この記事では
・パピヨンの寿命を伸ばす飼い方
・パピヨンがかかりやすい病気
「パピヨン」とは
パピヨンは、フランスとベルギーが原産の犬種です。
大きな立ち耳と飾り毛が特徴で、蝶が羽を広げた姿を連想することから、フランス語で「蝶」の意味である「パピヨン」の名が付きました。
性格は明るく活発で、とても賢いためしつけやすく家庭犬に向いています。
見た目は華奢ですが、運動神経は抜群でドッグスポーツをこなすタフな一面もあります。
パピヨンの寿命は13~15歳
パピヨンの平均寿命は13〜15歳と言われています。
小型犬の寿命が14歳前後なので、平均的な寿命と言えるでしょう。
もちろん個体差はありますが、丈夫で長生きする傾向があり、獣医療の発達や飼育環境の向上などによって、今後はさらに寿命が伸びることが期待できます。
パピヨンの年齢換算表
パピヨンの平均寿命である13〜15歳を人間の年齢に換算すると68〜76歳程度です。
諸説ありますが、小型犬の年齢を人間の年齢に換算すると以下のようになります。
犬の年齢 | 人間年齢 |
1歳 | 15歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
小型犬は、2歳で人間の24歳に相当し、その後は4歳ずつ年齢を重ねると考えられています
パピヨンの特徴
パピヨンといえば、蝶のような耳と飾り毛が特徴でとても優雅な印象があります。
他にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、パピヨンの起源、サイズ、毛色について詳しく解説していきます。
起源
パピヨンの起源には諸説ありますが、16世紀のヨーロッパでトイ・スパニエルと呼ばれていた小型愛玩犬が祖先となります。
ルネサンス時代のイタリアの絵画にパピヨンの姿が多く残されていることから、イタリア貴族の間で人気の愛玩犬であったことが分かります。
当時の絵画に描かれているトイ・スパニエルは垂れ耳でした。
その後フランスに渡り、ポンパドゥール夫人やマリーアントワネットをはじめとした王侯貴族から愛されてきたことで知られています。
1800年代の終わり頃にはフランスやベルギーで繁殖が進み、立ち耳のトイ・スパニエルが生まれ人気になりました。
そして立ち耳のトイ・スパニエルは、1934年にFCI(国際畜犬連盟)によってひとつの犬種として認められることに。
大きな耳が蝶の羽のようであることから、フランス語で「蝶々」を意味する「パピヨン(Papillon)」の名が公式につけられたのです。
もともといた垂れ耳のパピヨンはフランス語で「蛾」の意味の「ファレーヌ(Phalène)」と呼ばれますが、同じ犬種として認められています。
サイズ
パピヨンは体高28cmまでが標準とされていて、体重は3〜4.5kg程度です。
ただ、個体差が大きく5kgを超えるパピヨンもいます。
体長は体高に比べて少し長く、調和がとれていることが理想的です。
毛色
パピヨンの毛色は、白地であれば全て認められます。
白地にレッド、ブラウン、ブラック、セーブル、レモンなどが入る2色のパーティカラー。
または、白地にブラック、セーブルが入った3色のトライカラーがあります。
レッド:ブラウンに赤みが加わったような色合い
セーブル:ベージュを少し濃くしたような色合い
レモン:セーブルよりもさらに薄くて淡い色合い
ボディや足はホワイトの割合が多く、顔に幅広のブレーズ(鼻筋のように白くなっているライン)があるのが好まれます。
子犬の時期は、成長するにつれ毛色に変化が見られるのも特徴です。
例えば、生まれた時はレッドやセーブルでも、成長すると毛色がレモンに変わることがあり、1〜2歳で成犬の色として落ちつきます。
また、人間も歳をとると白髪になるように、パピヨンの毛色も高齢になると全体的に退色していく傾向があります。
パピヨンの寿命を伸ばす飼い方
愛犬にはいつまでも元気でいてほしいですよね。
犬は、良好な飼育環境によって長生きする可能性が上がります。
ここからは、パピヨンの寿命を伸ばす飼い方について解説します。
ワクチンや健康診断を定期的に受ける
子供の頃から定期的にワクチンや健康診断を受けて、病気の予防をしましょう。
日本では、狂犬病ワクチンの接種が1年に1回と義務付けられています。
また、混合ワクチンは犬同士で感染する可能性のある病気を予防するもので、年1回の接種が推奨されています。
ワクチンに加えて定期的な健康診断を受けることが、病気の早期発見と予防のためにとても大切です。
