ペット保険の補償割合は50%と70%どっちがいい?徹底解説!
2024年2月20日
この記事では
・多くの方に選ばれている補償割合
・ペット保険での自己負担額の計算例
・ペット保険の50%と70%プランのメリット・デメリット
・ペット保険の必要性
・ペット保険の加入者の実際の治療事例
ペット保険の補償割合とは?50%と70%で人気はどっち?
ペット保険の補償割合は、ペットに治療費が発生した際に加入者が受け取れる保険金の割合を示します。
ペット保険は、50~100%の補償割合を用意しており、中でも50%と70%の2種類を用意しているところが多いです。
しかし、初めてペット保険に加入する場合「補償割合と言われてもどっちを選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ペット保険の補償割合の種類や多くの方に選ばれている補償の種類を紹介します。
補償割合の種類!
ペット保険で用意されている補償割合は、50%、70%、90%、100%の4種類です。
多くのペット保険では50%、70%が用意されており、90%や100%は手術と入院に特化したペット保険や癌に特化したプランなどに適用されることがほとんどです。
また、通院・入院・手術をフルカバーするプランで90%や100%補償してくれる保険会社もありますが、その場合50%や70%の補償割合の保険よりも月々の保険料が高額になりがちです。
申し込み者の多くはどの補償割合を選んでいる?
ペット保険比較アドバイザー経由でペット保険を申し込んだ方のデータによると、1番選ばれている補償割合は70%という結果が出ました。
3つの補償割合から選べるタイプのペット保険の調査内訳は下記の通りです。
補償割合70%:全体の約46%
補償割合100%:全体の約27%
「50%だと心もとない、でも100%だと月々の保険料が高い」…などの理由で70%の補償割合が1番選ばれているのかもしれません。
また、人間の健康保険と同じ割合で3割自己負担がイメージしやすいといったのも選ばれる理由となっています。
補償割合50%と70%ではどっちがお得?
ペット保険に加入してほとんど使う機会が無かった(動物病院に行くことがなかった)のであれば、当然ですが補償割合50%にしてなるべく保険料を抑えていた方がお得だった、ということになります。
逆に多く動物病院に行くことになれば補償割合70%のほうがお得だったということになります。
どうしても迷う場合は一旦補償割合70%にしておくことをおすすめします。
というのも、ほとんどの保険会社で「補償割合70%→50%は可能」だが、「補償割合50%→70%は再審査が必要」とすることが多いからです。
「後天的に選択の余地が広がりやすい」という意味でどうしても迷うのであれば70%にしておくことをおすすめします。
ペット保険での自己負担額の計算例!補償限度額や免責金額で変わる?
ここでは、50%や70%の補償割合を選んだ際、どれくらいの治療費を自己負担するかを紹介していきます。また、補償限度額や免責金額についても解説していきます。
補償限度額とは
ペット保険では、補償限度額が設定されています。
補償限度額とは、1日や1年で支払われる保険金の限度額のとこです。
補償限度額はペット保険会社によって異なりますが、下記では大手ペット保険「アニコム損保」の補償限度額を紹介します。
アニコム損保の支払限度額と限度日数
ふぁみりぃ70%プラン | ふぁみりぃ50%プラン | |
通院 | 1日14,000円まで 1年間に各20日まで |
1日10,000円まで 1年間に各20日まで |
入院 | ||
手術 | 1日140,000円まで 1年間に2回まで |
1日100,000円まで 1年間に2回まで |
例えばアニコム損保のふぁみりぃ70%プランに加入していて、ペットの通院で30,000円の治療費がかかった場合、30,000円の70%は21,000円ですが、1日の上限が14,000円までなので30,000円-14,000円=16,000円が自己負担額となります。
ペット保険によっては支払限度額のみを設けて限度日数は設置していないところもありますが、年間の支払限度額は他社と比較すると低い傾向にあります。事前に各保険会社のパンフレットや約款をよく確認しましょう。
免責金額とは
ペット保険会社によっては免責金額を設定しているところがあります。
- 免責金額とは?
