犬の乳歯と永久歯の見分け方とは?抜け替わり時の対処方法もご紹介!

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犬の歯は人間と同じように乳歯から永久歯に生え変わります。しかし、人間の口内と犬の口内は仕組みや作りが違うため、歯の生え変わり時期に気を付けなくてはいけないことがあります。

犬も人間同様乳歯から永久歯に歯が生えかわります。この時期は犬の健康について特に気を配る時期でもあります。

この記事では

・犬の歯の構造
・犬の歯の乳歯と永久歯の見分け方
・犬の歯の生え変わり時期の注意点
について解説します。
最後までお読みいただければ、犬の歯の構造や生え変わり時期の対処方法についてわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

犬の歯の特徴について

犬の歯は以下のような4つの種類があります。

・前歯にあたる門歯(切歯)…上下6本ずつ
・牙のように見える犬歯…上下2本ずつ
・中間の歯ある前臼歯…上下8本ずつ
・奥歯の後臼歯…上4本下10本

人間と犬の歯の特徴は大きく違います。犬の歯の構造を理解しておくことは毎日のケアや健康状態を保つことにつながります。

 

人間と犬の歯の違い

人間の歯と犬の歯の違いは大きく3つあります。

・歯の本数
・形状の違い
・口内成分の違い

人間の歯は28本で、歯の割合は前歯2:犬歯1:臼歯4です。歯は全体的に臼のような形をしていて、食べ物を咀嚼して飲み込める構造になっています。

前歯は野菜などをかみ切る役割を、犬歯は肉類を切り裂く役割を、臼歯は穀物をすりつぶす役割を持っています。

顎も上下だけでなく水平方向に動くため、食べ物をしっかり咀嚼して消化しやすい状態にできるのです。

また、人間の口内は中性です。食べ物を食べるとアミラーゼが糖を分解するために酸を発生させるので一時的に酸性になります。口内が酸性の状態が長くなってしまうと歯の成分が溶け出し、虫歯菌が繁殖しやすいので注意が必要です。

 

一方、犬の歯は門歯、犬歯、前臼歯、後臼歯を合わせて42本です。人間とは違い食べ物を引き裂いて固いものを飲み込みやすい大きさにして飲み込みます

人間のようにしっかり咀嚼することはしません。そのため、歯は全体的に尖った形になっています。

また、犬の口内はアルカリ性です。人間のように食べることで口内が酸性になることがなく歯がとがっています。

そのため虫歯菌は繁殖しにくいのですが、歯周病菌が発生しやすい特徴があります

また、人間は歯垢が歯石に代わるまで約20日ほどかかりますが、犬は3~5日程度で歯垢が歯石に代わります

歯垢が歯石になってしまと歯周病など口内トラブルを起こしてしまうので、こまめなデンタルケアが必要です。

 

犬の歯の着色

犬の歯の作りは人間とほぼ変わりません。正常であれば表面がツルツルしていて、白い色をしてます。

歯の表面が茶色や黄色をしているときは歯垢や歯石が付着していることが考えられます。

また、歯が赤かったり黒い場合は歯の状態が神経まで悪化している可能性が高いです。

犬は人間のように歯の違和感を伝えることができません。口内トラブルを起こさないように、こまめにデンタルケアをしてあげることが大切です。

 

犬の乳歯と永久歯の見分け方

犬の乳歯と永久歯は以下のような違いがあります。

・見た目
・本数の違い
・歯の間の感覚

犬の歯は子犬のころは細く小さな歯で、大人である成犬になるとしっかりした太い歯に生え変わります

乳歯の歯の数は28本、永久歯は42本です。乳歯は永久歯よりも歯が少ないため、歯と歯の隙間が広いです。

乳歯は永久歯に比べてもろく、すぐ折れることもあります。

ただし、小型犬は口が小さいため、乳歯と永久歯の違いが見分けにくいかもしれません。

 

