犬の痙攣の原因は?老犬が痙攣を起こした時の対処法や応急処置を解説
老犬が痙攣やてんかんを起こしたら、まずは犬の安全確保が第一優先です。抱きかかえたり、なでたりすると新たな刺激で痙攣が悪化することもあり、落ち着いた応急処置が重要です。
この記事では
・老犬が痙攣を起こした時の対処法
・痙攣の原因と考えられる病気
老犬の痙攣について~それって痙攣?それとも震え?
老犬の震えは日常的によく見られる症状です。
寒さや、筋力が弱って震えるようになったり、恐怖やストレスで震えてる場合もあります。
寒さや筋力の衰えなどによる震えと痙攣は、全く違う症状です。
ここでは、痙攣と震えの違いを解説します。
痙攣と震え(振戦)の違いとは
痙攣と震えは、自分の意思とは関係なくからだが勝手に動くことで、「不随意運動」と言います。
ただ、同じ不随意運動でも、痙攣と震えは全く違う症状です。
震え:規則的に繰り返す / 細かく単純な運動 / 部分的に起こる
痙攣:より複雑な筋の収縮 / 硬直することもある / 広範囲に起こる / 発作性のもの
痙攣の場合、筋肉がこわばって動けなくなり、周囲のことも分からなくなります。
痙攣発作は、脳に異常が生じることで、手足など体の一部、または全身に痙攣が起こり、意識障害が出ることもあります。
震えは、「振戦(しんせん)」とも言い、リズム性があり反復的な筋肉の収縮を繰り返し、小刻みにプルプルと震えるのが特徴です。
震えの原因の例
・寒さ
・恐怖心
・ストレス
・筋力の低下
・体の痛み
・病気による症状
震えは痙攣と違って、寒さや恐怖心などの理由から震えることがあり、日常的に起こりやすいことです。
老犬が痙攣を起こしたときと後の対処法
愛犬が痙攣を起こしたら、突然のことで多くの飼い主さんは焦ってしまうでしょう。
しかし、犬が痙攣を起こした時、飼い主さんの冷静で落ち着いた対応・応急処置がとても大事になってきます。
ここでは、老犬が痙攣を起こした時とその後の対処法を解説します。
痙攣を起こした直後
老犬が痙攣を起こしたら、まずは飼い主さんが落ち着いて犬の安全確保を行います。
激しい痙攣の場合、頭や身体をぶつけて怪我をする恐れがあります。
犬の周りを毛布やクッションなどで覆い、からだや頭を保護しましょう。
もし屋外で痙攣を起こしたら、お尻を支えながら安全な場所へ移動させます。
心配だからと言って、抱きかかえたり頭をなでたりするなどの行為は避けてください。
痙攣中は犬には意識がないことがほとんどで、噛まれてしまう可能性があります。
嚙む力も無意識なため、非常に強く危険です。
痙攣中
周りで騒いだり触れたりすることで、刺激を与えてしまい、さらに痙攣が悪化してしまう可能性があります。
痙攣中は、安全な場所で痙攣がおさまるまで、様子を注意深く確認しながら見守ります。
後で動物病院で正確な情報を伝えるため、痙攣を起こしている時間を測ったり、獣医師に見せるために動画を撮るといいでしょう。
動画は、診断の際の貴重な情報です。
痙攣発作は2~3分程度でおさまることが多いですが、痙攣が長引いて5分以上続くことがあります。(重積発作)
痙攣中は、よだれを垂らしたり、口から泡を吹く、または失禁をすることもあります。
痙攣後
痙攣後は、動物病院へ連絡してその後の対応を相談しましょう。
痙攣後は、意識がもうろうとしたり歩き回ることがありますが、しばらくすると落ち着きます。
痙攣後もケガに注意して様子を見守りましょう。
また、痙攣中にケガをしている場合もあるので、どこか痛がったりしていないかをよく確認してください。
回復した後もその日のうちに複数回、発作を繰り返すことがあります。(群発発作)
できればその日1日は一緒にいて様子を見てあげられるといいでしょう。
痙攣を起こしたらすぐ通院?緊急性の高い痙攣とは
老犬が痙攣を起こしたら、基本的に痙攣中は動かさず、痙攣が終わって犬が落ち着いてから動物病院を受診します。
