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犬の股関節形成不全の費用は?大型犬は要注意!症状や治療法も解説

 
犬の股関節形成不全の費用は?大型犬は要注意!症状や治療法も解説サムネイル
犬の股関節形成不全の費用はその程度にもよりますが、最も一般的な大腿骨頭切除術の治療費は片側20万円前後が相場になります。内科的な治療費は年間35,000円程度必要です。
ワンちゃん、特に大型犬を家族に迎えておられる飼い主さん。
飼ってみたいと思われている方。
「股関節形成不全」という関節の病気をご存じですか?
遺伝性要因の強い疾患ですが、きちんとケアすれば悪化を最小限にとどめることができます。
「この子、運動苦手なのかな?」「歩き方が変?」。
そう感じたらこの疾患を疑ってみましょう。

この記事では

・犬の股関節形成不全の症状・原因
・悪化させないために気をつけるポイント
・股関節形成不全の治療と治療費用
について解説します。
最後までお読みいただければ「犬の股関節形成不全はどのような病気か」「犬の股関節形成不全の多発犬種や治療法・治療費用」がわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


 

犬の股関節形成不全とは?

犬の股関節の発育異常により、関節がしっかりとかみ合わなくなる疾患です。

股関節は犬の後ろ足の付け根の関節で骨盤と大腿骨をつなぐ大事な役割を持っていますが、その股関節がしっかりと機能しないため不安定な歩き方をするのが特徴です。

そのため歩くたびに骨盤と大腿骨の間に摩擦が生じ炎症をおこし痛みが生じます。

 

成長期に股関節に異常が起きる病気

股関節形成不全は命に関わるような病気ではありませんが、生活の質(QOL)に大きく関わってきます。

先天的もしくは生後関節が成長する段階(生後3か月位から)で関節のかみ合わせがうまくいかない状態(関節の緩み)が生じてきます

正常な股関節は「骨盤の寛骨臼(骨盤の窪み)に大腿骨頭(大腿骨の丸い部分)がはまりこんで関節を自由に動かせる」仕組みになっています。

 

【股関節形成不全の関節の状態】

・寛骨臼(骨盤の窪み)が浅く大腿骨頭がしっかりとはまらない

・大体骨頭が変形していることで、寛骨臼におさまりにくい

・変形している大腿骨頭に合致しようと、寛骨臼が盛り上がる

このことが、亜脱臼・脱臼・関節炎へとつながり、痛みの原因になります。

 

犬の股関節形成不全の症状!歩き方、座り方が変?

関節がうまく機能しない状態で生活していると、動きがぎこちなかったり、関節をかばうような動きが出てきます。

飼い主さんが「何か変?」と思われる気づきのポイントです。

愛犬にこんな症状が見られたら要注意です。

 

【歩き方】

・腰を左右に振って歩く(モンローウォーク):踏み込みが弱く股関節を動かさないで歩くため腰が左右に揺れる
・フラフラと不自然な歩き方をする
バニーホップ(走るときにウサギのように左右一緒に動かす):股関節をかばって両方の後肢を揃えて跳ねる
頭を下げて歩く
後ろからとぼとぼついてくる

 

【座り方】

・お姉さん座り(横すわり)をする。

【その他】

・散歩の途中で座り込んでしまう
・長時間歩けない
・立ち上がりがぎこちなく時間がかかる
・足腰に触られるのを嫌がる

 

犬の股関節形成不全の原因!過剰な運動はダメ?

股関節形成不全の原因は遺伝7割・環境3割と言われています(JAHD~日本動物遺伝病ネットワーク)。

遺伝的要素と環境要素が複合されて股関節形成不全の程度が決まっていきます。

 

【環境因子】

・肥満:特に1歳までに肥満になると体の重みで成長途上の骨や関節に影響がでてくる
・食餌:偏った食事やカルシウムの過剰摂取
成長期に激しい運動をさせると関節に大きな負担がかかる
・生活環境に注意:関節に負担をかけない配慮~室内飼育の場合、床をすべりにくくする等

