この記事では
・猫がよだれをたらしている場合に考えられる病気
・猫のよだれの状態から考えられる原因
・猫がよだれをたらしているときの対処法
・猫のよだれがペット保険で補償されるかどうか
猫がよだれをたらす原因
猫は、病気ではなくてもよだれをたらすことがあります。
猫がよだれをたらすときに考えられる、病気以外の主な原因は3つです。
空腹時に唾液の分泌が増える
猫は、空腹時によだれをポタポタと垂らすことがあります。
お腹が空くと消化(食事)の準備として唾液の量が増えますが、フードを食べるとよだれは収まるのが一般的です。
よだれを垂らしているのにご飯を食べない場合は、何かの病気にかかっている可能性も考えられます。
そのほかに気になる症状があれば、早めに動物病院で診てもらいましょう。
空腹の時間が長いと、よだれ以外にも胃液や胆汁などを吐くこともあるため注意が必要です。
辛いものや苦いものからの刺激
猫は刺激物を食べたときによだれをたらすことがあります。
猫は辛味や苦味などを感じ取れる生き物のため、例えば苦い薬を摂取したあとは口の中の苦さを和らげようと唾液をたくさん分泌します。
苦味のある薬を飲ませるときは、フードに混ぜるなどして工夫が必要です。
また、洗剤などの刺激物を誤って舐めてしまった場合にも、口の中の刺激を中和しようと唾液が大量に出ることもあります。
猫が万が一洗剤を舐めてしまった場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
興奮して交感神経が刺激された
猫は強いストレスや緊張を感じると、交感神経が刺激されてよだれを出すことがあります。
引っ越しをして環境が変わった、動物病院に連れて行ったなどしたときに猫がよだれをたらしていたら、それは強いストレスが原因かもしれません。
ストレス状態が長く続くと、よだれ以外にもさまざまな病気を引き起こしやすくなるため、早めにストレスの原因を解消してあげる必要があります。
猫がよだれをたらしている場合に考えられる病気
猫がよだれをたらしているときは、何らかの病気である可能性もあります。
ここでは、猫のよだれから考えられる病気を紹介していきます。
歯周病や歯肉炎などの口腔内疾患
悪い口内環境が原因でよだれが出る場合があります。
猫の口内トラブルで一番多いのは歯周病で、3歳齢以上の犬猫の80%以上は歯周病に罹患しているとされているほどです。
歯周病になると、よだれ以外にも歯肉の腫れや口臭、食欲低下などの症状がみられます。
また、口内に腫瘍がある場合は、物理的によだれが止まらなくなることがあります。
愛猫の口の中を確認し、歯周病になっていないか、腫瘍はないかなどをこまめにチェックしましょう。
食道や消化管の疾患
食道や消化管の病気の場合も、よだれを伴います。
例えば食道炎の場合、食道に強い痛みがあり、よだれ以外にも嘔吐やゲップ、唾を飲む仕草を頻繁にするなどの症状がみられます。
食道炎を放置しておくと、巨大食道症や食道狭窄などの病気を引き起こすケースもあるため注意が必要です。
消化器疾患などによる吐き気
消化器疾患は、よだれや吐き気を伴います。
消化器とは、口から肛門まで続く器官のことで、具体的には胃・腸・食道などです。
消化器疾患で代表的なのは、胃腸炎や大腸炎などでしょう。
消化器系の病気は「いつもより少し元気がない」という曖昧な症状が出るケースが多く、疾患に気づきにくいかもしれません。
よだれが出ていて食欲がない、食べてもすぐ吐いてしまうなどの症状がある場合は、動物病院でみてもらってください。
中毒症状
毒性のある物を食べたときも、猫はよだれをたらします。
猫にとって毒性の物は下記の通りです。
・生肉
・甲殻類
・チョコレート
・カフェイン入りの物
・ぶどうやレーズン
・アルコール
また、普段から猫にとって毒になる物は目の届くところに置かないようにしておくことも大切ですね。
腎機能不全
猫の腎臓病には、急性腎不全と慢性腎不全があり、どちらも症状としてよだれがあげられます。
急性腎不全は短期間で腎機能が低下するのが特徴で、急にぐったりする、嘔吐するなどの症状がみられます。