ただ、痙攣が数分でおさまり、その後いつもと変わらずに過ごしている様なら病院へ行かず、様子を見ても大丈夫です。
後日、落ち着いてから、かかりつけの獣医に相談してもいいでしょう。
今後どれくらいの頻度で痙攣を起こすかによって、対応は変わります。
単発の痙攣や、前回の痙攣から間隔が空いている場合は、特に治療は必要なく経過観察になることが多いです。
緊急性の高い痙攣
重積発作:痙攣発作が5分以上続く、1回目の痙攣発作を起こしている途中で2回目の発作を起こす
群発発作:1日に何度も痙攣を起こす
重積発作や群発発作は、脳へのダメージが強く、後遺症が出たり命に関わることもあり、寿命や余命にも影響します。
重積発作や群発発作が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
痙攣の原因と考えられる病気について
痙攣の原因と、考えられる病気について解説していきます。
痙攣の原因
痙攣は、脳の異常によって発症します。
動くという動作は、大脳皮質の指令が小脳や末梢神経などを通って、最終的に筋肉に伝えられて起こります。
犬の痙攣は、大脳皮質の表面のシワの部分に、何かの異常・障害が起きた時に発生すると考えられています。
脳の異常は、病気・ウイルス・毒素などが原因となります。
痙攣を起こしたら、今後の治療のために原因が何であるかをはっきりさせることが大切です。
痙攣を起こす病気
犬が痙攣を起こす病気はさまざまです。
・脳疾患(脳炎、脳腫瘍、水頭症、外傷など)
・腎不全
・肝不全
・尿毒症 など
病気以外に、ストレス、熱中症、低血糖、中毒が原因で起こる場合もあります。
痙攣を起こす前に何かを食べた時は中毒が考えられるでしょう。
痙攣が起こる原因は、てんかんや脳炎、脳腫瘍などの脳の異常に関わるものが特に多いです。
痙攣とてんかんは必ずしも結び付くわけではない
てんかんは、痙攣を引き起こす原因としてとても多いです。トイプードル等の小型犬種が好発種であり、チワワに多い水頭症とも密接な関わりがあります。
ただし、痙攣は何かの疾患から引き起こすこともあり、痙攣したからと言って、必ずしもてんかんとは限りません。
痙攣の他に嘔吐や下痢などの症状があれば、重篤な病気の可能性があります。早めに動物病院を受診しましょう。
また、てんかんの多くは特発性で、内臓や脳などに明らかな原因がなく起こることが特徴です。そのためてんかん自体は治る病気ではなく、長い付き合いが必要になる可能性もあります。
個体によって、生涯に一回だけしか痙攣発作が起こらない犬もいれば、初めて痙攣を起こしてから何度も繰り返す犬もいます。
痙攣の頻度が高い場合は、抗てんかん薬を服用し、頻度をコントロールする必要があります。
犬の痙攣を予防するには
てんかんの場合、残念ながら発症自体を予防する方法はありません。
発作は、強いストレスや、大きな音、フラッシュのような強い光などの刺激が引き金となって起こることがあります。
どんな要因が発作と関連しているのかを探るために、発作が起こった日の天候や出来事、愛犬の体調などを細かく記録しておくと参考になります。
痙攣が頻繁に起こるようなら、抗てんかん薬で発作の頻度を減らします。
完全に発作をなくすことは難しいですが、発作の頻度と強度を軽減できるでしょう。
また、てんかん以外の疾患で、ひとつの症状として痙攣が起こることがあります。
その場合、誤飲をさせないことやワクチン接種、定期的な健康診断を受けることが痙攣の予防となるでしょう。
よくある質問
犬が寝ている間にビクッと動くのは痙攣ですか?
犬が痙攣する前兆はありますか?
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【犬の痙攣の原因は?老犬が痙攣を起こした時の対処法や応急処置を解説】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・老犬が痙攣を起こした時の対処法
・痙攣の原因と考えられる病気