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犬の片目がおかしい病気とは?症状や病院に行くタイミングも解説

2024年6月24日

病気・ケガ

 
犬の片目がおかしい病気とは?症状や病院に行くタイミングも解説サムネイル
愛犬が目をしょぼしょぼさせている」「涙の量や目やにが増えた」などで悩んでいませんか?
パッと見ただけでは目に異常は見られないと、いつ動物病院に連れて行けばいいのかわかりませんよね。
犬の目の病気は放置すると失明する危険があるため、異常が見られたら獣医師に診てもらいましょう。

この記事では

・見分けるべき異変サイン
・一般的な原因と対処法
・獣医師に診てもらうタイミング
について解説します。
最後までお読みいただければ、「犬の目の健康を維持するための予防策」もわかるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。

【犬の片目がおかしい】見分けるべき異変サイン

犬の目に異常がある場合の症状は下記のとおりです。

・白濁する
・赤みが出る
・目やにが多い
・閉じたがる、こすりつける

いつもと見た目が違ったり犬が気にするようなら異常のサインです。

これらのサインに気づくためにも、通常時の目の様子や普段の行動を観察しておきましょう。

白濁する

犬の目が白く濁る病気があります。

一般的には白内障だといわれがちですが、濁る場所によって異なるため間違えないように注意が必要です。

【濁る場所と考えられる病気】
・目の真ん中が白く濁るケース…白内障など
・黒目が白く濁るケース…角膜炎、角膜潰瘍など

白内障は、黒目の真ん中にある水晶体に影響が出る病気です。

老化や糖尿病が原因で発症しやすく、痛みなどは特にありません。

徐々に視力が低下し、最終的には失明します。

白濁の他に、「歩き方がぎこちなくなる」「ものにぶつかる」「散歩に行きたがらない」などがみられたら白内障を疑いましょう。

一方、黒目の表面が白く濁るのは、角膜に異常が出ていると考えられます。

症状によっては失明するケースがあるため、異常が見られたら動物病院で診てもらうことが重要です。

赤みが出る

犬の目が赤い場合には、状況心理的要因も含めて考えましょう。

個体差はあるものの、動物病院など犬が緊張する場所へ行くなど興奮や緊張でも犬の目は赤くなる場合があります。

また、目にゴミやホコリが入ったときや目をこすったことで、一時的に白目が充血しているような状態になることもあります。

どちらも落ち着くと赤みは治まるため、状況が当てはまるようなら様子を見ておきましょう。

一方、安静時などでも常に目が赤いと異常が考えられます。

【目が赤くなる病気】
・白目が充血している…結膜炎、ドライアイ、アレルギーなど
・目の奥が出血している(前房出血)…外傷、ブドウ膜炎、網膜剥離、高血圧、緑内障など
・目の周りが赤い…アレルギー、マイボーム腺炎など

「結膜炎」「ドライアイ」「緑内障」は後ほど詳しく解説するので参考にしてください。

前房出血」の前房とは、角膜と虹彩の間にある空間で、眼房水とよばれる透明な液体で満たされている部分です。

前房に出血が起こると本来黒いはずの黒目が赤く見え、目の奥で出血していることが確認できます。

また、目の周りが赤くなる「眼瞼炎(がんけんえん)」には、アレルギーの他にも「マイボーム腺炎」が関わっているケースがあります。

「マイボーム腺」とはまつげの生え際にあり、涙液の油成分を分泌することで涙液の蒸発を防ぐ役割をしています。

細菌感染やイボ、油分の詰まりなどでマイボーム腺が閉塞されて分泌物が貯留し、炎症をおこした状態を「マイボーム腺炎」といいます。

目の痛みを引き起こす場合があり、気にして症状を進行させないためにも異常が見られたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。