犬の歯の生え変わり時期や生えそろう順番

犬の乳歯は生後20日ごろから生え始め、生後5~8週目までに生えそろいます。

永久歯には生後3ヶ月~4ヶ月ごろから生え変わりはじめ、生後6ヶ月~7ヶ月までにはすべて永久歯になります

乳歯から永久歯には以下のような順番で生え変わります。これは乳歯が生える順番と同じです。

ただし、個体差によって歯の生え変わりの順番が変わることもあります。

・下あごの切歯
・上あごの切歯
・下あごの前臼歯と後臼歯
・上あごの前臼歯と後臼歯
・下あごの犬歯
・上あごの犬歯
乳歯は食事をしているときやおもちゃで遊んでいるうちに抜けることが多いです。
おもちゃや口の周りに少量の出血が見られたり、床やおもちゃに抜けた歯が残ってることで歯が抜けたことに気づくことが多いです。
抜けた乳歯が小さいこともあり、犬が歯の抜けたタイミングで飲み込むことがあります。
そうなると飼い主さんが乳歯が抜けたことに気づかないこともあります。
飲んだ乳歯は体内に残ることはなく便と一緒に排出されます。また、胃腸などを傷つけることもほとんどないので心配はいりません
また、乳歯がグラグラして抜けそうな状態を見つけて手を出さないようにしましょう
無理矢理抜こうとするなど力をかけて歯に触ってしまうと、乳歯の歯根や歯肉を傷つけることがあります。
デンタルケア時に歯がぐらぐらしていることに気づいた場合は、できるだけ刺激しないようにしてあげてください

犬の乳歯に関する注意点や対処法を紹介

犬の歯は正常に抜け替わるとは限りません。中には何らかのトラブルが起きることも考えられます。

そんな場合でも慌てずに適切な対処してあげることが重要です。

 

① 犬の歯が生えない場合

犬の歯が生え変わらない理由は以下の2つが考えられます。

・萌出遅延(ほうしゅつちえん)
・埋伏歯(まいふくし)

萌出遅延は歯の生え変わりが遅くなっていること、埋伏歯は歯茎の中の永久歯が生えてこないことを言います

特に小型犬や短頭種は顎が小さいので萌出遅延や埋伏歯になる傾向が高いです。萌出遅延は遅くなっても歯が生えてくる可能性がありますが、埋伏歯はそのまま生えてこない可能性があります。

萌出遅延や埋伏歯は特に症状がないため、飼い主さんが気づかないことが多いです。しかし、埋伏歯はそのまま放置してしまうと歯のかみ合わせが合わない不正咬合(ふせいこうごう)などの口内トラブルの原因になることがあります。

萌出遅延や埋没歯は歯科のレントゲン検査やCT検査をしなければ判明しません。

萌出遅延や埋没歯が判明した場合は、抜歯などの外科手術を行って永久歯が正しく生えてくる処置をします。

 

② 犬の歯が少ない場合

犬の歯が少ない場合、考えられるのは以下の2つです。

・無歯
・欠如歯

無歯は歯そのものがないこと、欠如歯は歯の一部が欠けていることです。

なぜ歯が少ないのかははっきりとした原因がわかっていませんが、遺伝や感染症などによるものではないかとされています。

歯が少なくなりやすい犬種は小型犬が多く、犬種の中には遺伝子の変異が起きて歯の数や歯並び、歯の形に異常が起きるものもいます。

歯の数が少ない場合は特に治療の必要はありません

 

③ 犬の歯が多い場合

犬の歯の数が多い状態を過剰歯といいます。過剰歯になる原因は特に判明しておらず、遺伝的なものか歯の発育時に起こる異常ではないかとされています。

過剰歯は短頭種がなりやすく、特にブルドッグの25%は過剰歯だとされています。

歯の数が多いと歯並びや歯列が乱れてしまうので注意が必要です。しかし診察して特に問題が無ければ経過観察になります。

口内トラブルになる懸念がある場合は外科手術により抜歯が行われます。

 

④犬の乳歯が抜けない場合

犬の歯の生え変わり時期に起こりやすいトラブルは、永久歯が生えているのに乳歯が抜けない乳歯遺残(にゅうしいざん)です。

乳歯遺残は特に小型犬によく見られます。乳歯遺残は歯並びが悪くなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなるので口内トラブルを起こしやすくなります。

乳歯遺残は飼い主さんでは判明しにくいこともあるかもしれません。獣医師でもレントゲンを撮らなければ判断できないこともあります。

乳歯遺残は外科手術で乳歯の抜歯が行われます。

 

