この記事では
・ハムスターがかかりやすい病気と治療費
・ハムスターを飼う時に気を付けたいポイント
「ハムスター」とは
ハムスターは、乾燥地帯に住むネズミの仲間で、キヌゲネズミ科に属するげっ歯類です。
夜行性で、日中の明るい時間は眠っていることが多く、夕方以降になると活動を始めます。
雑食性で、野生では植物の葉、実、種や昆虫などを食べています。
頬に食べ物をしまえる「頬袋」があるのが特徴で、巣の外で見つけた食べ物を頬袋に入れて持ち帰ったりします。
ハムスターは病気にかかりやすい?
ハムスターの平均寿命は、種類や個体にもよりますが、一般的には2〜3年といわれています。
とても小さな体なため、一度病気にかかってしまうと治療が難しく、ハムスターを治療してくれる病院も少ないのが現状です。
ハムスターには、かかりやすいとされる病気がいくつかあります。
ハムスターは、体調が悪いことを隠そうとする習性があるので、普段からハムスターのしぐさや行動をよく観察し、ちょっとした異変にもすぐに気付けるようにしておきましょう。
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ハムスターがかかりやすい病気と治療費
ここから、ハムスターがかかりやすい病気や治療費などについて解説します。
ストレス性脱毛
ハムスターはストレスに弱く、ストレスによって毛が抜けてしまうことがあります。
原因
ハムスターがストレスを感じる原因はさまざまですが、不衛生な飼育環境や触りすぎなどが原因となることが多いです。
症状
・前足の付け根、脇腹、耳の後ろなどに多い
ストレスによる脱毛の場合、気を紛らわそうとして後ろ足で顔や耳、背中、胸、お腹など、身体中をしきりに掻いて、体の一部が脱毛してしまいます。
後ろ足で掻きやすい前足の付け根、脇腹、耳の後ろなどに、円型やひし形状の脱毛が見られることが多いです。
痒がるような仕草はあまり見られません。
治療
ストレス性脱毛の場合、要因となっているストレスを取り除くことが第一です。
飼育環境を見直して問題があれば、その問題を改善し経過観察を行います。
まずはハムスターがストレスにならないような環境づくりを心がけましょう。
治療費例
診察費用で1,000円〜5,000円程度かかります。
不正咬合
ハムスターの前歯は、生涯伸び続けるという特徴があります。
不正咬合は、上下の歯の噛み合わせがずれることにより過剰に伸びてしまう症状です。
通常であれば、上下の前歯が擦りあうことで伸び過ぎを抑制します。
しかし、金属のケージなどを噛んでしまうと、歯の噛み合わせが悪くなって歯が伸びすぎてしまいます。
原因
ケージ内の金網や金属の格子部分を繰り返しかじってしまうことが原因となります。
また、歯肉炎によって正常な噛み合わせができなくなってしまうこともあります。
症状
・歯の変形
・固いものが食べられない
・体重激減
・口や鼻からの出血
口腔内の痛みや違和感によって食欲や元気がなくなり、また、食欲があってもうまく食べることができず、体重が減ってしまいます。
伸びた歯が口腔内に突き刺さって出血してしまうこともあります。
治療
炎症を抑えたうえで、歯科用のカッターなどで歯を切る治療が行われます。
しつこくケージ内の金網をかじるようなら、飼育環境を水槽や衣装ケースに変えるなどの対策が必要です。
治療費例
歯切りの処置の目安は、1,000〜3,000円程度です。
ただし、麻酔が必要となるケースもあり、麻酔費用として5,000円〜1万円ほどかかることもあります。
腫瘍
ハムスターは悪性腫瘍にかかりやすい動物です。
ハムスターと日々スキンシップをとりながら、健康状態をチェックするようにしましょう。
もし体にしこりができたり皮下に腫瘍ができた場合は、すぐに動物病院へ連れていってください。
原因
原因には、遺伝性によるものや高齢による免疫力の低下が挙げられます。
食事のバランスが偏っていたり、劣悪な生活環境などによって、免疫力が低下して発症することがあります。
症状
・食欲や元気の低下
・しこりができる
・腹部の腫れ
初期では症状はほとんど現れず、進行するにつれて元気がなくなり食欲も低下してきます。
腫瘍が自壊して痛みや出血などを引き起こし、衰弱して命を落としてしまうケースもあります。
治療
外科手術によって腫瘍の摘出を行います。
ただし、顔やお尻、尿道の辺りなど、腫瘍ができた部分によっては摘出できない場合もあります。
腫瘍の摘出が難しい場合、温熱治療や放射線治療が選択肢としてあがりますが、処置ができる病院は限られます。
また、抗腫瘍作用のあるインターフェロン製剤やサプリメントなどを使った内科的治療もあります。
治療費例
腫瘍の除去手術は、1〜10万円程度で治療費の幅は状況によって大きく異なります。
入院費用は1日3,000〜5,000円程度です。
その他、完治するまでは診察費・薬代が別途かかります。
低体温症
ハムスターは気温が5℃以下になると、体温が下がって呼吸数も減り、動かなくなってしまいます。
冬眠のように見えることから「疑似冬眠」ともいわれますが、実際は「低体温症」という状態です。
体温が下がりすぎて活動できなくなって、そのまま放っておくと死に至ります。
原因
1番の原因は、寒さ(5℃以下)です。
また、エサ不足も原因のひとつとなります。
温度が下がったうえに、エサが切れてしまうと体温を維持するカロリーがつくれず、体力を失い数時間で亡くなってしまいます。
症状
・呼吸、心拍、体温の低下
軽度の状態では、ふらふらと歩く姿が見られます。
しかし最も多いのは、気付いた時にはもう「冷たくなって動かなくなっていた」というものです。
治療
軽度の場合は、暖めることで回復し、短時間で元気になります。
ただし、一度内科機能に障害を受けると、状態が悪化する場合があるので3日間は十分に注意が必要です。
重度の場合は、保温と同時にブドウ糖や心肺機能促進剤などを注射して、全身マッサージを行います。
