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犬の尿路結石とは?自然治癒する?初期症状や原因・治療法も解説!

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犬の尿路結石の初期症状は膀胱炎と同じで血尿などが確認できます。原因としては食事やトイレの習慣、犬種特有の遺伝子が挙げられ、結石の種類等で療法食や手術などの治療法が変わります。
愛犬のおしっこに、うっすらと血が混じっている。そんな経験はありませんか?
膀胱炎の場合、原因に尿路結石が影響している可能性もあります。
軽く見ないで、動物病院を受診しましょう。
この記事では
・犬の尿路結石における原因や症状、対処法
・犬の尿路結石の予防法
・犬の尿路結石で危険な状態とは
について解説します。
最後までお読みいただければ、「犬の尿路結石の大まかな流れ」や「尿路結石における危険な状態」などがわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

「尿路結石(尿石症)」とは

尿路結石とは、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石(尿石)ができたものです。尿に含まれるミネラル分が結晶化して固まったものですが、その大きさは肉眼では見えにくい小さなものから拳大のものまでまちまちです。

犬ではストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が大半を占め、発生部位としては膀胱が9割を占めています。

犬の尿石症・尿路結石とは?どんな病気?

まず、尿路結石の特徴を大まかに記してみます。

【犬の尿路結石の特徴】

できやすい部位は?      膀胱結石が9割
尿石の種類で多いのは?    ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石
療法食で溶かせるのは?    ストルバイト結石
・尿路結石で危険な状態は?   尿管閉塞 尿路閉塞 急性腎不全

 

尿石について

尿石の正体は尿中に含まれるミネラル分が結晶化したものです。尿の中にはリン(P)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)などのミネラル分が含まれています。

何らかの原因で尿中のミネラル成分が飽和状態になると結晶ができやすくなり、さらにその結晶が他の有機物質も巻き込みながら塊(尿石)を作ります。

体質や尿のpHの影響が大きく、尿石の形状や、ができるまでの期間などは個体によりまちまちです。

 

尿石症・尿路結石はどんな症状がでる?

次に尿石症の症状や観察のポイントを紹介します。

 

犬の尿路結石・尿石症の初期症状について

尿路結石は人間の場合は9割以上が腎臓に発生しますが、犬の場合は9割以上が膀胱にできます。

いずれの場所でも、結石が体を傷つけたり、移動をしなければ無症状のことが多く気づきにくいでしょう。

尿石になる前の結晶の段階では、ほとんど肉眼では形は見えない小さなもので顕微鏡検査で結晶を確認します。膀胱に尿が溜まった状態でエコー検査をすると、結晶が膀胱の中でゆらゆらと浮遊しているのが確認できます。

排尿したシートの上に結晶成分がキラキラ光って見えることもあります。また白い砂状の物黒い粒などが確認できれば尿石症です。

結晶は小さなものでも膀胱の内壁を傷つけることがあり、膀胱炎を発症します。膀胱炎の症状で受診して、その結果尿石症が見つかるというのはよくあるパターンです。

膀胱炎が悪化すると、見た目にもかなり汚れた尿が確認できます。結晶が膀胱壁を傷つけると、尿の中にはがれた膀胱の粘膜が混じり、白血球が多くなると白く濁って見えます。出血のために茶色いカスや血の塊がみられることもあります。

膀胱結石の初期症状は、膀胱炎の症状となります。

【膀胱炎のチェック項目】

・頻尿(残尿感 違和感)
・排尿姿勢をとってもなかなか尿が出ない、時間がかかる
・トイレ以外でもらしてしまう
・陰部を舐める
・血尿 混濁尿
・排尿痛(痛みのために排尿時に鳴く 小刻みに震える など)

膀胱炎の陰には尿石症が隠れているかもしれません。

 

犬の尿路結石・尿石症の症状が悪化すると…?

尿路結石で恐ろしい症状の一つに尿路閉塞が挙げられます。

腎盂でできた結石が尿管に詰まってしまう尿管結石では、腎臓で作られた尿が行き場を失い、尿が腎臓に溜まって水腎症をおこします。すぐに対処しないと急性腎不全をおこし死亡します

一方、膀胱結石が尿路に詰まる尿道閉塞は主に尿道の狭いオスがなりやすいので注意しましょう。また尿石が膀胱の出口を塞いでしまうと尿が外に出られなくなります(尿閉)。

いずれの場合も膀胱に溜まった尿が外にだせなくなり、手術以外で治ることはありません。

行き場を失った尿は膀胱に限度いっぱい溜まり、膀胱破裂という最悪の状態になり、処置が遅れると死亡する場合もあります。

24時間尿がでなければ急を要する状態です。

 

犬の尿路結石・尿石症の原因は?

