この記事では
・ラガマフィンの迎え方と飼い方
・ラガマフィンのかかりやすい病気と治療費
「ラガマフィン」とは
ラガマフィンは、ラグドールとペルシャやヒマラヤンなどの長毛種を交配させて誕生しました。1994年に米国で正式登録された比較的新しい猫種です。がっちり体型で筋肉質の大型猫ですが、ふわふわでなめらかな被毛を持ち、性格はおおらかで他の猫や小さな子どもとも仲良くできます。成猫の体重は、オスでは7~9キロ近くなります。
ラガマフィンの特徴(体重や毛色など)
ラガマフィンは猫種としての歴史が浅く、知名度がやや低いかもしれません。
しかし、温厚な性格とふわふわの長毛、豊富な毛色パターンが魅力で、日本でも徐々に人気が出てきています。
現在、日本での飼育頭数ははっきりしませんが、アニコム損保のペット保険加入頭数に限ってみると、2016年度には586頭でしたが2021年には3351頭というように確実に人気がでてきています。
歴史
ラガマフィンのルーツをたどる上で欠かせないのがラグドールです。
1960年ころ、アメリカのブリーダーがペルシャとバーマンを交配して、誕生したのがラグドールと言われており、現在日本でも人気の猫種です。
当時、登録団体のトラブルや繁殖体制の問題も相まって、ラグドールの特徴を生かした新しい猫種を作ろうという動きが出てきました。
そこでラグドールとペルシャやヒマラヤンを交配をして生まれたのがラガマフィンです。
ラガマフィンが誕生した年代ははっきりしませんが、正式に猫種登録がなされたのは1994年のことです。
ラガマフィン(Ragamuffin)の意味をひも解くと、rag(ぼろ布)からきており「ぼろをまとったみすぼらしい子供」というような意味があるようで、子どもに対して使用されるスラングのような表現です。
仮登録をする際にブリーダーが冗談半分で付けた名前が、正式登録時に変更ができず、ちょっと笑えるような名前のまま登録されています。
体重
【体重】 オス : 6.9~9.0㎏
メス : 4.5~7.0㎏
【体高】 オス・メスともに45~60㎝
【体型】 ロング&サブスタンシャル型(がっちり体型)
ラガマフィンは大きくなると体重10キロを超えるケースもある大型猫種です。
大きな猫と言えばメインクーンが頭に浮かびますが、ラガマフィンもそれに匹敵する大きさです。
よく見かける日本の雑種猫は中型で3~4キロ、と考えると大きさが想像できるでしょう。
月齢 | オス(㎏) | メス(㎏) |
生後1ヶ月 | 0.5~1.0 | 0.5~1.0 |
2ヶ月 | 1.0~1.5 | 1.0~1.5 |
3ヶ月 | 1.5~2.5 | 1.5~2.0 |
4ヶ月 | 2.0~3.0 | 2.0~3.5 |
5ヶ月 | 3.0~4.0 | 3.0~4.0 |
6ヶ月 | 3.5~4.5 | 3.0~4.0 |
7ヶ月 | 4.5~5.0 | 3.5~4.0 |
8ヶ月 | 4.5~5.5 | 3.5~4.0 |
9ヶ月 | 5.0~6.0 | 3.5~4.0 |
10ヶ月 | 5.0~6.5 | 3.5~5.0 |
11ヶ月 | 5.0~7.0 | 3.5~5.0 |
12ヶ月 | 5.0~7.5 | 3.5~5.0 |
ラガマフィンは1歳を過ぎても成長します。
キュートな子猫も、でかくなる覚悟をしましょう!!
でかいねこちゃんの姿が掲載されていますので見てください。
まいどなニュース
神戸新聞NEXT
毛色
ラガマフィンの魅力の一つに被毛があります。
いつまでも撫でていたいシルクのような手触りと、バリエーション豊かな色や模様が特徴です。
遺伝学的に発生するすべての毛色が認められていて、模様もさまざまです。
ちなみに目の色も多彩で、ブルー・オレンジ・グリーンなどがあります。
また、オッドアイ(左右の目の色が異なる)の子もいます。
平均寿命
日本ペットフード協会の統計(2023年度)によると 猫の平均寿命は猫全体では15.79歳(完全室内飼16.22歳/外に出る猫13.75歳)となっており、それに比べるとやや短命と言えるでしょう。
生活習慣や健康管理をしっかりと行い、長く元気に過ごしましょう!
