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犬の皮下点滴は自宅でもできる?副作用やトラブルについても解説!

2024年5月22日

犬の保険

 
犬の皮下点滴は自宅でもできる?副作用やトラブルについても解説!サムネイル
犬の皮下点滴に直接的な副作用はありませんが、犬の状態に関して獣医師と綿密な連携が必要です。自宅でできる腎不全等の治療としてメリットもありますが点滴は医療行為という自覚も大事です。
「実は最近ワンちゃんの点滴を家でやっているのよ」
そんな話を聞いて驚きました。よく聞いてみると「皮下点滴」だそうです。
ご家庭でできる「皮下点滴」とはどのようなものなのでしょうか?

この記事では

・皮下点滴とはどのようなものか
・皮下点滴のメリットとデメリット
・皮下点滴の方法と注意点
について解説します。
最後までお読みいただければ、「皮下点滴の効果やメリット・デメリット」や「皮下点滴の方法とコツ」などがわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


犬の皮下点滴とは?自宅でのやり方やコツを解説!

もし、かかりつけの動物病院で「お家で皮下点滴をやってみませんか?」と言われたらどうでしょう。

家庭における皮下点滴は「何らかの理由で継続的な点滴が必要な場合」に勧められることがあります。

 

そもそも犬の皮下点滴とは?どのような点滴なのか

皮下点滴とは、犬の皮膚と筋肉の隙間に注射針を使用して輸液を行う方法です。犬の皮膚は筋肉の膜にゆるくくっついているので、摘まむと伸びます。

皮下に注入された輸液剤は周囲の毛細血管からゆっくりと吸収されます。最大のメリットは10分程度の短時間で行えることでしょう。軽度の脱水に対して有効な治療方法です。

 

皮下点滴はどんな点滴?静脈点滴とはどのように違うのか

動物に行う点滴の種類には静脈点滴」「皮下点滴があります。

実施時間 吸収にかかる時間 点滴できる輸液の種類
静脈点滴 長い 即効性 水分 電解質 治療薬 ブドウ糖 等
皮下点滴 10分前後 数時間~1日 水分 電解質

 

【皮下点滴】とは、動物の「皮下」に行う点滴です。皮下補液とも言います。

ワンちゃんの首から背中あたりの皮膚をつまむとテント状に伸びます。動物は人間とは異なり、皮膚が筋肉の膜にゆるくつながっているので摘まむと伸びるのです。

皮下点滴はこの特徴を利用して、主に首から背中にかけての皮膚の下の隙間に注射針を用いて輸液剤を入れる方法です。

主に生理食塩水やリンゲル液などの等張液(血液と浸透圧が同じもの)が使用され、治療薬は使用しません

よく静脈点滴に使用されるブドウ糖も、浸透圧を高めて投与部位の皮下に血液から水分を奪い脱水を助長する危険性があるので使用しませんビタミン剤なども局所刺激が強いためほとんど使用されません。

注入した輸液剤は数時間から1日かけて周囲の毛細血管からゆっくりと吸収されます。

【静脈点滴】とは 直接静脈に針を刺し、必要な水分やミネラルのほか、治療薬などを状況に応じて混入し、綿密な速度のコントロールをしながら、機械によって行われる点滴方法です。即効性はありますが、心臓に負担をかけないために一定の速度より早く輸液を入れることはできません。

 

皮下点滴のメリットや目的は?水分を補給できる!

皮下点滴の目的は「水分と電解質を補給して脱水状態を改善すること」です。

動物たちの体の60%は水分です。体を作っている細胞の中には細胞内液があり、細胞と細胞の間にも細胞外液があります。血液・消化液などの中にも水分があります。これらをひっくるめて「体液」と言います。

体を正常に機能させるためには細胞内液と細胞外液のミネラル(ナトリウム・カリウム・クロールなどの電解質)バランスが精密にコントロールされている必要があり、栄養や水分が十分でないとこのバランスが崩れ状態が悪化します。

このように動物の体にとって水分やミネラルは非常に大切な役割を担っています。

体液が失われている「脱水状態」にあるときには「点滴は最も有効な改善法」です。

 

皮下点滴のメリット】(静脈点滴より優れている点)

・短時間で終わる(10~15分程度)
・自宅でもできる

皮下点滴では静脈点滴と異なり何時間もかかることはありません。一日に必要な量を10~15分で注入します。静脈点滴は直接輸液剤を血液中に入れることになるので、少しずつしか入れることができません。急激に入れると心臓に大きな負荷がかかってしまいます。