目やにが多い

目やには目に入ったゴミやほこりを取り除くために生成されます。

目やにの状態によって病気の疑いがあるかどうかが違ってくるため、目やにを観察しておきましょう。

あまり心配がいらない目やに
  • 黒っぽい目やに…ゴミやほこりを固めたもので乾燥している
  • 茶色や灰色の目やに…寝起きに多くみられ目の分泌物や老廃物が固まったもの
  • 白い目やに…皮脂腺の分泌物や目の粘液のかたまりで、目頭に溜まりトロっとしている
病気の疑いがある目やに
  • 目を覆うような目やに…粘度が高く、ドライアイ結膜炎で見られる
  • 黄色い膿のような目やにドライアイ結膜炎の初期症状
  • 水っぽい目やに結膜炎角膜炎が起こり始めているサイン。量や色の変化に注意
  • 臭い目やに…菌が繁殖している可能性。結膜炎に進行する恐れも

目やにが増える原因は他にも、「逆さまつげ」「ブドウ膜炎」「白内障」などがあげられます。

目やにが大量に出るようなら動物病院で診てもらいましょう。

閉じたがる・こすりつける

犬が目を閉じたがったりこすりつけるのには2つの理由があります。

・眠たい、気持ちいいなど
・痛い、痒いなど

できものや目やになど目に異常が見られず、寝る前の決まった時間に目をこするようなら心配いらない行動です。

気持ちよくなるとお腹を見せながら目をこする行動も見られます。

一方、病気を疑うのは痛みやかゆみなど症状があらわれている時です。

症状がみられる場合には、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

また、目が大きく飛び出ている犬種は特に目に傷がつきやすく、症状として目を閉じたがるようなしょぼさせる様子が多くみられます。

中でも

・フレンチブルドッグ
・ペキニーズ
・チワワ

などは「チェリーアイ」にかかりやすいとされており、目の赤みや痛み、かゆみなど目の異常には注意が必要です。

チェリーアイとは
瞼の下に収まるはずの「瞬膜」が飛び出て元に戻らない状態。放置するとドライアイや傷がついて角膜炎になりやすくなる

 

【犬の片目がおかしい】一般的な原因とその対処法

犬の目に多い原因には、次のようなものがあげられます。

・結膜炎
・ドライアイ
・外傷・角膜損傷
・角膜潰瘍
・緑内障
・感染症
・異物の侵入

それぞれの症状や対処法も解説していますので、参考にしてください。

結膜炎

症状
  • 充血や目やに
  • 結膜が浮腫む(白目やまぶたの裏がブヨブヨになる)
  • 目をかく、壁にこすりつける

結膜」とは、白目の内側とまぶたの前面を覆っている薄い膜のことです。

涙の成分である粘液を分泌し、目の乾燥を防ぐなどの役割があります。

この結膜が炎症を起こした状態を「結膜炎」といいます。

結膜炎の原因は目の傷などの後天性のものや、アレルギーなどの先天性のものなどさまざまです。

目の傷が原因で結膜炎になった場合、軽ければ自己治癒で治ります。

ただし、下記の様子が見られたら動物病院で治療を受けましょう。

・白目の赤みがひどくなる
・目のまわりが腫れる
・目が開けられない
・涙や目ヤニが大量に出る
・前足で激しくかいている

上記ほどひどくなくても、目が赤い状態が続く」「目やにが増えた」など気になるようなら獣医師に診てもらうのも良いでしょう。

一方、アレルギーなど先天性の結膜炎には、食物だけでなくハウスダストなど環境的なものが原因のケースがあります。

かかりつけ医と相談をして、適切な治療を受けましょう。

即時の応急処置と症状別の対処法

犬の目がおかしい時の対処法として、次のものがあります。

・エリザベスカラーを着用
・腫瘍がないか確認

あまりにも気にして目をこすり傷が入る恐れがあるような場合には、エリザベスカラーを使用し、症状の拡大を防ぎましょう。

もし腫瘍がある場合には進行が早いため、早急に動物病院に連れていく必要があります。

ほかにも「重度の耳の炎症」「歯周病」などでも目が赤くなるケースがあり、原因が目だけとは限らないことがあります。

獣医師だと目以外の異常が分かるため、動物病院に連れていくことが重要だといえるでしょう。

結膜炎は目薬の投与が主で、症状別にさまざまな種類の目薬が処方されます。

【症状別目薬の種類】
・「ステロイド点眼薬」…アレルギーが疑われる場合
・「抗菌点眼薬」…細菌感染がある場合
・「人工涙液やヒアルロン酸の点眼」…ドライアイの場合