急性腎不全は進行がとても早く、何もしないと数日で死んでしまうため早めに獣医師にみてもらってください。
慢性腎不全は、長い時間をかけて腎臓機能が低下していき、気付いたときにはすでに末期状態であるケースが多いです。
よだれのほかに多飲多尿、食欲低下、体重減少などの症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
腎不全は完治するのは難しい病気ですが、早期発見・治療で症状の改善や延命が見込めます。
熱中症
熱中症も、よだれを伴います。
猫は主に肉球でしか汗をかくことができないため、体温調節が苦手です。
高温多湿な環境下では、体温調節がうまくできずに熱中症になってしまいます。
猫が快適な温度は25度前後、湿度は50%程度とされているので、季節を問わず快適にすごせる温度・湿度に調節してあげましょう。
猫が熱中症になった場合、よだれ、嘔吐、体が熱い、元気がないなどの症状がみられます。
重症化すると意識喪失、痙攣などを引き起こし、一刻を争う事態になるため、水を飲ませたり体温を下げたりして速やかに動物病院を受診してください。
猫のよだれの状態から考えられる原因
猫のよだれは、色や状態などから猫の病気を判断できる可能性があります。
ここでは、ねこのよだれの状態別に考えられる病気を紹介していきます。
サラサラして透明
サラサラして透明のよだれは心配ありません。
猫はリラックスしているときに副交感神経が活発になり、サラサラした透明のよだれを出すことがあります。
グルーミング中や撫でられているときに猫がサラサラして透明のよだれを出す場合は、とてもリラックスできている証拠です。
ただ、サラサラで透明でもよだれが全然止まらない場合は体調不良である可能性があるので、動物病院でみてもらいましょう。
ネバネバしている
猫は強いストレスを感じたとき、交感神経が優位になり粘性の高いネバネバしたよだれを出すことがあります。
この場合、まずは猫にとってストレスになっている原因を探り、取り除いてあげるのが大切です。
ストレスがなくなれば、ネバネバしたよだれも収まるでしょう。
ストレスの原因を取り除いてもネバネバしたよだれが収まらない場合は、何らかの病気を患っている可能性もあるため早めに動物病院でみてもらってくださいね。
茶色い・血が混じっている
茶色や血の混ざったよだれは、口内や消化器が傷ついているサインかも知れません。
また、口内に腫瘍ができていてそこから出血している可能性もあります。
どちらにせよ、茶色・血の混ざったよだれは緊急性が高いケースが多いため、すぐに動物病院を受診してください。
緑色や黄色っぽい
よだれが緑色・黄色の場合は、なんらかの細菌に感染している可能性があります。
細菌に感染したことで、口内に膿が溜まり、唾液と混ざって緑色・黄色のよだれとなって出てきているのです。
例えば難治性口内炎の場合は、黄色っぽいよだれが出て、出血がみられることもあります。
放っておくと症状を悪化させる可能性があるため、愛猫が緑色や黄色っぽいよだれを出している場合は早めに獣医師に相談しましょう。
よだれがくさい
猫のよだれがにおう場合は、歯周病や口内炎、口腔内腫瘍など、口内になんらかのトラブルが起こっていると考えられます。
歯周病は成猫の80%以上がかかるとされている病気なので、猫のよだれや口が臭いと感じたときは早めに口内環境をキレイにしてあげましょう。
歯周病は自然に治ることはないため、早めのケアや対処が必要です。
歯周病がかなり進行している場合は、細菌の温床になっている歯肉を切除したり、抜歯したりすることもあります。
また、よだれからアンモニア臭がする場合は、腎不全や尿毒症などを発症している可能性もあるため要注意です。
猫がよだれをたらしているときの対処法
ここでは、愛猫がよだれをたらしているときの対処法を紹介していきます。
慌てず落ち着いて対処していきましょう。
口内に炎症がないか確認する
まずは愛猫の口の中に炎症がないかをチェックしてください。
口内に赤みや腫れなどがみられる場合は、獣医師にしっかりとみてもらうのがおすすめです。