皮下点滴では急速に注入しても吸収が緩やかなので心臓への負担もかかりません。また短時間で終わることで、よく動くワンちゃん、興奮しやすいワンちゃんに適した方法と言えるでしょう。

老犬の脱水症状は即命に係る大きな問題です。このような場合も効果が期待できます。

また、皮下点滴をご家庭でできれば体調の悪い犬の通院の負担や精神的なストレスも軽減できます。飼い主さんにとっても時間制約がなく、経済的にも負担が軽減できます。

メリットがあれば当然デメリットもあります。

【皮下点滴のデメリット】

・針や輸液剤などの衛生管理をしっかりと行わなければならない(医療面における清潔・不潔の認識が重要)
・体調の変化に気づきにくい
・うまくできないこともある

獣医師さんの中にはご家庭での皮下点滴に消極的な方もおられます。飼い主さんが皮下点滴を行うと、当然受診回数が減ってきて、ワンちゃんの状態の把握ができにくくなるというリスクがあります。少し様子がおかしいと病院に連れて行ったときには手遅れというケーズも珍しくありません。

 

皮下点滴が有効な症状とは?下痢や嘔吐の際には有効!

皮下点滴は、嘔吐や下痢が続いて脱水症状を起こしている動物に適した治療法です。また、嘔吐や下痢が続いている場合、絶食して胃や腸を休ませる必要があるときにも効果があります。

【皮下点滴が適した症状~脱水の原因】

下痢:便とともに水分も多く排泄されるので脱水になることがある。
嘔吐:胃酸を含む液体が出てしまうので電解質の異常をきたすことがある。
慢性腎臓病:腎臓がうまく機能しないことにより、「尿からの水分の再吸収」がうまくできず脱水になる。

 

皮下点滴が適さない場合とは?重度の脱水には適さない!

皮下点滴は、脱水に対しては有効な治療法ですが、適さない場合もあります。

・ゆっくりと吸収されるので緊急時には適さない。
重度の脱水 毛細血管の血流も悪くなっているので吸収効率が悪く効かない場合がある
・皮下点滴は主に水分と電解質の補給しかできない。治療に必要な薬は使用できない。

 

皮下点滴で犬にどんなトラブルが生じる?副作用はあるのか

ご家庭で実際に皮下点滴をおこなうとき、どんな副作用やトラブルがあるのか心配でしょう。ここではおこりやすいトラブルについて解説します。

皮下点滴の直接的な副作用はありません

ただ、異変を感じたら些細なことでも獣医師に報告しましょう。皮下点滴に関しては輸液の量はどれくらいかはっきりとした決まりがないので、判断は各獣医師によって異なります。輸液の吸収が悪いようなら量が多いのかもしれません。いずれにしろ、獣医師との綿密な連携が必要です。

 

皮下点滴で生じたコブを気にしてしまう

最初に皮下点滴を行った時、背中が大きく膨らむのを見て驚かれる飼い主さんもおられます。輸液が入った分だけが膨らみこぶのように見えます。

犬も、何かしらの違和感を感じそわそわすることもあるでしょう。しかし輸液は徐々に吸収されるので心配はいりません。数時間から一日で吸収されます。輸液剤は事前に体温程度に温めておいた方が違和感が少なくなるでしょう。

 

皮下点滴後、お腹や脚が浮腫む

皮下点滴で背中に入った輸液剤は重力の関係で、次第とお腹や足の方に降りてきてぶよぶよになることがあります。それが浮腫みの原因です。これも次第に吸収されることでなくなります。腫れているのではなく、正体は輸液剤です。

寝ることが多いと、注射した部位によっては顔や顎の方にむくみが出ることもあります。

一日を経過してもまだむくみが残っている場合は、具合が悪くなっているか、輸液量に問題がある場合もあります。必ず獣医師に相談しましょう。

 

背中から補液剤が漏れてくる

皮下点滴が終り針を抜くと、中に入っている輸液剤が流れ出てくることがあります。皮下点滴後しばらく皮膚をつまんでおきましょう。また、背中の「こぶ」は抑えないようにしましょう。圧迫すると針穴から流れだします。

 

自宅で皮下点滴を行う際の方法やコツとは?

自宅で皮下点滴を行う場合は動物病院で必要な物を処方してもらいます。

 

愛犬が暴れる!自宅での皮下点滴のやり方とコツを解説!

