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ペット保険で水頭症は補償される?治療法や治療費についても解説!

2024年8月20日

犬の保険

 
ペット保険で水頭症は補償される?治療法や治療費についても解説!サムネイル
人間の場合、1,000人に2人くらいの割合で先天性の水頭症がありますが、犬にもこの病気があるのをご存知ですか?
身体的な特徴や症状を知っておくと、ある程度ご家庭でも推測がつきます。
子犬なのに寝てばかりいる、なんだかボーッとしている、などは水頭症の症状かもしれません。

この記事では

・犬の水頭症(原因/症状)
・犬の水頭症(治療法/治療費)
・犬の水頭症はペット保険で補償されるか
について解説します。
最後までお読みいただければ「犬の水頭症がどんな病気か」や「ペット保険の選び方と加入のタイミング」もわかるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。

 

犬の水頭症ってどんな病気?

脳や脊髄は周囲にある脳脊髄液(髄液)によって保護されています。

髄液は脳室と呼ばれる空間で作られ、脳や脊髄を循環した後に吸収されますが、この工程に何らかのトラブルが生じて脳室に髄液が過剰に溜まるのが水頭症です。

脳脊髄液が多くなりすぎると結果として脳が圧迫され、その構造や機能に支障をきたします。

そのため神経症状行動異常、外見上の変化などさまざまな症状出現します。

原因としては先天性のものが大部分で、完治する可能性は低く長期的な治療が必要です。

犬の水頭症の症状

水頭症のお話の前に、少し脳の構造について説明します。

脳は豆腐のようにもろい組織と例えられることがありますが、まさにその通りで柔らかな組織です。

その脳を守るべく外側は硬い頭蓋骨で覆われています。

脳の表面は、髄膜(外側から硬膜、くも膜、軟膜と三層の膜からなっている)に覆われ、その内側に大脳・中脳・小脳・脳幹と呼ばれる脳実質が収まっています。

頭蓋骨の中に占める割合は、脳実質80%・血管10%・脳脊髄液10%程です。

それぞれの脳の間には「脳室」と呼ばれる空洞が存在し、それらは単独ではなくお互いつながっています。

脳室で産生された脳脊髄液は、脳室やクモ膜下腔(硬膜とくも膜の間の空間)を循環しながら脳や脊髄を衝撃から守り栄養を運び、老廃物を掃除する役割を担っています。

症状は発症してからの期間や、脳にどの程度の圧迫や損傷が生じているかによって異なります。

【見た目から判断できる症状】

・ おでこが出ているようなドーム状の頭
・ 両眼が外側を向いている(外側斜視)
・ 頭のてっぺんに穴(泉門)が開いている(頭頂部の頭蓋骨形成不全/閉鎖不全)

【水頭症の症状~生活場面でみられるもの】

・ぼんやりしている
・寝てばかりいる
・学習能力が低い : しつけなどが入りにくい/できていたことができなくなる
・性格の変化   : 怒りっぽくなる/逆におとなしくなる/攻撃性が出る
・発育不全    : 同腹の兄弟犬より小さい
・食欲不振 など

水頭症の症状~その他神経症状】

・視力障害
・視点が定まらない/眼球振盪(眼振ともいう。意思に関係なく眼球が揺れる)
・ふらつきや旋回運動
・けいれん発作
・意識障害
・麻痺 など

初期症状は、日ごろ共に生活している飼い主さんだから気付けることが多くなります。

「元気がない」「寝てばかりいる」「覚えが悪い」「怒りっぽくなった」などという症状はよくあることなので、「病院に連れて行く」という発想はなかなか出てこないのではないでしょうか。

しかし、この気づきが大切です。

何らかの異変がある場合は注意深く様子観察をして動物病院に相談しましょう。

先天性の水頭症の場合、数週齢から1歳くらいの間に症状が出現します。

犬の水頭症の原因

原因は大きく次の3点に分類されます。

・脳脊髄液の過剰分泌
・脳脊髄液の循環経路のつまり
・脳脊髄液の吸収に問題が生じる

【先天性水頭症の原因】

中脳水道という細い脳脊髄液の通り道が狭窄して流れが滞り、左右の側脳室が障害を受けるケースが多く見受けられます。

また、妊娠中の感染症(パラウイルス等)や有害物質への暴露ビタミン不足出産時の脳出血なども原因となることがあるので注意が必要です。

後天性水頭症の原因

猫の水頭症は犬に比べて少ないですが、後天的に発症する場合もあります。

・外傷
・感染症
・脳腫瘍
・脳炎
・脳梗塞
・猫伝染性腹膜炎(FIP)

