ミニチュアシュナウザーと暮らす~後悔しないための飼い方のポイント

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ミニチュアシュナウザーを迎えて後悔しないように、実際にシュナと暮らしている筆者が飼い主にできること、しつけや暮らしのポイントについて解説します。ぜひ飼い方の参考にしてください。

撮影ご協力:ぴぴちゃん8歳

 

この記事では

・ミニチュア・シュナウザーを飼って「大変」と感じている人の理由
・ミニチュア・シュナウザーの「失敗しない」しつけ方
・ミニチュア・シュナウザーの特徴
・元気に暮らすためには「定期的健康診断」が必要
について解説します。
最後までお読みいただければ、「ミニチュア・シュナウザーの特徴や性格・しつけの考え方」や「定期健康診断の内容や費用」がわかるようになっていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

ミニチュア・シュナウザーとは

ドイツの牧羊犬として古い歴史を持つスタンダードシュナウザーとアッフェンピンシャーの異種交配によって生まれた犬種です。

その後さらに品種改良がなされ今の型が固定されました。ルーツをたどれば広い意味での農場犬で役使犬に分類されています。

小型犬でありながらがっしりとした体つきをしており、活発で俊敏、賢く飼い主に忠実な犬種です。

 

ミニチュア・シュナウザーが大変といわれる理由

ミニチュア・シュナウザーは「賢くて」「忠実」な犬種と聞いていたのに、実際に飼ってみると「こんなはずじゃなかった」と後悔する人もいるようです。

その飼い主さんたちの言い分をまとめてみました。

 

後悔その① 散歩が大変

ミニチュア・シュナウザーは小型犬に分類されていますが、がっしりタイプの犬種です。ペットショップなどから子犬を迎えるのが大体生後2か月、体重は2.5㎏程度で「守ってあげなきゃ」と思える可愛さです。

1年位で成犬になりますが、その体重は4.5~8㎏。個体差はあるものの、8㎏を超える子も珍しくはありません小型犬と聞いていたのに結構「でっかい」と驚く人もいるようです。

チワワなどの超小型犬の運動量は室内遊びでも満たされますが、ミニチュア・シュナウザーは活動的な犬種で「1日2回、各30分程度の散歩が必要」です。距離にすれば2キロくらいでしょうか。

きちんとしつけをしないと、どんどん引っ張って行くので後をついていくのも大変!

引っ張る力も強いです!

 

後悔その② しつけの出来によって大きく変わる

ミニチュア・シュナウザーは賢いと聞いていたのに「なかなか言うことをきいてくれない」「家の中を走り回ってイタズラをして困る」という話も時々耳にします。

テリアの流れを汲むこの犬種は、賢いと同時に結構「頑固者」。しかも「群れのリーダーになりたい」願望も強く、きちんとしつけをしないと「我が道を行く俺様犬」になってしまいます。

「しつけが必要」とよく言われますが、なぜなのでしょうか?

それは「犬が人間社会で安全に暮らすため」です。犬が自分の身を守ると同時に他の人や犬に迷惑をかけない術を習得するためです。

「家の中だけで暮らすので家族に懐いてくれればそれでよい」と言う人もいますが、この犬種は室内の生活だけでは事足りません。

外に出る機会が必ず必要になります。通院やお出かけ、散歩やドッグラン、トリミング、もしかしたらペットホテルに預けることもあるかもしれません。

これらの場面で問題行動が出れば受け入れを拒否されることもあり得ます。「俺様犬」になってしまうと、本当に一つ一つのことが大変になってきます。

外に出るにあたっては先ず「リーダーウォーク」の練習をしておくと安全です。

 

【リーダーウォークとは】散歩や外出時の主導権を飼い主さんが握って歩くことです。

犬が飼い主さんの横を「引っ張らないでリードが緩んだ状態で付いて歩く」ようにコントロールします。犬が前に出てどんどん引っ張りながら進んでいく状態はトラブルの原因になりかねません。

 

【リーダーウォークの目的】

・散歩がスムースに行える
・危険から守る
・犬の首にかかる負担を軽減

ミニチュア・シュナウザーは頑固な面も持っています。「嫌なものは嫌」と座り込んだり、自己主張もします。

打開策はあきらめずに続けること」「絶対に飼い主さんが引き下がらないこと」。犬は縦社会で暮らす生き物です。リーダーは犬ではなく飼い主さんです。

「しつけをしましょう」と一口に言っても、これが初心者には結構難しい!!