尿石症の原因は、次のような因子が関係しています。

・体質
・犬種
・性別
・年齢
・食事
・水分摂取量
・排尿環境
・尿路感染症(膀胱炎など)
・服用している薬剤 など

これらが原因となり、尿のpHの異常をきたした場合、結石ができやすい環境が整います。加えて尿中のミネラル分が高いと結晶ができやすくなります(犬の尿のpHは6.2~6.4前後で弱酸性)

より酸性に傾くとシュウ酸カルシウムが結晶化しやすくなり、アルカリ性に傾くとストラバイト結石ができやすくなります。

 

膀胱炎

メスは尿道が短いために細菌感染による膀胱炎を起こしやすい状態にあります。膀胱の中で細菌が増えると細菌が出す毒素の関係で尿がアルカリ性に傾くためにストルバイト結石ができやすくなります。ストルバイト結石の原因の7割は細菌感染です。

食事の影響

特定のミネラル成分を食事や飲料水で過剰摂取すると結石ができやすくなります。人と犬では必要なミネラル分が異なるため、ミネラルウォーターを犬に与えないようにしましょう。また犬の食事を手造りしている飼い主さんは十分な知識を持って食事作りをする必要があります。

尿石症の予防には尿のpHやミネラルバランスに配慮したドッグフードがおすすめです。

トイレの回数が少ない

トイレの回数が少ないと必然的に膀胱の中に尿が溜まっている時間が長く、尿中のミネラル濃度が高くなり、尿石ができやすい状況になります。外で排尿する習慣のある犬は我慢させないようにすることが大切です。

 

尿路結石・尿石症になりやすい犬種は?

アニコム「家庭どうぶつ白書2022」によると次の犬種が尿石症の発症確率が高くなっています。

・ミニチュア・シュナウザー
・ヨークシャ・テリア
・パピヨン
・コーギー
・ジャック・ラッセッル・テリア

同統計は、アニコムペット保険の請求データから割り出したものです。これによるとミニチュア・シュナウザー、パピヨン、コーギーにおいては「膀胱結石」の治療費請求件数が犬全体の平均より2倍近いという結果がでています。

 

愛犬が尿路結石・尿石症になってしまった場合の治療法は?

尿石症の治療法は結石の種類によって異なります。

「ストラバイト尿石」の場合

ストラバイト尿石は療法食で結石を溶かすことが期待できます。緊急性を要する場合以外は、まず食事を療法食に切り替えて様子をみます。効果がでなければ外科的治療が必要になります。

「シュウ酸カルシウム」の場合

シュウ酸カルシウム結石の場合は療法食で溶かすことはできないので、手術が必要になります。手術をして尿石を取り出しても再発することが多いため、予防のために療法食に切り替える必要があります。

石の種類が2つ以上ある場合

この場合にも手術が必要です。療法食が有効なストルバイト結石も、シュウ酸カルシウム結石と混在しているケースが多くなってきています。

犬の尿路結石・尿石症における食事について

尿石ができた場合、結石の種類に合った療法食に切り替える必要があります。尿石用の療法食は尿のpHを調整するように作られています。

シュウ酸カルシウム結石は療法食でも完全に予防することはできません。療法食の大きな目的は「結晶が小さなうちになるべく早く、尿で洗い流すこと」になります。

一方ストルバイト結石では、きれいになった尿の状態を保つことが療法食の目的です。

いずれにしろ、定期的に尿検査を行い状態を把握する必要があります。

 

犬の尿路結石・尿石症の予防方法は?