⑤犬の歯並びが悪い場合

犬の歯並びが悪くなる原因は、乳歯遺残や過剰歯などがあります。歯並びが悪いとかみ合わせが悪くなり、摂取障害や口内トラブルを起こす可能性が高いです。

そのため、犬の歯並びは早めに治療をおこなう必要があります。

しかし、犬の歯並びは飼い主さんが見るだけではわかりにくいかもしれません。

歯の生え変わり時期は1か月に一度程度のペースで動物病院で歯のチェックをしてもらうことをおすすめします。

 

補足:乳歯遺残や不正咬合に関する治療費は、全てのペット保険で補償の対象外となっています。

 

犬の歯の生え変わり時期での注意点を紹介

犬の歯が生え変わる時期は、歯に違和感を感じます。そのため普段とは違う行動をすることも良く見られます。

その時に適切な対応をしなければ口内トラブルを起こすこともあるので注意が必要です。

 

① 安全な物を噛ませる

歯の生え変わりの時期は犬が歯に違和感を感じるため、甘噛みすることがあります

また、顎の力が強くなってくるので、嚙む力が強くなる時期でもあります。

おもちゃやガムなど甘噛みできるおもちゃを用意してあげてください。

おもちゃはゴム製やナイロン製などある程度やわらかくて壊れにくいものがおすすめです。

 

② 出血が止まらない場合

歯が生え変わると口から血が出ていることがあります。血が出る時は硬いものをかまないように注意するようにしましょう。
歯が抜けたことによる出血はすぐに止まることが多いです。出血が長く続くなど異常が見られる場合は動物病院で診察を受けるようにしてください。

③ 痛みがある場合

歯の生え変わり時期は痛みがある場合もあります。痛みがあると以下のようなしぐさが見られます。

・口の周りを触られることを嫌がる
・口を気にするしぐさをする
・元気がない
・ご飯を食べない

歯の生え変わり時期の痛みはそれほどひどくなく、しばらくすれば落ち着くことがほとんどです。

ご飯が食べにくいような感じであれば、ドッグフードをお湯などでふやかすかウエットフードにするなどして、やわらかくして食べやすい状態にしてあげるとよいでしょう。

それでもあまりご飯を食べないようであれば、動物病院を受診するようにしましょう。

 

④ イライラしている場合

歯の抜け替わり時期は、口内の不快感や痛みなどからイライラしていることもあります。

このイライラは一時的なもので、歯の抜け替わりが済めば落ち着いてくることがほとんどです。

イライラの解消は気を紛らわせるしかありません。散歩や遊んであげるなどしてできるだけイライラしないように気を配ってあげましょう。

 

なぜ犬の歯は虫歯になりにくいのか

先に解説したように、犬の口内はアルカリ性です。アルカリ性は虫歯の原因である糖が溜まりにくく、虫歯菌も繁殖しにくいので虫歯になりにくいです。

ただし、糖分の含まれているおやつを食べていたり、人間の食べ物を食べていると口内に糖が入るので、虫歯になることがあります。

犬のおやつを選ぶときは成分表を確認し、人間用の食べ物は与えないようにしましょう

人間用の食べ物は口内トラブルだけでなく、犬の健康を害することもあります。

 

虫歯菌が留まりづらい

犬が虫歯になりにくい理由に犬の歯がとがっていることがあります。歯が人間のように平らではなく歯と歯の隙間が大きくあいているので、虫歯菌が溜まりにくいのです。

ただし、犬の歯は歯石が付きやすく歯周病菌が繁殖しやすいので、毎日のデンタルケアをすることがとても重要です。

 

犬のデンタルケアの重要性

犬は基本的に口の中を触られることを嫌がります。しかし、犬は自分でデンタルケアをすることはできません。

飼い主さんが毎日犬のデンタルケアをしてあげなければ、歯周病や虫歯などの口内トラブルが起きる可能性が高いです。

3歳までの犬の80%は何かしらの歯のトラブルがあると言われています

歯のトラブルは口内だけでなく、体の健康を損ねることがあります。

犬に長生きしてもらうためにも、毎日のデンタルケアはとても重要です。

 