特に、初めて子犬を家族に迎える人は、皆さんしつけに悩んでおられるようです。

しつけにてこずっている方には「トレーナー」さんの力を借りることをお勧めします。お近くの「しつけ教室」などに参加して、飼い主さんも勉強しましょう。

「犬と人が共存する」ためにはどちらもハッピーな生活が送れるのが一番です。

しつけが正しくできるかどうかによってワンちゃんと飼い主さんの生活が楽しくなるか、大変になるか雲泥の差が生じてきます。ここは絶対に手を抜かないようにしましょう。

 

後悔その③ 病気になると大変

「犬が病気になると考えてなかった。体のことも心配だけど、病院に連れて行くのも大変

しつけがきちんとできていないと、他の犬に向かってほえたり、病院でマーキングしたり、診察の時に暴れたり、しかも犬の医療費は高額で支払いも大変」等々。大騒動になってしまいます。

犬を家族の一員として迎えるときは「これからの楽しい生活」を考えて、「病気」はあまり現実味がありません。

しかし、犬も人間と同様に病気になることがあります。併せて予防接種も必要になります。

病気になっても、言葉を話せない犬は飼い主さんに気づいてもらえるまで耐えるしかないです。「何かおかしい」と気付いてもらえた時には病状が進行していることが多いというのが実情です。

例えばミニチュア・シュナウザーがなりやすい膀胱炎。血尿を目にすれば気付きますが、散歩の途中で草むらで排尿していると分かりようもありません。気付いた時にはかなり進行していて、辛い思いをさせてしまっています。

食いしん坊のミニチュア・シュナウザーは、とかく何でも食べてしまいます。とんでもないものを食べて病院に駆け込むこともあるかもしれません。また、慢性病にかかると生涯継続した治療が必要な場合もあります。

元気一杯のミニチュア・シュナウザーは、比較的大きな病気になりにくく、飼いやすい犬種といわれています。それでもかりやすい病気があります

事前に情報を得ておき、定期的な健康診断を受けたり、日ごろの様子観察で早期発見ができるように努めましょう。

また、ペット保険に加入しておけば病気やケガをしたとき治療費の負担も軽減できます、

 

ミニチュアシュナウザーはこんな性格!

ミニチュア・シュナウザーは俊敏で活発、タフで利口で勇敢、怖いもの知らずの犬種です。好奇心旺盛で、興味をもったことには何事にも果敢に挑戦し続ける行動的な部分を持っています。

性格は個体差もありますが、次のような共通点があります。

・明るくて人なつっこい
・好奇心旺盛・活発
・賢くて物覚えがよい
・警戒心が強い・頑固な一面もある 

人に対してもフレンドリーではありますが「興味のない人にはそっけない」、好みははっきりしているようで、シュナの「あるある」です。

基本的には飼い主さんには忠実で、決められたことを計画的にきちっとこなしたいタイプなのでルーティーンは崩さないようにしましょう。ルーズな生活を送っていると、それがストレスになってしまいます。

 

後悔の原因!ミニチュアシュナウザーの失敗しないしつけ方!

