猫のてんかんは高齢猫に多い?痙攣をおこしやすい疾患も解説!
2024年5月22日
この記事では
・痙攣時の対処方法
・猫が高齢になったら気を付けること
高齢猫が痙攣する理由
統計によると、室内飼をしている猫の平均寿命は16.02歳、人間の年齢で言うと80歳くらいです。
では猫は何歳から「高齢」と呼ばれるのでしょうか?
一般的には猫の高齢期は11~14歳(人年齢で言うと60~72歳)を言い、それ以降を老齢期と呼びます。
猫が痙攣をおこす病気は次のようなものがあります。
①特発性てんかん(遺伝など)
②構造的てんかん(症候性てんかん)
【反応性発作】(非てんかん性)
①代謝性:低血糖 肝障害 腎不全 など
②中毒 :有害物質を口にした場合
1.てんかんだから
痙攣と聞いてまず頭に浮かぶのが「てんかん」ではないでしょうか。
高齢猫が初めててんかんの痙攣発作を起こした場合、ほとんどが構造的てんかん(症候性てんかん)です。
特発性てんかん(遺伝も含め原因の特定できないもの)の場合は若年期から症状が出るのが一般的です。
猫のてんかんは人間や犬と異なり、6割以上が症候性てんかんのため、病気になるリスクの高い高齢期で増える傾向にあります。
【症候性てんかん原因(例)】
・炎症:脳炎 寄生虫の脳内への侵入
・外傷:重度の頭部外傷
・血管:脳梗塞、猫虚血性脳症、出血性疾患
・腫瘍:脳腫瘍
てんかんの症状で、わかりやすいのは硬直やけいれん発作ですが、色々な発作の症状があります。
【てんかん発作の症状(例)】
・四肢をバタバタさせる
・歯をカチカチいわせる
・よだれがたくさん出る
・あくびを繰り返す
・ボーッとしている
・大きな声で鳴く
・失禁(排尿や排便をする)など
2.熱中症だから
猫が汗をかくのは肉球のみで、普段は犬のように口呼吸もしません。放熱する手段がないため体温調節が苦手です。
加えて体調不良を隠そうとする習性もあり、発見が遅れがちになるので注意しましょう。
【熱中症予防のために適した環境】
・湿度 50~60%
・風通しがよい
【猫が熱中症になりやすい条件】
・肥満
・高齢
室温が30度を超え、多湿な条件下では要注意です。
特に高齢の猫は体温調節機能も落ちているので注意しましょう。
【熱中症の症状】
・元気がない 食欲不振
・体が熱い
・呼吸数や心拍数が多い
・嘔吐や下痢
・ふらつく
・開口呼吸
・けいれん
・よだれ
・チアノーゼ
などのような順で進行していきます。
症状に気付いたら
・水分をとらせる
熱中症では、頭部に流れる血液の温度を上げないように、体を冷やします。
氷や保冷剤をタオルでくるんで、首の周り・脇の下・足の付け根の動脈を冷やすイメージで冷やすと効果的です。換気して、エアコンもうまく利用しましょう。
状態が改善しなければ早急に動物病院を受診します。
猫の平熱はおよそ38°程度です。脳神経組織は熱に弱く、40°以上の高熱が続くと細胞組織が変性して元に戻らなくなります。
3.中毒を起こしているから
猫が中毒を起こす物質で特に危険なものは、鉛・有機燐系農薬・殺虫剤・除草剤・なめくじ駆除剤などが挙げられます。痙攣をおこしている場合、急性腎不全が考えらえるため、早急な対処が必要です。
その他にも、アボカド、キシリトール、ぶどうやレーズン、ビターチョコレート、アルコール、コーヒーなどのカフェイン等々でも中毒を起こす危険性があります。
【中毒の症状】~誤飲したものにより異なる。
・出血傾向や貧血
・流涎
・震え
・痙攣など
4.腎不全
腎不全は死因の上位を占めており、末期になると痙攣をおこします。
特に、高齢猫で見かける機会が多くなります。
腎不全の末期になると腎臓の働きが極端に悪くなり老廃物を排出できなくなります。そのため血液中に有害物質が過剰に溜まり、神経を傷つけて痙攣が起きます。
【腎不全の症状】
・多飲多尿
・元気がない 食欲がない
進行すると
・嘔吐 下痢 貧血によるふらつき
・無尿
・痙攣 意識低下
など
高齢猫が痙攣をしているときの対処法
実際に痙攣をしている場面に遭遇したらどうすればよいのでしょうか。
安全な場所へ移動させる
痙攣をしている猫に対しては「基本的には何もしない」のがベストです。
ただし、高い所など危険な場所で痙攣していたら、タオルなどにくるんで安全な場所に移しましょう。
直接抱き上げると飼い主さんがけがをする危険性があります。
動画を撮影する
実際に痙攣の様子を獣医師にみてもらうと、診断するうえで大きな情報になります。
発作の途中からでも構いません。少々ぶれても大丈夫です。
言葉で説明するよりも、発作の状況を伝えることができます。
高齢猫の痙攣で注意すること
ここからは注意事項について説明します。
声をかけたり、揺さぶったりしない
前述のとおり、痙攣発作を起こしているときは、何もしないのが一番です。
心配になって大きな声で名前を呼んだり、体を揺さぶるとその刺激が更なる痙攣発作の誘因になることもあります。
また「舌を噛まないようにタオルなどを咥えさせる」という行為は窒息の原因になることもあるので危険です。
頻度や時間は把握しておく
発作を繰り返している猫であれば、発作の持続時間・頻度などを記録に残しておきましょう。
これも治療においては大変参考になります.
