この記事では
・ペット保険の審査に落ちる理由
・ペット保険の審査に落ちた時の対処方法
「ペット保険の審査」とは
ペット保険に加入する際には必ず審査があります。人の保険同様、保険加入の条件は「健康体」であり、持病がある場合はハンディがつきます。
保険加入に際しては所定の告知事項に従ってペットの健康状態などを告知する必要があり、その真偽を確認する審査が行れます。虚偽の告知をすると「告知義務違反」となりペット保険の加入はできません。
ペット保険の審査とは?審査の内容や期間、流れを徹底解説!
「審査」と聞くと、いったい何を審査されるのか気にかかりませんか?
ここでは「ペット保険の審査」について解説します。
告知事項の内容に対しては正確に申告しましょう。虚偽の申請は絶対に発覚します。
ペット保険の加入時の審査ってなに?なぜ行われる?
ペット保険は基本的に「健康なペット」が加入して、万一の病気やケガに備えるものです。
主に加入者の保険料を基に運営されているペット保険は、その性質上、加入者間の公平性が求められます。
ペットの保険料はペットの種類や品種、年齢によって決定されます。また健康状態や既往症も申告します。
これらを各保険会社が定めた「告知事項」に従って正確に申告しなければなりません。申告された内容の真偽を確かめ、保険会社が対象ペットの保険を引き受けるかどうかを決める「引き受け審査」がペット保険における加入時の審査です。
審査は何のために行われる?
・保険加入者間の公平性を保つため
・保険会社が収支のバランスを保つため
ペット保険の審査では基本的に告知内容が正確か調査される!
ペット保険の審査と聞くと、少し構えてしまいませんか?
審査は「告知事項」に基づき、その内容が正確かどうか保険会社の調査員が行います。
【告知事項】の例
・生年月日
・体重
・ペットの種類
・品種
・経過観察中の傷病の有無
・過去数カ月の通院(予防をのぞく)
・ワクチンの接種履歴
・他のペット保険へ加入していないか
・過去の病歴
などですが、各ペット保険会社によって内容は多少異なります。
ペット保険の加入条件は?
・原則健康体であること
・加入不可の疾病にかかったことがない
・新規加入の上限年齢に達していない
ペット保険の新規加入は健康体であることが求められますが、何かの病気に罹ったことがあったら加入できないというわけではありません。しかし、完治後3~4ヶ月経過していないと健康体とは判断されない可能性があります。
通院歴についても告知が必要ですが、調査対象になる期間はペット保険会社によって異なります。
通院歴に関する告知・審査の対象になる期間は?
《例》
・アイペット・アニコム・PS保険 ⇒ 3ヶ月
・いぬとねこの保険 ⇒ 6カ月
・楽天損保・リトルファミリー・ ⇒ 12ヶ月
など
「〇カ月以内に通院したことがありますか?」、という質問にはおおよそではなく、正確さが求められます。
過去の病気が原因で
・身体障害・後遺症は残っていないか
・過去に腎臓病や糖尿病などと診断されたことはないか
・現在経過観察中の傷病はないか
これらの調査を行い、実際に対象ペットの保険を「引き受ける」「条件付きで引き受ける」「加入を断る」かを判断します。
ペット保険の審査にかかる期間はどれくらい?
そもそも、ペット保険申し込みから実際に治療費が補償されるようになるまでにどれくらいの日数がかかるのでしょうか?
審査にかかる日数は各保険会社によって異なりますが、目安としては1週間から1カ月くらいでしょう。
お申込みに必要な書類(ペット保険契約申込書兼告知書・口座振替依頼書(保険料支払方法に口座振替をご希望の場合))が当社へ到着してから審査完了までおおむね1週間から10日かかります。また書類に不備などがあった場合は、それ以上の日にちがかかることがあります。
保険申し込みから補償開始までには次のようになります。
② 保険会社による書類審査
③ 保険会社が承認
④ 一回目の保険料の振り込み
⑤ ペット保険の始期日(保険開始日 責任開始日)の決定
⑥ 始期日から待機期間に入ります。
申し込みから始期日までに通常1カ月程度が必要です。そこから待機期間が設けられている保険の場合、病気の待期期間が30日に設定されている場合、実際に治療費が補償されるようになるのは待機期間後になるため、多くの場合約2カ月程度かかります。
補足:審査は加入時だけでなく、保険金請求・更新時にも行われる
保険会社による審査が行われるのは加入時の告知事項に基づく審査のみではありません。
ペット保険における審査
① 加入時
② 保険金請求時
③ 更新時
加入時の審査は告知書に基づき正確に記入されているかどうかを審査します。
保険金請求時の審査は保険金請求が正しく行われているかどうか告知内容も含めて、過去の病歴まで遡って調査します。獣医師法では犬や猫のカルテ保存は3年とされていますが、実際にはもっと長い期間保存している動物病院が多いようです。
更新時の審査(自動更新のペット保険を除く)は保険期間中に罹った傷病や今後の見通しを分析し、次年度の保険を引き受けるかどうかを決定します。更新時の判断基準は保険会社やプランにより異なりますが、審査内容は各社ともに公表していません。
更新時審査の結果は?