ここでは実際にミニチュアシュナウザーと暮らしている筆者がしつけについて解説します。

 

失敗しないしつけ方1:エネルギーの発散は必須

ミニチュアシュナウザーは運動大好き・走るのが大好き・基本的には「タフ」です。

散歩の目安として、1回2キロ程度(30分)が目安、特に若い間は疲れ知らずでよく動き回ります。走るのも早く、疾風の如く走ります。

きちんとしつければ、飼い主さんのスピードに合わせて、ちょっとしたランニングにも付き合ってくれます。

タフで十分な運動が必要な犬種にとって運動不足は非常に大きなストレスになります。ストレスが溜まると、問題行動をおこしたり、飼い主さんの指示にしたがわなかったりということもあるのです。

フレンドリーなミニチュ・アシュナウザーは、ドッグランに連れて行っても問題を起こすことは少ないので、できるだけ思いっきり走らせてエネルギーを発散できる機会をつくってあげましょう。

一緒に遊べるワンちゃんと出会うと、楽しくじゃれあって遊ぶこともできます。

 

失敗しないしつけ方2:孤独にさせない

ミニチュア・シュナウザーはしっかり者のように思われますが、実は寂しがりやで甘えん坊な一面をもっています。どちらかというと孤独な生活はあまり得意ではありません。

なるべく飼い主さんのそばにいたい犬種でもあります。

しかし、家族が学校や仕事にでかけると、そうとばかり言っておられません。そんな時はまずはお留守番の練習です。

 

【留守番の練習方法】

・先ずは短い時間から練習(最初は10秒程度。だんだん時間を伸ばしていく)
・帰ったら誉める 遊んであげる
・いたずらをしていても無視

留守中にイタズラをされたら困るので「お留守番はゲージの中」という流れになりがちですが、本来犬にとってゲージは「安心できる自分の場所」でなくてはなりません。留守番のときは閉じ込められるという悪い印象を持たせるのはよくありません

自宅の環境などから、ゲージの中の留守番がやむをえない場合は、ある程度しつけが完了してからにしましょう。

 

【ケージでのお留守番 注意事項】

・留守番の前には散歩や遊びなどで疲れさせておく
・知育玩具などのおもちゃを入れておく
・ペットシーツをいたずらするなら誤飲が心配なので新聞紙を破いていれる

失敗しないしつけ方3:社会化は十分に

子犬を迎えたら社会化トレーニングをしっかりと行いましょう。これがしつけにも大きく影響する「初めの一歩」です。

社会化トレーニングとは決して難しいことではなく、様々な物や人、音や景色、犬などに出会う経験をさせることにより「社会に順応する力を養うこと」を言います。

犬の発育段階は次の通りです。

0~2週 母犬任せ
3~5週 社会化期間開始 まだ恐怖心はない
6~8週 好奇心が強い 好奇心が恐怖心を上回っている 異種動物を受け入れる
8~12週 恐怖心と好奇心が入り混じっている時期 強い刺激はNG

犬は生後3週から14週までを「社会化期」といいます。この期間に体験したものや事柄に対して順応しやすくなる時期を示しています

少しづつ、家の中の物や音に慣れさせ、色々なタイプの人に出会うことも大切です。子供や老人、女性や男性、服装等々。できるだけ多くの経験をさせ、多くの物に触れ合う機会をつくりましょう。

この経験が不足すると他の犬を恐がったり威嚇する等、問題行動に直結していきます。

2021年6月の動物愛護法改正により「8週齢規制」が施行されました。つまり、生後8週以内の子犬の販売が禁止されることになりました。8週までは母犬や兄弟犬と一緒に過ごし、犬同士のコミュニケーションの取り方をしっかりと身に付けることが目的です。

好奇心旺盛な反面警戒心も強いミニチュア・シュナウザーは、周囲の様々なものに十分慣らす必要があります。賢く友好的な素質を持っている犬種ですが、社会化が十分にできていないと、その後の生活が大変になってしまいます。

 

