ペット保険は病気で治療中でも入れる?犬や猫が加入できない持病は?
2023年9月8日
この記事では
・嘘の告知は告知義務違反
犬や猫が病気でもペット保険に加入できる?加入条件を解説
犬や猫が病気でも保険に加入できるかどうかは保険会社と病気の内容で変わってきます。
それを知らず通院中で保険に未加入だと「今さらペット保険には入れない」と最初から諦めている人も多いのではないでしょうか。
中には加入を断られて他社との契約を諦めている人も。
保険会社によって違いがあるものの、大きく分けると犬や猫が病気になって保険に加入するためには2点条件をクリアする必要があります。
・(原則)健康体
新規加入年齢制限
『新規加入年齢制限』とは、新規で保険を契約する際の年齢制限のことです。
高齢になって病気を発症したため保険を探すという人も多いようです。
一般的に年齢が上がるにつれて病気のリスクもあがるため、多くの保険会社では上限の年齢に制限を設けています。
多くの保険会社が8~12歳で制限しています。
(原則)健康体
ペット保険に加入するためには病気にはかかっておらず、原則としてペットが健康体であることが条件です。
ただし病気があるからといって必ず断られるというわけではありません。
ペット保険に加入できるかどうかは保険会社によって異なります。
犬や猫に病気があっても条件付きで加入できたり、または断られたりするという違いがあります。
リスクを考えると犬や猫が若いうちに保険に加入しておくことが一番でしょう。
健康であることも加入できる条件の一つなので早めの対応がいいのではないかと考えられます。
最低でも8歳までに検討するのがおすすめです。各社・プランを選べるという意味で選択肢が広がります。
すでに病気でもペット保険に加入できる!加入条件を確認
ペット保険に加入するためには原則的には健康でなければいけません。
しかし治療中や治療履歴の病気の種類によってはその対応が変わってきます。
保険会社の対応は2パターンです。
・ペット保険に加入できる場合
それぞれのケースを詳しく確認していきましょう。
加入条件①治療中や既往症でペット保険に加入できない場合
犬や猫が加入前から治療中だったり既往症を理由にペット保険加入を断られることがあります。
『既往症』とは現在は治癒していてこれまでかかったことがある病気のことを指します。
既往症は保険会社に告知する義務があります。
加入を断る代表的な病気例
・悪性腫瘍
・慢性腎臓病
・心疾患
・糖尿病
・甲状腺疾患
・猫伝染性腹膜炎(FIP)
・猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
・バベシア症
・ヘモプラズマ症(ヘモバルトネラ症)
上記に該当すると現在の治癒状況やかかった時期に関わらず加入を断られることが多いようです。
※保険会社によって異なりますので詳しくは検討している保険会社の重要事項説明書や約款を確認してください。
死につながる重篤な病気や合併症を引き起こす甲状腺などのホルモンの病気であることが分かります。
保険会社が断る理由は、このような既往症があると補償額が上がり保険会社の利益がなくなるからです。
保険会社も会社ですので損をするような経営はできません。
そのため上記のような既往症があると、保険料と補償額が釣り合わないと保険会社が判断するため加入を断られてしまいます。
加入条件②治療中や既往症でも条件付きでペット保険に加入できる場合
ペット保険に加入できるのは健康体であることが条件ですが犬や猫が加入前から治療や既往症でもペット保険に加入できるケースがあります。
ただし加入するためには条件が付きます。
下記は条件付きで加入できる病気の一例です。
・歯周病
・緑内障、白内障
・心疾患
・気管虚脱
・鼠経(そけい)ヘルニア
・肝炎
・パテラ(膝蓋骨脱臼)
・レッグペルテス
これらの病気は犬や猫で発症する確率が高く治療も長引くものばかりで、再発する可能性が高い病気でもあります。
将来発症する確率も再発の可能性も高い病気ですが『特定疾病除外特約』を付帯することを条件に保険の加入ができる保険会社もあります。
『特定疾病除外特約』とは「特定のケガや病気の診察費用を補償の対象から除外する」というものです。
例えばヘルニアの治療中だったり既往歴があったとします。
ペット保険に加入する際には『ヘルニア』が補償の対象外になるでしょう。
ヘルニアの治療中でも保険に加入できますが治療費の補償はしてもらえません。
ペット保険に加入することはできるので、もし治療が必要な怪我をしたらその補償はしてもらえます。
該当の既往症がある場合は必ず告知する
ただし『腎不全は加入不可』と明記が無い保険会社でも、審査の結果によってはペット保険に加入できないこともあります。
また、加入できても免責事項として補償の対象外になる場合もあります。
このように既往歴によっては契約内容が大きく変わってくる場合があります。
既往歴や治療中の告知はとても重要ですので必ず告知をしましょう。
ペット保険加入の際の主な告知事項