【長く元気に暮らすためのポイント】
・食事の管理
・適度な運動
・過ごしやすい環境(完全室内飼いにすることでケガや病気のリスクを減らすことができる)
・病気への備え(ワクチン・健康診断など)
ラガマフィンの性格
ラガマフィンの人気の理由に、おおらかで優しい性格があります。
【ラガマフィンってどんな猫?】
・穏やかで忍耐強い
・大きな体で優しい性格
・鳴き声も小さくむやみに鳴かないためアパートでもOK
・子供や他の動物とも仲良くできる
・一人暮らしの人のよきパートナーになれる
・初心者でも飼いやすい
・ハーネスを着けて散歩する子もいる
・簡単なコマンドを覚える子もいる
アメリカの猫種登録団体ECATでは、ラガマフィンの性格を次のように紹介しています(直訳で分かりづらいですが)。
時間が経つにつれて、彼らの並外れた性格と、それが他のほとんどの猫の性格とどのように異なるのかを理解し始めます。ラガマフィンは家族と強い絆を形成しており、一度あなたの家にラガマフィンが恵まれたら、あなたは永遠にこの品種の虜になるでしょう。中毒性があり、このかわいいテディベア(※)は 1 つだけでは十分ではないことにすぐに気づくかもしれません。
※ラガマフィンは被毛の手触りや抱き心地のよさから猫のテディイベアと呼ばれている
優しい
優しく環境に順応しやすい性格をしています。
「自分が一番」と思っていても、他の動物を押しのけて……といういような行動はとりません。
先住猫や犬などとも馴染んで生活できます。
甘えん坊
猫と言えば「ツンデレ」「気まぐれ」というイメージがありますが、ラガマフィンはとても甘えん坊です。
構ってもらうことが大好きです。
抱っこも嫌がらない子が多いです。しっかり構ってあげましょう。
愛情深い
飼い主さんと常に一緒にいたいと感じています。
本を読んだりテレビを見たり、スマホゲームに熱中している飼い主さんの膝の上で丸くなっていることがよくあります。
いたずら好き
とくに子猫や若い猫は、好奇心旺盛で遊び好きです。
物を追いかけるような激しい遊びではなく、飼い主さんと一緒に小さなおもちゃなどを使って遊ぶのが好きな子が多いようです。
一人遊びも得意ですが、家具やソファを引っかいたり、ティッシュを引き出したり、他の猫たちと同じですが、体が大きいので他の猫より破壊力があるので要注意です。
ラガマフィンとラグドールの違い
ラガマフィンは、生みの親であるララグドールと見た目や性格も似ています。
見分け方
見分け方のポイントは「被毛の色と模様の種類」「目の色」です。
ラグドール | ラガマフィン | |
毛色 | 白やクリームをベースにして ・こげ茶 ・ブルー ・チョコレート ・ライラック |
クリーム グレー ブルー レッドなどすべての色 |
模様 | ・ポイント ・バイ ・ミテッド |
単色 二色 模様がある などさまざま |
目の色 | ブルー | 全ての色 オッドアイもあり |
ポイント・バイカラー・ミテッドとは:ラグドールの模様の写真をご覧ください。
ラガマフィンを家族として迎える方法
では、ラガマフィンを迎えるにはどのような方法があるのでしょうか?
ペットショップで購入する
最もポピュラーな方法です。
ラガマフィンは人気はでてきていますが、すぐに出会えるとはかぎりません。
ペットショップで購入すると、他のグッズなどもそろえることができて便利な方法なのですが。
チェーン展開しているペットショップなら、他のお店にいる子を連れてきてもらえるかもしれません。
ブリーダーから購入する
近くで信頼できるブリーダーを探すことが一番現実的でしょう。
ブリーダーの販売サイトを見ると、かわいいラガマフィンの子猫たちが並んでいます。
ただ、実際に迎えるときにはそのブリーダーの元に出向かなくてはならないため、遠いと移動がちょっと大変です。
ブリーダーから直接迎えるメリットは、親や兄弟たちを見られることでしょう。
成猫になったときのサイズもおよその見当がつきます。価格も購入前にしっかりと確認しておきましょう。
里親になる
保護されている猫の里親になるという方法もありますが、巡り合えるチャンスは少ないかもしれません。
こまめに情報収集をしましょう!