指示通りの回数と期間で点眼を行いましょう。

ドライアイ

症状
  • まばたきの回数が増える
  • 目を何度も掻く
  • 充血、目やに
  • 光をまぶしそうにする
  • 目がしょぼしょぼする
  • 涙の増加や涙やけ

犬のドライアイ(乾性角結膜炎)は何らかの理由で涙腺が十分な量の涙を生成できなかったり、涙の成分バランスが崩れた状態です。

涙不足により眼球の表面をおおう角膜と結膜が乾燥して、炎症や傷、潰瘍を起こす可能性があります。

さらに目の防御機能が低下し感染症のリスクも高まるため、早急な対処が重要です。

犬のドライアイになる原因は、「原因不明」や「免疫異常」が多いとされています。

免疫異常では遺伝的疾患が主で、ドライアイにかかりやすい犬種が存在します。

【ドライアイにかかりやすい犬種】
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・パグ
・シー・ズー
・プードル
・ボストン・テリア
・ヨークシャー・テリア
・ミニチュア・シュナウザーなど

さらにチワワなどの目が突出している犬種だと、瞬きの際にしっかりまぶたが閉じ合わさっていないことが多いため、目が乾燥しやすくなります。

ドライアイで目が傷ついた状態を放置すると、最悪失明するため適切な目の保護が必要でしょう。

清潔に保つ/目薬の使用

目を保護するためには、目の周りを清潔に保ち、症状に合った目薬を使用することが重要です。

目薬の種類はさまざまで効果が違うため、獣医師に処方してもらいましょう。

ヒアルロン酸点眼 涙の代わりになる
抗生剤の点眼 感染をコントロールする
免疫抑制剤が入った眼軟膏 免疫が関与する場合

これらの目薬を併用したり、内服薬が追加されるケースもあります。

眼軟膏とは目に塗る軟膏です。

皮膚に塗るように指でぐりぐりはせず、清潔な指に取った軟膏を目じりから瞼の裏側にそっと塗ると良いでしょう。

瞬きをすれば広がっていきます。

点眼薬と眼軟膏が同時に処方された場合は、必ず点眼薬から使用しましょう。

また、涙の分泌を促進するために1日1~2回のホットパック(温罨法)がおすすめです。

【ホットパックの方法】
①40~42℃のやや熱めのお湯で濡らしたタオルを準備する
②数分間閉じたまぶたの上にあてる

慣れるまでは片方ずつ行いましょう。

タオルは遊び糸が少なく、ガーゼ地のものを選んでください。

お化粧用のコットンは、ちぎれたときに出た繊維でかえって目を傷つけることがあるので避けましょう。

外傷・角膜損傷

症状
  • 目の違和感、しょぼつき
  • 前足や床で目をこする
  • 涙が多くなる
  • 白目の充血
  • 黒目の白濁

角膜とは、黒目を覆っている薄い透明な膜のことです。

外傷によって角膜に傷がつくことを「角膜損傷」といいます。

外傷の原因としては2つのケースが考えられます。

・事故やケンカ
・異物による外傷

異物による外傷はゴミやほこりなど以外に、逆さまつげが関わってくるケースもあります。

ほかにも「細菌やウィルス」「真菌などの感染症」「アレルギー」なども原因になります。

特に猫では「ヘルペスウィルス」などウィルスが原因で角膜を損傷するケースが多くみられます。
また、犬だと「シーズー」や「パグ」など、目が大きく飛び出ている犬種は傷がつきやすいので注意が必要です。

