猫のオーナーさんの悩みの種のひとつに「猫がビニールを食べる」があります。
この記事では
・猫がビニールを食べた時の症状と対処法
・猫がビニールを食べるのをやめさせる方法
猫がはビニールが好き?誤飲に注意!
猫はとにかくビニールが好きです。
買い物で使用したビニール袋など、ちょっと置いておいただけでも興味を示します。
ただし誤飲事故には注意が必要です。
猫の誤飲事故は私たちが思っているよりも多く、アニコム家庭どうぶつ白書2019では
となっています。
「ビニール自体は大きいから飲み込むことはないし、ただ噛んでいるだけだから放っておいても大丈夫」と思って目を離すと危険です。
噛みちぎって小さくなったビニールを飲み込む可能性があります。
飼い主の油断は誤飲事故が起きる原因のひとつです。
そのため猫を飼っているお宅でのビニールの取り扱いには注意が必要です。
猫がビニール袋で遊ぶ理由は?噛み癖には注意!
猫のおもちゃにもビニールが使われるほど、猫にとってビニールは狩猟本能をくすぐるものです。
猫がビニールで遊ぶ理由として
・ビニールの音
・ビニールの触感
・ストレス
が考えられます。
理由①:触って確認する猫の習性
猫がビニールを好きな理由に、猫には触って確認する習性があるためだと考えられます。
猫の目の前でおもちゃを動かすと、猫が目でおもちゃを追いかける光景を見たことがあるでしょう。
ついには我慢できずに手を出して追いかけます。
これは触って確認したい猫の習性のひとつで、
・風で自然に動く
ビニールはいつまでも遊んでいられる楽しいものなのです。
理由②:ビニールの音が好き
ビニールが発するかさかさという音は虫などの立てる音に近いといわれています。
ビニールの音を聞いた猫は狩猟本能が刺激され追いかけます。
触ると音がするためますますヒートアップするでしょう。
大きさや形によっては中に入ることもでき、猫にとっては音も形も魅力的なおもちゃです。
このことで「ビニールの音は楽しいもの」と関係づけられ、ビニールの音が聞こえると飛びつくようになります。
理由③:ビニール袋を噛む感触が好き
ビニール袋を噛んだ時の感触が好きで噛んでしまうことが考えられます。
布とは違う噛んだ感触が興味を掻き立てられるのでしょう。
遊んだりじゃれたりするときは前歯を使いますが、
しぐさを見せます。
そのような様子があるようなら噛む感触が気に入った可能性があります。
また食品に利用したサランラップなどはおいしそうなにおいがついているため、口に入れてくちゃくちゃします。
このケースでも遊ばずサランラップを口にくわえこむのでわかりやすいでしょう。
この時の味や感触を気に入ると、次回から迷わず口に入れるようになります。
理由④:ストレスや病気が原因のことも
猫が本来食べることができないものをかじる、舐めるなどすることを「異嗜行動(いしこうどう)」と呼びます。
はっきりとした原因は解明されていませんが、主に
・ストレス
・病気や栄養状態の影響
でおこるといわれています。
離乳前に何らかの理由で親と離れてしまい幼少期に口寂しい経験をした場合など、毛布やタオルなど身近なものを吸ったりしゃぶったりするクセが身に付くことがあります。
さらにそこからしゃぶっているものを食べてしまうようになると、「ウールサッキング」と呼ばれる問題行動になります。
- ウールサッキングとは
- 猫がウールなどの布を食べてしまうこと。
ウールサッキングはウールや布だけにとどまらずビニールやスポンジを口に入れるケースがあります。
またストレスが原因の場合では
・安心
・刺激が欲しい
などが理由とされています。
病気が原因の場合
猫は
・寄生虫
・ミネラル欠乏
など体や栄養の状態が思わしくない時もビニールを噛む行動をすることがあります。
病気や栄養が改善してもビニールを噛み続けてしまうケースがあるため、猫の病気には注意しましょう。
猫がビニールで遊んでいて起こりうる危険とは?
猫が夢中になってビニールで遊ぶ姿はいつまでも見ていたいですね。
しかしそうとばかりも言っていられません。猫がビニールで遊ぶことには危険が付きまといます。
考えられる事故として
・ビニール誤飲による消化不良や便秘、腸閉塞
があります。
楽しく遊んでいても手術や入院が必要になったり、最悪死亡する恐れもあるため目を離すと危険です。
ビニールテープやビニール紐が絡まって窒息、嘔吐や怪我をする
ビニール紐など長さがあるものだと遊んでいるうちに絡まる事故が考えられます。
ビニール紐は細く、静電気などで猫の毛にくっつくとじゃれながら絡まりやすくなります。
もし首に絡まってしまうと窒息する可能性があります。
ことも考えられ非常に危険です。
また窒息まではしないものの、紐が原因で嘔吐してしまうこともあります。
さらにビニールテープやビニール紐は猫の爪に引っかかりやすいため手や足に絡む恐れがあります。
ビニール紐が猫の足に絡みついて腫れたという報告もあることから、絡まる長さがあるビニールテープや紐には注意が必要です。
ビニールを誤飲してしまい、消化不良や便秘、腸閉塞になる危険
ビニールは消化されないため、食べると消化器官に詰まる恐れがあります。
腸で詰まることが多く、詰まると最初に便秘になります。
トイレに何度も行くけど何も出ず、嘔吐も繰り返しているようなら腸閉塞の可能性が大きくなります。
- 腸閉塞とは
- 腸の一部が詰まってしまうことで食べ物や水分がうまく流れなくなってしまう病気。
特に紐状のものを飲み込んでしまうと腸に絡まる恐れがあります。
腸に絡むと開腹手術が必要になるため、紐状のものを誤飲したら様子を見ず早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
猫がビニールを食べた?誤飲の症状や対処法を紹介!