失敗しないしつけ方4:調べながらしつけをしない

ご家庭にワンちゃんを迎えるというと、必ず言われる「しつけが大切という言葉。

しかし、何かで見聞きした通りにやっても必ずしもうまくいくとは限りません。となると「どうしてこの子は覚えがわるいの」と苛立ったり、「家の中で暮らすのだから可愛がっていればよい」、そんな結論にたどり着く場合もあるでしょう。

犬種を問わず、ワンちゃんを家族として迎える前に、しつけ方法はきちんと頭に入れておきましょう。これを怠ると「我が道をいく俺様犬」になってしまいます。

トレーナーさんたちがネット上にしつけ方法の動画をあげているので参考になると思います。「いつ頃から」「どようなしつけを」「どのような方法で行うか」、犬を迎える前にインプットしておきましょう。

何度も繰り返すようですが、「安全に暮らすために、他の人に迷惑をかけないために」「しつけ」と「社会化トレーニング」は必須です

犬のしつけのポイントは(何かの課題をクリアできた時に)「こうすれば誉めてもらえる、ご褒美がもらえる」、結果としてよいこと、楽しいことがあったという経験をひたすら繰り返すことです

犬の記憶は短期記憶と言われているので、「褒められ体験の積み重ね」で事の良し悪しの学習をしていきます。

そして、縦社会で暮らす犬にとって「ボスは飼い主さん」です。ボスは堂々としていて、絶対に引かない態度をとり続けることが大切です。

しつけがうまくいかないと感じたら一度原点に戻って考えてみましょう。次のような事項に心当たりありませんか?

① 関わる人のしつけ方が統一されていない。
② 教える側が必死で、長い時間を費やしている
③ 指示に従った時、ほめる場合とほめない場合がある。

① しつけをする場合、関わる人の言葉を統一しましょう。例えば「オスワリ」にしても「おすわり」「すわれ」「シット」など言葉がばらばらだと理解ができません。

② 犬が集中できる時間は15分程度と言われており、それ以上になると飽きてしまいます。短時間を、間をおいて繰り返すことの方が効果的です。

③ 「ほめられる」経験を積み重ねることで覚えていく段階で「ほめたり、ほめなかったり」では犬が判断基準が分からなくなってしまいます。ここは飼い主さんが集中して行いましょう。

 

 

失敗しないしつけ方5:誤飲誤食に注意!

ミニチュア・シュナウザーを迎えて多くの人が感じるのは、とにかく「食いしん坊」です。食事もあっという間に、本当に数秒で食べてしまいます。

届かないだろうと思ってテーブルの上に置いたものも、立ち上がって手を伸ばすと届いてしまうというのはよくあることです。

ちょっとテーブルの上に置いていた卵や家族の薬、観葉植物の置き肥、はたまたご近所さんからいただいたキャベツやダイコン等々。食べても大丈夫なものもあれば、危険なものもあります。

例えばキャベツの芯には少量ながら硫酸イオンという中毒性物質が含まれています。子犬や高齢犬は気を付けた方がよいでしょう。またチョコレート・ブドウやレーズン・ユリ等は危険な食べ物の一つです。

その他にも布や小さな紐状のものなど遊んでいて飲み込んでしまう危険性もあります。ミニチュア・シュナウザーは好奇心旺盛で、興味を持ったものには熱中しがちです。

構ってもらえないと思うとイタズラもします。特に子犬の時は本当に注意が必要で、飼い主さん側から見ると「まさか!」と思う物を口にいれたりします。

生活する空間にはゴミ箱や小物、噛まれて困る物などは最初から置かないように注意しましょう。

本能的に噛みたいという願望があるので、噛んでもよい犬用のおもちゃなどを与えるのが良いでしょう。そのおもちゃで遊んでいるときは誉めて、それは噛んでもよいものだということを教えていきます。

ミニチュアシュナウザーの特徴は?基本情報

ここでミニチュア・シュナウザーとはどのような特徴を持つ犬種なのかまとめてみました。

 

