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犬の狂犬病ワクチン接種時期や費用は?なぜ受けなくてはならないの?

2024年1月26日

犬の保険

 
犬の狂犬病ワクチン接種時期や費用は?なぜ受けなくてはならないの?サムネイル
毎年4月から6月は犬の狂犬病ワクチン接種の時期です。
日本ではすで見られなくなった病気の予防接種がなぜ必要なのか疑問を持ったことはありませんか?
この記事では
・狂犬病ワクチンの接種時期と費用
・狂犬病とはどんな病気か
・狂犬病ワクチンの重要性
・狂犬病ワクチンの注意点
について解説します。
最後までお読みいただければ、狂犬病や狂犬病ワクチン接種の必要性がわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


狂犬病とは

狂犬病は世界中で年間5万人以上が死亡する人獣共通感染症で、発症すると治療法がなくほぼ100%死亡します。すべての哺乳類に感染しますが、主には感染した犬による噛みつき事故が原因になっています。感染した犬に咬まれると唾液中のウイルスが、神経にそって移動し、最終的には脳を蝕みます。日本では長期にわたって発症がみられていません。

 

狂犬病ワクチンの接種時期と費用

犬を家族に迎えたら狂犬病予防法によって飼い主さんに3つの義務が課せられます。

・犬の登録
・狂犬病のワクチン接種(年1回)
・犬鑑札と狂犬病予防接種済票を首輪などに装着する

接種時期

では狂犬病ワクチン接種はいつ行えばよいのでしょうか?

狂犬病予防法に定められている接種時期は以下の通りです。

基本 4月1日~6月30日(狂犬病注射期間)
未接種の犬を迎えた 30日以内
子犬の場合 生後90日を過ぎたらその後30日以内
打ち忘れていた 気づいたらすぐ
体調が悪かった 回復したらすぐ
3月2日~3月31日に接種した場合、4月年度の注射済票が渡されます。ただし、犬を飼い始めた年度のみに適用、次年度以降は注射期間中に接種が必要です。

現在日本で使用されている狂犬病ワクチン効果の有効期間は1年です。

狂犬病注射期間以外の時期にワクチン接種した場合、狂犬病予防法ではワクチン接種の間隔は定めていませんが、6か月以上空けるのが一般的です。

狂犬病ワクチンは1回目の接種した時期に毎年受けるのではなく、なるべく注射期間である4~6月に受けるように調整します。接種時期は獣医さんと相談しましょう。

 

接種場所

接種場所は次の2通りから選べます。

集団注射会場 地方自治体が実施している巡回接種(指定されている場所・日時に出向いて受ける)
動物病院 かかりつけの動物病院など

狂犬病予防業務委託動物病院で狂犬病ワクチン接種すると、登録や注射済票も一括して代行してもらえますが、それ以外の動物病院の場合注射済証を受け取り、市区町村の窓口で注射済票交付の手続きが必要になります。詳しくは動物病院で確認しましょう。

注射済証と注射済票の違い
注射済証は狂犬病ワクチン接種を受けたという証明:注射済票の交付手続き必要
注射済票は首輪などに取り付ける小さな金属製のもの

 

費用

犬の登録・狂犬病ワクチン接種料金は以下の通りです。

登録料 3000円程度(初回1回のみ必要) 鑑札が交付される
狂犬病ワクチン値段 2000~4000円程度
狂犬病ワクチン接種済票
交付手数料
500円程度
集団注射より、動物病院での料金の方が高い傾向にあります。またワクチン接種費用は各動物病院によって異なります。

 

狂犬病とは

狂犬病ウイルス(Rabies Virus)に感染した動物に咬まれることで感染し、すべての哺乳類に感染の危険性がある人獣共通の感染症です。

狂犬病の発生状況

世界の発生状況(WHO、2017年)

・発生地域 世界150以上の国と地域
年間の死亡者数推計 59,000人(うち、アジア地域35,000人、アフリカ地域21,000人)
・年間の暴露後ワクチン接種者数推計 1,500万人

・発症のない国(清浄国) 日本・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー・ハワイ・グアム・スカンジナビア半島の一部

暴露後ワクチン接種
感染の危険性のある動物に咬まれたら即座に咬まれた場所を徹底的に洗浄し、潜伏期間内に狂犬病ワクチンの接種や免疫グロブリンを注射するなどの暴露後接種を行うと完全ではありませんが発症を免れることができます。

詳しくは厚生労働省のホームページでご確認ください。

 

日本における狂犬病の背景と狂犬病予防法

日本では狂犬病はどのくらい発症していたのでしょうか?

