この記事では
・犬の尿漏れの原因とは?
・犬の尿漏れの対処法について
尿漏れの原因とは
犬の尿漏れの原因はいくつかあります。
原因として
・腎不全
・副腎皮質機能亢進症
などがあげられます。
これらの病気について順に解説していきます。
ホルモン反応性尿失禁について
尿漏れはメス犬に多く見られる症状です。
原因は「ホルモン反応性尿失禁」であり避妊手術をした老犬が発症するケースが多いです。
本人が意識していない状態で尿が漏れてしまうことが特徴で寝てるときにおねしょをしてしまうこともあります。
逆に起きているときはしっかりトイレで排泄できることもあるため病気だと判断しづらい点でもあります。
寝具が濡れるときにはホルモン反応性尿失禁を疑ってみましょう。
ホルモン反応性尿失禁は女性ホルモンの分泌不足により尿道括約筋の機能が低下し引き起こされます。
治療法は「ホルモン剤の投与」となります。
しかし副作用のリスクもあるため治療方針はかかりつけの獣医師としっかり相談してから決めることがおすすめです。
尿漏れによりお尻や後ろ足などが不衛生な状態になりやすいため皮膚炎にならないようなケアが必要となります。
対処法としては「オムツをはかせる」ことです。
衛生状態を維持できるのであれば治療をせずにそのままというケースもあります。
ホルモン反応性尿失禁のケアとして
・お尻周りの被毛を短くする
・散歩中などオムツを外せる時は外し蒸れないようにする
など行い清潔を保つようにしましょう。
特にオムツをしていると皮膚炎を引き起こしやすくなるため蒸れないように対策することが必要です。
ホルモン反応性尿失禁はオス犬や若い犬がみられることが少ないため同様の症状がみられるときは動物病院を受診しましょう。
腎不全について
尿漏れはホルモン性のものだけでなく腎臓が原因となることもあります。
ここでは「尿漏れの原因となる腎不全」について詳しく解説します。
腎不全の特徴
腎不全は犬の中でもかかりやすい病気、死因ランキングにもランクインするほど老犬には多く見られます。
腎不全は腎臓の機能が低下していく病気です。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど病状が進行してからでないと症状がみられないため、気がついた時には手遅れというケースもあります。
高齢犬には宿命ともいえる病気です。
腎不全の症状はステージにより変わります。
初期症状として
・尿量が増える
・食欲不振
・元気がなくなる
などがみられます。
尿量が透明に近づき、増加するためトイレに行く回数も増え、トイレに間に合わずに漏らしてしまうということがあります。
腎不全はさらに進行すると
・嘔吐
・貧血
・尿毒症
・けいれんなどの神経症状
などの症状がみられます。
腎臓の機能は一度壊れてしまうと再生することはありません。
そのため腎機能が壊れる前に腎臓に負担をかけないようにしていくことが大切です。
腎不全の治療
腎不全の治療は病状やステージにより変わります。
治療内容は
・点滴
・内服薬
などを状態によりすすめていきます。
腎臓の状態を確認する必要があるため定期的に「血液検査」や「尿検査」を行います。
腎不全は治らない病気なため定期的に診察が必要になります。
治療の流れに関してはかかりつけの動物病院でしっかり相談し決めていきましょう。
腎不全は見た目で判断することは難しいです。
そのため定期的に健康診断を受けて早期発見できるようにすることがおすすめです。
副腎皮質機能亢進症でも尿漏れが!
犬の尿漏れの原因には腎臓だけでなく副腎皮質が原因の場合もあります。
ここでは「副腎皮質機能亢進症」について解説します。
副腎皮質機能亢進症の特徴
副腎皮質機能亢進症はクッシング症候群とも呼ばれる病気で、何らかの原因により副腎皮質の機能が亢進することで引き起こされます。
副腎は尿量に影響を与えるホルモンを分泌する部位です。
亢進性となることでホルモンの分泌が過剰になり様々な症状がみられるようになります。
症状として
・尿量の増加
・お腹が膨らむ
・皮膚トラブル
などがみられるようになります。
尿量が増加することによりトイレに間に合わずにもらしてしまうことがあります。
原因が下垂体の腫瘍の場合は「視覚障害」や「神経症状」がみられるようになります。
副腎の腫瘍の場合では「出血」「血栓症」や突然死してしまうこともあります。
原因によってみられる症状も変わるためなにが原因で引き起こされているのか診断してもらいましょう。
副腎皮質機能亢進症の治療
副腎皮質機能亢進症の治療は原因により異なります。
下垂体の腫瘍が原因の場合は「外科手術」「放射線治療」「内科治療」となります。
外科手術は難易度も高いため放射線治療や内科療法で治療をすすめていくことが多いです。
副腎の腫瘍が原因の場合は「外科手術」「内科治療」があります。
手術が可能で転移がないケースは外科治療が行われます。
医原性の場合は原因となる薬を減らし調節していきます。
急激に減らしてしまうと体調を崩してしまうためかかりつけの獣医師としっかり相談して治療をすすめていくことが大切です。
副腎皮質機能亢進症の治療では基本的に生涯投薬が必要となります。
定期的に「血液検査」を行いながら治療を行っていくためどれくらい治療費がかかるのかなども確認しておくといいかもしれません。
また療法食等の餌の切り替えの検討も必要になることがあります。
尿漏れがあったときの対処法
尿漏れがあった時は自分で判断せずに動物病院で診断してもらいましょう。さらに自宅でもしっかりケアしていくことが大切です。
ここでは「尿漏れがあったときの対処法」について解説します。
尿漏れをしているときの犬の状態を確認
尿漏れをしているときの対処法として「犬の状態を確認」することが望ましいです。
・犬が意識して排尿しているか
などをみていきます。
犬の尿漏れが意識していたものによるのかそれとも無意識の状態なのかなどはしっかりみておくことが大切です。
尿の回数・飲水量を調べる
尿漏れをしているときの対処法として「尿の回数・飲水量を調べる」ことが望ましいです。
「尿の回数」「色」「量」をみていきます。
さらに飲水量もしっかり測定してから与えるようにしましょう。
尿量や飲水量をメモし毎日測ることで治療の手助けとなることもあります。
動物病院を受診する
尿漏れをしているときの対処法として「動物病院を受診」することが望ましいです。
尿漏れの原因を突き止めることは自宅ではできません。
かかりつけの動物病院でしっかり診断してもらいましょう。
自宅でもケアをする
尿漏れをしているときの対処法として「自宅でもケアをする」ことが望ましいです。
自宅でできるケアとして
・お尻周りを清潔に保つ
・トリミングをする
などです。
尿がついた部分はニオイがつくだけでなく不衛生な状態になりやすいためドライシャンプーなどでケアしていきましょう。
暑い季節はおむつをはかせることで蒸れてしまいやすいため気をつけてケアしてあげることがおすすめです。
よくある質問
興奮するとうれしょんしてしまう…なぜ?
犬のおもらしを直す方法は?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。しかし保険料も高くなり、補償内容のグレードも普通のプランより下がってしまいます。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
【犬の尿漏れの原因や対処法について】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬の尿漏れの原因とは?
・犬の尿漏れの対処法について