痙攣は数秒から1~2分くらいで終わる場合が多いので、時計が近くになければ体内時計を頼りにカウントして大体の継続時間を把握しましょう。
その他の注意
高齢猫が痙攣を始めたら、様子を見ながら適切な対処をしましょう。
■ 猫の危険回避;てんかんの場合、部屋の中を走り回る、転げまわるという類の発作もあります。周囲にクッションなどを置き、危険なもの避けておきます。また、頭を床に打ち付けるような発作症状の場合はタオルなどを畳んで頭の下に差し込みます。
■ 自分の身を守る:自分がけがをしないためにも、むやみに猫の体に触らないようにしましょう。
痙攣が起きた後に気を付けること
■ 発作後の様子観察:重責発作や群発発作がおきないか注意深く観察します。
- 重責発作と群発発作
- 重責発作とは、発作後に元に戻らない状態で次の発作が始まる状態を言い、群発発作とは24時間以内に複数回の発作(数分から数時間の間)が起きることを指します。
5分以上続く発作、重責発作、群発発作は緊急を要する状態で、すぐに動物病院に連絡して受診しましょう。
■ 体が熱っぽく感じたら部屋を涼しくしたり濡れたタオルを体にかけて冷やします。
■ 2~3日はストレスを掛けないように注意:発作後数日は脳内の異常興奮は続くと言われています。大きな物音などで刺激しないように気を付けて、ストレスのかからない生活をします。
■ 初めての痙攣発作後は必ず受診:血液検査等を行い原因を探ります。猫が痙攣をおこす病気はたくさんあり、原因によって治療法も異なります。また中にはすぐに治療が必要なケースもあります。
猫が高齢になってきたら
ここでは猫が高齢になったときにはどのようなことに気を付けたらよいか説明します。
気を付けること
猫も人と同様に年齢とともに衰えや病気が出てきます。
猫は体調不良を隠そうとする習性もあり、気づいたときには病気がかなり進行している場合もあります。
定期検診を受ける
若くて健康な時から定期的に健康診断を受けることをお勧めします。健康な時のデーターを蓄積しておくと変化にいち早く気付けます。
高齢猫に多い腎不全や甲状腺機能亢進症なども、血液検査を定期的に受けることで、症状がひどくなる前に気付けるでしょう。
推奨されている【健康診断の回数】は
・7歳から 年2回
・15歳から 4か月ごと
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猫も高齢になると若い猫と同様の食事ができなくなります。
噛む力も衰え、必要なエネルギーも減少するため、年齢や体の状態に合わせた食事に変えていきましょう。
【高齢猫の食事の特徴】
・塩分を控える
・カルシウムやビタミンは必要
・食物繊維は必要
・消化吸収の良い炭水化物
7歳以上の猫では47%がなんらかの病気を持っているともいわれています。現在ではシニア向けのキャットフードもたくさん出回っているので、獣医師や専門家に相談しながら適切なフードを選びましょう。
また、ペット保険会社の中には専門家のアドバイスを受けられるサービスが付帯しているものがあります。
■ 獣医師相談ダイヤル(PS保険。らくてん等)
■ 動物ホットライン(LINE) アニコム
など
よくある質問
15歳の老猫が初めて痙攣をおこしました。てんかんなのでしょうか?
猫が痙攣をおこしているときはしっかりと抱いてあげてもよいのでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【猫のてんかんは高齢猫に多い?痙攣をおこしやすい疾患も解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・痙攣時の対処方法
・猫が高齢になったら気を付けること