・条件付きで加入できる
・加入できない
以下の場合、保険の継続加入自体ができなくなることがあります。
・完治が難しく、継続治療が必要になった場合
・定められた補償額をつかいきった場合
・保険料の支払いが滞っている場合
・契約に不備がある場合
ペット保険の中には更新時の審査がなく(自動継続)、前年度の条件のまま保険を継続できるものが近年では増えています。
自動継続のペット保険
・アニコム
・PS保険
・アイペット
・ペット&ファミリー
など
ペット保険の審査に落ちた!加入できない大きな理由は2つ
ペット保険に加入したいと思い、申し込みをした結果、審査に落ちてしまった!
なぜでしょう?
考えられる理由を解説します。
審査に通らない理由①:年齢等、加入条件に違反している
ペット保険には保険の平等性を保つために、病気になるリスクが高い高齢犬の引き受け(新規)に年齢制限を設けています。
犬の平均寿命も14歳を超えていますが、実は6~7歳でシニア期に入ります。加齢とともにやはり病気のリスクが高まるために各ペット保険ともに新規加入の年齢制限を設けています。
犬が高齢になってから加入しようと思っていると、この年齢制限を超えてしまっている場合があります。
それではペット保険の新規加入時の年齢制限は何歳なのでしょうか?
これは各ペット保険によって異なります。
ペット保険新規加入できる年齢(例)
・アニコム:7歳11カ月まで
・アイペット:12歳11カ月まで
・楽天損保(10歳11ヵ月)
・いぬとねこの保険(10歳11か月まで※90%プランをのぞく)などがあります。
【もう一つの年齢制限】
ペット保険の年齢制限は上限についてはよく知られていると思いますが、下限年齢も定められていることをご存知でしょうか?
例を挙げると、PS保険では生後30日、チューリッヒでは60日以上と定めています。
ペットショップやブリーダーからペットを迎える場合は8週齢以降という決まりがあるのであまり気にしなくてよいでしょうが、ご家庭で生まれた子犬等の場合、ペット保険に加入できる日数が各ペット保険会社によって異なることを覚えておきましょう。
審査に通らない理由②:既往症・病歴がある
審査を通らない理由で最も多い原因が既往症です。
既往症がある場合の対応は各保険会社によって異なります。
以下の疾患がある場合、加入が難しくなるでしょう。
・性腫瘍(がん)
・糖尿病
・肝硬変
・甲状腺疾患
・猫伝染性腹膜炎(FIP)
・猫後天性免疫不全症候群(FIV)
・猫白血病ウィルス感染症(FeLV)
・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・腎不全
・心疾患
・免疫介在性血小板減少症
・免疫介在性溶血性貧血
・巨大結腸症
・巨大食道症(食道拡張症)
・膵外分泌不全
など
その他にも、白内障、緑内障、椎間板ヘルニア、尿石症、てんかんなどを挙げている保険会社もあります。
いずれも完治が難しく高額な治療費が必要な疾患です。
※ これらの疾患は保険の加入ができるかどうかであり、補償対象になる・ならないではありません。
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補足:上記の場合も、条件付きなら審査に通ることがある
ペット保険に加入する際に「審査を通りにくい」上記のような疾患の既往があっても、場合によっては「その疾患を補償の対象外とする」ことでペット保険に加入できる場合があります。
例えば「アニコム」の場合を例に挙げると以下のようになります。
現在までに、次のケガ・病気で獣医師による診察・治療・投薬・検査(定期的な診察・検査を含む)を受けたことがある場合には、「そのケガ・病気は保険金のお支払いの対象外」とする条件(特定傷病除外特約)をつけてお引受ができる場合もあります。
(1)心疾患(弁膜症・不整脈・雑音・先天性心奇形等)(2)股関節形成不全 (3)膝蓋骨脱臼(パテラ)
(4)大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病) (5)緑内障(6)白内障
(7)猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)[症状はないが、検査結果が「陽性(感染あり)」の場合を含みます。]
(8)腫瘍・腫瘤(皮膚のできもの等)[現在消失している場合は「特定傷病除外特約」の対象となりません。]
※検査の結果、「その病気ではない」と診断された場合は除きます。※現在治療を受けていない場合でも過去に診断があれば「特定傷病除外特約」の対象となります。
心疾患を例にとると、アニコムでは条件付きで加入できる可能性があります。一方アイペットなど多くの保険会社では心疾患の既往歴があれば「引き受け不可」の疾患に含まれ、加入ができません。
- 条件つき加入とは
-
「そのケガや病気については治療費を補償しない」という条件で保険加入ができる特約です。特定傷病除外特約・特定疾病不担保・特定疾病補償対象外特約など、各保険会社によって表記法が異なります。
注意:審査時に嘘の申告をするとどうなる?告知義務違反とは
保険に加入する際には、保険加入者間の公平性を保つために各保険会社の定めた「告知事項」の告知が必要になります。
契約者は正しく事実を告知する義務があります。告知を正しくしないと「告知義務違反」となり、最悪の場合「詐欺罪」が適用されます。
ペット保険に加入時の告知事項・審査は決して面倒なものではありません。
正直に・正確に告知すれば問題ありません。
告知書に記入された内容は、「悪意があっても」「つい、うっかりでも」内容に偽りがあった場合は、告知義務違反となります。告知義務違反が発覚すると以下のような対応になります。
・虚偽の告知が契約の時点で判明すると保険加入ができない
・保険期間中に判明保すれば保険金が受け取れない
・もし、受け取った保険金があれば返還を求められる
・強制解約される
・悪質な場合、訴訟に発展するトラブル
審査は厳しく行われます。
「つい、うっかり」・・・どんなケースがある?