ペット保険に加入する際の主な告知事項は下記の通りです。
ペットの基本情報 | 生年月日 |
体重 | |
種類(小型・中型・大型・猫) | |
品種(犬種・猫種) | |
ペットの健康状態や病歴・他のペット保険加入状況など | 他社ペット保険の契約状況 |
混合ワクチンの接種状況 | |
既往症(これまでに患った病気について) | |
過去3~12ヶ月以内に病気やケガで治療を受けた内容(傷病名・治療内容・治療期間・動物病院名) | |
これまでに先天性異常がある(疑いがある)と診断を受けたことがあるか | |
現在、治療中もしくは経過観察中の病気やケガの有無 |
※保険会社により告知事項は異なります。詳しくは検討している会社へお問い合わせください。
生年月日や体重によって保険料が変わってくることがあります。
年齢や種類によっては加入できる保険の商品が異なってきます。
既往歴や過去3~12か月に受けた治療内容は保険加入の条件に関わる大事な項目となります。
例えば、歯周病の既往歴があったとしても、3ヶ月以上通院歴が無く、経過観察でもない状態を維持できれば、歯周病を補償の対象外とする条件なしに加入できる可能性が高くなります。
このように加入前の告知は契約の上でとても重要であることが分かります。
保険会社は契約者が納める保険料で必要とする犬や猫の補償費を賄うことで成り立ちます。
告知義務はその『相互扶助』のバランスを保つために必要です。
しかし健康で動物病院に全く縁がない犬や猫と、持病を持っていて毎月通院している犬や猫の保険料が同じだと不公平です。
そこで健康状態の告知を義務化し健康な犬や猫の保険料は安く、持病や既往症がある犬や猫は契約できなかったり条件を付けることで相互不用のバランスを保っているのです。
このバランスが崩れると保険会社は破綻してしまいます。
多くの保険会社が告知を求める事項ですので血統証明書や診療明細で確認して間違いがないようにしましょう。
重篤な病気であれば期間に関わらず告知が必要
重篤な病気については期間を問わず、一度でもかかったことがあれば告知が必要になってきます。
病気やケガの種類によって告知をしなくてはならない時期が異なります。
重篤な病気では治癒していても直近に症状が出ていなくても告知しなければいけません。
この場合ではペット保険の加入が難しくなります。
【加入条件①治療中や既往症でペット保険に加入できない場合】でご紹介した通り、重篤な病気の既往症があるケースだと契約自体断られてしまうようです。
その場合、保険への加入そのものがかかった時期や現在の治癒状況に関わらず厳しいと考えられます。
このことについては保険会社の重要事項説明書や約款などに明記されていることもあります。
重篤な病気の履歴を告知することは保険加入ができるかどうかや保険料を決定するための重要な手がかりとなります。
しかし判断基準は保険会社により異なります。
もし1つの保険会社の審査に受からなくても他社であれば加入できる場合も十分あります。
諦めずに複数社に確認するのも方法のひとつです。
さらに保険会社によって契約者が申告する場合と、医師による診断書が必要な場合があります。
通院履歴は隠し通せるものでもないのできちんと告知するようにしましょう。
過去3ヶ月や6ヶ月以内に予防目的以外で病院に行ったら告知が必要
過去3か月~12か月以内に予防目的以外で病院に行ったかどうかも告知が必要です。
ただし年に1回のワクチン接種や健康診断などの予防目的では告知は必要ありません。
予防目的以外で病院に行った際の告知期間は過去3か月間や12か月以内になっています。
特に【加入条件①治療中や既往症でペット保険に加入できない場合】内の【加入を断る代表的な病気例】に該当すると、加入できるかどうかや契約内容を決める際の重要事項として告知が大切になってきます。
ペット保険に加入できても『特定疾病不担保』や『特定部位不担保』が適用されることがあるようです。
『特定疾病不担保』とは特定の病気を補償しない契約のことを指します。
一方『特定部位不担保』とは特定の部位に関する病気は全て補償しない特約です。少しややこしいのですが『特定部位不担保』に『肺』が含まれているとします。
特定の部位に関する病気は全て補償しないので『肺炎』や『肺水腫』も補償対象外になります。
『特定疾病不担保』に『肺炎』が指定されていると、肺炎はもちろん補償対象外になりますが肺水腫は補償対象です。
つまり『特定部位不担保』の方が条件が厳しいということです。
こちらも保険会社によって加入の有無や不担保の内容が異なりますので、詳しくは検討する保険会社にお問い合わせください。
補足:嘘の告知はバレる?告知義務違反とは
ペット保険に加入する際、既往歴などを黙っていたり嘘をついてもバレないのではないかと考えがちですが、バレます。
持病や既往症がある犬や猫の保険加入となると断られるか条件付きになってしまうので、少しでも隠しておきたいところかもしれません。
しかし調査は保険のプロが行います。
場合によっては動物病院へ直接問い合わせて事実確認を行うほど徹底的に調べ上げますので嘘をつきとおすことは難しいでしょう。