皮下点滴のやり方は動物病院でしっかりと説明を聞いておきましょう。説明を受けた上で、手順を文章で読んだり動画を見てイメージを固めるておきましょう。最初はうまくいかなくても、慣れると意外と簡単です。飼い主さんの緊張が犬にも伝わってしまいます。

ご家庭での皮下点滴は主には慢性腎不全など「継続的に水分やミネラルを補給する必要がある」場合です。

【皮下点滴の手順】

① 点滴をセットする
② 注射部位を消毒する
③ 皮膚をつまんで針を刺す
④ 輸液を入れる
⑤ 終了したら針を抜く

というのが手順ですが、具体的な方法は動物病院のHPでも紹介されているので、参考にしてください。ALL動物病院行徳

また動画でわかりやすく説明している動物病院もあります。一例をご紹介しますので覧ください。刈谷動物病院グループ

いかがでしょうか?皮下点滴の手順がイメージできたでしょうか?

【皮下点滴のコツ】

・しっかりとイメージトレーニングをしておく(手順・針の向き・刺す角度など)
・犬が動くと針が抜けたり、筋肉に傷がついたりするので最初は二人で行うとよい
・いちげきで刺す(躊躇わない)
・うまくできない場合もあるる。失敗してもあせらない。時間をおくかその日はあきらめる
・なれるまでは二人で行う 慣れれば一人でも可能な場合もある

(注意)点滴が入らない、落ちないという場合は皮下ではなく筋肉に針が刺さっている場合があります。また輸液が漏れる場合は針が抜けているか、皮膚を貫通していることが考えられます。

【暴れる場合の対処法】

針を刺すという行為は「痛そう」と思えるかもしれませんが、犬の皮膚は人間ほど痛みを感じません。実際に針を刺す場面では案外ケロッとしています。それより「状況」に抵抗を感じて暴れる場合があります。

このような場合、少し高い場所にのせたり、ケージやキャリーのような狭い場所で落ち着ける犬もいます。

また押さえ方(保定)も大切です。保定のポイントは「首・肩・腰」です。首にしっかりと手をまわして、肘で犬の腰を自分の体に引き寄せます。大切なポイントは無理矢理に抑えるのではなく、声掛けしながら「優しく」しかも「しっかりと」体を密着させ安心感を与えましょう。

 

自宅での皮下点滴の注意点とは?

まず、点滴パックの管理ですが、劣化を防ぐために直射日光のあたる場所は避けましょう。また使用済みのは家庭ごみとしては廃棄しないで動物病院に持って行き廃棄してもらいましょう。

点滴は医療行為です。必ず獣医師の指示に従いましょう。飼い主さんが獣医師に代わって行う行為だということをしっかりと肝に銘じて必ず指示に従いましょう(特に量や回数)

輸液量が多すぎると肺水腫や胸水の原因になります。体の中に入った輸液はゆっくりと吸収されますが、吸収される分量には限界があります。

 

補足:皮下点滴の値段や行う回数とは?毎日必要なのか

皮下点滴の頻度や量はどれくらいかは、「体重」・「脱水の状態」・「病状」によって異なります。獣医師がこれらの状態を細かく分析して決定します。毎日必要場合もあれば、週に一回という場合もあります。

治療費は「動物病院で受ける場合」2500円~3500円(1回)が必要ですが、自宅で行う場合は1000円未満の費用で行えます。

 

よくある質問

犬の皮下点滴を行う際に痛くない場所はどこでしょうか?

犬の皮膚は人間ほど痛みを感じませんが、刺す場所は首の付け根から背中あたりの皮膚が伸びやすく、飼い主さんもやりやすい部位です。

犬の皮下点滴に使用する針にはどんなものがありますか?

よく使用されるのが翼状針(よくじょうしん)と呼ばれるものです。普通の注射針でも構いませんが、翼状針は針の付け根にはね状のものがついており、この羽を両側から折りたたんで摘まめるようになっています(針のすぐ近くをつまめる)。皮膚にさしやすく、針が短いので皮膚の貫通を防げます。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

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記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

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【犬の皮下点滴は自宅でもできる?副作用やトラブルについても解説!】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・皮下点滴とはどのようなものか
・皮下点滴のメリットとデメリット
・皮下点滴の方法と注意点
について解説してきました。
継続的な皮下点滴が必要がある場合、ご家庭で実施できると便利です。
あくまでも、獣医師に代わって行っていることを自覚して、指示を守り、綿密な連携をとりましょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。