・受診したのを忘れていた
・家族が連れて行ったのを知らなかった
・病名なども告げられなかったので特に病気だと思っていなかった
・生年月日を間違えた
・保護犬なので自分で勝手に年齢を推測した
保護犬など、年齢が分からない場合は推測で構わないのですが、必ず獣医師に判断してもらいましょう。
「つい。うっかり」を避けるためには・・・。
・受診時の領収書などを保管しておく
・治療歴や病歴は不明なら動物病院に確認
ペット保険加入時の告知書には「問われていることのみ」「正確に」告知しましょう。
【ペット保険の審査に関する事例】
① 治癒後の時間経過の問題
告知事項に「6カ月以内の通院歴」の申告が求められていた。申し込む1カ月くらい前に「お腹がゆるくて」受診。検便をしたが異常なし、念のため内服処方をしてもらう。審査の結果は特定疾病除外特約として「胃腸疾患及びこれを原因として発生した傷病」を承諾するか否かというものだった。
こうなると、胃炎・腸炎・胃潰瘍・胃捻転・胃拡張・胃腸の悪性腫瘍などが補償対象外となります。
「えっ?お腹が緩いだけでこうなるの?」と思いませんか?
このケースでは、既往歴としてこのように判断されたのではなく、治癒後の時間経過に問題がありました。数カ月後に再審査を受けると、この特約は解除される可能性もあるそうです。
② 告知義務違反の例
2年前に保険加入。半年間の通院歴を申告しなければならなかったが、その間に通院していたことを飼い主さんは忘れており「なし」と記入した。通院した理由は「少しびっこをひいていた」(検査も投薬もなく、肉球の荒れ?という類の診断)。2年後に心臓病になり、保険金を請求すると保険契約が解除された。
このように加入時の審査で発見されなかった「うっかり告知義務違反」も保険金請求時に発覚することが多く見受けられます。保険金請求をすると、当該疾患以外の治療歴に関しても遡って徹底調査するため、このような小さなミスが発見されるのです。
審査なしのペット保険はある?審査に通る方法とは
ペット保険に申し込んで安心していると、ある日突然「引き受け不可についてのご連絡」が届いたら・・・飼い主さんは愕然とするでしょう。
一度審査に落ちたら、もうペット保険に加入できないのでしょうか?
審査なしのペット保険は存在しない!
審査が通らないなら、審査の無い保険会社を・・・、と探しても無駄です。
現在のペット保険においては、審査のない保険はありません。
審査に落ちた場合は、別のペット保険でも試してみると良いかも
審査の基準は各ペット保険によって異なります。
「異なる」ということは、一つの保険会社の審査で落ちてもまだ可能性があるということです。
A社の審査で落ちたら、B社にトライしてみましょう。通院歴は報告義務のある期間がペット保険によって異なります。「引き受け不可」となる疾患も保険会社によって異なります。
ペット保険会社は現在15社以上あります。根気強く他の保険会社をあたってみましょう。
例えば、白内障の診断を受けているためペット保険に加入できないなら、白内障を「引き受け不可」と定めていない保険会社を探しましょう。これは簡単な例ですが、保険用語は難しく理解しにくい面が多々あります。自分勝手に判断すると大きな勘違いも生じてきます。
困った場合は、保険のプロの力を借りるという選択肢もあります。LINEや電話、対面で無料相談できるサービスもあるので上手に利用するとよいでしょう。
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補足:ペット保険に加入する際に健康診断は必須?
ペット保険加入時には、各ペット保険会社の定めた告知書の提出が義務づけられています。ペットの健康状態に関しては飼い主さんの記入した告知内容が基本になり、それにそって審査が行われます、
よって、健康診断書の提出はほとんどの場合、必要ありません。
ただし、一部のペット保険では一定の年齢に達している場合や特定の犬種、保険のプランによっては必要になることがあります。
例を挙げると「いぬとねこの保険(日本ペット)」では7歳以上の90%プラン申し込みの場合は健康診断必要 などがあります。
また、引き受け審査の結果、健康診断を求められることもあります。
よくある質問
ペット保険の審査に落ちた場合、理由は教えてもらえますか?
狂犬病などのワクチン接種をしていないとペット保険の加入審査を通りませんか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【ペット保険の審査に落ちたらどうする?原因や対処方法を徹底解説!
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ペット保険の審査に落ちる理由
・ペット保険の審査に落ちた時の対処方法