- 実際に病気や怪我で治療費が発生した場合に、契約者が必ず支払う最低限の金額になります。
免責金額は実質的に補償の対象外の金額を指します。免責金額が設定されていると、受け取れる保険金にも差が生じます。【例】
治療費:1万円
補償割合:70%
免責金額:3000円
受け取れる保険金:(10000円-3000円)×70%=4900円
自己負担額:5100円つまり、この場合ですと補償割合が70%であっても自己負担額は50%を越えます。
「一回の支払いは大したことはないが、何回も通院をしなければならない萬世疾患等の治療」では免責金額が飼い主の大きな負担になる場合があります。
診察のみや軽い処置だけの場合、1回の治療費が1万円未満のことがあります。例えば免責金額が15,000円に設定されている場合、15,000円以下の治療費は全額自己負担になってしまうのです。
免責金額があると、ちょっとした症状でも気軽に動物病院へ行きづらくなってしまうのがデメリットといえます。
自己負担額の計算例
例えばトイ・プードルが異物を誤飲した場合、1泊の入院や検査、手術をして治療費に約8万円ほどかかります。
下記は補償割合50%と70%の自己負担額をまとめた表です。
補償割合50%プラン | 補償割合70%プラン | |
自己負担額 | 40,000円 | 24,000円 |
補償割合が高い方が自己負担額は低くなりますが、月々の保険料も70%の方が高いです。
また、免責金額がある場合はさらに自己負担額が増えます。
ペット保険の50%と70%プランを徹底比較!どっちの割合がおすすめ?
基本的に補償割合は、高ければ高いほど月々の保険料も上がります。
ペット保険で50%か70%の補償割合どちらにしようか迷った時は、保険料や補償内容を比較して検討しましょう。
保険料はペットの最期の時まで払い続けるものですので、無理のない範囲で払えるプランを選ぶのがおすすめです。
保険料が高いと思った場合は、補償割合を引き下げていくといいでしょう。
ペット保険の50%と70%プランのメリット・デメリットを比較!
ペット保険の50%プランと70%プランにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
補償割合はそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで選びましょう。
50%プランと70%プランのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。
50%プラン | 70%プラン | |
メリット | ・月々の保険料が安い ・ペットの年齢が上がっても続けやすい保険料 |
・自己負担が少ない ・高額な治療も安心して受けられる |
デメリット | 自己負担が大きい | 月々の保険料が高い |
50%プランは70%とくらべて保険料が安いのが最大のメリットです。
保険料が安いため、ペットがシニアになっても比較的お安く保険を継続できます。
ただし50%プランは70%よりもいざという時の自己負担額が大きいのがデメリットです。
補償割合を選ぶ際は、月々の保険料と補償内容を考慮して選ぶといいでしょう。
結局50%と70%プランはどっちが人気?70%プランがおすすめ!
「50%プランと70%プランのメリット・デメリットはわかったけど、結局どっちが自分とペットに合っているのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
ここでは、50%プランが向いている方、70%が向いている方を紹介してきます。
50%プランに向いている方
50%プランはお手頃な保険料で保険に入れるのが最大のメリットです。
「今は元気だけどもしもの時にとりあえず備えておきたい」「月々の保険料を抑えたい」と考えている方には、50%プランがおすすめです。
70%プランに向いている方
70%プランは、補償が手厚いというメリットがあります。
「いざという時にしっかりと備えておきたい」「保険料は多少高くてもいいから手厚い補償を受けたい」と考えている方は70%プランを選ぶといいでしょう。
70%プランは補償割合が多いため、ペットに万が一の時があった時、値段を気にせず最善の治療を選択してあげられます。
そもそもなぜペット保険が必要?治療費や実際の使用事例を紹介
一昔前までは日本国内でペット保険は存在せず、ペットにかかる治療費はすべて飼い主の自己負担でした。
しかしペットには人間のように健康保険がないため、ちょっとした治療でも1万円を超えるケースがざらにあります。
仮にペットが癌や難病などで継続的な治療が必要になった場合、数百万円以上の治療費を飼い主が負担することも…。
そこで飼い主の負担を少しでも軽減しようとできたのがペット保険です。
なぜペット保険は入るべき?かかりやすい病気と治療費を紹介!