さらに調査は加入時に行われますが保険の請求時にも行われます。
二重のチェックで調査の見逃しもありません。
ちなみに必要な告知を怠ると告知義務違反になります。
告知義務を違反すると治療の補償をしてもらえないだけでなく契約解除されることがあります。
過去に
・半年以内に通院していたことを忘れていて保険加入時に通院歴なしと申告。告知義務違反で保険を解約
といった例もあるように「知らなかった」「忘れていた」としても義務違反となります。
最悪なケースだと事件に発展、詐欺罪で罪に問われることもあり、正確に申告することが大事です。
そのため保険加入前の診療明細は忘れないように保管をしておかなければいけません。
薬や検査をしてもらっていないと忘れがちなので気を付けておく必要があります。
病気の犬や猫でも条件付きで保険に入ることができるかもしれないので、噓の告知はせずに保険会社と話し合ってみるのもいいでしょう。
ペット保険加入時の注意点や選び方
健康診断の提出がいらないペット保険
基本的に保険に加入する際に健康状態の告知は必要です。
その告知の方法が健康診断の提出なのか告知だけでいいのかは保険会社によって異なります。
Ps社:健康診断不要。健康状態などの回答(告知)が必要。
An社:健康診断不要。健康状態などの回答(告知)が必要。
I社:健康診断不要。健康状態などの回答(告知)が必要。
P社:3品種ごとに年齢別で健康診断の提出が必要。(満5歳、満8歳、満10歳)
Pr社:満8歳以上で健康診断の提出が必要。指定の健康診断書あり。
Np社:健康診断不要。健康状態などの回答(告知)が必要。
健康診断の提出がいらない保険会社では健康状態の告知が必要で、内容によっては健康診断の結果を求められる場合もあります。
特定の年齢以上であれば、健康診断の提出が必要なこともあるようです。
中には品種ごとで健康診断の提出が必要な年齢を分けている保険会社もあります。
最近ではネットで簡単に申し込めるペット保険がほとんどです。
そのため契約者の負担を減らすため手続きもシンプル。
健康診断の提出不要もその流れからなのかもしれません。
ペット保険に加入するタイミング
ペット保険に加入するタイミングは若いうちがいいでしょう。
多くの保険会社の新規加入年齢が8~12歳です。
それより前に加入しておくのがいいタイミングです。犬や猫が幼少期だとベストでしょう。
理由は生まれてあまりにも年数がたってしまうと持病を持ってしまう可能性が高くなってしまうからです。
そうなるとその病気は補償対象から外されてしまいます。
さらには犬や猫が0歳のパピー期やキトン期には抵抗力も弱く下痢をしやすいです。
下痢を放置してしまうと低血糖をおこしてしまい死に至ることも。
生後半年にもなるとなんにでも興味がでて、小さなおもちゃなどの異物を誤飲してしまう事故も増えてきます。
そうなると動物病院で催吐させる必要があります。
このように幼少期では手術をするような大きな出費はないもののちょこちょことした小さな出費が多くあります。
少額でも回数を重ねると痛いもので、保険がとても助かります。
このことから保険に加入するのは幼少期がいいということが分かります。
もう一ついいタイミングをご紹介しましょう。
それは幼少期に保険に加入しておき青年期で解約、高齢期でまた加入するというタイミングです。
メリットは一般的に若くて健康だと言われる青年期の保険料を節約できることです。
ペット保険は長く加入したからといって割引があるわけではありません。
若い時に加入しておいた方が保険料が安くなるというわけでもありません。
動物病院のお世話にならなければ長く加入しておく利点はないのです。
デメリットは保険を解約している間に病院で治療した額が全額負担になるということです。
さらにもしその間に治療した病気が重篤な病気だったら、高齢期で保険に加入する際契約を断られる可能性もあります。
加えて保険会社によって加入できる上限年齢が違います。
確認を怠ると年齢制限で加入できないことも。
ペット保険加入のタイミングを2つご紹介しましたが飼い主さんにとってもペットにとってもいいタイミングで加入するのが一番でしょう。
よくある質問
完治している病気だとしてもペット保険に加入ができないことがありますか?
加入できても『特定疾病除外特約』などの条件が付く場合もあります。
詳しくは検討している保険会社に問い合わせるか、HPの重要事項説明書や約款でご確認ください。
先天性・遺伝性疾患がある場合も加入できますか
ただし先天性・遺伝性疾患を対象にした保険に加入している場合には補償されます。
加入している期間に先天性・遺伝性疾患と診断されたときだけ補償されるため注意が必要です。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
【病気でも入れるペット保険】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・告知義務について
・ペット保険の選び方