統計に残っているものでは流行ピークは1950年(昭和25年)、戦後の混乱に伴い狂犬病の発生が増加した時代です。犬867頭が発症し54人の人が亡くなりました。同年、狂犬病予防法が施行されています。

【狂犬病予防法の具体的対策】

・媒介動物のコントロール(野良犬の捕獲)
・飼育犬の登録とワクチン接種
・輸入動物の検疫(イヌ・ネコ・アライグマ・キツネ・スカンク)
※ コウモリ・イタチアナグマの輸入は禁止されている

その結果1957年以降は日本国内での発症はみられていません。

ただ、1970年ネパールよりの帰国者1名、2006年にフィリピンよりの帰国者2名が、現地で犬に咬まれ、帰国後に発症しています。最近では2020年に就労のために来日したフィリッピンの男性が発症しています(フィリピンで9月に犬に咬まれ、2月に発症)。

 

媒介動物と感染経路

【媒介動物】

狂犬病の媒介動物として真っ先に挙げられるのが犬です。

そのほかネコ、コウモリ、アライグマ、キツネ、マングース、オオカミ、などがあげられますが、アジアで最も多く狂犬病を媒介しているのは犬です。

【感染経路】

狂犬病の感染はウイルスを含んだ唾液によって感染します。

感染した犬にかまれると唾液に含まれているウイルスが体内に侵入し、神経にそって移動して最終的には脳や脊髄に入り込み増殖して致命的な炎症を起こします。

脳で増殖したウイルスは別の神経にそって移動し、唾液腺の中に入り込みます。犬の場合、狂犬病に罹患すると狂暴になることが多く、興奮して咬みつくことで感染を広げていきます。

感染動物の唾液がついた爪で引っかかれる、傷口や口、鼻、目を舐められることでも感染の危険性があります。

また、狂犬病に感染しているコウモリが棲息している洞窟の中でウイルスを含む飛沫を大量に口や鼻から吸い込むことで感染したという報告もあります。

感染動物に咬まれたり引掻かれた場合の発病率は32~64%と言われており、かまれた傷口の大きさや体内に入ったウイルス量などで大きくかわります。人から人へは感染しません。

 

狂犬病の潜伏期間と症状

【潜伏期間】

狂犬病の潜伏期は長いのが特徴です。一般的には1~3か月、長いと1~2年後に発症した例もあります。

頭に近い部分を咬まれると早く発症(10日くらいで発症することもある)し、足など脳から遠い部分を咬まれると潜伏期間が長い場合が多く見受けられます。

 

【症状】

【人間の場合】 潜伏期:主には1~3か月 多くの場合、次のような経過をとります。

前駆期 発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
急性神経症状期 不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
昏睡期 昏睡(呼吸障害・気道閉塞・けいれん発作・消耗・広範囲の麻痺などによりほぼ100%が死亡)
恐水とは
狂犬病特有の症状で、水を飲もうとすると水の刺激で反射的に強い痙攣が起こるために、水を飲むことを恐れることを指します。そのほかにも神経が過敏になっているため、光や音、風などでも同様な症状がおこることがあります。

 

【犬の場合】 潜伏期:主に2週間から2か月 病期分類できない場合が多い。

前駆期 性格の変化と行動の異常
狂躁期 興奮状態(無目的な徘徊、目に入るものを頻繁に咬む)、光や音の突然刺激に対する過敏な反応
麻痺期 全身の麻痺症状による歩行不能、咀嚼筋の麻痺による下顎下垂と嚥下困難、舌を口外に垂らしながら流涎、昏睡状態になり死亡

参考:厚生労働省 狂犬病について

狂犬病は発症すると多くは数日で命を落とします。

 

狂犬病ワクチンの重要性と義務

毎年1回の狂犬病ワクチン接種は狂犬病予防法によって、飼い主に義務付けられています。怠った場合は20万円以下の罰金が課せられることもあります。

 