ミニチュアシュナウザーの歴史

原産国はドイツ、1800年代後半に厩舎のネズミを捕ったり番犬として活躍していたスタンダード・シュナウザー(体重は14~20㎏程度)をアーフェン・ピンシャーなどとブリーディングして誕生した犬種です。

その後ミニチュア・ピンシャーやプードルとの交配を繰り返し今の型が固定されました。ルーツをたどれば農村地帯で牧草の中のネズミを追い出すといったような役割を担っており、警戒心も強いので番犬としても活躍していました。

立派な眉毛や口ひげは小動物に攻撃されたときに目や口を守るためのガードです。

今ではすっかりご家庭のペットとして愛されていますが、分類的には「使役犬」です。

 

ミニチュアシュナウザーの被毛

ミニチュアシュナウザーはアンダーコート・オーバーコートの2種類の毛を持つダブルコートです。

アンダーコートは柔らかな被毛が密生しており、オーバーコートは硬い被毛です。

ダブルコートの犬は春の換毛期にはごっそりとアンダーコートが抜け落ちるのですが、ミニチュアシュナウザーは毛が抜けにくいのが特徴です。

毛色はブラックソルト&ペッパーブラック&シルバーホワイトの4種類が公式に認定されていますが、ウィートン(ミルクティ色)などのレアカラーも人気です。

被毛は伸び続けるので、定期的なトリミングが必要な犬種です。また、垂れ耳で耳の中にも毛が密生するので外耳炎など起こしやすく、耳の中も毛のカットが必要になります。

定番のカットは「シュナカット」ですが、「モヒカンカット」や「テディベアカット」などにすると印象ががらりと変わります。

「ミニチュア・シュナウザーに興味はあるけどビジュアルが・・・」と言う人は、カットで変化もつけられるので写真などを探してみてください。キュートなカットスタイルもあります。

 

ミニチュアシュナウザーがなりやすい病気

ミニチュアシュナウザーが犬種としてかかりやすい病気をご紹介します。

先ず、犬全般に共通する疾患としては「消化器疾患」、これには嘔吐や下痢など分かりやすい症状が含まれています。

次いで「皮膚疾患」「外耳炎」と続き、ペット保険の請求資料をみると大体これで7割以上を占めています(参考:アニコムかてい動物白書2021

ミニチュア・シュナウザーの特徴的な疾患として「尿石症」があげられます。遺伝的な体質も加わて、尿の中に結晶ができる病気です。

膀胱炎で尿検査をして気付くことが多いです。結石になり、尿路を塞いでしまうと手術が必要になってきます。

また、この犬種は先天的に脂肪代謝異常が認められる場合が多く、加えて食いしん坊なので肥満になりやすいということも覚えておきましょう。

人間同様に高脂血症や糖尿病などの誘因になったり、ミニチュア・シュナウザーの場合肝臓・胆嚢・膵臓関連の疾患につながることも多いです。

では、これらの病気を早期発見するためにはどうしたらよいのでしょうか?

目に見える部位や表に出る症状は気付きやすいのですが、体の中の変化はなかなか気づきにくいのが実情です。病気の早期発見のためには定期的な健康診断が必要です。

ミニチュアシュナウザーがなりやすい病気やその治療費については下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

健康診断の頻度は?検査項目や検査の流れは?

愛犬の健康診断は受けていますか?

元気だから必要ないと思っていませんか?

犬は言葉を話せません。それに加え具合が悪くてもじっと耐えていることが多いので気付くのが遅れがちになります。

定期的な健康診断を行い病気や異常の早期発見ができれば、その苦しみを最小限に抑えられます。。

例えばミニチュア・シュナウザーに多い泌尿器疾患。尿石症になっていれば尿検査で簡単に発見できます。この段階でフードを専用ものに切り替えれば多くの場合症状を改善することができるでしょう。

また、小型の高齢犬に多くみられる僧帽弁閉鎖不全症。飼い主さんが異常を感じて受診した時には既に病状が悪化していることが多いのですが、健康診断を受けると「聴診」で、まだ症状の出ていない初期段階で発見できます。

次に、実際に健康診断の頻度や内容・費用はどうなのかご紹介します。

 

健康診断の頻度は?

