ちた猫(ストレスや栄養不足等など)は要注意です。予防接種もあります。

舐性(しせい)皮膚炎:同じ個所を舐め続けることで起こる皮膚病です。最初は小さな脱毛部位ができ、舐め続けることで皮膚が厚くなり斑状病変を生じます。さらに舐め続けると潰瘍や排膿することもあります。

 

猫のストレス 発散方法は?

・なるべく環境の変化を避ける
・キャットタワーなどを置く
・一人になれる空間の確保
・人に慣れさせる
・疑似ハンティング(おもちゃを使って遊ぶ)

猫の習性を知ることで、何がストレスになっているのかを考えることができます。

猫の健康を守るためにもストレスの少ない生活が必要です。

 

よくある質問

猫がストレスで震えることはありますか?

猫も人間同様に緊張や恐怖、ストレスなど心因的なものが原因で震えることがあります。寒さや痛みを我慢している場合も同様です。生理的なものならすぐにおさまりますが、飼い主さんは原因を見つけて対応することが大切です。

猫が体をガクガク震わせて痙攣しました。考えられる原因は何でしょうか?

猫が痙攣をおこす病気はたくさんあります。大きな痙攣であれば、てんかんや脳の病気、腎不全、肝不全、誤飲による中毒が真っ先に思い浮かびますが、そのほかにも痙攣をおこす病気はあります。動物病院で原因を判別するための検査が必要です。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

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また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

【猫が痙攣!ストレスも原因になる?痙攣を起こす疾患についても解説】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・ネコの痙攣とストレスの関係
・ネコが痙攣をおこす病気
・ネコが痙攣をおこしたときの対処方法
・ネコのストレス症状や対処法
について解説してきました。
ストレスは猫に様々な影響を及ぼします。
震えや痙攣を目の当たりにしたときに、その原因を理解しておくことで、少しは冷静に対応できるのではないでしょうか。
猫ちゃんの健康を守るためには、ストレスの少ない生活を送ることも必要です。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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