犬のデンタルケアの方法

口の中を触られることに慣れてもらうために、犬のデンタルケアは乳歯の生えたパピー犬のころか行うようにしましょう

最初は犬の口を触るところから始めます。少し触って嫌がらなければおやつなどのご褒美をあげてください。

口を触られることに慣れてきたら、口をめくってみましょう。いきなり捲るのではなく、声掛けするなど合図があると犬も理解しやすいです。

口が捲れるようになったら歯を指で軽く触ってみましょう。最初は少しで十分です。

歯に触れるようになったら歯磨きシートで前歯だけ拭いてみましょう。すべて拭けなくても構いません。

その後徐々に犬歯や奥歯などを拭いてみてください。途中で嫌がったらやめて構いません。

奥歯までふけるようになったら歯ブラシを使ってみましょう。犬用の歯ブラシが販売されていますが、人間の子供用の歯ブラシでも構いません。

犬用の歯磨き粉が販売されていますが、使っても使わなくてもどれでも構いません。

歯ブラシを嫌がる場合は歯磨きシートでデンタルケアをしてあげてください。犬が歯のケアを嫌がらずに毎日継続することが重要です。

 

犬の歯周病含む歯科治療はペット保険で補償されるのか

多くの犬や猫のペット保険で基本的には「傷病の治療を目的とした歯科治療は補償対象」で、「予防目的や病気にはみなされないものは補償対象外」となります。

【補償対象】
・歯肉炎
・歯周病
・歯槽膿漏
【補償対象外】
・歯石除去(予防目的)
・乳歯遺残(にゅうしいざん)
・不正咬合(ふせいこうごう)

ただし、ペット保険会社により歯周病や歯科治療を補償するかは異なります。加入前にはしっかり確認しておく必要があります。

犬でも猫でもかなり歯周病は多い病気なので、基本的には歯周病や歯科治療が補償されるペット保険をおすすめします。

ペット保険が歯周病を補償するか、各保険会社がどのような対応をとっているかご紹介します。

歯科疾患を補償の対象外としていないペット保険 歯科疾患を補償の対象外としているペット保険
アイペット損害保険会社 アクサ損害保険株式会社
アニコム損害保険株式会社 au損害保険株式会社
ペット&ファミリー損害保険株式会社 SBIいきいき少額短期保険株式会社
イーペット少額短期保険株式会社 SBIプリズム少額短期保険株式会社
イオン少額短期保険株式会社 ペッツベスト少額短期保険株式会社
株式会社FPC エフ・ピー・シー 日本ペット少額短期保険株式会社
つばき少額短期保険株式会社 リトルファミリー少額短期保険株式会社
楽天少額短期保険株式会社
ペットメディカルサポート株式会社

詳細は各保険会社の重要事項説明書及び約款でご確認ください。また実際の保険金支払いにおいては補償範囲等、状況によって各社対応が異なる場合もあります。

例えば日本ペット少短の場合、歯周病を含め、歯に関する処置は補償対象に含まれません。しかし歯肉炎等の歯に触れない治療であれば補償されます。

 

補足:ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

 

よくある質問

乳歯は生え変わるのでデンタルケアは永久歯になってからで大丈夫ですか?

犬の歯は人間同様に乳歯から永久歯に生え変わります。しかし、犬のデンタルケアは乳歯の時から行うようにしてください。子犬のころからデンタルケアに慣れさせることが一番の目的ですが、まれに乳歯であっても歯周病などの口内トラブルが発生することもあります口内トラブルは乳歯が抜けたからといって改善しないものも多くあります。そのため、乳歯であってもデンタルケアを欠かさないことが重要です。

犬のデンタルケアは歯磨きガムだけではだめですか?

市販されている犬の歯磨きガムには、ガムをかむことで歯についた歯垢を落とす効果が期待できます。しかし、歯磨きガムだけでは歯の汚れをすべて落とせません。歯磨きを嫌がる犬にデンタルケアの1つとして与えるのは良いですが、あくまでデンタルケアのサポート的な役割ととらえておくと良いでしょう一番良いのは歯ブラシや歯磨きシートでデンタルケアをしてあげることです。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

【犬の乳歯と永久歯の見分け方とは?抜け替わり時の対処方法もご紹介!】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・犬の歯の特徴
・犬の歯の生え変わりに注意点
・犬のデンタルケアの方法
について解説してきました。
犬の歯が乳歯から永久歯に生え変わるときにトラブルが起きることもあります。毎日の様子を観察するだけでなく、1か月に1度程度は動物病院で歯の状態を確認してもらうようにするとよいでしょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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