元気いっぱいの子犬時代には無邪気に走り回る姿がかわいいですが、体が成長し続けている成長期は過度な運動は控えましょう。

大型犬の成長期は15~18カ月、超大型犬の成長期は18~24カ月と言われており、短期間で体が大きく育つ成長期は骨の成長と筋肉形成のバランスが崩れ関節が不安定になりやすい時期です。

この期間に過度の運動をすることは関節に大きな負担をかけるということを覚えておきましょう。

また成長期にはカロリーやカルシウムが必用と考えられがちですが、現在は成長時期にあわせて必要な成分を盛り込んだ上質のドッグフードが販売されています。

適正なフードを適正量与え、肥満にならないように注意しましょう。カルシウムのトッピング等はNGです。

 

犬の股関節形成不全による症状の現れ方

症状の現れ方は関節の状態や生活様式によっても異なります。

生後3~6か月 関節の緩みが生じ始める(歩行異常、筋肉量の異常等)が、無症状のまま成犬になることもある。痛みがでることもあるが成長期が終わると落ち着く。
4歳ころ~ 関節炎の症状が出始める。股関節がしっかりかみ合っておらず、不安定な動きが原因。痛みが出ても一過性のものが多く「治った」と勘違いすることもある。
8歳以上 このころから顕著な症状が出てくることが多い。不安定な歩き方によって関節軟骨がすり減ってしまうため。
関節の動きが悪くなる・関節の損傷(変形性関節症)・脱臼などが生じると痛みが強くなる

 

犬の股関節形成不全・検査方法

大型犬の飼い主さんは症状の有無に関わらず動物病院で遅くても2歳までには検査を受けておきましょう。もし、関節の緩みが指摘されたなら、生活様式に気を付けることで、悪化を最小限にとどめることができます。

検査方法には次のようなものがあります。

 

【視診】 立様・歩様検査

・モンローウォーク
・ハニーホップ
・ボクシーヒップ(股関節の脱臼により関節の位置が変わり越し幅が広く見える) 等

 

【触診】

・起立した状態で骨盤辺りを手で押すとすぐに座る
・クラッチングヒップ:歩行時大転子(股関節あたり)に手を置くとコツコツ感じる
・股関節の曲げ伸ばしで痛み 等

 

【確定診断】

・レントゲン
・CT
・MRI

専門的なレントゲン検査として有名なのはPennHIP(University Pennsylvania Improvement Program)。ペンヒップ呼ばれ、股関節の緩みを数値化する方法で、麻酔下で認定医により精密なレントゲン検査を実施します(4か月から可)。

その他郵送による読影依頼など、いくつかの専門的な方法も存在します。

 

犬の股関節形成不全の治療・手術方法

治療が必要な場合、先ず内科的治療を試みるのが一般的です。

【内科的治療】ポイントは体重管理・運動・薬物投与をいかにうまく組み合わせるかということになります。

・体重管理をしっかりする(太らせない・標準体重を守る)

・痛みに対しては鎮痛剤や抗炎症剤、などを使用。

・痛みを抑えた上で股関節を使う軽運動を行うこともある。そうすることで関節周囲の組織を強固にする

・関節炎を和らげ可動域を広げるためにレーザー治療。

・サプリメントの使用 等

内科的治療のみで6~7割は良好な生活を維持できると言われています。

運動に関してはトライ(試み)&エラー(痛みが生じる)という方式を取り入れます。実際に運動をさせてみて痛みが出れば失敗です。

痛みが出ない範囲の運動を模索し継続します。安静を保っていると筋肉が痩せてさらに歩行困難になってしまいます。

 

【外科治療】 手術には2通りの考え方があります。

・将来を見据えて症状が出ていない若齢期に手術を行う(予防的手術)
・症状がひどくなってから痛みをとるために手術を行う(救済的手術)

予防的処置としての手術

(生後20週まで) 恥骨結合閉鎖術(恥骨結合の成長板を電気焼灼して股関節が外れにくくするような形を作る

(6~12カ月) 三点骨盤骨切術 腸骨・坐骨・恥骨の3か所の骨を切り、専用の骨プレートを使用して関節がしっかりかみ合いはずれにくくする。

予防的手術は1歳を過ぎると効果が期待できなくなります。

 

