この記事では
・乳腺腫瘍の原因
・犬の乳腺腫瘍の主な治療法と費用
・乳腺腫瘍の予防法
・乳腺腫瘍になりやすい犬種
犬の乳腺腫瘍の症状
犬の乳腺腫瘍は、10歳以上のシニア犬に見られる腫瘍の一つです。
乳腺腫瘍50%の確率で良性です。
ここでは、犬の乳腺腫瘍の代表的な症状を紹介していきます。
できる場所や数はさまざま
乳腺腫瘍は、乳腺にできる腫瘍です。
犬の乳腺は脇の下から内股まであるため、乳腺付近にあるしこりは乳腺腫瘍の可能性があります。
腫瘍は1つではなく、2~3つできるケースもあり、大きさもまちまちです。
今まで小さかったしこりが急に大きくなる場合は、悪性であるケースがあるのですぐに動物病院で診てもらいましょう。
感触が固い
乳腺腫瘍は、触った感じが硬いのが特徴です。
また、しこりの表面はボコボコとしておりきれいな形ではありません。
しこりの下の組織との栄目が曖昧なのも特徴的です。
呼吸が早い
悪性の乳腺腫瘍は、転移が早いのも特徴の一つです。
腫瘍が肺に転移した場合は呼吸が早くなる、頻繁に咳をするなどの症状が目立つようになります。
熱をもった赤い腫れ
悪性の乳腺腫瘍の中でも最も悪性度が高いものに「炎症性乳癌(にゅうがん)」があります。
炎症性乳癌になると腫瘍が熱をもち、赤く腫れるのが特徴です。
熱を持ったしこりは痛みを伴うため、体力も消耗してしまいます。
炎症性乳癌は他の臓器へ転移するスピードが非常に早く、気づいた時には全身に癌が回っていた…というケースも少なくない怖い病気です。
犬の乳腺腫瘍の原因
犬の乳腺腫瘍は、オスよりもメスの方がなりやすい病気とされており、原因は卵巣ホルモンではないかと考えられています。
また、1歳までに肥満だった犬の場合は、そうでない犬に比べて乳腺腫瘍になるリスクがアップするとも言われています。
犬の乳腺腫瘍の主な治療法と費用
犬が乳腺腫瘍になった場合は、まず良性か悪性かを検査する必要があります。
良性か悪性かの判断は、細い注射針をしこりに刺し、細胞検査を行って調べます。
手術
手術で腫瘍を取り除く場合は、レントゲン検査で他の臓器に癌が転移していないかを調べます。
乳腺腫瘍の治療は、転移がない場合や良性の場合は外科的治療が治療法の第一候補となります。
手術で切除する部分はそれぞれの犬の状態によって異なりますが、しこりだけを切除する、しこりとその周辺の乳腺も切除する、しこりがある方の乳腺すべてを切除するの3パターンです。
悪性腫瘍は手術で切除しても再発するケースがありますが、良性腫瘍の場合は早期に切除すれば快適な暮らしを送れますよ。
悪性腫瘍は再発を防ぐために、広範囲にわたって組織を切除するケースもあります。
抗がん剤
レントゲン検査などで他の臓器への転移がわかった場合や高齢で手術ができない場合は、抗がん剤を使った治療を行います。
抗がん剤治療は、食欲不振やだるさなどの副作用が見られるケースがありますが、医師が犬の状態を見ながら治療を進めていきます。
免疫療法
癌が他の臓器へ転移している場合は、免疫療法を行う場合もあります。
免疫治療には、犬自身から採取したリンパ球を活性化させ増殖させた後、体内に戻す「活性化リンパ球(CAT)療法」などがあります。
免疫治療は抗がん剤よりも副作用が少なく、癌が大きくなるのを防げる効果があるとして近年期待されている治療法です。
サプリメント
犬が高齢で手術や治療が難しい場合は、サプリメントを使用するケースもあるようです。
ただ、サプリメントは腫瘍を小さくしたりなくしたりするものではなく、癌細胞の増殖抑制効果が期待できる程度です。
犬の乳腺腫瘍の治療費
乳腺腫瘍になって手術をする場合の相場は、5~30万円程度です。
小さいしこりを1つ取り除く手術だと5~10万円程度で済みますが、片方の乳腺すべてを摘出する場合は15~25万円程度、両側の乳腺を摘出する場合は25~30万円程度かかります。
もちろん、費用は犬の状態によって異なりますが、参考程度に覚えておくといいでしょう。
手術費には、検査、入院、麻酔、投薬、点滴、内服薬の処方などの費用が含まれています。
治療明細の一例 | |
内容 | 金額 |
診察 | 2,000 |
手術 | 50,000 |
検査費用 | 9,000 |
入院(3日) | 8,000 |
麻酔 | 19,000 |
点滴 | 8,000 |
内服薬 | 2,000 |
合計 | 98,000円 |
犬の乳腺腫瘍の予防方法
犬の乳腺腫瘍はある程度予防できる病気です。
ここでは、犬の乳腺腫瘍に効果的とされる予防法を紹介します。
初回発情期までに避妊手術をする
乳腺腫瘍はメスがかかりやすい病気ですが、2歳ごろまでに避妊手術を行うと発症率を下げられるとされています。
そのため、できるだけ若いうちに避妊手術をしておくのがおすすめです。
初回発情期までに避妊手術をした場合の乳腺腫瘍の発症率は0.05%という結果も出ています。
初回発情期は、小型犬が生後7~10ヶ月、中・大型犬が生後8~12ヶ月に訪れます。
日頃のスキンシップでしこりを早期発見する
乳腺腫瘍にかぎらず、病気は早期発見・早期治療が基本です。
乳腺腫瘍ができるお腹は普段見えにくい場所なので、日頃から愛犬のお腹をチェックししこりができていないか確認しましょう。
乳腺腫瘍になりやすい犬種
乳腺腫瘍になりやすい犬種はありません。
しかし、避妊手術をしていないメス犬、シニア犬は乳腺腫瘍になる可能性が高くなるため注意しましょう。
よくある質問
犬の乳腺腫瘍の手術は日帰りでも可能ですか?日帰りの場合の費用はいくらですか?
愛犬が乳腺腫瘍になりました。乳腺腫瘍と避妊手術を同時にする場合の費用はいくらですか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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【犬の乳腺腫瘍の手術費用】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・乳腺腫瘍の原因
・犬の乳腺腫瘍の主な治療法と費用
・乳腺腫瘍の予防法
・乳腺腫瘍になりやすい犬種