ペットにかかる治療費は基本的にすべて自己負担ですが、その治療費は高額になることも珍しくありません。ペットに万が一の事があった時、お金を気にせず最善の治療を受けさせてあげるためにも、ペット保険に入っておくのがおすすめです。
犬がかかりやすい病気
犬は皮膚炎や歯周病、外耳炎、になりやすいとされています。
皮膚病にかかってしまった場合、1度の治療で根治させることは難しく、継続的な治療が必要となります。
皮膚病は1回の治療費が3,000~8,000円程度とそこまで高額ではありませんが、治療が長引けば長引くほど治療費もかさむため要注意です。
歯周病の場合は手術が必要なケースもあり、その場合は入院や手術で10~20万円程度がかかります。
猫がかかりやすい病気
猫は腎臓病や結膜炎、誤飲などをしやすいとされています。
腎臓は一度悪くすると元に戻すことができないので、いかに進行を遅らせるかがカギとなります。
通院で点滴をしながら経過観察をし、食事療法でこれ以上悪化しないようにするしかありません。1回あたりの通院費は3,000~8,000円程度ですが、手術や入院が必要になった場合は10万円以上かかることも。
また、治療費のほかに毎日のキャットフードを腎臓サポート用のものにする必要がありますが、療法食は通常のキャットフードよりも高いため毎月の食事代もかさみます。
結膜炎は点眼薬で治療するのが基本なので治療費は1~2万円程度と安いですが、誤飲は手術が必要となるケースが多く20万円程度かかります。
ペット保険の加入者の実際の治療事例を紹介!
ここでは、実際にペット保険に加入している方の治療事例を紹介していきます。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、骨の椎骨と椎骨の間にある椎間板が変形して通常の位置から飛び出してしまう病気です。
ペットが椎間板ヘルニアになった場合、症状が軽いなら内科的治療で様子を見ますが、重症なら手術でを圧迫している物質を取り除く必要があります。
手術になった場合の治療費は下記の通りです。
期間/回 | 合計治療費 | |
通院 | 9日 | 133,830円 |
入院 | 7日 | 114,200円 |
手術 | 1回 | 182,420円 |
合計金額 | 430,450円 |
※PS保険での実際の保険金請求額を参考にした金額になります。
入院が長引いたり予後が悪く通院回数が増えたりした場合は、さらに治療費がかかります。
白内障・ブドウ膜炎(左目)の実際の治療費
白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が何らかの原因で白く濁ってしまう病気です。
白内障なって失われた視力は二度と元には戻りません。
ペットが白内障になった場合、内科的治療で進行を遅らせるか、外科的治療で水晶体を取り出し眼内レンズを目に入れる必要があります。
手術をすれば失われた視力が戻り、再び目が見えるようになりますが治療費は高額になりがちです。下記の治療費は片目だけの施術になります。
期間/回 | 合計治療費 | |
通院 | 6日 | 45.400円 |
入院 | 5日 | 114,600円 |
手術 | 1回 | 249,200円 |
合計金額 | 409,200円 |
※PS保険での実際の保険金請求額を参考にした金額になります。
ペット保険はどうやって選ぶ?上手な5つの選び方を徹底解説!