救済的処置としての外科手術

手術に踏みきるかどうかの判断基準

・現在の症状
麻酔のリスク
術後の安静期間が保てるかどうか
ケアの方法
費用
リハビリやケアを継続してできるかどうか

などをしっかり検討した上で決定します。

内科的治療で効果が得られないひどい痛み足をつくこともできない筋肉が細くなってきている等の場合の救済措置的な手術が必要になります。

 

手術その① 【大腿骨頭切除術(FHO)】

正しい手術を行い、術後管理がきちんとできたなら7割程度の運動能力の回復が期待できます。

この手術方は主に20㎏未満の犬に対して特に有効ともいわれており、30㎏以上だと痛みはとれるものの歩行機能の回復程度が低くなる場合もあります。

手術方法としては大腿骨頭の頸部から先(丸い部分)を切除することで関節の接点が無くなり痛みが消失するというメリットがあります。

この方法は四つ足動物に対して行う特徴的な手術方法です。術後の回復に時間もかかり、正常歩行ができるまでに早くても2か月、遅い場合は8か月程度が必用、1年をめどにするという意見もあります。

 

手術その② 【股関節全置換術(THR)】

股関節を人工の股関節に入れ替える手術になります。9割程度の運動能力の回復が期待できます。3か月くらいで元の生活に戻れるという優れた手術方法です。

この手術は、実施できる機関も少なくかなり難易度の高い手術です。人工関節自体.がかなり高価な物なので、手術費用を含めると高額に費用が必要になってきます。

 

犬の股関節形成不全の治療費用は?

では股関節形成不全における治療費はどのくらいかかるのでしょうか?

ペット保険や動物病院の資料から拾ってみました。

例えばラブラドール・レトリーバーの場合アニコム動物白書2021によると犬の股関節形成不全の年間平均治療費は98,676円(中央値35,643円)となっています。

またペット保険会社の請求事例をみると(大腿骨頭切除術)

診察 700円
検査 35,000円
全身麻酔 35,000円
手術 300,000円
入院費 35,000円
術後の薬代 6,000円
合計 411,700円

 

次に、手術費用を公開している動物病院の治療費をみても大体15~30万円と幅広いのですが、全国平均的な見方をすれば20万円程度というのが一般的な相場のようです。しかし、治療費にも地域性があるので一概にはいえないでしょう。

病状や使用する医療機器、病院の設備などによっても異なり、また各動物病院によって独自の価格設定をしているので、判断は難しい所です。上記の例はかなり高額な治療費のかかった例です。

結論としては内科的な治療の例としては、年間35,000円程度で、大腿骨頭切除の手術を受ける場合平均20~30万円位が必要になってくるでしょう。

悪までも例なので参考程度と考えてください。

実際には複数の動物病院に問い合わせをしてみた方がよいでしょう。いずれにしろ、手術の場合かなり高額な治療費が必要になります。

 

犬の股関節形成不全の予防法

関節の支持組織である軟骨は、損傷すると復元することはできませんこの軟骨がすり減ってしまうと、骨同士がぶつかり、痛みがでてきます。

遺伝的要因で発症するものなので病気自体を防ぐことができませんが、早期に発見できれば悪化させないためにできることはあります。

・食餌に配慮:体重をコントロールして肥満と関節への負荷を防ぐ

・好発犬種は異常はなくても2歳くらいまでに整形外科的検査を行う

・骨格が未熟な若齢期には激しい運動はさせない

・関節に負荷をかけない生活環境を作る

・日ごろから歩き方等、注意して観察をする

 

犬の股関節形成不全になりやすい犬種、年齢は?

股関節形成不全は特に大型犬・超大型犬によくみられる疾患ですが、小型犬や猫でもまれにみられるものです。

 

犬の股関節形成不全になりやすい犬種は?