清潔なガーゼでのケア/衝撃から守る

犬の角膜損傷が見られたら多くは涙が増えるため、目元を清潔なガーゼで拭いてあげるなどのケアをしましょう。

目を守るためにも日常生活の中で目を傷つけるような行動は避け、散歩時には草や小枝に顔を突っ込まないようリードを短くするなどの対策を行ってください。

逆さまつげが目を刺激する場合は、定期的に病院を受診してまつげを抜くなどの対処が必要です。

また、ドライアイの犬は角膜炎を起こしやすいので、永続的に専用の点眼薬が必要になることもあります。

角膜潰瘍

症状
  • 強い痛み
  • 涙が増える
  • 白目や目の縁の赤み
  • 黒目の白濁
  • 眼球表面の凹みや膨らみ

「角膜潰瘍」では、角膜の損傷が角膜上皮よりもさらに深い場所にあります。

原因は角膜損傷と同じく、「物理的な外傷」が主です。

角膜潰瘍になると傷が深いため、角膜損傷のような自然治癒は厳しいと考えられます。

放置すると進行して失明するケースがあるため、動物病院で治療を受けましょう。

角膜潰瘍の治療は細菌感染を管理するための抗生物質と、うるおいを保って治癒を助けるヒアルロン酸の点眼が一般的です。

症状によっては1日10回や30分おきの頻回点眼、内服での抗生物質痛み止めが必要になってきます。

潰瘍の程度が重度の場合は、確実な点眼のために入院することもあります。

目薬の正しい点眼方法

角膜潰瘍では点眼治療が主になりますが、多くの動物は点眼が苦手です。

中には攻撃的になる犬や猫もいるでしょう。

ペットに正しく点眼する方法を紹介するので、参考にしてください。

【正しい点眼方法】
①飼い主に背を向けるようにしてお座りをさせる
②後ろから片手であごを持ち、顔を上に向かせてそのまま固定する
③目薬を持っている手を愛犬の頭の後ろから回して、手の側面で上まぶたを頭側に引っ張って目を開かせる
④点眼をする

後ろからだと目薬が見えないため怖くありません。

次回から目薬の雰囲気を察して逃げないよう、終わったらご褒美としておやつをあげましょう。

緑内障

症状
  • 目の痛み
  • 目が大きく見える(牛眼)
  • 白目が赤い
  • 壁やモノにぶつかる(視力低下~失明)
  • 涙が多い
  • 目の表面が白く濁る
  • 食欲や元気がない
  • 目を触られるのを嫌がる

