猫が風邪にかかった時の治療費はいくら?原因や症状、予防法も解説!
2024年5月22日
この記事では
・猫風邪の症状
・猫風邪の治し方
・猫風邪の治療費
・猫風邪の市販薬
・人への感染の有無
・猫風邪の対策方法
「猫風邪」とは
猫風邪とは、カリシウイルスやヘルペスウイルス、クラミジアなどの病原体に感染することで発症する「上部気道感染症」の総称です。
発症するとくしゃみや鼻水など、人の風邪と同じような症状が出ることから「猫風邪」と呼ばれています。
猫風邪の原因は?ウイルスの種類は?
猫風邪は、先程も紹介したようにカリシウイルスやヘルペスウイルス、クラミジアといった病原体に感染することで発症します。
主な原因は、飛沫感染です。
すでに猫風邪に罹患している猫のくしゃみやよだれなどに未感染の猫が接触することで感染します。
猫風邪の症状は?種類別の特徴
猫が風邪をひくと人間の風邪と同じような症状があらわれます。
猫風邪の主な症状を下記にまとめました。
・食欲不振
・くしゃみ
・鼻水
・せき
・発熱
・角膜炎
・よだれ
軽症の場合、早めに対処すれば回復していきますが、免疫力の低い子猫やシニア猫などは重症化しやすく命に関わることもあるため注意が必要です。
愛猫に猫風邪の症状がみられたら、そのまま放置せず悪化する前にすぐに動物病院で診てもらいましょう。
ヘルペスウイルスによる猫風邪
猫風邪の主な原因ウイルスは、カリシウイルス、ヘルペスウイルス、クラミジアの3種類です。
ここでは、ヘルペスウイルスによる猫風邪の感染経路や検査方法などについて紹介していきます。
感染経路
ヘルペスウイルスによる猫風邪の感染経路は、空気感染と接触感染です。
ヘルペスウイルス感染猫の鼻水やせきが、未感染猫の体内に取り込まれることで感染します。
ヘルペスウイルスによる猫風邪は、母猫からの移行抗体がなくなる生後3ヶ月前後の子猫がかかりやすいため要注意です。
免疫力の低い子猫が猫風邪になると悪化しやすく、肺炎や多発性の関節炎を起こす場合もあります。
検査方法
ヘルペスウイルスによる猫風邪が疑わしいときは、血液検査でヘルペスウイルスの抗体検査を行います。
さらに、鼻汁や目ヤニを採取しPCR検査などをして、総合的に判断するのが一般的です。
予防方法
ヘルペスウイルスの猫風邪は、ワクチンで予防できる病気です。
ヘルペスウイルスによる猫風邪は一度でも感染すると再発を繰り返してしまいやすいため、愛猫が小さい頃から定期的に予防接種を受けるのが一番の対策となります。
もし愛猫が感染してしまった場合は、他の猫にうつさないよう家の中で隔離する、外に出さないようにするなどして予防しましょう。
カリシウイルスによる猫風邪
カリシウイルスによる猫風邪は、初期症状として食欲不振があげられます。
ヘルペスウイルスとの見分け方は、舌や口蓋に水疱があるかどうかです。
水疱がある場合は、カリシウイルスによる猫風邪である可能性が高いでしょう。
ここでは、カリシウイルスによる猫風邪の感染経路や検査方法についても紹介します。
感染経路
カリシウイルスを保有している猫の排泄物や分泌液などが、未感染猫の口や鼻につくことで感染します。
直接触らなくても、感染している猫が飲んでいるお水を一緒に飲む、お皿を共同で使うなどで感染する可能性が高いため、多頭飼いしている人は十分気をつけましょう。
検査方法
ヘルペスウイルスと同様に、まずは血液検査を行います。
さらに総合的に判断するために、X線検査を行うケースもあります。
予防方法
定期的にワクチンを接種し、徹底的に感染猫との接触を避けるのが有効な予防方法です。
ワクチンを接種していても感染率は0にはなりませんが、発症時の症状を軽減できます。
野良猫はヘルペスウイルスやその他のウイルスを持っている可能性があるため、室内飼いを徹底しましょう。
クラミジアによる猫風邪
クラミジアによる猫風邪にかかると、結膜炎、鼻炎といった症状があらわれるのが特徴です。
引き始めは片目だけの場合でも、症状が進行すると両目に症状が出てくるケースも。
感染経路
クラミジアによる猫風邪の主な感染経路は、すでに感染している猫と接触です。
感染猫の排泄物や分泌液などに触れることで発症します。
検査方法
クラミジアによる猫風邪が疑われる場合は、血液検査と眼科検査を行うのが一般的です。
免疫力が低下している猫の場合は、X線検査などで肺炎になっていないかも確認します。
予防方法
ヘルペスウイルス、カリシウイルスと同様に、予防接種を受けるのが一番の予防方法です。
また、すでに感染している猫との接触を避けるため、猫を屋外に出さないようにしましょう。
猫風邪、治し方は?自然治癒できる?
猫風邪の治し方は、ウイルスの種類によって異なります。
下記は、それぞれの猫風邪の治療方法と回復までにかかる期間をまとめたものです。
治療法 | 回復までにかかる期間 | |
ヘルペスウイルスによる猫風邪 | 抗ウイルス薬やインターフェロンの投与 | 2~3週間 |
カリシウイルスによる猫風邪 | インターフェロン注射 | 2~3週間 |
クラミジアによる猫風邪 | 抗生物質の投与 | 2~4週間 |
猫風邪は、完治するまでに最低でも2周間以上かかります。
上記で紹介した治療法のほかに、食欲不振や脱水などを起こしている場合は皮下点滴をしたり、症状が重い場合は入院して静脈内点滴を行ったりとケースバイケースです。
自然治癒できる?