ワクチン接種の重要性

日本国内での狂犬病発生は1957年が最後で、65年以上発生していません。

それなのに、なぜワクチン接種が必要なのでしょうか。

【必要な理由】

・狂犬病は動物のみならず人が死ぬ病気
・ワクチンで予防できる病気
・集団免疫をあがるため

万一、海外から狂犬病が持ち込まれた場合でも、免疫があれば蔓延を防げるので、危機管理の面でも必要です。

大流行を防ぐためにはワクチンの接種率70~75%以上が必要と言われています。

ワクチン接種で一匹一匹を守ることはもちろん、大流行を防ぐためには集団免疫を上げることがとても大切です。

例えば、ご家庭の愛犬が、今年狂犬病ワクチンの接種を受けなくても狂犬病にかかるリスクはゼロといっても過言ではないでしょう。

現在日本では狂犬病の封じ込めに成功していますが、ここに至るまでには多くの人や犬猫が命を落としました。捕獲され殺処分を受けた犬の数は想像を絶するものです。その現状を回避するために、行政や獣医師たちの並々ならぬ努力がありました。今の状態をキープするためには、飼い主さんたち一人一人ができることを考える必要があるのではないでしょうか。

 

狂犬病ワクチン接種義務

犬を家族に迎えたら、登録と狂犬病ワクチン接種が飼い主に義務付けられます。

毎年4~6月が狂犬病予防注射期間として定められています。

犬は狂犬病ワクチン接種をいつから・いつまで行えばよいのか、また何回行えばよいのでしょうか。

未登録犬を迎えたら30日以内に生後90日未満の子犬を迎えたら90日を過ぎて30日以内のワクチン接種が必要です。その後は毎年1回、終生必要になります。

日本における狂犬病ワクチンの接種率は令和4年度では71%と低迷しています。これはWHOが提案している接種率75%を下回る結果であり、加えて未登録犬を含めると50%程度以下と推測されます。

統計的にみると昭和60年代から平成7年度まではほぼ100%に近い接種率でした。平成8年から12年は80%台、平成13年度頃から徐々に低下して令和4年には71%という結果になっています。これはあくまでも登録犬に関する数字です。

参考:全国及び東京都犬の登録頭数等(昭和60年度から令和4年度まで)

 

注射済票と鑑札の交付・装着

狂犬病ワクチン接種すると、注射済票が交付されるので、鑑札と併せて首輪やハーネスに装着することが義務付けらています。

令和4年6月より改正動物愛護管理法が施行され「犬・ネコのマイクロチップ情報登録制度」がスタートしました。これはペットショップやブリーダーなど、犬猫の販売業者にマイクロチップ装着が義務付けられるものです。

【マイクロチップに登録されている内容】

・飼い主の住所・氏名・電話番号・メールアドレス
・犬・ネコの識別番号
・暗唱番号
・犬/猫の種別
・品種
・毛色
・生年月日
・性別

「犬にマイクロチップを装着して環境省のデーターベースにの登録申請を行った場合に、その登録を狂犬病予防法における犬の登録申請があったものとみなす」という動物愛護管理法代9条の7に基づいた「狂犬病予防法の特例制度」が開始されました。この制度に参加するか否かは各自治体に判断をゆだねられています。

参考:厚生労働省マイクロチップの装着等の義務化に係る狂犬病予防法の特例に関する対応について

お住いの市区町村がこの制度に参加していれば、ブリーダーやペットショップから子犬を迎えた場合はその犬の登録や鑑札は不要になります。飼い主の変更は必要ですが、ネット上でできます。

ただし、注射済票の交付手続きが必要な場合は各地方自治体の窓口でおこなう必要があります。

 

狂犬病ワクチンが猶予されるケース

狂犬病ワクチン接種が必要な期間は生後90日を過ぎた日から終生にわたり、年1回のワクチン接種が義務付けられています。狂犬病予防法において除外規定はなく、全頭接種が原則になっています。

猶予されるケースは日本獣医師会が独自に定めたもので「狂犬病予防接種不適当犬は接種が猶予されます。

予防接種が猶予されるのは以下の通りです。

狂犬病集合予防注射実施のガイドライン(日本獣医師会)によると狂犬病予防接種不適当犬とは

狂犬病予防注射を受けることが適当でない犬を指し「これらの犬には注射を行ってはならず、猶予証明書を発行する」と定めています。猶予期間は1年間であり、年度ごとに医師の診断が必要になります。あくまでも猶予であり、免除ではありません。