「緑内障」は眼球内の房水の循環が悪くなり、眼圧が上がる疾患です。

緑内障になる原因は2つあげられます。

・遺伝的な素因が疑われる「原発性緑内障」
・他の目の疾患が原因の「続発性緑内障」

緑内障は、目の中の水である房水を排出する出口の「隅角(ぐうかく)」が閉鎖するために起こります。

「原発性緑内障」では隅角の形成異常、「続発性緑内障」では他の眼疾患で二次的に隅角が閉鎖してしまうのです。

【「原発性緑内障」の好発犬種】
柴犬、シーズー、アメリカンコッカースパニエル、ゴールデンレトリーバー、ビーグル、ミニチュアダックスフンド、トイプードルなど

犬は「続発性緑内障」が多いとされており、原因となる眼疾患には次のようなものがあります。

・外傷
・白内障
・水晶体脱臼
・ぶどう膜炎
・眼内腫瘍
・網膜剥離など

緑内障は急激に眼圧が上昇するケースと、ゆっくりと上昇するケースの2つに分けられます。

急激な上昇であれば症状が顕著に表れるため分かりやすいのですが、ゆっくり上昇すると症状に気づきにくいことがあります。

「目をしょぼしょぼさせていたけど、様子を見ていたら失明していた」といったというケースもあるため、目の異常が見られたら動物病院を受診しましょう。

症状が改善しない時の獣医師診断

犬の緑内障には視覚の維持や回復が目的の「急性期」と、痛みや不快感の除去が目的の「慢性期」があります。

時期 治療方法
急性期
  • 点眼での眼圧降下が主
  • 難しいようなら、注射や手術などが視野に入る
慢性期
  • 急性期に比べると緊急度は下がるが眼圧降下の治療は必要
  • 点眼で眼圧管理ができなければ、眼球摘出や義眼などの手術を検討する

