MENU

犬の乳腺腫瘍の手術費用はいくら?相場や検査費用等の治療費も解説!

犬が山椒を食べたら?食べてはいけない理由や対処法について解説!サムネイル

犬のお腹や胸のあたりにしこりを見つけて、「もしかして乳がん?」と不安になる飼い主さんは少なくありません。

乳腺腫瘍は、犬に比較的多くみられる腫瘍の一つで、人の乳がんにあたる病気です。
良性の場合もありますが、悪性(乳がん)の可能性もあるため、しこりを見つけた場合は注意が必要です。

ここでは、犬の乳腺腫瘍(乳がん)の特徴や症状、治療方法、手術や治療費についてわかりやすく解説します。

目次

犬の乳腺腫瘍とは?

乳腺腫瘍は、乳腺(おっぱいの組織)にできる腫瘍です。
人でいう乳がんにあたる病気で、特にメス犬に多くみられます。

犬には、脇の下から内股まで左右に5対(合計10個)の乳腺があり、そのどこにでも腫瘍ができる可能性があります。

さらに、腫瘍は複数できるケースもあるため油断できません。

良性と悪性(乳がん)の確立はほぼ50%ずつで、悪性だった場合は周囲の組織や肺などに転移することもあります。

見た目だけで良性か悪性かを判断することは難しいですが、今まで小さかったしこりが急に大きくなるなどの症状が見受けられた場合は乳がんの可能性があるためすぐに動物病院で診てもらいましょう。

犬の乳腺腫瘍(乳がん)の症状

まず見た目として、次のような症状が見られます。

  • お腹や胸のあたりにしこりができる
  • しこりが少しずつ大きくなる
  • しこりが複数できる
  • 呼吸が速くなる
  • 皮膚が赤く腫れる
  • 表面がただれる
  • 出血する

中でも、「しこりがある」「呼吸がはやくなる」「赤く腫れる」といった症状は危険なサインかもしれません。

詳しく見ていきましょう。

しこりがある

乳腺腫瘍は、触った感じが硬いのが特徴です。

胸からお腹のにある乳腺(おっぱい)のあたりにコリコリとした塊が見つかった場合は、乳腺腫瘍の可能性があります。

また、しこりの表面はボコボコとしており綺麗な形ではないのも目で見てわかる特徴です。

初期の乳腺腫瘍はしこり以外の症状がほとんどないことも多く、元気や食欲に変化がない場合も少なくありません。

ただし、病気が進行すると、元気がなくなったり食欲が落ちたりすることもあります。

犬の体にしこりを見つけた場合は、自己判断せず動物病院で診察を受けることが大切です。

呼吸がはやくなる

悪性の乳腺腫瘍は、転移が早く、肺に転移するケースが多く見られます。

肺に転移すると、呼吸が早くなったり、頻繁に咳をするなどの症状が目立つようになります。

赤くなる・熱をもった赤い腫れ

悪性の乳腺腫瘍の中でも最も悪性度が高いものに「炎症性乳癌(にゅうがん)」があります。

炎症性乳癌になると腫瘍が熱をもち、赤く腫れるのが特徴です。

熱を持ったしこりは痛みを伴うため、体力も消耗してしまいます。

炎症性乳癌は他の臓器へ転移するスピードが非常に早く、気づいた時には全身に癌が回っていた…というケースも少なくない怖い病気です。

乳腺腫瘍(乳がん)の原因

犬の乳腺腫瘍(乳がん)のはっきりとした原因は、現在のところ完全には解明されていません。

しかし、発症には女性ホルモンの影響が大きく関係していると考えられています。

実際に、海外の研究論文「Factors influencing canine mammary cancer development and postsurgical survival」(Journal of the National Cancer Institute)では、避妊手術の時期と乳腺腫瘍の発症率の関係がまとめられています。

Among the variables, neutered bitches had 12% of the mammary cancer risk as compared to intact animals. Bitches spayed before any estrous cycles had approximately 0.5% of the mammary cancer risk; those that had only 1 estrous cycle had 8%, and animals that had 2 or more estrous cycles before neutering, 26%. Within the group having 2 or more estrous cycles before being spayed, those neutered before 2½ years of age exhibited a marked sparing effect on mammary cancer risk not shown for bitches neutered after 2½ years of age.