犬の平均寿命も長くなり、一般社団法人 ペットフード協会調べによると(R3年度)犬の平均寿命は14.65歳(2010年に比べると0.78歳上昇している)とペットも高齢化してきています。

 

【平均寿命が延びた要因】

・ペットフードの進化(犬種や年齢などに合わせたフードを与える)
・動物医療の進化(医療技術の向上・予防医療の浸透)
・飼育環境の変化(室内飼育~犬猫合わせると88%・感染症のリスクが減る)

中でも予防医療の考えが浸透してきており、ワクチン接種・フィラリア等の予防が徹底してきつつあります。

一方で健康診断を受診するペットが増えてきてはいるものの、ワクチン接種に比べると数的に今一歩というところではないでしょうか。

TeamHOPEが実施したアンケート結果によると「病気の早期発見・通院のおくれを後悔する」ペットオーナーが6割以上という結果が出ています。

・体の変化に気づいてあげられなかった
・病院にもっと早く連れて行けばよかった

一方では、健康診断を受けてよかったという声も。

・腫瘍がみつかり、手術を受けて完治した

・心不全とわかり早期に治療が開始できた

ご家庭のペットの病気に気づいた時にはかなり進行している状態だった、という話はよく聞きます。

早期に発見できればペットとの楽しい時間をもっと延ばすことができます。寿命が延びても健康寿命が延びなくては意味がありません。

TeamHOPE(全国の獣医師がTeamとなって、予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現をめざすプロジェクト)では検査項目を統一するなど、健康診断に積極的に取り組んでいます。

賛同動物病院は全国で2404(2022年4月現在)あり、TeamHOPEのホームページから検索できます。10月13日(じ・ゅ・う・い・さ・ん)を【健康診断の日】として定め積極的に健康診断を呼び掛けています。

【健康診断を受ける頻度】は次の通りです。

0~6歳 年1回 ⇒ 0歳・先天性疾患に関わるものが見つかる可能性がある。また6歳までの健康診断で元気な時のデータを集めることができるとともに異常傾向が早期に発見できる。

・7歳~ 年2回 ⇒ 7歳は小型犬の場合、人の年齢に換算すると44歳。シニア期に入り、病気が出やすくなる時期。

 

健康診断の検査項目と費用は?

では、実際には健康診断ではどのような項目を検査するのでしょう。簡単に言うと「人」の健康診断と大差はありません。

動物病院によって「健康診断のメニュー」が決まっている場合や、数ある検査の中からライフステージに合わせた項目を獣医師と相談しながら決めていく場合もあります。

検査項目や料金設定は各動物病院によって全く異なります。以下例を紹介します。

 

【A動物病院の場合】

・血液検査のみ  5,000円~
・レントゲン検査を加えると 8,000円~
・超音波検査を加えると 14,000円~

【B動物病院の場合】

・血液一般(1,555円) ・糞便検査(555円) ・血液検査1項目(723円) ・尿検査(1,100円)

・超音波検査(3,000円) ・レントゲン1方向(3,400円) ・心電図(3,500円) 等

 

健康診断費用は大体5,000円~30,000円の中に入ると考えられます。少し古いデータですが、H27年日本獣医師会が実施した調査では中央値は14,021円という結果でした。