緑内障では眼圧が下がると痛みも引くため、眼圧を下げる治療が優先的に行われます。

慢性期では視覚がない状態ですが、眼圧が高いままだと痛みは続きます。

そのため、点眼治療を施しても眼圧が下がらない場合は、痛みによる生活の質を下げないためにも眼球摘出がすすめられます。

眼球を摘出すると瞼がくぼんでしまうので、違和感を緩和させるためシリコン製の義眼の挿入も紹介されるでしょう。

飼い主さんとしては眼球摘出は苦渋の決断になります。

しかし、愛犬の痛みを緩和するために最も効果的なのが眼球摘出です。

獣医師としっかりと相談し、愛犬に適した方法で緑内障の治療を行いましょう。

感染症

症状
  • 腫れ
  • 痒みや出血
  • 充血
  • 涙や目やに

犬は感染症で目に異常を起こすことがあります。

犬の目に異常を起こす感染症には次のものがあげられます。

・細菌感染
・真菌感染
・ウィルス感染

「細菌感染」の代表的なものに「レプトスピラ症」があります。

レプストスピラ症は犬から人にうつる人獣共通感染症で、人のぶどう膜炎の原因にもなるため注意が必要です。

「真菌」とはカビのことで、眼球ではなく瞼の皮膚である「眼瞼(がんけん)」に感染します。

そのため瞼にかゆみが出たり、目元が脱毛するケースも見られます。

「ウィルス感染」では「アデノウィルス」や「ジステンバーウィルス」が一般的です。

風邪のような症状が特徴的で、目以外では鼻水や発熱、下痢や嘔吐などがみられます。

重度の症状への対処

感染症が原因であれば、元になる疾患が改善されると目の異常もなくなるのがほとんどです。

一方、放置したため症状が進行し、「緑内障」や「角膜潰瘍」、「ブドウ膜炎」など二次感染を起こす場合があります。

感染症では「ブドウ膜炎」に進行するケースが多くみられ、原因となる疾患の治療とともに目の治療を行います。

【目の治療方法】
・炎症を抑える点眼や内服薬
・鎮痛効果がある点眼や内服薬など

目に影響を及ぼさないためにもワクチンを接種してウィルス感染を予防し、愛犬の異常には早めに気づくようにしましょう。

異物の侵入

犬の目に入った異物の対処方法は「水で洗い流す」ことが最も安全で効果的です。

市販されている犬用の目薬を使用すると良いでしょう。

目薬がない場合には、弁当のしょうゆなどを入れるタレビンに水を入れると目薬の代わりになります。

ただし、感染を防ぐため容器はしっかり洗って乾かしてから使用してください。

目に異物が侵入することは少なくありません。

特にチワワやシーズーのような目が飛び出ている犬種だとなおさらです。

一方で、犬の瞼には人間にはない「瞬膜(しゅんまく)」があります。

瞬膜はワイパーのような役割を持ち、角膜を保護したり涙の分泌量を増やしたりします。

そのため、犬の目に侵入した異物に対して神経質になる必要はありませんが、目をしきりに気にする様子や掻くようなそぶりが見られたら対処しましょう。

目やにを拭き取る方法

異物が目に入ると、異物を取り除こうとして目やにが出ます。

そのまま放置してしまうとこびりつき雑菌が繁殖してしまうため、こまめに拭きとってあげましょう。

【目やにを拭きとる方法】
・お湯で濡らしたガーゼで優しくふき取る
・固まった目やにはふやかして取り除く

お湯で濡らしたガーゼで目やにを拭きとる際には、強くこすらず目頭から鼻先へ優しく滑らせてください。

多くの目やにはこの方法で取れるでしょう。

固まって取れにくい目やにはふやかすと取れやすくなります。

ぬるま湯で湿らせたティッシュやタオルを目元に当ててあげると、ストレスなく目やにが取れるのでおすすめです。

特に、老犬になるとさまざまな要因で目やにが増えます。

こまめにケアをして雑菌の繁殖を防ぎましょう。

【犬の片目がおかしい】いつ獣医を訪れるべき?

犬の目が下記のような状態の場合には、動物病院で診てもらいましょう。

・眼が赤い
・涙が多い
・眼をしょぼしょぼさせている
・めやにが多い
・眼が白っぽくなってきた
・眼が見えにくそうにしている
・眼が大きくなってきた

これら以外でも、目に違和感を感じたら獣医師に相談することをおすすめします。

目の異常は目につながる神経や耳、全身疾患などが原因になるケースがあります。

目の異常だからといって油断しないことが重要です。

診断と治療プロセス

目の病気の診断をするための検査には次のようなものがあります。

視診 眼の大きさ、瞼の状態、動物の動き方などを評価
触診 まぶたの反射や眼の張りなどを評価
視覚検査 威嚇瞬目反応 眼にそっと手を近づけて眼をつむるかを見る反応
眩目反射 急に強い光を目に当てることで眼をつむるかを見る検査
対光反射 強い光を目に当てたときの瞳孔(ひとみ)の動きをみる検査
綿球落下テスト 音の出ない綿球(コットン)を落として、眼で追えるかどうかを調べる検査
シルマーティア試験 涙の量を測る検査
眼圧測定 眼の圧力を測定する検査
眼底検査 眼の奥にある網膜や視神経乳頭の状態を視る検査
超音波検査 眼の中および眼のさらに奥(眼窩)の検査
フルオレセイン検査 黄緑色の色素を用いて、眼の表面の角膜の傷を検査

これらの検査を用いて目の異常の原因を調べます。

目の治療では主に目薬が処方され、症状に合わせて内服薬が併用される場合があります。

症状の改善が見られない場合

目薬では症状の改善が難しい場合はどうするのでしょうか。

眼疾患での手術には

・病気の改善を目的とするもの
・生活の質を良くする目的のもの

があります。

ただし、病気の改善を目的とする手術は専門の知識と設備が必要です。

そのため設備が整った動物病院でなければ難しいでしょう。

症状の進行具合や痛みの度合い、年齢の考慮などでは最終手段として眼球摘出手術が適用されます。

「眼球を取ってしまうなんてかわいそう」「見た目が変わるのは不安」だと考えがちですが、持続的に続く痛みから解放されることを考えると眼球を摘出したほうが日々を穏やかに過ごせると思われます。

感染症さえ予防できれば、再発や痛みのリスクがなくなるので生活の質も上がるでしょう。

失明による日常生活に関しては、犬はもともと目が悪く、生活する際には視力ではなく「嗅覚」と「聴覚」を頼りにしています。

人間ほど視力に依存していないうえ順応力も高いため、片目や両目を失明しても生活に適用していくといわれています。

そのため治療の効果が見られない場合には、痛みから解放してあげる決断を下す勇気が大切です。

【犬の片目がおかしい】目の健康を維持するための予防策

犬の目の健康を維持する予防策として、下記のようなものがあります。

・日常的な目のケアと注意点
・定期的な獣医師のチェックと健康診断
・視力に良い食事とサプリメント、適切な栄養補給

愛犬の目の健康のために飼い主さんできることを紹介するので、参考にしてください。

 

