犬にヨーグルトを与えることは肝臓や腸内環境の改善の効果が期待でき、少量であれば毎日与える事も可能です。しかし投薬中で肝臓の数値が高い場合、尿路結石が見られる場合等は注意が必要です。
この記事では
・犬がヨーグルトを食べるときに注意すること
・犬が乳製品にアレルギーがある場合
犬がヨーグルトを食べるメリットと効果
牛乳は犬が飲むと体調を崩すことがありますが、ヨーグルトは犬が食べても人間同様に健康を保つために役立つ食べ物です。
なぜ犬が牛乳を飲むと体調を崩すかというと、犬の体は牛乳に含まれている成分の1つである「乳糖」を吸収できないからです。
しかし、ヨーグルトには牛乳が発酵するときに乳糖が少なくなるので体調を崩すことはあまりありません。
ここでは、犬がヨーグルトを食べることでどんなメリットがあるのかを解説します。
ヨーグルトのメリット①:整腸作用や胃の保護
ヨーグルトには腸内環境を改善する善玉菌といわれるビフィズス菌やガセリ菌、乳酸菌などが多く含まれています。
犬の腸内は人間同様に善玉菌と悪玉菌がいます。そして悪玉菌の量が多くなってしまうと腸の動きが悪くなり、さまざまな体調不良を起こしてしまいます。
しかし、ヨーグルトに含まれている善玉菌は犬の腸内にたどり着く前にその多くが死んでしまいます。
ですが、死んでしまった乳酸菌も悪玉菌の増殖を抑えることができるので、腸内環境を改善することができるのです。
また、ヨーグルトを食べることで胃酸過多を防ぎ、胃を保護することも期待できます。
ヨーグルトのメリット②:口臭予防
犬の口が臭い場合にはさまざまな原因がありますが、その1つに腸内環境の悪化があります。ヨーグルトを食べることで腸内環境の改善が期待できるので、口臭予防にも役立つことを期待できます。
犬の口臭の原因に歯周病もあるのですが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が口内の菌バランスも整えられます。
しかし、犬の口臭の原因は腸内環境や歯周病だけでなく、内臓の病気であることも多いです。
ヨーグルトで口臭改善を考える前に病院で診てもらうことをおすすめします。
ヨーグルトのメリット③:尿路結石の予防(ストルバイト結石)
犬はストルバイト結石という尿路結石の病気になることがあります。結石は体内でカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が結石になることで発症します。
結石を防ぐためには水を多く飲み、ミネラル成分を尿として多く排出することが大切です。
ヨーグルトには利尿作用のあるカリウムが含まれています。そのため、ヨーグルトを食べることで結石の予防に期待できます。
しかし、すでに尿路結石ができている場合はヨーグルトを食べることで逆に悪化してしまうことがあるのであげないようにしましょう。
ヨーグルトのメリット④:消化補助と肝臓への負担軽減
犬は基本的に雑食性の生き物です。普段はドッグフードを食べている犬が多いのではないでしょうか。
普段食べているドッグフードは総合栄養食なのですが、多くのドッグフードは肉成分が多く含まれています。
シニア犬や体調がよくない状態で肉成分の多いドッグフードを食べると、消化不良を起こしてしまうことがあります。
ヨーグルトにはさまざまな酵素が含まれており、その中には消化酵素も含まれています。
そのため、胸焼けを防ぐことや食欲を増進させることなどができます。また、消化を良くすることで肝臓や腎臓の負担も減らすことも可能です。
ヨーグルトのメリット⑤:免疫力の向上
ヨーグルトのメリット⑥:栄養素の補給
ヨーグルトに含まれている栄養素として有名なのは乳酸菌ですが、その他にもたんぱく質やビタミン、カルシウムなどさまざまな成分が含まれています。
そのため、ヨーグルトを食べることは他の栄養素を摂るのにもつながります。特にヨーグルトに含まれているビタミンには以下のような効果が期待できます。
・正常な視覚を保つ
・細胞の修復をする
・カルシウムの吸収を補助する 等