避妊手術を初回発情前に行った犬は乳腺腫瘍の発症率が約0.5%、1回目の発情後に行った犬は約8%、2回目の発情後に行った犬は約26%であったことが報告されています。

この結果から、犬の乳腺腫瘍(乳がん)は女性ホルモンの影響を受ける可能性があると考えられ、今でも研究されています。

妊娠させる予定がない雌犬の場合は、早めに避妊手術を受けさせた方が今後の健康に繋がります。

参考:Factors influencing canine mammary cancer development and postsurgical survival(Journal of the National Cancer Institute)
https://academic.oup.com/jnci/article-abstract/43/6/1249/910225

乳腺腫瘍(乳がん)はいつ発症しやすい?

「年齢」と共にかかりやすくなる

前提として、乳腺腫瘍は犬種問わず高齢になると発症しやすい病気です。

Canine mammary gland tumorsという海外の論文でも、乳腺腫瘍のある犬は9~11歳の高齢であることが多く、高齢時に手術治療を受けていることが報告されています。

Dogs with mammary gland tumors are typically older, approximately 9 to 11 years old, sexually intact, or spayed later in life [5], [29], [30]. 

若い犬で発症することは比較的少ないものの、年齢に関係なく発症することはもちろんあります。

そのため、若い段階から金銭面での準備と、しこりを見つけた場合は自己判断で終わらせずに動物病院に行くことが大切です。

乳腺腫瘍(乳がん)にかかりやすい犬種・かかりにくい犬種

The Veterinary Journalの「Breed and Age as Risk Factors for Canine Mammary Tumours」という論文では、

  • プードル
  • イングリッシュ・コッカー・スパニエル
  • ダックスフント

などがかかりやすい犬種とされています。

下記は実際の論文の一部です。

Mixed-breed dogs (14.63%), Miniature Dachshund (9.90%), and Labrador Retriever (8.01%) were the three most presented breeds; while Boxer, Bernese Mountain Dog, and Golden Retriever had an increased risk of cutaneous tumor development in comparison to mixed-breed dogs (P<0.05).

日本の研究でも、アニコム損害保険株式会社の三枝萌らの論文から

  • パピヨン(2.7%)
  • マルチーズ(2.5%)
  • ミニチュア・ダックスフンド(2.5%)
  • フレンチ・ブルドッグ(2.3%)
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(2.2%)

がかかりやすい犬種にあげられています。

一方、

  • アイリッシュ・セッター
  • ラブラドール・レトリバー
  • ボクサー

はかかりやすいという数値は確認できなかったとという記述もあります。

下記は実際の論文の一部です。

Poodles, English Cocker Spaniels and Dachshunds had a statistically significant relative risk developing benign and malignant tumours of the mammary gland (χ2-test, p < 0.01), confirming conclusions of previous studies concerning these breeds. We did not, however, prove higher relative risk in Irish Setters, Labrador Retrievers and Boxers.

参考:Canine mammary gland tumors(Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195561603000202?via%3Dihub

参考:「保険金支払いデータを基にした人気犬種における腫瘍疾患の罹患状況の考察」(小動物腫瘍臨床 Joncol)
https://www.anicom-page.com/hakusho/journal/pdf/150403.pdf

参考:Breed and Age as Risk Factors for Canine Mammary Tumours
https://actavet.vfu.cz/media/pdf/avb_2005074010103.pdf

犬の体にしこりを見つけたらどうする?