もう少し詳しく検査内容をみていきます。

問診・視診・聴診・触診・測定 一般状態の聞き取り 外から見られる体の変化はないか 聴診により心臓・肺・腸の音などをチェック

・体温 体重などの測定

血液検査 生化学検査 血球検査 ~貧血・肝臓・腎臓・糖尿など
尿検査 尿の性状 主に泌尿器系の疾患に関わる検査
糞便検査 主に寄生虫の検査
レントゲン検査 胸・腹部~外から見えない心臓の大きさや肺の影 骨格など
超音波検査 レントゲンでは見えない臓器の異常がわかる ポリープや腫瘍等
心電図 心臓の動き方がわかる 不整脈など
その他のオプション 血液検査(甲状腺機能 電解質など)等必要に応じて

 

【健康診断に必要な時間】一つ一つの検査は時間がかかるものではありません。スムースにいけば30分から1時間程度で終わりますが、動物病院によっては半日「お預かり」というケースもあります。【健康診断の注意事項】

健康診断はどこの動物病院でも実施しているわけではなく、実施機関は全体の半数程度なので注意しましょう。

・健康診断を希望する場合は事前に予約が必要な場合が多いので確認

・前日の夜から絶食が必要になるので注意

・便や尿を採取しなければならない場合もあるので説明を聞いておく

 

 

ミニチュア・シュナウザーにおすすめの保険は?

ここではミニチュア・シュナウザーに合ったおすすめのペット保険、比較・選び方について解説します。

全てのペット保険で補償の対象外である去勢の費用等の項目は除き、あくまで保険会社・プランで差別化になるポイントに絞って解説します。

他サイトのようなランキング形式ではなく、あくまでミニチュア・シュナウザー目線で解説していきます。

 

ミニチュア・シュナウザーのペット保険加入の選び方のポイント

①僧帽弁閉鎖不全症に手厚い補償がされるか
・加入後に発見された先天性・遺伝性疾患が補償するかどうか
・更新時に「特定の傷病や部位を補償の対象外とない」かどうか

②通院・入院・手術を補償するペット保険の中でも通院は他社より手厚いか

 

選ぶポイント①心臓病、僧帽弁閉鎖不全症に手厚い補償がされるか

ミニチュアシュナウザーは僧帽弁閉鎖不全症になりやすく、完治が難しい心臓病は一生の付き合いとなる可能性も高い疾患です。

 

そのためミニチュア・シュナウザーのためにペット保険加入するのであれば下記の項目にも注意しましょう。

・加入後に発見された先天性・遺伝性疾患を補償するかどうか
・更新時に「特定の傷病や部位を補償の対象外とすることがない」かどうか
心臓病に加えて、白内障も先天性の要素がある傷病です。
しかし、これらの項目はどの保険会社においても、公式HPの目立たない部分に書いてあったりして結構見落とします
公式HPの「よくある質問:更新について」「保険金をお支払いできない事例」等のページで記載されていることが多いので、必ず一度は確認することをおすすめします。
また、ペット保険比較アドバイザーではそういった情報も一つの記事内でまとめていますのでぜひ一度ご確認ください。

選ぶポイント③通院・手術・入院を補償するペット保険の中でも通院に手厚い保険がおすすめ

ミニチュア・シュナウザーのなりやすい病気を踏まえると、「外耳炎や皮膚疾患」「尿結石」「僧帽弁不全閉鎖不全症」等の長期、もしくは複数回の通院が必要な病気に適したペット保険がおすすめです。
また「僧帽弁閉鎖不全症」は手術の例は少ないですが、手術自体が困難なため手術代だけでも150~200万円と高額な治療費が必要になる可能性もある病気です。また今後手術での治療が期待されている病気でもあります。
尿結石も手術となると数十万円の高額な治療費が必要になります。
そのためミニチュア・シュナウザーは通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険がおすすめです。
といっても、ミニチュア・シュナウザーは手術よりは通院費用がかかる犬種ですので、
通院・入院・手術を補償するフルカバー型のペット保険の中で、手術にも手厚いペット保険がおすすめ
特に0歳のミニチュアシュナウザーは思いがけない体調不良やケガも多いため、満遍なく備えられるフルカバー型のペット保険に加入するのがおすすめです。

一般的にペット保険では補償割合70%のフルカバー型が一番人気ですが、その条件の中で比較すると通院補償は年間20~22日まで、一日につき10,000~15,000円で設定されていることが多いです。

年間にすると最大25万~30万程度まで通院補償してくれます。

ちなみにフルカバー型のペット保険(補償割合70%)の中で年間の通院補償金額が高いのは楽天ペット保険の「年間最大33万円まで」です。

 

ミニチュア・シュナウザーにおすすめのペット保険をご紹介!