ヨーグルトにはカルシウムも含まれています。カルシウムは骨を強く保つことができる成分です。しかし、カルシウムは摂取過多になると他のミネラル成分の吸収を妨げてしまうことがあるので注意が必要です。
カルシウム成分が含まれているサプリメントを別途摂っている場合は、ヨーグルトを控えた方が良いでしょう。
ヨーグルトのメリット⑦:夏バテに効果的
犬が夏バテすると胃腸が弱って食欲がなくなってしまいます。ヨーグルトに含まれるたんぱく質は夏バテに効果的です。
また、ヨーグルトをあげることで食欲をあげる効果も期待できます。
犬にヨーグルトを与える際に注意してほしいポイント
ヨーグルトは基本的に人間用に販売されています。ヨーグルトに乳糖は牛乳ほど含まれていませんが、含まれていないわけではないので気を付ける必要があります。
犬がヨーグルトを食べることで健康を保てるようにするには、以下の注意点に気を付けることが重要です。
ポイント①:なるべく生乳100%のプレーン(無糖)を選ぶ
犬が食べるためのヨーグルトを選ぶときには必ず原材料を確認してください。
ヨーグルトは種類により以下のようなさまざまな材料が使われています。
・着色料
・香料
・アロエなどのフルーツ
・キシリトール 等
特にキシリトールは犬が摂取すると肝機能の低下などの中毒症状を起こすことがあるので、絶対にあげてはいけません。
キシリトールは無糖やカロリーオフのヨーグルトに含まれていることがあるので注意が必要です。
犬が食べても良いヨーグルトは「生乳100%」や「牛乳100%」など、他の成分が含まれていないプレーンのものを選んであげてください。低脂肪か無脂肪(脂肪ゼロ)であるとなお良いでしょう。
飲むヨーグルトは牛乳以外にも多くの材料が含まれているのであげないようにしてください。
ポイント②:食べ過ぎないよう少量を毎日与える
犬は人間と体の作りが異なるので、ヨーグルトが体に良いからといって大量にあげてはいけません。ヨーグルトは適量を毎日食べることで効果を発揮します。
食べても良いヨーグルトの量の目安は以下の表の通りです。
犬の体重 | ヨーグルトの量 |
超小型犬(~4㎏未満) | 約5g(小さじ1杯程度) |
小型犬(4㎏~10㎏以下) | 約15g(大さじ1杯程度) |
中型犬(10㎏以上) | 約40g(大さじ3杯弱程度) |
大型犬(25㎏以上) | 約60g(大さじ4杯程度) |
これはあくまでも目安なので、便や体調の様子を見ながらあげる量を調節してあげてください。
ポイント③:常温に戻してから与える
ヨーグルトは冷蔵庫に入れて保管します。しかし、冷たいまま犬にあげてしまうと、お腹を壊してしまう恐れがあります。
冷蔵庫からすぐに犬にあげるのではなく、しばらく外に置いて常温にもどしておきましょう。電子レンジで加熱する場合は10秒程度にして、あまり熱くなりすぎないように様子を見ながら行ってください。
加熱しすぎると乳酸菌が死んでしまい、ヨーグルトをあげる意味がなくなってしまいます。
ポイント④:肥満に気をつける
ヨーグルトの栄養素には脂肪も含まれています。犬の多くはヨーグルトが好きなので、食べ過ぎてしまうと太る恐れがあります。
また、ヨーグルトの食べ過ぎで下痢や体調不良になることもあります。ヨーグルトの量は飼い主さんが十分に気を付けてあげてください。
ポイント⑤:投薬中は医師に相談してからにする
薬によってはヨーグルトと相性が悪いものがあります。
甲状腺や癌の薬など、場合によっては薬の成分を阻害してしまうことがあります。何らかの薬を飲んでいる場合は、前もって獣医師に相談したうえでヨーグルトをあげるようにしましょう。
また、肝臓の数値が高い場合など、何らかの病気を持っている場合も事前に獣医師に相談してください。
ポイント⑥:子犬やシニア犬は注意が必要
子犬の時期は腸内環境や消化機能はまだ不完全です。そのため、ヨーグルトをあげるのは1歳を過ぎたあたりからの方がよいでしょう。
シニア犬は消化機能が衰えていることが多いです。ヨーグルトを食べることで逆にお腹の調子が悪くなってしまうことも考えられます。
ヨーグルトをあげるのであれば、まだ若いうちから定期的にあげるようにしましょう。
ポイント⑦:下痢の時など体調の良くないときはヨーグルトを控える