犬の体にしこりを見つけた場合は、できるだけ早く動物病院で確認してもらうことが大切です。

犬のしこりには良性のものも多くありますが、乳腺腫瘍のように見た目だけでは良性か悪性か判断できない腫瘍もあります。

「小さいから大丈夫かな」と様子を見ることもあるかもしれませんが、腫瘍の場合は早期発見・早期治療がとても重要です。

気になるしこりがある場合は、早めに動物病院を受診し、検査を受けておくと安心です。

犬の乳腺腫瘍(乳がん)の主な治療方法

犬が認知症になった時の症状は?介護や予防のためにできることを解説サムネイル

犬が乳腺腫瘍になった場合は、良性・悪性の検査ののち、外科手術による腫瘍の切除が基本になります。

乳腺腫瘍は薬だけで治すことが難しい病気です。

そのため、多くの場合は腫瘍を取り除く手術が行われます。

良性と悪性を判断するためには、細い注射針をしこりに刺し、細胞の検査を行います。

その後、腫瘍の進行状況やできた場所、転移しているかどうかなどによって異なりますが、主に次のような方法で治療が行われます。

  • 外科手術
  • 化学療法(抗がん剤治療)
  • 放射線治療
  • サプリメントによる治療

一部の治療は併用して行うこともあります。

治療方針は、獣医師と相談しながら決めていきましょう。

ここからは、それぞれの治療方法について簡単に解説していきます。

外科手術

乳腺腫瘍(乳がん)の治療は、転移がない場合や良性の場合、基本的に外科的治療になります。

腫瘍の種類によっては、しこりの部分だけを切除することもありますが、乳腺腫瘍の場合、しこりだけでなく周囲の正常な組織も含めて広めに切除することがあります。

広めに切除することによって、悪性腫瘍(がん)の場合は再発や転移のリスクを減らすことができます。

良性腫瘍の場合は早期に切除すれば快適な暮らしを送れますよ。

しかし、腫瘍が大きかったり、切除が難しい場所に腫瘍がある場合は、十分な範囲を切除することが難しいこともあります。

手術の回数が増えれば増えるほど治療費の準備も必要になるため、ペット保険の加入などで事前に備えておくことが大切です。

化学療法(抗がん剤治療)

化学療法は、抗がん剤を使って腫瘍の増殖を抑える治療です。

他の臓器への転移がある場合や高齢で手術ができない場合、既に悪化しているなどの場合は、抗がん剤を使った治療を行うことがあります。

抗がん剤は、腫瘍の増殖を抑えたり、症状をコントロールする重要な役割を担います。

一方で、食欲不振やだるさなどの副作用が見られるケースがあるため、獣医師と共に犬の状態を見ながら治療を進めていきます。

放射線治療

放射線治療は、腫瘍細胞に放射線を当てて増殖を抑える治療法です。

手術で腫瘍を完全に取りきれない場合や、再発のリスクが高い場合に併用することがあります。

ただし、放射線治療は大学病院など設備が整った医療機関でしか実施できないことが多いことから、どこの動物病院でも実施できるも

のではありません。

サプリメント

サプリメントで進行を遅らせるケースもあります。

サプリメントは腫瘍を小さくしたり、なくしたりするものではなく、がん細胞の増殖を抑える効果が期待できる程度です。

犬が高齢で手術や治療が難しい場合は選択肢の1つです。

犬の乳腺腫瘍(乳がん)の治療費はどれくらい?

乳腺腫瘍の「手術」には、おおよそ10~40万円程度が想定されます。

あくまで下記は目安の治療費として公開されているものになりますが、

マエカワ動物病院の公式サイトでは、乳腺腫瘍切除術の治療費に「55,000~165,000円(多くは日帰り)」

調布動物医療センターの公式サイトでは、乳腺腫瘍摘出術「20万円」

と記載がありました。

小さいしこりを1つ取り除く程度だと、5万~10万円程度で済むことがほとんどですが、悪性の場合や乳腺の摘出が必要な場合は50万円を超えることもあります。

犬の状態によって費用は大きく異なりますが、参考程度に覚えておくといいでしょう。

参考:マエカワ動物病院「診療・料金」
https://maekawaah.com/treatment/

参考:調布動物医療センター「料金について」
https://chofutama.wolves-tokyo.com/price

手術費だけじゃない!総治療費に注意

手術費で既に驚いた方もいるかもしれませんが、手術の前後にも検査や入院、麻酔、投薬、定期通院などの対応が必要です。

そのため、実際の治療費総額は、10万~100万円を超えることもあるでしょう。

近年、治療費が用意できずクラウドファンディングをしている飼い主様も見るようになりました。

もしもの時に治療の選択肢を与えられるよう、ペット保険などを活用して備えておくことが大切ですね。

乳腺腫瘍(乳がん)はペット保険で補償される?