猫風邪は放置して治ることもありますが、ストレスや季節の変化などで体調を崩し再発することも考えられます。
猫風邪は慢性化しやすく、自然治癒はあまり望めません。
気管支炎を引き起こす可能性もあるため、動物病院でしっかりと診てもらうのがおすすめです。
とくに免疫力の弱い子猫は、放置しておくと症状が悪化し、最悪の場合死に至るケースもあるので注意しましょう。
猫風邪の治療費はいくら?
猫風邪にかかった場合、症状や重症度によって治療内容や診察料が異なります。
また、病院によってもどこからどこまで治療するかは変わります。
ここでは、猫風邪の治療費の一例を紹介していきます。
猫風邪の治療費
症状の軽い猫風邪の場合、診察料や薬代で約2万円ほどかかります。
まずは薬を1週間分だけ処方され、まだ調子が悪ければさらに1週間分の薬を出されるケースが多いようです。
そうなると当然、診察料と薬代が倍になります。
猫風邪の症状が重く入院となった場合は、5万円以上かかることも。
また、入院が長引けば長引くほど料金もかさみます。
猫の治療にかかる費用は、飼い主の全額負担です。
入院や手術となれば数十万円かかることも少なくないため、大きな出費に備えてペット保険に加入する飼い主も年々増加しています。
猫風邪はペット保険で補償される?
猫風邪は基本的にワクチンで予防できる病気のため、多くの保険会社が補償の対象外としていますが
疾病の発症日がその予防措置の有効期間内であった場合、および獣医師の判断により予防措置が講じることができなかったと認められる場合については、補償の対象となります。
各保険会社によって細かい違いはあるため必ず重要事項説明書や保険約款を確認するようにしましょう。
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猫風邪、市販薬は?あげても大丈夫?
猫風邪にきく市販薬はありません。
猫風邪になった場合は、動物病院で処方される抗生物質を投与するのが基本の治療法です。
抗生物質の投与量は、猫の体重や体力によっても異ります。
「早く効いてほしいから」と自己判断で投与量を増やしてしまうと、抗生物質が効きにくい体質になってしまうため要注意です。
抗生物質は用法用量を守って愛猫に与えましょう。
猫風邪は人間に感染するの?
猫風邪は、ヘルペスウイルスとカリシウイルスが原因の場合、人にうつることはありません。
ただし、クラミジアウイルスが原因の場合は人にうつる可能性があるとされています。
猫風邪にかかっている猫を看病する際は、猫を触った手で口や目に触らないように気をつけましょう。
お世話後は石鹸で手を洗い、感染予防をすると安心です。
コリネバクテリウム・ウルセランス
2016年5月、野良猫に餌をあげていた60代の女性が呼吸困難で死亡した事例がありました。
死亡した女性の血液からは、コリネバクテリウム・ウルセランス(ウルセランス菌)が検出されました。
コリネバクテリウム・ウルセランスは動物から人へ感染する菌です。
死亡した女性は野良猫から菌をもらったと考えられています。
コリネバクテリウム・ウルセランスに感染した猫は、咳やくしゃみなど猫風邪に似た症状が出ます。
人間に感染すると、発熱や喉の痛みがあり、症状が進むと呼吸困難に陥って死に至ることもあるため要注意です。
野良猫にはできるけ触らず、愛猫に猫風邪の症状がみられる場合はすぐに動物病院でみてもらいましょう。
猫風邪の対策方法は?
猫風邪は、普段の生活やワクチン接種などで予防できる病気です。
ここでは、猫風邪の予防方法を紹介します。
生活環境
猫風邪は、すでに猫風邪に感染している猫と接触することで感染します。
外で飼われている猫や野良猫の多くは猫風邪に感染していると言われているため、できるだけ外猫との接触を減らすのが効果的な予防法です。
室内外を徹底し、なるべく外に出さないようにするのが良いでしょう。
また、散歩に出る猫の場合は、外猫と接触しないよう飼い主が常に監視しておくのがおすすめです。
万が一外猫と喧嘩をしてしまった場合は、傷がないか入念に確認し、心配であれば動物病院で診てもらうと良いでしょう。
多頭飼いの場合は、一匹に猫風邪の症状が出始めた段階で隔離し、他の猫への感染を食い止めましょう。
動物病院でのケア
猫風邪は、ワクチンで予防できる病気です。
定期的にワクチンを接種すると、猫風邪にかかりにくくなり、万が一かかってしまっても軽症で済みます。
また、猫風邪に早い段階で気づくためにも、定期的に検診に行くのがおすすめです。
よくある質問
1ヶ月前から愛猫の猫風邪がなかなか治らないです。治ったと思ってもすぐにぶり返すのですが、どのくらいで治るのでしょうか?
家猫が猫風邪っぽく、ひどいせきをしています。食事は摂れていますが病院に連れて行ったほうが良いでしょうか?家でできることはあるでしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【猫風邪の治療費】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・猫風邪の症状
・猫風邪の治し方
・猫風邪の治療費
・猫風邪の市販薬
・人への感染の有無
・猫風邪の対策方法