一般的には大型犬でも体が丸くずんぐりした脂肪の多い犬種に発症するケースが多く見られます。これらの犬種は筋肉の発達が悪く、腱と靭帯の間に脂肪が入りこむことが関与しているともいわれています。好発犬種は次の通りです。

オールド・イングリッシュ・シープドッグ
ラブラドール・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバー
バニーズ・マウンテンドッグ
セントバーナード
ジャーマン・シェパード
ロットワイラー
グレートピレニーズ
ニューファンドランド
フラット・コーテッド・レトリーバー

 

犬の股関節形成不全になりやすい年齢は?

多くは生後3~6か月で関節の緩みが生じ、「歩き方が変」「あまり走りたがらない」などの症状が出てきます。

若齢期で痛みを生じる場合もありますが、一過性のものがほとんどで成長期を過ぎると痛みも弱まります。

痛みが弱まったので「治った」と判断しがちですが、関節炎の症状は着実に進んでいきます。

早期に診断を受けて、日々の生活の中で飼い主さんが気を付けていけば、悪化を防ぐために飼い主さんができることはあります。

 

犬の股関節形成不全はペット保険で補償される?おすすめの保険は?

犬の股関節形成不全の治療費はペット保険によって補償の対象とするか、補償の対象外とするかが異なります。

また、加入後に発症した遺伝性・先天性疾患を補償とするかもペット保険によって異なります。股関節形成不全は7割程度が遺伝的要因とされているので、ペット保険を検討する際は下記の2点に注意しましょう。

・補償の対象外の項目に股関節形成不全が含まれていないか
・加入後に発症した遺伝性・先天性疾患を補償の対象としているか

また上述したとおり股関節形成不全は手術の場合、相場でも20~30万円、高額になった場合は40万円程度の治療費が必要になります。

内訳には検査費用等も大きな割合を占めるので、しっかり補償してほしいと考えるのであれば、「通院・手術・入院を補償するフルカバー型」のペット保険がおすすめです。

また、

フルカバー型の中でも「手術一回当たりの上限金額が高い」ペット保険がおすすめです。

ちなみに一番人気なフルカバー型のペット保険(補償割合70%)の中で、一回当たりの手術補償金額が高いのは楽天ペット保険とアイペットの、「一回当たり最大15万円まで」です。

犬の股関節形成不全におすすめのペット保険は?

下記の2社は保険の更新時に条件をつけることもありません。生涯終身で加入することができます。

また上記の「股関節形成不全を補償」「加入後に発症した遺伝性・先天性疾患も補償」してくれるペット保険です。

他のペット保険と比べても、特に手術に関して補償内容が手厚い保険プランとなっており、高額になりがちなパテラの手術費用も安心して備えることができます。

・補償内容の他サービスも重視 → アニコム
メリット デメリット
・「腸内フローラ測定」等の予防型サービスも付帯
・手術は一回当たり最大14万円まで保障(ふぁみりぃ:補償割合70%プラン)
保険料が比較的高い

 

アニコム(ふぁみりぃ)

2年目以降のご契約継続について
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。

※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。

引用:重要事項説明書

※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書保険約款もご確認ください

補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう

ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患は補償の対象外となります。

そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。

また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。

また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。

「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。

補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。しかし保険料も高くなり補償内容のグレードも普通のプランより下がってしまいます。

高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。

よくある質問

大腿骨頭切除術ですが、大腿骨の先を切り落としても足が機能するものなのでしょうか。

周囲の関節組織がカバーしてくれるので大丈夫です。とはいえ元通りに戻ることはできません。四つ足動物だからできる手術方法です。この手術の目的はあくまでも痛みをとるための救済処置です。

犬の股関節形成不全はペット保険で補償されますか?

股関節形成不全に関しては遺伝的要因が強く、ペット保険によって対応が分かれるところです。各保険会社の「重要事項説明書」や「約款」でご確認ください。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

 

 

【犬の股関節形成不全】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・股関節形成不全の症状や原因・悪化を防ぐ方法について
・股関節形成不全の治療法と治療費
・ペット保険の対応
について解説してきました。
遺伝的要因の強い股関節形成不全は残念ながら予防することはできません。
しかし、早期に発見して日常生活に気を付けることで悪化を最小限にとどめることはできます。なるべく生活の質を落とさないで、楽しい日々を共に送りたいものです。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。