ポメラニアンの平均寿命は12~15歳程度と小型犬の中では一般的で人間でいう64~76歳程度の年齢です。ただし、気管虚脱等、ポメラニアンがなりやすい病気もあるので注意しましょう。
この記事では
・ポメラニアンの平均寿命
・ポメラニアンのかかりやすい病気
・ポメラニアンがシニア期になったら気を付けること
ポメラニアンの平均寿命は12~15歳程度と小型犬の中では一般的で人間でいう64~76歳程度の年齢です。ただし、気管虚脱等、ポメラニアンがなりやすい病気もあるので注意しましょう。
この記事では
ポメラニアンはドイツが原産のジャーマンスピッツが祖先だと言われています。ジャーマンスピッツは寒さの厳しい場所でそりを引く犬として活躍していました。
そのため、体を守るためにけがふわふわで、冷たい空気を直接肺に送り込まないようにマズルが長めなのが特徴的な体を持っています。
その後小型化が進み誕生したのがポメラニアンです。ちなみにポメラニアンの原産地であるドイツでは超小型のスピッツであるツベルクスピッツと呼ばれています。
ポメラニアンの
体高:18~25㎝
体重:2㎏~5㎏ほど
と個体によって大きく違いが出る犬種です。顔の作りもマズルの長い子や短い子などさまざま存在しています。
被毛のカラーも白やオレンジ、茶色などさまざまあり、淡色だったり複数色だったり、と他の犬種に比べ全体的に個体差の大きい犬種です。
ふわふわの毛でかなりボリュームのあるシルエットですが、実は骨格は細くなっています。
ふわふわの毛はダブルコートで、年間通して抜け毛の多い犬種です。特に1年に2回ある換毛期は抜け毛が多くなります。ブラッシングは毎日かかさず行ってあげてください。
近年はぬいぐるみや柴犬のようなカットをするポメラニアンも多いですが、本来はトリミングの必要はなく、滑らないように足回りの毛をカットする程度で大丈夫です。
また、ポメラニアンは寒さには強いですが暑さには弱い犬種です。日々過ごす部屋はエアコンなどを使い、室温を適切に保ってあげるようにしましょう。
ポメラニアンは活発な性格をして、運動することが大好きです。甘えん坊で飼い主と遊ぶことが大好きなので、その気持ちにきちんと答えてあげてください。
一方、警戒心が強く、ちょっとしたことで吠えてしまいます。声が甲高いため、響き渡ってしまうので、無駄吠えしないようにしつけはしっかり行いましょう。
賢い犬種なので、きちんとしつけをすれば学習するのもとても早いです。
ポメラニアンの平均寿命は12~15歳程度とされています。小型犬の平均寿命は14歳程度とされているので、それと同じ程度です。世界ギネス記録では21歳8か月のポメラニアンがいます。
ポメラニアンだけでなく、犬の寿命は環境によって大きく異なります。ポメラニアンに元気に長生きしてもらうためにも、生活環境をきちんと整えてあげてください。
犬は人間とは異なった歳のとりかたをします。ポメラニアンの年齢を人間の年齢に換算すると以下のようになります。
犬の年齢 | 人間の年齢 |
1歳 | 17歳 |
2歳 | 23歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
ポメラニアンの平均寿命である12~15歳は64~76歳程度だと考えられます。年齢に合わせて体の調子も変わってきます。その時々に合わせてお世話の方法を変えていくこともとても大切です。
ポメラニアンは小型犬特有の病気を発症しやすい犬種です。病気の症状や特徴を事前に知っておけば早期発見と早期治療につながり、それが元気に長生きさせる1つになります。
気管は本来筒の形をしており、そこに空気が通ることで呼吸をしています。この気管がつぶれたりゆがんだりすることで呼吸がしにくくなるのが気管虚脱です。
気管虚脱になる原因ははっきりわかっておらず、遺伝や肥満、老化などが要因にあげられます。
気管虚脱になるとブーブー、ガーガーといった豚やアヒルの鳴き声のような呼吸音がします。軽度の場合すぐに症状が治まるため、気づかないことが多いです。