水頭症の診断

MRI/CT MRIは診断に最も有効な検査
脳脊髄液(CSF)の流通路の確認、閉塞部位や脳浮腫の程度、腫瘍などの他の疾患との識別もできるので有益な検査。
全身麻酔が必要であり、検査費用も高額だが、手術の際には必要な検査。目的に応じて、CT検査とMRI検査を使い分け、または併用する。
レントゲン検査 水頭症によくみられる大きなドーム状の頭の形、頭蓋骨の異常がないかの確認
エコー
(超音波検査)
V/B ratio(脳室脳比検査)
泉門の開口部(頭頂部にある頭蓋骨が合わさりきっていない穴)がある場合はその隙間からエコー検査が可能で、脳室の中で最も大きい側脳室の評価に役立つ。脳室の拡張・脳実質の菲薄化・脳室内の異常な浮遊物・脳の血流などが確認できる。
血液検査 他の疾患を除外するために必要
脳脊髄液検査

「特徴的な見た目」「脳神経に由来した症状」「犬種」などを考慮した上で検査方法を選び実施して、確定診断を下します。

一般には頭部のレントゲン検査のほか、エコー検査などを行います。

泉門が開口している場合、開口部分から脳脊髄液の状態を確認できますが、脳の全体をエコー検査のみで観察することは困難です。

水頭症にかかりやすい犬種と特徴

先天性水頭症のメカニズムは明確になっていませんが、特定の品種・犬種に多く見られることから、遺伝の可能性が考えられています

特に小型犬や短頭種に多く見受けられます。

【水頭症の好発犬種】

・チワワ
・ミニチュア・ダックスフント
・トイ・プードル
・マルチーズ
・シー・ズー
・ヨークシャー・テリア
・ポメラニアン
・パグ
・ボストン・テリア
・ブルドッグ
・フレンチ・ブルドッグ
など

犬の水頭症の治療方法と治療費例

症状が軽度であれば、まず内科療法で様子を見ます。

【内科治療】
脊髄液の産生量を減らす」「脳脊髄液を排出して脳圧を下げる」ための内服薬投与を行います。

・副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロンなど):脳脊髄液の生産を抑えるため
・浸透圧利尿薬(グリセリン製剤など):脳圧の軽減
・抗けいれん(けいれん発作があれば)

水頭症は治ることはなく長期的な治療が必要になります。

内科的治療で症状が一時的に治まってもいずれ再発します。

【内科的治療の治療費用】

内科的治療のおおよその目安 : 3,000~8,000円/月

平均通院回数 4回/年 1回あたりの治療費 7,234円
(参考;アニコム「みんなのどうぶつ病気大百科」

内服薬は特殊なものではなく、費用もさほど多くかかりませんが、定期的な血液検査(副作用のチェック)やエコー検査などで状態をチェックする必要があります。

内服薬は必ず獣医師の指示通りに与えましょう。

【後天的な水頭症の治療法】

後天性水頭症の治療は原疾患の治療が中心になります。

【外科的治療】

【手術適用のケース】

・内科的治療で効果が得られない
・進行性
・重症

手術方法:脳室腹腔シャント術(VPシャント)が一般的に行われています

この手術は、シャント(短絡)チューブを皮下に埋め込み、脳室と腹腔内を繋いで過剰な脳脊髄液を腹腔内に逃がします。

手術で異物(チューブ)を埋め込むため、炎症やシャントチューブの詰まりや成長に伴うサイズ変更などで再手術が必要な場合も出てきます。

すでに重度になっている場合、急に脳脊髄液を抜くと危険な場合もあるので注意が必要です。

【手術費用】

脳室腹腔シャント術の場合 : 40~50万円(検査費用・1週間程度の入院費用を含む)

手術費用を公開している動物病院の治療費の一例を見ると「脳腫瘍・水頭症の手術費用は385,000円~」と記載してあります。

手術は専門的な分野になり、また設備も必要なため大学病院など、二次診療施設で行うことになります。

また、ペットの診療には10%の消費税がかかりますが、消費税は補償の対象外です。

犬水頭症の予防方法

水頭症は先天的な病気であることが多く予防法はありません。

先天性の水頭症の場合、動物病院を受診するきっかけになるのは「けいれん発作をおこした」「目がみえにくいのか物にぶつかる」などという具体的な症状が出てからというケースが多く見受けられます。

予防はできませんが、早期発見・早期治療で症状の緩和や延命が可能になるので、疑われる症状があれば早めに動物病院へ受診しましょう。

犬の水頭症はペット保険で補償される?