高額な治療費に備え、ペット保険に加入する選択肢はとても需要です。

乳腺腫瘍(乳がん)に関わらず、医療の進化に伴い、犬や猫の治療費は高騰しています。

ペットの治療費は人間と違い全額自己負担のため、ペット保険に加入しておくと安心できます。

また、乳腺腫瘍(乳がん)の治療は多くのペット保険で補償対象となります。

ただし、ペット保険にはいくつか注意点があります。

ここからは、ペット保険の専門アドバイザーが「ペット保険を検討する際に知っておきたいポイント」を解説します。

加入前に発覚していた病気は補償対象外になる可能性が高い

前提として、ペット保険は加入前にかかっていた病気(既往症)は基本的に補償の対象になりません。

「請求してみたら使えなかった!」というトラブルの種になりがちですが、ほとんどのペット保険についている条件ですから、把握しておくとよいでしょう。

例えば保険に加入する前からしこりや腫瘍が見つかっていた場合、その治療費は補償されない可能性が高くなります。

そのため、ペット保険の早期加入は「掛け捨てでもったいない」と感じる人もいるかもしれませんが、将来の治療費に備えるためには健康なうちに加入しておくことが重要です。

既往歴によっては加入できない場合がある

けがや病気の既往歴によっては、ペット保険に加入自体できない場合もあります。

例えば、特定の病気にかかったことがある場合は申込の時点で条件に引っかかってしまいます、

また病名だけでなく治療履歴によっても加入を断られるケースがあります。

例えば、次のような条件が各保険会社で設定されています。

  • 直近3か月の通院履歴
  • 直近6か月の通院履歴
  • 直近1年以内の通院履歴

これらの条件は保険会社によって異なります。

これらの条件を確認するだけであれば、申し込み画面で3分ほどあれば確認ができます。

ぜひチェックしてみて下さい。

一部の治療は補償対象外になることがある

ペット医療は日々進歩しており、たくさんの治療法が存在します。

しかし、すべての治療が補償対象になるわけではありません。

例えば次のような治療は、ペット保険会社によっては補償対象外になることがあります。

  • 放射線治療
  • 国の認可が下りていない薬剤の投与 など

また、手術に特化したペット保険の場合は特に、「手術当日の治療のみを補償する」といった規約があることもあります。

口コミでも、「手術前後に行う検査や通院が補償されなかった」といったものをよく見かけますが、このような規約があったのだと考えられます。

事前の検査や継続的な通院も含めて補償してほしい場合は、通院補償付きのペット保険を選ぶと、より総合的なサポートを受けることができますよ。

ペット保険は必要?

ペットには、公的な医療保険制度がありません。

そのため、診療費の自己負担額は100%です。

もしものときにお金を気にせずペットの治療に専念できるよう、ペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペットが元気なうちに加入を検討しましょう。

ペット保険で迷ったら、プロに無料相談してみませんか?

大切なペットのこれからのために、ペット保険の加入を悩んでいるならプロに相談してみませんか?

ペット保険アドバイザーでは、ペット保険の専門アドバイザーがあなたと家族にぴったりの保険選びをサポートしています。

おうちから気軽に参加できる無料のオンライン相談もご用意しています。

ペット保険の比較情報や、ペットの健康に関する役立ち記事も掲載していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

友だち追加

犬の乳腺腫瘍(乳がん)の予防方法

犬の乳腺腫瘍はある程度予防ができる病気です。

ここからは、犬の乳腺腫瘍に効果的とされる予防法を解説します。

初回発情期までに避妊手術をする

乳腺腫瘍はメスがかかりやすい病気ですが、2歳ごろまでに避妊手術を行うと発症率を下げられるとされています。

そのため、できるだけ若いうちに避妊手術をしておくのがおすすめです。

初回発情期までに避妊手術をした場合の乳腺腫瘍の発症率は0.05%という結果も出ています。

初回発情期は、小型犬が生後7~10ヶ月、中・大型犬が生後8~12ヶ月に訪れます。

日頃のスキンシップでしこりを早期発見する

最も簡単に普段の生活の中でできるチェック方法です。

乳腺腫瘍にかぎらず、病気は早期発見・早期治療が基本です。

乳腺腫瘍ができるお腹は普段見えにくい場所なので、日頃から愛犬を触って確認しましょう。

よくある質問

乳腺腫瘍は必ず手術が必要ですか?

すべての乳腺腫瘍で手術が必要になるわけではありませんが、多くの場合は外科手術で腫瘍を取り除く治療が行われます

乳腺腫瘍は、見た目だけで良性か悪性(乳がん)かを判断することが難しい腫瘍で、早めに切除して病理検査を行うケースが一般的です。

犬の乳腺腫瘍は治る病気ですか?

早期に発見で治る可能性が高くなります。

特に良性腫瘍の場合は、手術で取り除けば再発せずに生活できるケースが多くあります。

一方で、悪性の場合は転移することもあるため、早期発見と早期治療が重要になります。

犬の乳腺腫瘍の手術は日帰りでも可能ですか?日帰りの場合の費用はいくらですか?

術後の状態によっては日帰りでの手術も可能です。

日帰りの場合は入院費がかかりませんのでその分治療費が安くなります。

まとめ

犬の乳腺腫瘍(乳がん)は、メス犬に比較的多く見られる腫瘍の一つです。

お腹や胸のあたりにしこりとして見つかることが多く、見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。

早期に発見して手術で切除できれば、治療できるケースも多いとされています。

一方で、悪性腫瘍(乳がん)の場合は転移することもあり、手術や追加治療によって治療費が高額になることもあります。

犬の体にしこりを見つけた場合は様子を見るのではなく、できるだけ早く動物病院で診察を受けることが大切です。

また、乳腺腫瘍は避妊手術を行うことで発症率を下げられるとされています。

可能な限り早い段階で手術を受けさせてあげましょう。

目次