尿石症は、体質なども影響するため手術をしても再発する危険性が高くなります。

療法食以外は与えないように

療法食で尿石をコントロールできていると「少しくらいなら」「これは大丈夫」などと、ついつい与えたくなりますが、うまくコントロールできている状態をキープするためには「現状を続ける」のが一番安全な方法です。

おやつを与えるのもやめましょう

お水を飲ませる工夫を

尿石症の予防には重要なポイントになります。いつでも新鮮な水が飲めるように配慮しましょう。寒い季節には水を飲みたがらないということもあるでしょうが、いろいろ試してみて、愛犬の好みを探りましょう。ドッグフードをふやかして与えたり、ウエットフードを与えるのも選択肢の一つです。

トイレの回数を増やす

トイレを我慢させないことも必要です。水分を多くとりたくさんおしっこをすることで、膀胱の中にあるミネラル分を洗い流すことができます。療法食は水分摂取を促す配慮をされているものも多く、上手に利用しましょう。

外で排尿する習慣のある犬はこまめに外に連れ出してあげましょう。

 

早めに動物病院で検査することが大切!

尿路結石ができて、手術が必要になると犬の体への負担も、飼い主さんの医療費用の出費も大きくなってしまいます。尿石症は、尿石が大きくなっていない結晶の段階で発見できれば、早めに療法食に切り替えることで結石をできにくくすることはできます。

定期的に動物病院で検査をして早めに対処すれば悪化を防ぐことができるでしょう。

 

犬の尿路結石・尿石症の治療費はペット保険で補償される?

犬の尿路結石の治療費は基本的にほとんどのペット保険で補償されます。ただし、必ず保険約款や重要事項説明書を確認するようにしてください。

犬の膀胱結石の手術は3泊4日程度の入院も必要になり、総額15~20万程度と高額になりがちです。

また、再発性が高く、その後も通院等も頻度が高くなることが予想できます。しっかり補償してほしいと考えるのであれば、「通院・手術・入院を補償するフルカバー型」のペット保険がおすすめです。

 

ペット保険比較アドバイザーでは、犬の膀胱結石におすすめのペット保険を2社ご紹介します。

おすすめの理由としては、

・「更新時に特定の病気や部位を補償の対象外とすること」はありません。とHPに記載されている
・更新時に条件を付けないペット保険の中でも、手術に強い

の2点があります。

 

犬の膀胱結石の治療を考えると、一番おすすめはアニコムです。

「PS保険は1つの病気に対しての限度額・回数があり(更新時にリセットされない)」「手術の一回当たりの上限金額が10万円まで」などの注意点があります。

「同じ病気の治療であっても更新時に回数がリセットされる」「手術の一回当たりの上限金額が14万円まで」という点でPS保険よりアニコムは補償内容が優れています。

その分、アニコムよりPS保険のほうが保険料は安いです。

補償内容重視であるならアニコム、保険料も考えるならPS保険を選ぶことをおすすめします。

メリット デメリット
2社より補償内容が手厚い 保険料が高い
保険料が安い 1つの病気に対しての限度額・回数があり
(更新時にリセットされない)
アニコム(ふぁみりぃ)
2年目以降のご契約継続について
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書保険約款もご確認ください
補償内容やそれぞれのデメリット等がより気になる場合は下記の記事を参考にしてください。
PS保険
PS保険のロゴ

罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。

引用:PS保険
引用:よくあるご質問

※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書・保険約款もご確認ください

アニコムやPS保険の補償内容や口コミ、デメリットについては下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう

ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や、既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。

そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。

また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。

一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。

「健康なうちに加入しないと意味がない」また「年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。

補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。

高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。

よくある質問

膀胱結石の手術費用はどれくらいかかりますか?

犬の膀胱結石の手術費用は15~20万円程度が相場です。近年内視鏡下での手術も行われていますが、治療費はもう少し高額になります。

犬の尿路結石を手術しないで治す方法はあります?

ストルバイト結石の場合は療法食で溶ける場合があります。また条件が合えば尿道からカテーテルを挿入して膀胱の結石を取り出す方法もあります。小さなな結石なら尿と一緒に出ることはありますが、それは一部にすぎません。自然治癒することはないです。

ペット保険は必要?

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

 

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

【犬の尿路結石】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・犬の尿路結石における原因や症状、対処法
・犬の尿路結石の予防法
・犬の尿路結石で危険な状態とは
について解説してきました。
尿路結石は早めの対策で悪化を防ぐことができますが、軽くみていると命を落とすこともある病気です。毎日の排尿の状態も注意深く観察しましょう。定期的は健康診断が異常発見のための近道です。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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