犬は体調が悪くても言葉で教えてくれないので、何かの症状が現れた頃にはすでに病気が進行していて手遅れの場合もあります。
最低1年に1回、7歳を超えたら半年に1回は健康診断を受け、病気の早期発見に努めましょう。
ブラッシングや口内ケアを日常的に行う
パピヨンのような柔らかくて細い被毛は絡まって毛玉になりやすいので、1日1回はブラッシングをするようにしましょう。
日々のブラッシングによって美しい艶をキープし、皮膚病の予防にもなります。
飾り毛は、コームで丁寧にとかしてあげましょう。
また、パピヨンは歯が小さいため、食べかすがつきやすく歯周病にかかりやすい傾向があります。
歯周病は、進行すると細菌が腎臓、肝臓、心臓などの臓器に影響を及ぼす可能性もある恐ろしい病気です。
口の中の痛みにより食欲減退が生じQOL(生活の質)が著しく下がり、口臭もきつくなります。
歯周病の予防には、日々の歯磨きが最も有効です。
毎日の歯磨きを習慣化して、歯周病を予防しましょう。
十分な運動を行う
パピヨンは華奢で繊細に見えますが、意外と丈夫で体力がある犬種です。
小型犬にしては運動量が多く、30分程度の散歩を朝と夕方に1日2回行くのが理想です。
活発な性格で運動や遊びが大好きなので、散歩の他にドッグランで自由に走らせたりボール遊びなどをしてあげるといいでしょう。
運動をして適度な筋肉をつけておくことは、ケガの予防や老化防止など、健康寿命を伸ばすことにもつながります。
ただし、骨が細く骨折しやすいため、高いところからのジャンプには十分注意してください。
適正体重を保つ
パピヨンは食が細く太りにくい体質ではありますが、もちろん太ることもあります。
日頃からごはんやフードの与えすぎに注意してください。
適切な食事と適度な運動でバランスを取り、肥満になるのを防ぎましょう。
逆に食事を十分に与えているのに、体重が増えず痩せていく場合は病気の可能性が考えられます。
体重が減少する病気には、ガンや糖尿病、クッシング症候群などがあるので、早めに動物病院で診てもらいましょう。
たくさん遊んであげる
パピヨンは好奇心旺盛で遊ぶことが大好きです。
賢く運動神経も抜群で、アジリティやドッグダンスなどのドッグスポーツも得意とします。
外でのアクティビティだけでなく、室内での遊びも取り入れてあげるといいでしょう。
知能が高く賢いので、知育トイを使った遊びもおすすめです。
パピヨンにとって大好きな飼い主さんと遊ぶことは、幸福度が高くストレス発散につながります。
できるだけ毎日たくさん遊んであげるようにしましょう。
年齢に合った暮らしをする
活発で健康的なパピヨンも、歳を重ねることで身体能力に変化が現れます。
例えば、視力が低下してくると家具などにぶつかることがあります。
ぶつかりやすい家具は移動するか、クッション材などで保護するなどの工夫が必要です。
また、高齢になると筋力の低下が見られるようになり、歩くスピードが遅くなったり、散歩に行きたがらなくなることもあります。
ただ、老犬になったからと言って散歩に行かなくなると、さらに筋力が衰え老化を進めてしまいます。
外の空気を吸うだけでも気分転換になるので、愛犬の様子を見て無理のない範囲で散歩へ連れ出してあげましょう。
愛犬の年齢や健康状態に合わせた暮らしをすることが大切です。
パピヨンがかかりやすい病気
パピヨンがかかりやすい病気をあらかじめ知っておき、日頃から予防を心がけましょう。
かかりやすい病気について知っておくと、もし病気になったとしても症状を早期に発見しやすくなります。
胃腸炎
胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が生じることを言います。
誤飲などによって細菌が体内に入り込むことで発症したり、ストレスによって引き起こされることもあります。
犬ではとくに急性胃腸炎が多く、急に下痢や嘔吐が起こり、食欲不振や腹痛が伴うこともあります。
放っておくと食欲不振、下痢などが慢性的に続くようになる場合もあるので、早めに治療を行うことが大切です。
犬の胃腸炎の多くは不適切なものを食べて起こるので、拾い食いによる誤食に十分気を付けるようにしましょう。
外耳炎
外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの外耳道という領域に炎症が起こることを言います。
真菌や細菌が耳の中で繁殖したり、耳ヒゼンダニの寄生、皮膚病との併発、アトピー、アレルギーなど、さまざまなことが原因となって発症します。
