短頭種気道症候群は手術費用はいくら?症状別・保険適用も解説!
この記事では
・短頭種気道症候群の原因
・短頭種気道症候群の予防方法
短頭気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)とは
短頭種気道症候群とは短頭種特有の呼吸器系の病気の総称です。
犬でも猫でもかかる可能性があります。
短頭種気道症候群にかかる犬や猫の見た目の特徴は
です。
これらの品種の鼻の構造は
されています。
そのため呼吸をするときに気道に圧力がかかりやすくなり様々な症状を引き起こします。
短頭種の代表的な犬種
・フレンチブルドッグ
・パグ
・ボストンテリア
・ボクサー
・ペキニーズ
・狆(ちん)
・シーズー など
※チワワ、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ポメラニアンも、短頭種に分類されることがあります。
これらの犬種は短頭種気道症候群に注意しておかなければいけません。早めに異常に気付き重症化する前に治療を行うことが重要です。
短頭種気道症候群の特長
短頭種気道症候群は
・軟口蓋過長
・喉頭室外反、喉頭虚脱、気管虚脱
などの症状が複合的に発症するのが特徴です。
早い子では生後2、3か月から症状が出ることもあり、生涯進行していく疾患です。
短頭種では鼻や気管が狭いなど、呼吸しづらい構造を持つ子が多くいます。
先天的に
・鼻孔(鼻の穴)が狭い子は17~70%
いるといわれます。
すぐに処置が必要ないケースもありますがこれらの構造が原因で多くは後に症状が出ます。
鼻腔狭窄
鼻腔狭窄とは鼻の穴とそれに続く 「鼻腔」と呼ばれる空間が狭まった状態です。
特に外鼻孔狭窄は専門的な知識がなくてもぱっと見でわかる部分なため、「うちの子は鼻の穴が小さいな」と気づくことができます。
軟口蓋過長
口の中を通って喉に行く際、上あごから喉奥に近くなると柔らかく、びらびらしている部分があります。それが軟口蓋です。
その軟口蓋が長く分厚くなると、喉を遮って呼吸が妨げられます。
喉頭小嚢反転
声帯ひだの近くにあるくぼみのような外側喉頭室(喉頭小嚢)が反転して喉頭内に突出し、気管を狭めてしまいます。
喉頭虚脱
喉頭部(のど)の圧が異常に高まり、喉頭軟骨と呼ばれるのどの軟骨が細く変形してしまう状態です。
気管虚脱
鼻と口から入った空気を肺に送る管である気管が何らかの原因でつぶれてしまう疾患です。
先天性だけでなく首輪などの外因性の要因もあります。
短頭気道症候群の症状は?
短頭種気道症候群には
・しんどそうに呼吸をしている
・呼吸困難
・眠っているときに、いびきを立てる
・運動し始めてもすぐ動かなくなる
・運動後、失神する
・チアノーゼ(舌が青紫色になる)
などの症状がみられます。
短頭種気道症候群は呼吸がしづらく、生活に著しく支障をきたす疾患です。
症状:異常な呼吸音、つらそうな呼吸、呼吸困難
異常な呼吸音とは
・口を開けて呼吸するときに、ガーガーという音がする
などです。
息が吸いづらく呼吸もつらそうに見えます。ひどくなると呼吸困難に陥ることがあります。
症状:眠っているときにいびきをかく
多くは眠っているときにいびきをかきます。
中には
になることもあります。
心不全から無呼吸症候群が引き起こされているケースもあり、眠っているときに呼吸が止まるのはとても危険です。
症状:運動してもすぐに動かなくなる、失神
短頭種気道症候群では運動しても必要な酸素量が補えません。すぐに疲れてしまうため動かなくなる傾向が強く表れます。
さらには
ことがあるため注意が必要です。
症状:チアノーゼ
下が青紫色になるチアノーゼは
ことで起きます。
短頭種の場合、多くはうまく呼吸ができないことが原因です。
短頭種は熱中症に要注意
犬は口で呼吸を行うパンティングで熱交換を行います。
短頭種は
です。
そのためマズルが長い犬種と比べて熱中症にかかりやすく、重症化しやすいことで知られています。
そのため特に夏場は呼吸が荒くなっていないか気を付けておかなければいけません。
短頭気道症候群の原因は?
生まれつきの構造や異常により引き起こされるのが短頭種症候群です。
ブルドッグやパグを代表とする短頭種は交配によって人為的に作られました。
そのため
といえるでしょう。
そのかわいい見た目と引き換えに、呼吸しづらいなど健康上の問題を背負うことになります。
【短頭種は麻酔リスクが高い】
短頭種にとって手術で使われる麻酔はとてもリスキーです。
短頭種は舌が大きく軟口蓋が長いため気管チューブが入れにくいといわれています。
そうなると
・嘔吐の可能性があり、気道を塞いだり誤嚥性肺炎の原因
などの危険性があります。
気管チューブがうまく入ってもほかの犬種よりも心拍数が下がりやすいため、繊細な麻酔の調整が必要になってきます。
そのため避妊や去勢手術を検討するのであれば早めに行うことをおすすめします。
短頭気道症候群の予防法は?