犬の水頭症の治療費は、ペット保険でも基本的には補償対象になりますが、中には補償の対象外としているペット保険もあります。

ただ、「水頭症」という病名が補償対象外にされていなくても、以下の視点でチェックが必要になります。

それが「先天性異常・遺伝性疾患が補償対象になるかどうか」という点です。

【先天性異常に対するペット保険各社の対応】

まず、大前提としてペット保険は「保険期間が始まる前に既に獣医師の診断されている先天性異常は補償対象外」です。

・獣医学の水準から先天性・遺伝性疾患によって生じたと判断されるケガ・病気は補償の対象外
・加入後に初めて診断された先天性異常は補償対象になるが、遺伝性疾患は補償対象外
・該当の契約期間が終了すると翌年度からは補償対象外になることがある

これらのことを頭に置いて保険内容をチェックしましょう。

【ペット保険に加入する際の注意点】

・水頭症を補償対象外にしていないこと
・加入後に獣医師により初めて診断された先天性異常・遺伝性疾患を補償対象外にしていないこと
・てんかんを補償対象外にしていないこと
・手術の補償が手厚いこと
・更新時に条件をつけたり契約を断られることがないこと

もし水頭症になったら、という視点でみると補償内容のしっかりしたフルカバー型(通院・入院・手術のすべてを補償対象にしたもの)の保険がおすすめです。

特に注意しったいのが「保険金をお支払いできない主な理由」「更新時の条件」です。

更新時の条件として保険期間中にかかった疾患によって「ご契約できない場合があります」「条件付きでお引き受けする場合がございます」などという表記のある保険は、たとえ水頭症が補償対象になっていても当該年度のみの補償になる可能性があります。

保険選びをする際には、各保険会社の重要事項説明書や保険約款に必ず目を通しましょう。

近年、ペット保険が簡単にネットで加入できるようになり便利にはなりましたが、のちのち後悔しないように不明な部分は直接保険会社に電話して確認しましょう。

高額になりがちな水頭症の治療のためにもペット保険への加入がおすすめ

先天性の水頭症はほとんどが数週齢から1歳くらいまでの間に症状が出るでしょう。

一般的に水頭症になると寿命が短くなり短命と言われていますが、適切な治療で天寿を全うする場合も珍しくありません。

水頭症の症状が出た場合、早期に治療を開始しないと重症化する危険性があり、診断や治療には高額な費用が掛かります。

可愛い命を守るために、ペットを家族に迎えたらなるべく早くペット保険に加入して、万が一に備えましょう。

よくある質問

我が家のチワワは頭が大きく、泉門も開いています。何となく斜視のような気もします。水頭症なのでしょうか?

外見だけでは水頭症とは言えません。これに何らかの症状が加わって初めて水頭症を疑います。あまり神経質にならない方が良いでしょう。

ペットショップから迎えた犬は健康診断をしているのでしょうか?

ペットショップやブリーダー経由でペットを迎えた場合、健康診断や予防接種などをすでに済ませていたら証明書が発行されます。、必ず確認しましょう。

ペット保険は必要?

ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。

もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

 

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

【ペット保険で水頭症は補償される?治療法や治療費についても解説!】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・犬の水頭症(原因/症状)
・犬の水頭症(治療法/治療費)
・犬の水頭症はペット保険で補償されるか
について解説してきました。
犬の水頭症は完治は期待できません。
ただし、症状が軽く薬でうまくコントロールできれば長く元気で過ごせることもあります。
事前にどのような病気か、情報を得ておけば症状に早く気付けるでしょう。
神経質になる必要はありませんが、1歳になるころまでは知識を持って接していきましょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。