最後に、今回ペット保険比較アドバイザーではミニチュア・シュナウザーにおすすめのペット保険を2社ご紹介します。

おすすめの理由としては上記で説明したミニチュア・シュナウザーのペット保険の選び方、ポイントや条件をすべて満たしているからです。

アニコムに関しては、「腸内フローラ測定」を年一で行えるため、ミニチュア・シュナウザーに多いアレルギー性の皮膚疾患の予防までできる予防型保険です。測定結果によっては血液検査も無料で受けることができますので尿結石の予防等にも役立ちます

ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。

一部PS保険は手術の補償金額が1回あたり最大10万円だったり不安な点はありますが、先天性疾患や更新時の対応が他社より優れています。

ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。

あくまで参考ですが、保険料重視であればPS保険、補償内容重視であればアニコム(ふぁみりぃ)に加入することをおすすめします。

 

メリット デメリット
・複数回通院にも強い
・手術は一回当たり最大14万円まで補償(補償割合70%プラン)
保険料が高い

※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】

保険料が安い ・1つの病気に対しての限度額・回数があり
(更新時にリセットされない)
・手術は一回当たり最大10万円まで
アニコム損保(ふぁみりぃ7歳11ヶ月まで:しにあ8歳~)
2年目以降のご契約継続について
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書保険約款もご確認くださいそれぞれが複数のプランを販売しているのでペット保険のプランは50以上あります。
PS保険
PS保険のロゴ

罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。

引用:PS保険
引用:よくあるご質問

※補償内容や保険料について必ず重要事項説明書・保険約款もご確認ください

補償内容やそれぞれのデメリット等がより気になる場合は下記の記事を参考にしてください。

補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう

ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。

そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。

また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。

また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。

「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。

補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。

高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。

よくある質問

6か月のミニチュア・シュナウザーですが、よく吠えて困っています。何か良い方法はないでしょうか?

吠えもしつけで多くの場合コントロールができます。ミニチュア・シュナウザーは一度スイッチが入って興奮したら、なかなか中断するのは難しくなります。吠えるスイッチが入る状況を察して気をそらすのが一番の方法です。吠えをコントロールする方法はトレーナーの方がたくさん動画をあげているので、参考になると思います。

健康診断にペット保険は使えるのでしょうか?

ペット保険は病気や怪我に対する補償のみです。予防面での健康診断やワクチン接種には使えません。

ペット保険は必要?

動物病院

ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。

もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に入ることをおススメします。

また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。

ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!

ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。

記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。

また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。

ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。

 

【ミニチュアシュナウザーを迎え、後悔しないために飼い主ができること】まとめ

今回、ペット保険比較アドバイザーでは

・ミニチュア・シュナウザーを迎えてみて「大変」と感じている人の言い分
・ミニチュア・シュナウザーの特徴や性格やしつけ方
・ミニチュア・シュナウザーのかかりやすい病気と健康診断の必要性
・ペット保険の必要性
について解説してきました。
ミニチュア・シュナウザーは元気一杯の犬種ですが、飼い主さんにそっと寄り添う優しさももっています。その魅力を最大限に引き出すためには「社会化」と「しつけ」は欠かせません。
併せて定期的な健康診断を受けるなど健康面に配慮すれば家族の一員として元気に楽しく暮らしていけるでしょう。
ペット保険比較アドバイザーではペット保険に関する記事も掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

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