日常的な目のケアと注意点

日常的に目のケアを行いましょう。

コットンなどで目元を拭いてあげることで、目の異常に気付くとともに涙やけ防止にもつながります。

目やにの量や白目の充血などをチェックし、異常が見られたら動物病院で診てもらうことが重要です。

異常があるために愛犬が目を掻いたりこすりつけたりするようであれば、症状が悪化しないよう注意しなければいけません。

そのような場合にはエリザベスカラーの着用がおすすめです。

動物病院で治療を受けた後でも、目を気にするようならエリザベスカラーの着用が必要な場合があります。

そのため、一つ常備しておくと役立つでしょう。

目の異常は放置すると最悪失明する危険があります。

一方、早期治療で改善するケースも多くみられるため、日常的にケアをしながら目のチェックをしましょう。

定期的な獣医師のチェックと健康診断

定期的な獣医師のチェックと健康診断は、目の健康を維持するためにも重要です。

中でも白内障は老犬になるとかかりやすくなるので、健康診断で定期的に診てもらいましょう。

また、他の病気が関わって目の異常を起こすことがあるため、持病のコントロールも重要です。

糖尿病にかかっている犬は白内障を併発しやすいことが知られています。

アトピーなどのアレルギーを持つ場合には、外傷から目を守るためにも痒みのコントロールが必要です。

目の健康のためにも定期的に健康診断を行い、獣医師と協力して持病を悪化させないよう注意しましょう。

視力に良い食事とサプリメント、適切な栄養補給

犬の目に良い食事には下記のようなものがあげられます。

栄養素 期待できる作用 食材
アスタキサンチン 抗酸化作用があり、白内障の抑制、眼精疲労を改善 シャケ、鯛などの魚
アントシアニン 眼精疲労の予防 ナス、紫芋、赤紫蘇など色の濃い野菜、ブルーベリーなど
ルテイン 強い抗酸化作用と目を守る働き ほうれん草、ブロッコリー、パセリなど緑黄色野菜
DHA 視神経周辺の血流を改善 ブリ、サンマ、マサバなど
ビタミンE 抗酸化作用があり、細胞膜の健康を維持 かぼちゃ、ナッツ、ウナギなど
βカロテン 抗酸化作用があり、粘膜の健康を維持 にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、パプリカなど

普段の食事に目に良いとされるものをプラスしたり、おやつとして与えても良いでしょう。

またこれらの栄養素を簡単に摂取できる方法として、サプリメントがあります。

プルーベリーエキスやDHA、EPA配合など種類も多いので、必要な栄養素や得られたい効果などで選んでください。

パッケージに記載されている給与量をしっかり守って与えてくださいね。

よくある質問

片目がおかしい犬の症状は何?

犬の目に異常がある際の症状には次のものがあります。
・白濁する
・赤みが出る
・目やにが多い
目の異常は進行すると最悪失明するケースがあるため、早めに獣医師に診てもらいましょう。ちょっとした違和感でも早期発見につながるため、普段との違いに気づくことが重要です。

片目がおかしい犬の治療方法はある?

犬の目の治療方法は目薬が主です。それに加えて必要であれば内服薬などが併用されます。内科治療で効果が見られない場合には外科手術が検討されます。
痛みの程度や症状の進行具合によっては「眼球摘出手術」がすすめられる場合があり、失明はするものの辛い痛みから解放されるメリットがあります。
愛犬に合った治療法を獣医師と相談して決断しましょう。

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【犬の片目がおかしい病気とは?】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・見分けるべき異変サイン
・一般的な原因と対処法
・獣医師に診てもらうタイミング
について解説してきました。
犬の片目がおかしい病気の原因はさまざまです。
早期治療で完治できるものが多く、進行を防げるケースもあります。
愛犬の目の異常にいち早く気づくためにも、普段の様子を知っておくことが重要です。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。