下痢や吐くなど体調がよくないときに乳酸菌製剤が投薬されることがあります。しかし、同じ乳酸菌が入っていてもヨーグルトを食べることで症状が悪化してしまうことがあるので控えた方が良いでしょう。
参考:ホエーは犬にとっても体にいいが下痢に注意
ヨーグルトを開けると水分が含まれているのがわかります。これは「ホエー」という成分です。このホエーには良質なたんぱく質が含まれており、かつ低カロリーなのですが、中には捨ててしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬にとってもホエーは体に良いものです。人がヨーグルトを食べるときはホエーと混ぜて食べると良いのですが、犬にとっては乳糖がわずかにふくまれているので、注意が必要です。
ヨーグルトと犬のアレルギーについて
犬にも人間のようにアレルギーを持っている子がいます。犬のアレルギーの多くは食物アレルギーです。
そのためアレルゲンとなっているものを食べてしまうと症状が出てしまうので気を付けなくてはいけません。
乳製品にアレルギーがある場合は絶対に与えてはいけない
最初から乳製品にアレルギーがあることがわかっているのであれば、ヨーグルトはあげないようにしてください。
犬のアレルギーの有無についてわかっていない場合もあるので、ヨーグルトをあげるときは少量から始めましょう。
犬のアレルギー症状には以下のようなものがあります。
・皮膚炎
・下痢
・嘔吐 等
アレルギーには常に注意する必要がある
アレルギーは一度発症すると人間同様に完治することはほとんどありません。また、人間のようにアレルギーはヨーグルト以外にもさまざまなものがあります。
ヨーグルトには乳酸菌以外にもたんぱく質などアレルギーを起こす物質が含まれています。
アレルギーは昨日まで大丈夫でも突然発症することがあるので普段から注意しなくてはいけません。
ヨーグルトのおすすめの与え方
ヨーグルトに含まれている乳酸菌は胃酸に弱いので、空腹時に食べることはおすすめできません。食後か食事と一緒に食べるとよいでしょう。
犬にヨーグルトだけをあげてもよいのですが、先にヨーグルトだけ食べてしまうと意味がありません、ここではヨーグルトのおすすめの食べ方があるのでご紹介します。
いつものフードに混ぜる
ヨーグルトをいつも食べているフードに混ぜてあげましょう。フードの上に置くだけだとそれだけ食べてしまうので、ちゃんと混ぜてあげてください。
食欲があまりないときやフードをあまり食べない犬などには特におすすめな方法です。
フルーツなどに混ぜる
りんごやバナナなど犬が食べても良いフルーツやさつまいもなど、犬が食べても良いフルーツや野菜に混ぜてあげるのもよいでしょう。
ただし、量が多すぎると糖分やカロリーの摂りすぎになるので十分に気を付けてください。
犬におすすめのヨーグルト商品は?何を選んだらいいの?
犬にあげるヨーグルトは生乳や牛乳のみで作られているプレーンのものであればどれでも大丈夫です。特におすすめのヨーグルトは以下のものなので、覚えておくと良いでしょう。
・フジッコ「カスピ海ヨーグルト」
・小岩井乳業「小岩井生乳100%ヨーグルト」
・森永乳業「ビヒダスプレーンヨーグルト」
・明治「ブルガリアヨーグルトLB81 プレーン」
結論:犬の体にあうヨーグルトを選ぼう
犬にも相性の良い食べ物と悪い食べ物があります。それは体の作りにも個体差があるためです。ですからご紹介したヨーグルトが犬に合わないことも考えられます。
犬にヨーグルトをあげてみて、体調不良がないかどうかを注意深く観察するようにしてください。
よくある質問
犬が毎日ヨーグルトを食べても大丈夫ですか?
犬がヨーグルトを食べない場合はどうすればいいですか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【犬はヨーグルトを食べても大丈夫?肝臓や腸内環境の改善に役立つ!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬がヨーグルトを食べる前に気を付けるポイント7つ
・犬におすすめのヨーグルトと食べ方