ペット保険を選ぶ際は、補償割合以外にもさまざまなことを考慮する必要があります。ここではペット保険の選び方を5つ紹介します。
加入条件・補償対象
ペット保険を選ぶ時は、加入条件や補償対象で選びましょう。
ペット保険は新規加入年齢が設定されています。
8~9歳程度まで新規加入できるペット保険がほとんどですが、中には11歳や12歳まで加入できるペット保険も存在します。
シニアのペットを飼っていてこれからペット保険に入ろうと思っている方は、まず加入条件を確認するといいでしょう。
また、ペットがかかりやすいとされている病気やケガが補償対象となっているかも要確認です。
例えば多くの犬は歯周病にかかりやすいとされていますが、歯周病は補償対象外としているペット保険もあります。
補償内容・補償割合
ペット保険を選ぶ際は、補償内容と補償割合も重要な比較ポイントです。
補償内容は、通院や入院、手術を補償してくれるのか、1回あたりの上限金額はいくらなのか、更新時に制約はつかないかなどを確認しましょう。
万が一に備えて幅広く補償してくれるペット保険に入りたい方は、通院・入院・手術を補償してくれるフルカバー型のペット保険がおすすめですが、反対に高額になりがちな手術にのみ備えたい方は入院・手術特化型のペット保険に入るといいでしょう。
また、1回あたりの上限金額が低いと、治療費が高額になった時に十分な補償を受けられません。月々の保険料が安いペット保険は1回の上限金額を低く設定している所も多いため、事前に確認しましょう。
更新時に制約がつくペット保険にも要注意です。更新自体はできますが今年度にかかった病気は翌年度から補償されないなどの制約が付く可能性があり、毎月保険料を支払っても必要な補償を受けられない可能性があります。
納得のいく補償内容のペット保険を探したうえで、補償割合は支払う保険料で決めるといった方法もあります。
保険金の請求方法
ペット保険の保険金請求方法は、窓口精算か後日請求の2つです。
窓口精算は、動物病院で補償分が引かれた金額を支払うだけなので手続きがいらず簡単ですが、大手ペット保険しか対応していません。
後日請求は、一旦治療費すべてを全額負担し、後日郵送や専用アプリ、LINEなどで必要書類を送付して保険金を請求する方法です。
後日請求は一旦でも大金を負担しなくてはならないのと、必要書類を用意して送る手間がありますが、すべてのペット保険が対応しています。
保険金請求の手続きが面倒な方は窓口精算に対応しているペット保険を選ぶといいでしょう。
免責金額
免責金額については先程も解説しましたが、治療費が発生した際に契約者が最低限支払わなくてはならない金額のことです。
免責金額が設定されていると、ちょっとした症状でも気軽に動物病院へ行きづらくなってしまうかもしれません。
月々の保険料が安いペット保険は免責金額が設定されているケースがあるため、事前にチェックしましょう。
保険料
ペット保険は、ペットの年齢が上がるごとに保険料も上がるのが基本です。
しかし中には3~4年ごとにしか値上げしないところや、12歳以降は終身まで定額のところなど値上げスピードが緩やかなペット保険もあります。
最近はペットの平均寿命も長くなっていますので、最期のときまで払い続けられる保険料のペット保険を選ぶのがいいでしょう。
更新時に条件は付かないか?終身で補償される保険がおすすめ
ほとんどのペット保険が一年契約となっており、契約を毎年更新していくことで終身の補償となっています。
つまり、ペット保険に加入すると毎年契約更新の審査があります。
中には「前年度にかかった傷病や慢性疾患」等の、特に治る見込みが少ない、再発の可能性が高い慢性疾患を、更新の際に「来年度から補償の対象外とします。」と条件を付け加えてくる保険会社があります。
もちろん中には「更新の際に条件を付け加えることはありません」といった記載をしているペット保険もあります。
もちろんそういった病気にかかる確率は低いですが、上記のようなペット保険だと更新時の際に「来年度から泌尿器疾患は補償の対象外とします」といった条件を付けられる可能性があります。
そういったリスクヘッジをしているので、代わりに保険料が低く設定されている事が多いです。
よくある質問
ペット保険に加入した場合、負担割合はどれくらいですか?
アニコム損保に加入予定ですが、50%か70%どちらに加入するか迷っています。どっちに入るのがいいでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【ペット保険の50%と70%プランどっちに入るべき?】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・多くの方に選ばれている補償割合
・ペット保険での自己負担額の計算例
・ペット保険の50%と70%プランのメリット・デメリット
・ペット保険の必要性
・ペット保険の加入者の実際の治療事例