数日間は、点滴注射などの集中的な治療が必須になります。
治療費例
低体温症で動物病院にかかった場合、費用は3,000円〜7,000円程度になります。
診察費:1,000円〜5,000円
点滴:1,500円〜2,000円
骨折
ハムスターのよくあるケガとしてあげられるのが骨折です。
ハムスターの骨は非常にもろくて、ちょっとしたことでも折れやすいので注意しなければなりません。
原因
高い場所からの落下、回し車やケージの扉に挟まったりした時に、足を骨折したり、ひどい場合は背骨にダメージを負うケースもあります。
症状
・骨折箇所の腫れ
・手足の向きが曲がっている
・骨が突き出ている
・後ろ足が動かない
ハムスターは自分がケガをしても隠そうとし、患部の腫れ程度では普段と変わらず走り回っていることも多いので注意してください。
手足の向きがおかしかったり曲がったりしている場合は、明らかにおかしな歩き方になります。
骨が突き出ていたり出血している場合は、衝撃が大きかったり骨折の状態を放置しておくことで起こります。
直ちに適切な処置をしないと、手足が壊死するか死に至ることもあります。
また、後ろ足が動かない場合は、脊髄にまでダメージがある可能性があり、非常に危険な状態です。
早急に動物病院へ連れていくようにしましょう。
治療
治療は患部の症状により治療法が異なり、獣医師の判断で自然治癒するのを待つ場合もあります。
その他には、患部を固定するギプスを着けたりテーピングを行う治療法、または手術を行うケースもあります。
手術方法は、患部へビスを打つ手術、開放骨折を縫い合わせる手術、手足を切除する手術などさまざまです。
治療費例
骨折した場合の治療費は、治療法によっても大きく異なります。
動物病院によって費用の幅はありますが、以下を参考にしてください。
レントゲン撮影:3,000〜5,000円程度
薬代:1,000〜2,000円程度
ギプス代:2,000〜5,000円程度
手術代:1万円〜5万円程度
ハムスターを飼う時に気をつけたいポイント
ハムスターの健康を守るためには、ハムスターがストレスのない快適な日々を過ごすことが何よりも大切です。
ここから、ハムスターを飼う時に気を付けたいポイントについて解説します。
生活環境の管理
ケージ内が不潔だとハムスターにとってストレスになります。
ストレスだけでなく病気の原因にもなってしまうので、定期的にケージを清掃し、常に清潔な環境を保つことが大切です。
水は毎日取り替えて、排泄物はできるだけ早めに取り除くようにしましょう。
エサに関しては腐りやすいものでなければ、毎日取り替える必要はありません。
ハムスターは頬袋や巣箱にエサを溜め込む習性があり、腐敗の原因となってしまいます。
定期的に巣箱をチェックして溜め込んでいるエサがあれば処分しましょう。
また、ケージ内に小屋やトンネルなどの隠れ場所を複数つくるようにしてください。
ハムスターは、危険や不安を感じたとき、隠れることで安心感を得られます。
温度管理
ハムスターは乾燥には強いですが、湿った空気は苦手です。
ハムスターの飼育に適した温度は20〜24℃、湿度は45〜55%とされています。
この気温と湿度を目安に、常に安定した室温を保つことが大切です。
また、ハムスターは気温が5℃以下になると疑似冬眠に入ってしまいます。
疑似冬眠に入ると、そのまま死んでしまうこともあるので注意が必要です。
冬の寒い時期はエアコンやペットヒーターを使って室内温度を調整し、気温の低下を防ぎましょう。
体重管理
肥満はあらゆる病気の元となります。
ハムスターが十分に動き回って運動ができる広さのケージを用意しましょう。
回し車は体格に合ったもので回りやすいものを設置してください。
食事は高カロリーのものを避け、主食、副菜をバランスよく与えるようにして、日頃から肥満を予防するようにします。
ハムスターの肥満を確かめるためには、定期的に体重を計って、体重の増減をチェックすることが大切です。
最低でも1ヶ月に1回はクッキングスケールなどで体重測定をし、記録しておくといいでしょう。
平均体重は品種によって違いますが、もし計るたびに体重が増加している場合は注意が必要です。
多頭飼いについて
ハムスターは、非常に縄張り意識の強いどうぶつです。
大人になると、血がつながっている親子や兄弟でも喧嘩をしてしまいます。
激しい喧嘩によってどちらかが死に至ることもあるので、もしハムスターの多頭飼いをするならケージは1匹にひとつずつ用意しましょう。
ハムスターを飼う時はペット保険の加入がおすすめ
ハムスターが病気やケガをした時、治療費は数万円以上になることも意外と多く、ペット保険に加入しておくと安心です。
ペット保険は犬や猫を対象としたものが一般的ですが、ハムスターが加入できるペット保険も存在します。
犬や猫に比べるとハムスターの治療費は割安な傾向はありますが、症状が重く手術が必要になれば、費用は高額になります。
また、ハムスターは自分の体調不良を隠そうとする習性があり、気付いた時には重症化しているケースも少なくありません。
ハムスターの保険料は、1ヶ月あたり数千円程度なので、万が一の場合に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめです。
よくある質問
ハムスターが下痢をしている時の対処法は?
ハムスターの皮膚炎はどのくらいで治りますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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【ハムスターがかかりやすい病気は?飼い方のポイントについても解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ハムスターがかかりやすい病気と治療費
・ハムスターを飼う時に気を付けたいポイント