猫がビニールを食べると下記のような症状が現れることがあります。
・えづく、嘔吐
・食欲不振
・元気がない
・呼吸が荒い
ビニールが小さかったりほんの少しであれば、吐くことで排出されるケースもあります。
吐いて出てこない場合でも、腸を通れば便として排出されます。
ただし気管の大きさには個体差があるため、必ずしも「ビニールが小さいから大丈夫」とは言い切れません。
まずは愛猫の様子を観察しましょう。その後動物病院へ連れていきます。
猫がビニールを誤飲した時の症状は?猫が元気か観察しよう
動物病院へ連れていく前に愛猫の症状と誤飲の状況を確認します。
・どれくらいの大きさを飲み込んだか
・元気があるか
・嘔吐やトイレの回数
これらの情報があると獣医師の診断の手助けになります。
誤飲したビニールのかけらがあればそれも持っていくといいでしょう。
ビニールを誤飲しても元気な場合
中にはビニールを誤飲しても嘔吐はなく元気に走り回るケースもあります。
そのため様子見をすることもあるでしょう。
しかし症状が出ていないだけで油断はできません。
胃や腸などどこかで詰まってしまった場合、症状は急に表れます。
特に紐状の物は要注意です。
腸に絡んだ紐が原因で「腸重積(ちょうじゅうせき)」という重篤な病気になる可能性があります。
- 腸重積とは
- 腸の一部が腸の内側に入り込む病気。
腸重積は処置が遅れると腸が壊死したり、最悪命を落としかねない危険な状態です。
そのためたとえ元気があったとしても誤飲したのであれば動物病院で診てもらいましょう。
無理に吐かせたりせず、すぐに動物病院に連れていく
愛猫がビニールを誤飲したら慌てるのも無理はありません。
しかし慌てて無理に吐かせようとしないでください。猫を吐かせようとするのはかなり難しいです。
・愛猫の口の中に手を入れることで噛まれる危険がある
ことからやめておきましょう。
愛猫にとってもつらく、ストレスで余計体調を崩す恐れもあります。
まずは慌てず落ち着いた行動が重要です。
冷静に愛猫の症状を確認し、動物病院で診察を受けましょう。
参考:誤飲も補償してくれるペット保険に加入するのがおすすめ!
猫に限らず、ペットが食べ物以外のものを誤飲してしまう事故は怖いですよね。
もし誤飲してしまったら動物病院へ連れていく必要があります。
【誤飲での検査と処置】
検査 | ・レントゲン検査 ・エコー検査 |
処置 | ・催吐 ・内視鏡手術 ・開腹手術 |
基本的に誤飲では異物を確認するためにレントゲン検査を行います。
さらに詳しく診断するためにエコー検査を行うケースもあります。
処置は大きく分けて
・手術
とあり、催吐が難しい場合には内視鏡手術や開腹手術になります。
このように誤飲は治療費が高額になることが考えられます。
十分な治療を受けさせるためにもペット保険に加入しておくことをおすすめします。
多くのペット保険では誤飲は補償対象になります。
ほかにも思わぬ事故や病気、ケガの医療費の負担を軽減することができます。
猫がビニールをなめる・噛むのを防ぐには?対策を紹介!
人間の生活の中にビニールは多く使われます。
人間との共同生活の中で、猫がビニールをなめたり噛んだりするのをやめさせるには3つの対策方法があります。
②猫の食事を見直す
③一緒に遊んでストレスを解消させる
対策①:ビニールを隠す、嫌な匂いをつける
猫のビニール誤飲で一番手っ取り早い方法はビニールを隠すことです。
猫が開けることができない引き出しなどに隠してしまいましょう。
ゴミとして出たビニールはすぐに捨てるなど、ビニールが猫の目につかないようにします。
しかし中には生活空間で隠すことができないものもあります。
そのような場合にはビニールに猫の嫌がる匂いをつけるというのも方法のひとつです。
猫が嫌がるにおいのスプレーも販売されています。それらのアイテムを利用しましょう。
対策②:猫の食事を見直す
ビニールを食べる行動の中には
ことが理由のケースもあります。
多くはミネラルの欠乏だといわれています。
ミネラルにはカルシウムやリン、マグネシウムなどがあります。