・新聞などの「譲ります」欄
・Web上の里親探しサイト
など
近年、保護猫の里親になる場合は迎える側も審査されます。
里親の条件などを事前に確認しておき、希望に合った猫を見つけたらすぐに迎えられるように準備をしておきましょう。
ラガマフィンの飼い方
魅力いっぱいのラガマフィンを迎え、快適に過ごしてもらうための注意点を説明します。
十分な飼育スペースで飼う
子猫を迎えた場合、その子がどれくらい大きくなるか予想がつきません。
基本は大型の猫なので、飼育スペースは十分に確保しましょう。
遊び好きで、特に大人になるまでの3~4年はよく遊びます。
運動量が少なめなラガマフィンに少しでも動いてもらうためにも、広いスペースを用意してあげましょう。
大きく成長するとオスでは7~9キロにもなるため、そのことを頭に置いておきましょう。
また、飼育環境を整える上で欠かせないのが室温です。
大型の長毛種なので体温調節がうまくできません。
温度や湿度の管理、直射日光が当たらないような工夫も必要です。とくに夏場の熱中症には注意しましょう。
毎日ブラッシングをする
とにかく毛量の多いラガマフィン。
体もさることながら、尻尾も長くふさふさの被毛でおおわれています。
さぞかしブラッシングが大変と思いきや、その被毛はなめらかでもつれにくく、ブラッシングは比較的簡単です。
そしてあまり嫌がりません。
加えて、換毛期(主に春先の3月頃と冬前の11月頃)以外の抜け毛は少ないです。
ただ、抜ける毛はあるのでグルーミングのときに抜け毛を飲み込まないように、毎日のブラッシングは欠かせません。
抜け毛を多く飲み込んでうまく吐き出したり排出できないと、消化管内で飲み込んだ毛が玉になる「毛球症」になり、最悪の場合には開腹手術が必要です。
また、抜け毛対策として月に1回くらいの割合でのシャンプーが効果的です。
シャンプー前後のブラッシングはお忘れなく!
適度に運動させる
ラガマフィンは運動量が比較的少なめな上に肥満になりやすい猫です。
運動量は少なくても、大きくてがっしりした筋肉質の体を維持するためには多くの栄養が必要です。
体を動かすためにも、コミュニケーションを兼ねて一緒に遊んであげると良いでしょう。
遊びは好きなので、飼い主さんがおもちゃをもって誘うとすぐに反応すると思います。
またキャットタワーを用意するとよいでしょう。
高さはあまり必要なく、低めのもので、土台のしっかりしたタイプのものがおすすめです。
食事管理をする
ラガマフィンは肥満になりやすい猫種です。
3~4歳までは成長期なので、バランスのとれた食事(総合栄養食)を与えましょう。
規定の量を目安に肥満かどうかを見極めながらのカロリーコントロールが必要です。
肥満判定にはBCSが一般的に使われます。
環境省のHPに詳細が記載してあるので参考にしてください。
ラガマフィンは毛量も多く外見で判断するのは難しいかもしれませんが、シャンプーの時などを利用して観察しましょう。
簡単な見極め方は、肋骨を触ったときの感触を人の手の甲の感触と比べてごつごつしていたら「やせ」、余分な肉が乗っていたら「ぽっちゃり」ということになります。
人も猫も同じです。
肥満は多くの病気の原因となり、将来的に病気やけがのリスクが高くなるので、早めに対処しましょう。
【肥満になるとどんな病気になりやすい?】
・高血圧
・糖尿病
・心肥大
・脂肪肝
・関節炎
・皮膚トラブル
・腫瘍
ラガマフィンがかかりやすい病気とその治療費
猫には猫種ごとにかかりやすい病気があります。
ラグドールの血を受け継いでいるラガマフィンの場合、以下の病気に特に注意しましょう。
知識を持っておくことで早期発見・早期治療につなげることができます。
肥大型心筋症
病態 | 心臓の筋肉が分厚くなることで、心機能が低下して循環不全を起こす心臓病 遺伝性要素が大きい |