軽度では、頭を振る、首の辺りをしきりに掻くなど、耳を気にする仕草が見られます。
重度になると強い炎症による痛みが生じ、耳の辺りを触られるのを嫌がったり、耳道が腫れて耳穴がふさがる、耳の中から膿が垂れてくるなどの症状が見られます。
耳周辺に赤みがないか、耳垢が出ていないか、悪臭がないかを定期的にチェックしてみましょう。
予防のためには耳を清潔に保つことが大切ですが、誤った方法の耳掃除が原因で外耳炎を起こしてしまうこともあります。
耳掃除の方法や頻度は必ず獣医師の指示に従って行いましょう。
水頭症
水頭症は、頭蓋骨の中の脳脊髄液という液体の流れが悪くなり、液が必要以上に貯まって脳を圧迫する病気です。
先天的な要因での発症が多く、後天性のものは脳の損傷や脳内出血、脳腫瘍などが原因で起こります。
症状は、痙攣、てんかん発作、視力障害、意識障害、斜視などさまざまです。
症状の重さは、脳脊髄液の貯まっている量によって変わります。
治療は、投薬によって症状を緩和していきますが、薬で改善しない場合や重症化した状態では手術を検討します。
もし普段の行動に異常が見られたら、すぐに動物病院で診てもらってください。
皮膚病
皮膚病の原因は、ノミ・ダニなどの寄生虫や細菌の繁殖、アレルギーによるものなどさまざまです。
皮膚病になると皮膚に発疹が見られ、痒みや脱毛などの症状が現れます。
パピヨンのような細くて柔らかい被毛はケアを怠ると、絡まって毛玉になり、皮膚が蒸れることで皮膚病にかかりやすくなってしまいます。
そのため、定期的なブラッシングと日頃から皮膚のチェックを心がけるようにしましょう。
眼疾患
パピヨンは、結膜炎や白内障などの眼疾患にかかることが多いです。
結膜炎は目の中にシャンプーやゴミ、ウイルスなどの異物が入ることで結膜に炎症を起こします。
痛みや痒みを伴い、涙が多くなったり、充血する、などの症状が現れます。
普段から眼を傷つけないように気をつけましょう。
白内障は、加齢とともに発症しやすく、発症すると目の中の水晶体が白く濁り、徐々に視力が落ちていきます。
他にもパピヨンがかかりやすい病気に、眼瞼内反症(逆さまつげ)、進行性網膜萎縮(PRA)などの眼疾患が挙げられます。
普段から眼に異常がないかよく観察し、少しでも気になることがあれば動物病院で診てもらうようにしましょう。
寿命の長いパピヨンはペット保険に入っておくと安心
寿命が長い分、年齢を重ねて病気になることも増えてきます。
万が一の時のため、ペット保険に入っておくと、診療費を補償してくれるので安心です。
ここでは保険に加入する際、チェックしておきたいことについて2つ紹介します。
かりやすい病気が補償対象かチェック
保険を検討する際は、パピヨンのかかりやすい病気が補償対象かをチェックするようにしましょう。
ペット保険はどんな病気やケガでも補償してくれるわけではなく、条件によって補償の対象にならないこともあります。
基本的に、予防目的での診療やすでに発見されていて治療中の病気やケガについては、補償対象になりません。
また、生まれつき発症する確率が高い先天性疾患は、すべて対象外になっている保険会社が多いです。
ただし、加入後に先天性疾患と診断されたケースは、補償対象と認められる保険もあるので、加入前によく条件をチェックしておきましょう。
シニア時の保険料をチェック
ペット保険の多くは、年齢とともに保険料が上がっていきます。
1歳と7歳では保険料は大きく違い、最初は安い保険料でも将来的に高額になることもあるので、シニア時の保険料もチェックするようにしましょう。
また、持病があったり、年齢が高くなると加入できない場合もあります。
できるだけ、年齢が若くて元気なうちに加入を検討しましょう。
よくある質問
パピヨンの被毛のタイプは?抜け毛は多い?
歯磨きを嫌がります。どうしたらいいでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【パピヨンの寿命は?犬種の特徴やかかりやすい病気について解説】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・パピヨンの寿命を伸ばす飼い方
・パピヨンがかかりやすい病気
元気で活発なパピヨンには、いつまでもそのままでいてほしいですよね。
パピヨンが長生きするためには、毎日の散歩や遊びを充実させてストレスのない生活を送れるようにしましょう。
元気なうちから定期的に健康診断を受けておくことも大切です。