犬の短頭種気道症候群には残念ながら予防方法はありません。
ただし飼い主さんができることとして
②気管を圧迫しない
③過度な運動は避ける
④夏場の温度管理
などがあげられます。
とにかく気管を圧迫させないようにしなければいけません。適切な体重管理と首輪での気管圧迫に注意しましょう。
このことから短頭種はハーネスを使用することをおすすめします。
また短頭種は呼吸が荒くなればなるほど酸欠になる恐れが高くなります。激しい運動は避けるようにしましょう。
くわえて、先述したように夏場の温度管理は要注意です。
短頭種は熱を逃がすことが上手ではないため、エアコンなどで室温を調節することが重要です。
短頭気道症候群の治療法は?治療費用はいくら?
犬の短頭種気道症候群の治療法は基本的に外科治療です。
【手術内容と費用の目安】
手術 | 治療費 |
外鼻孔拡張術 | 20,000〜50,000円 |
軟口蓋切除術 | 40,000〜80,000円 |
「外鼻孔拡張術」 鼻の穴を広げる手術
「軟口蓋切除手術」 軟口蓋の一部を切除
入院費(1〜2日程度)や術前検査費用(血液検査・X線検査・心電図検査等)は別途必要になります。
アニコム家庭どうぶつ白書2021によると、「軟口蓋過長症」の年間平均診察費は
・パグ 92,888円
となっています。
また「喉頭小嚢反転症」がみられるケースでも、外科手術によって反転した部分を切除することができます。
どれも多くは手術後が良好であることから
であることがわかります。
ただし、短頭種は麻酔リスクが高いことを忘れてはいけません。
また高齢になると器官や筋肉などの疲労により呼吸機能が格段に落ちます。そのような場合だと手術でもあまり改善が見られないことが増えてきます。
内科的治療としてステロイド剤や抗生剤が使用されることもあります。しかし対処療法なため一時的な症状改善にしかなりません。
これらのことを考えると、早期治療の検討を獣医師と相談することが重要です。
また、高額な治療費に備えて、ペット保険の加入や見直しをおすすめします。LINEからの相談であれば、難しい比較は一切なしでペット保険のプロによる個別相談が受けられます。この機会にぜひご登録ください。
短頭気道症候群はペット保険で保険適用になる?
犬の短頭気道症候群の治療費はペット保険でも基本的には補償されますが、中には補償の対象外としているペット保険もあります。
犬の短頭気道症候群が補償の対象となっているか見極めのポイントとして下記2点に注意しましょう。
・加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償の対象となっているか
全てのペット保険で加入前に発症している先天性、遺伝性疾患は基本的には補償の対象外となってしまいますが、加入後に発症した先天性、遺伝性疾患を補償するかどうかは保険会社によって異なります。
こちらも併せて公式HP内の「保険金をお支払いできない事例」や保険約款・重要事項説明書を確認し、加入後に発症した先天性疾患が補償されるかしっかり確認しましょう。
例えばプリズムコールやペット&ファミリーは加入後に発症した遺伝性・先天性疾患を補償の対象外としています。
上記の2点を満たす保険会社を3社紹介いたします。
ペット保険比較アドバイザーでは、3社すべての保険会社の補償内容・デメリットや口コミの解説記事も載せています。
ペット保険に迷っている方はぜひ参考にしてください。
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や、既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
短頭種気道症候群はペット保険適用ですか?
手術を主とした治療方法になるため、費用が高額になることが考えられます。
ペット保険に加入しておくことで十分な治療を受けさせることができるでしょう。
ただし、加入後に発症した先天性・遺伝性疾患を補償の対象外としている保険会社・プランがあることには注意が必要です。
検討している保険会社の保険約款や重要事項説明書を必ず確認するようにしましょう。
うちのフレンチブルドッグが「鼻孔狭窄」と診断されました。生後半年なのですが手術を行ったほうがいいのでしょうか?
しかし手術をしなければいけないのであれば早めに行っておくことをおすすめします。
理由は「麻酔リスクの軽減」と「症状の進行を防ぐため」です。
麻酔は成犬よりも子犬期の方がリスクが低いといわれます。
また早めに治療を行っておくことで、症状の進行に伴う重篤化を防いでくれます。
手術に関しては獣医師に相談しましょう。そのうえで決断することが重要です。
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【短頭種気道症候群は手術でよくなる?高額な費用と予防法は?】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・短頭種気道症候群の原因
・短頭種気道症候群の予防方法