症状 | 初期には気づかないことが多い 進行すると食欲不振・運動を嫌がる・呼吸困難など |
検査 | 超音波検査・レントゲン検査・心電図検査・血圧測定・血液検査など |
治療法 | 根治は困難で、症状に対する治療が主流 |
治療費 | 症状や病気の進行度によって異なる。 定期検査・内服薬の費用:年間5~12万円程度 |
尿路結石
病態 | 体内のミネラル分が砂状や石のような結晶を作ることで尿管、膀胱、尿道を傷つけたり詰まらせる病気 |
症状 | 粘膜が傷つくことで血尿・刺激があるために頻尿 尿管や尿道に詰まると尿が出なくなり激しい痛みをを伴う |
検査 | 尿検査(結晶の有無の確認)、エコー検査・レントゲン検査 など |
治療法 | 内科的治療 抗生物質 抗炎症剤など 手術による摘出 |
治療費 | 内科的治療(含む検査費用):数千円~2万円程度 結石の成分種類によっては療法食で溶かせる場合もある 摘出手術:15~20万円程度 |
尿路石症は、予防効果のあるキャットフードの使用やしっかり水を飲ませることである程度の予防が可能です。
毛球症
病態 | グルーミングのときに飲み込んだ毛がうまく排出できなくて消化管の中で毛球を作る病気 |
症状 | 嘔吐や便秘、食欲不振など |
検査 | 超音波検査 レントゲン(造影)検査 など |
治療法 | 症状が軽い場合は薬を舐めさせて便と一緒に毛玉を排出させる 毛球が消化管の流れを悪くしている場合、完全に詰まっている場合は、手術 |
治療費 | 内科的治療:3000円程度 内視鏡で摘出:2万円程度 開腹手術:20万円程度 |
日ごろからこまめにブラッシングをして飲み込む毛の量を減らすことが予防になります。
換毛期にはブラッシングの回数を増やして、抜けた毛を取り除きましょう。
ラガマフィンの飼育にかかる費用
令和5年度ペットフード協会全国犬猫飼育実態調査によると、猫の飼育費用は1か月平均8,005円(医療費等含む)という結果が出ています。
それをもとにラガマフィンの飼育費用を計算すると、年間96,060円、生涯(13年として計算すると)では1,248,780円という計算になりますが、あくまでも平均値なので参考程度に見てください。
ただ、ラガマフィンは体が大きいので食費など、もう少し高額になる可能性もあります。
ラガマフィンを迎えるときの生体価格は、ブリーダーのサイトを見ると10~30万円程度であり、20万円代が多くみられます。
値段の差は主に血統・性別(女の子の方が高め)・被毛の色・猫の状態などによって異なります。
ラガマフィンを飼うならペット保険への加入を検討しよう
ラガマフィンは、ラグドールの血統を受け継いでおり、遺伝的要因の高い病気にかかる可能性があります。
ペット保険に加入すれば、治療費のことをあまり気に掛けずに動物病院に行けるので、病気の早期発見や早期治療が可能になります。
ペット保険は犬の場合、犬種や大きさによって保険料が異なりますが、「猫」の保険料は大きさに関係ありません。
3キロの猫も9キロの猫も保険料は同じ!
そして、猫の保険料は犬に比べて格安です!
大切なラガマフィンと長く一緒に暮らすためにも、ペット保険加入をおすすめします。
よくある質問
子猫の性別の見分け方を教えてください。
ラガマフィンの子猫を迎えたのですが体重があまり増えないので心配です。食欲もあり元気そうです。
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【ラガマフィンの体重はどれくらいになる?特徴や性格を徹底解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ラガマフィンの迎え方と飼い方
・ラガマフィンのかかりやすい病気と治療費