犬のアトピー性皮膚炎とは?症状や治療方法・治療費についても解説!
2023年9月1日
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犬のアトピー性皮膚炎は人間同様カビ等のアレルゲンが原因で発症し、完治が難しい病気です。強いかゆみを症状とし炎症等も起こします。年間の平均治療費が10万円以上と治療費も高額です。
この記事では
・犬がアトピー性皮膚炎になる原因
・犬のアトピー性皮膚炎の治療方法
犬のアトピー性皮膚炎とは?どんな病気?
犬のアトピー性皮膚炎は実はよく見られる皮膚疾患の1つで、犬の10%はアトピー性皮膚炎であると定義づけられています。
2010年に犬アトピー性皮膚炎の臨床兆候8項目が提示されました。そのうちの5項目以上を満たしたら犬アトピー性皮膚炎と診断されます。
・室内で飼育されている
・かゆみがステロイドに反応する
・初めて発症したときはかゆみがなく皮膚病変のみである
・前肢に発症している
・耳介に発症している
・耳介の周辺には発症していない
・腰や背中には発症していない
この基準は世界基準となっており、犬の皮膚炎に上記のような特徴的な症状の有無を確認することが重要です。
そのうえでIgE検査などの血液検査を行い、アレルギーの原因の推定などを行います。
犬がアトピー性皮膚炎を発症する理由
犬のアトピー性皮膚炎は人間のアレルギー同様に、ダニや花粉、カビなど、環境中にあるアレルゲンに反応して発症します。
アトピー性皮膚炎は花粉症のように季節により悪化したり緩和することはほぼありません。
環境中にあるアレルゲンをなくしたり、アレルゲンが体内に入らないようにすれば症状は出ませんが、それを完全に防ぐことはほぼ不可能です。
また、アレルギーに体が反応しないように治療することもできません。
ですから、アレルギーを完治させることはできません。一度発症すると一生涯アトピー性皮膚炎の治療や対処が必要になります。
アレルギーで起こる病気なので、他の犬や人間にうつることはありません。
犬のアトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎は皮膚にしつこいかゆみがあります。かゆみの出る部分は下記の場所が多いです。逆に言えば下記以外の場所ではほとんど発症しません。
・顔
・足の先(足の指の間)
・わきの下
・お腹
・足やしっぽの付け根
犬は皮膚にかゆみを感じると舐めたり噛んだりしてしまうので、患部を搔き壊してしまいがちです。
その部分に炎症が起き、かゆみもあるのでより搔き壊してしまうかゆみのサイクルを繰り返します。
アトピー性皮膚炎の症状が進行するとかゆみのサイクルを繰り返していくことで皮膚の状態が悪化していくので注意が必要です。
具体的には、炎症を掻き壊したことで起こる外傷や脱毛、皮膚が黒ずむ色素沈着などが起き、皮膚が厚く固くなる苔癬化(たいせんか)になります。
犬のアトピー性皮膚炎は外耳炎に注意
犬のアトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌などが原因の外耳炎を発症しやすいです。
一度外耳炎が治っても何度も繰り返してしまうことがあります。
外耳炎が悪化したり慢性化すると炎症が鼓膜の奥まで届いてしまい、中耳炎になることもあるので注意が必要です。
中耳炎になると炎症が三半規管や中枢神経にまで行き届き、顔面の神経麻痺をおこすことがあります。
耳の悪臭や黒い耳垢、耳の発赤などが見られたらできるだけ早く動物病院で診察を受けるようにしましょう。
犬のアトピー性皮膚炎になる原因は?
犬がアトピー性皮膚炎を発症するのは遺伝によるものが多いとされています。
元々アレルギー体質だったり皮膚のバリア機能が低いため、アトピー性皮膚炎を発症してしまいます。
アトピー性皮膚炎を発症するのは1~3歳までの若い年齢であることが多いです。
アトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種ってある?
アトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種は以下のものが挙げられます。
・シーズー
・ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
・ボストン・テリア
・ゴールデン・レトリバー
・ラブラドール・レトリバー
・ミニチュア・ダックスフント
・フレンチ・ブルドック
・シェットランド・シープドッグ
・ビーグル
・トイ・プードル 等
犬のアトピー性皮膚炎の治療方法
犬のアトピー性皮膚炎は完治させることが難しいので、かゆみや皮膚の症状を緩和するための治療が行われます。
治療方法には内服薬や外用薬の処方、スキンケア、ドッグフードやサプリメントなどがあります。
犬のアトピー性皮膚炎で使われる薬の種類
犬のアトピー性皮膚炎にはさまざまな薬が使用されます。ここではその中でも特に良く使用される薬をご紹介します。
内服薬
ただし、副腎や肝臓、筋肉などの臓器に副作用が起きやすかったり、多飲多尿や食欲増加、免疫低下などが起こることがあります。
副作用に嘔吐や下痢などがありますが、そのほとんどが軽いものです。
ただし、臓器などに副作用を起こしません。副作用としては、下痢や嘔吐があり、まれに歯肉の肥厚や皮膚のイボ状病変が起こります。
注射剤
副作用はほとんどなく、まれに嘔吐や下痢が起こることがあります。
外用薬
犬のアトピー性皮膚炎の「再生医療」とは
近年は再生治療が話題になっています。再生治療とは犬の体から幹細胞を取り出して培養し、再度体内に戻すことで組織や機能を修復・再生させる治療です。
治療を行っても効果がない場合や副作用の強い薬を長期間使わなければならないことで体に負担がかかる場合などに使われる治療となっています。
治療時は犬の状態にもよりますが、日帰りで帰れることが多いです。
再生医療は体の持っている自然治癒力を使うので副作用がほとんどなく、生涯にわたり効果を得られることも期待できる治療です。
ただし、現在はまだ一般的な治療ではないため、対応していない動物病院もあります。
犬のアトピー性皮膚炎の治療費の平均とは
犬のアトピー性皮膚炎は生涯を通して治療する必要があるので、定期的な通院をしなくてはいけません。
アニコム白書2019によると、犬のアトピー性皮膚炎の治療費は下記の通りとなっています。
1頭あたりの年間診療費 | ||
1頭あたりの 年間診療回数 |
中央値 | 平均値 |
5.6回 | 32,867円 | 123,723円 |
年間の平均治療費が10万円以上、という点はけっこう驚かれた方も多いのではないでしょうか。
犬のアトピー性皮膚炎の対処方法
犬のアトピー性皮膚炎は治ることのできない病気なので、日々の生活で症状を抑えて症状が改善するように工夫することが重要です。
アレルゲンに触れないようにする
犬のアトピー性皮膚炎のアレルゲンにはさまざまなものがあります。そして完全に防ぐことも難しいです。
環境中に紛れているアレルゲンはほこりに付いて部屋中に飛び散ってしまうので、部屋の掃除をしましょう。
また、クッションやカーペットなど布類の家具はほこりが付きやすいので、できるだけ使用しないようにするか、こまめに洗濯してください。
空気清浄機を使うようにするのもおすすめです。
スキンケアをする
皮膚についたアレルゲンを体から洗い流し、皮膚のバリア機能を保つためにスキンケアは重要です。
使用するシャンプーは獣医師とよく相談して決めてください。一般的には保湿成分が配合され、低刺激のものがおすすめです。
シャンプーの後は十分にタオルドライをし、必ず保湿剤を付けるようにしましょう。
シャンプーの時はぬるま湯で時間をかけて体を濡らしてください。ドライヤーは体に近づけすぎないように注意しましょう。
アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥して荒れてしまうので、セラミドなどが配合された保湿剤は毎日使用することをおすすめします。
よくある質問
犬のアトピー性皮膚炎に予防法はありますか?
犬のアトピー性皮膚炎は食事に気を付ける必要がありますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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【犬のアトピー性皮膚炎とは?症状や治療方法などをご紹介!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬のアトピー性皮膚炎は強いかゆみが起きる
・犬のアトピー性皮膚炎は遺伝で発症することが多い
・犬のアトピー性皮膚炎の治療は対処療法