口内をチェックするときは、赤みや腫れのほかにも、口臭や出来物・歯石の有無なども確認しましょう。
口内に炎症がみられない場合には別の病気の可能性も
口の中をチェックしても炎症がみられない場合は、口よりも奥でトラブルが起こっている可能性があります。
消化器疾患や何らかの中毒になっている可能性もあるため、よだれ以外の症状もある場合は速やかに動物病院でみてもらってください。
食欲不振や嘔吐など別の症状がみられる場合には速やかに受診する
よだれの他に、「急に元気がなくなった」「頻繁に吐くようになった」など気になる症状があるときは、様子見をせず早めに獣医師にみてもらってください。
とくに、よだれが出ていて急に何度も吐くよになったら中毒症状の可能性があります。
中毒を起こしている場合は、早めの処置が肝心です。
動物病院を受診する前に、症状の録画や、排便・排尿の量の記録などがあると獣医師が正確な診断を行う手助けとなります。
猫のよだれにかかわる疾患には診療費がペット保険で補償されるものも
近年、加入者が増加しているペット保険。
ペット保険に入っていれば、猫のよだれを伴う病気の治療費を軽減できる可能性があります。
今はまだペット保険に加入していない人も、この機会に加入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
よだれが症状としてみられる病気の診療費事例
よだれを伴う病気で代表的なものが、歯周病です。
例えば愛猫が軽度の歯周病になり、歯石の除去を行った場合の治療費例は下記となります。
診察料 | 2,000円 |
歯石取り | 35,000円 |
抗生剤・鎮痛剤などの注射 | 3,000円 |
内服薬 | 1,500円 |
合計 | 41,500円 |
動物病院や処置内容によっても異なりますが、猫が歯周病になった場合は50,000円前後の治療費がかかります。
重度の歯周病で抜歯や歯肉の除去などが必要になった場合は、より費用が高くなると考えてください。
また、猫が誤飲などで中毒が疑われる場合の治療費例も紹介します。
診察料 | 2,000円 |
胃洗浄 | 18,000円 |
点滴 | 12,000円 |
血液検査 | 7,000円 |
入院2日間 | 10,000円 |
内服薬 | 1,300円 |
合計 | 50,300円 |
中毒が疑われる場合、毒物を特定し、胃の洗浄を行うのが一般的です。
症状がひどければ、入院して経過を観察することもあります。
猫は、特定の観葉植物やアロマオイルなどでも中毒を引き起こすため注意しましょう。
ここで紹介した歯周病や誤飲、中毒は補償対象としているペット保険も多いです。
愛猫に万が一のことがあったとき、ペット保険に加入していれば費用を気にせず治療に専念できます。
動物の治療費は全額負担でとても高額になることも珍しくありません。
貯金がたくさんある人以外は、もしものときに備えてペット保険に入っておくと安心です。
疾患によっては補償の対象外となる場合もあるため注意
ペット保険では、各社で補償対象外となる疾患が決められています。
ペット保険会社によって補償内容は異なるため、事前に猫がかかりやすい傷病がカバーされているかどうかをしっかり確認するのが大切です。
猫がペット保険に加入するときは、腎臓疾患が補償対象かどうかに注目しましょう。
去勢・避妊やワクチン接種などにかかる費用は、すべてのペット保険会社で補償対象外です。
よくある質問
愛猫がゼリー状の臭いよだれを出しています。何かの病気でしょうか。
寝てる時や寝起きによだれが垂れることがあります。対策はありますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【猫がよだれが透明でさらさら?ネバネバな粘性やストレス・病気等も解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・猫がよだれをたらしている場合に考えられる病気
・猫のよだれの状態から考えられる原因
・猫がよだれをたらしているときの対処法
・猫のよだれがペット保険で補償されるかどうか