【狂犬病予防接種不適当犬】とは簡単にまとめると

・咬傷事故を起こし鑑定期間中の犬
・重篤な疾患に罹っていることが明らかな犬
・重篤な心不全、急性期や増悪期の腎不全
・以前にアナフィラキシーショックを起こした犬

※重篤とは「死に係るような病態」を指します。

また、注射要注意犬(状態を見て猶予するか否かを判断する)としては

・発熱
・心臓、腎臓、肝臓、血液、栄養障害などの基礎疾患のある犬
・過去に痙攣をおこしたことがある
・妊娠中(妊娠中期のみ接種可)
・強度の興奮

と定めています。健康状態に不安がある方は、接種前に必ず獣医師に相談しましょう。

 

狂犬病ワクチンの注意点

次に狂犬病ワクチン接種の注意点について説明します。

接種前

まず、ワクチン接種のスケジュールの調整をしましょう。

犬に必要な予防接種には狂犬病予防接種(法で定められている)と混合ワクチン(任意)があります。特に子犬を迎えた場合、混合ワクチンの回数も多いので計画的に接種しましょう。

 

【狂犬病ワクチンと混合ワクチンの接種時期が重なる場合】

・混合ワクチンを先にする場合 : 狂犬病ワクチンは2週間以上空けて接種
・狂犬病ワクチンを先にする場合 : 混合ワクチンは7日以上空けて接種

というのが一般的ですが獣医師によって判断は異なります。

ワクチン接種を受けるのは午後が休診で無い日の午前中をお勧めします。万一、異変が起きたときに対処できるようにするためです。

 

接種後

【副反応の確認】

接種後は副反応が出ていないかの観察が重要です。

接種後は15~30分程度動物病院の近くで落ち着ける場所(車の中など)で、様子を見ましょう。アナフィラキシーショックを起こした場合が最も危険で、早急な対処が必要になるからです。

【副反応(大半は6時間以内に出現)】

一過性の副反応:疼痛、元気・食欲の不振、下痢又は嘔吐等。
アレルギー反応;過敏体質の場合 顔面腫脹(ムーンフェイス)、掻痒、蕁麻疹等
アナフィラキシーショック:虚脱、貧血、血圧低下、呼吸速拍、呼吸困難、体温低下、流涎、ふるえ、けいれん、尿失禁等

獣医師から農林水産省に報告されている狂犬病予防注射に関する副作用の件数については、平成27年度は18件となっています(狂犬病ワクチン接種数 4,688,240)

狂犬病ワクチン接種後は1週間程度、あまり興奮させないように配慮しましょう(激しい運動、入浴、交配など)。

また、他のワクチン接種・ノミ/ダニ駆除薬・フィラリア予防薬の投与は控えましょう。

【注射済票の交付】

狂犬病ワクチン接種後は注射済票が交付されます。その場で交付される場合もあれば、市区町村の窓口で手続きの必要な場合もあります。

対応は各市区町村、動物病院、接種時期によって異なります。

注射済票は狂犬病ワクチン接種の度に交付されるので、古いものを外して新しいものに取り換えましょう。

 

 

よくある質問

狂犬病のワクチン接種は時期が外れても受けられますか?

狂犬病予防法では毎年4月から6月を予防注射期間として定めていますが、やむをえない場合は動物病院で接種できます。直接動物病院に問い合わせてみましょう。

狂犬病のワクチンの集団接種はお知らせが届いてなくても受けられますか。また接種はどこの会場でもよいのでしょうか。

2回目以降の接種は接種期間近くになると各市区町村から案内が届くので、そのハガキを持参する必要がありますが、初めての注射の場合も受けられます。その場合、犬の登録も同時に済ませられます(地方自治体によって異なる)。会場と時間は広報などに載っているので同一の市区町村ならどの会場でも受けることができます。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

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ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

狂犬病ワクチンの接種時期や費用は?なぜ受けなくてはならないの?まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・狂犬病ワクチンの接種時期と費用
・狂犬病とはどんな病気か
・狂犬病ワクチンの重要性
・狂犬病ワクチンの注意点箇条書き
について解説してきました。
日本では狂犬病は長い間発症していません。しかし、万一海外から持ち込まれた場合、蔓延防止のためには一匹、一匹が狂犬病ワクチン接種を受けて、集団免疫を上げておく必要があります。発症すると強烈な症状を呈して死亡する恐ろしい病気です。ワクチンの接種率も落ちてきており、接種率の少ない県においては50%程度にとどまっています。
二度と日本で狂犬病が発症しないように、犬猫はもちろん、狂犬病で亡くなる人が出ないように、ワクチン接種は必ず受けましょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。