しかし、気管虚脱は自然に治ることはないため、放っておくとどんどん重症化し、最終的には呼吸困難に陥ってしまいます。
軽度の場合は投薬などで経過観察になります。しかし投薬だけでは気管を治すことにはならないので、重度の場合は気管を広げる手術が行われます。
小型犬の関節疾患で発症する可能性が高いのが「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」です。パテラは膝蓋骨のことで脱臼の通称で呼ばれます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)は膝蓋骨が正常な位置からずれてしまう病気です。多くは遺伝が原因で発症することが多いですが、高いところからの落下など膝に負担がかかることで発症することもあります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の症状には以下の4つのグレードがあります。
グレード1
触診では膝蓋骨が外れるもののすぐに元に戻る状態です。普段の生活に支障が出ることがないため、無症状であることが多いです。
グレード2
足を曲げたり伸ばしたりすることで膝蓋骨が外れてしまう状態です。膝蓋骨が外れているときにはその足を床につけることができません。
グレード3
常に膝蓋骨が外れている状態です。そのため歩行するのが難しくなります。
グレード4
常に膝蓋骨が外れている状態かつ手で押しても元に戻すことができない状態です。最低限しか床に足を付けることができなくなります。
グレードが低い場合は症状を抑える内科療法が行われます。しかし、これは完治することにはなりません。膝蓋骨を正常な位置に戻すには外科手術が必要です。
しかし、手術後の経過観察がとても重要になってくるため、手術をするかどうかは主治医とよく相談して決めることが重要です。
アロペシアXは皮膚にかゆみなどが起こらず脱毛する病気で、ポメラニアンが発症することが多い病気です。なぜ発症するかという原因はわかっておらず、遺伝やホルモン異常、ストレスなどの要因が考えられるとされています。
1~4歳くらいまでの間に以下のような症状が見られます。
脱毛などで見た目は痛々しくなりますが、命や健康にかかわる病気ではありません。
ホルモン剤や毛の再生周期を整える薬などの投薬が行われます。しかし、効果は個体差があり、投薬を休んでしまうと症状が再発することがあります。
僧帽弁は心臓の左心房と左心室を仕切っている弁のことです。僧帽弁閉鎖不全はこの僧帽弁に異常が起きることで左心房から左心室に血液が逆流してしまう病気です。
僧帽弁閉鎖不全は高齢の小型犬の発症が多い病気で、治療が遅れた場合肺水腫になり、呼吸困難になって死に至ることもあります。
僧帽弁閉鎖不全は初期はほとんど症状が見られません。症状が進むと以下のような症状がみられます。
肺水腫になってしまうと数か月の余命になるといわれているため、異常が見られたらすぐに動物病院にかかるようにしましょう。
症状によって治療は異なりますが、基本的に薬物療法や食事療法などによる治療が行われます。
流涙症は涙が過剰に分泌して目の周りが濡れて涙やけなどができる病気です。流涙症になる原因には以下の2つがあります。
鼻涙管閉塞
流涙症の原因として最も多いのが鼻涙管閉塞です。これは目と鼻をつなぎ涙を出す機関である鼻涙管が先天的に細かったり詰まってしまうことで発症します。
眼瞼内反症
先天的にまつ毛が目に接触することで涙が出ます。
軽度であれば様子見になることもあります。重度の鼻涙管閉塞であると診断された場合、全身麻酔で鼻涙管のつまりを除去する手術が行われます。
シニア犬は一般的に7歳を超えた年齢の犬をさします。シニア犬の時期になると若いころとは体調や暮らし方に少しずつ変化が起きます。
飼い主は臨機応変にポメラニアンに負担がかからない生活が送れるように環境を整えてあげることが大切です。
ポメラニアンは運動欲求が高い犬種です。肥満を抑えて健康を保ち、ストレスを溜めないためにもお散歩はかかさずに行ってあげましょう。雨の日など散歩に行けないときには、家の中で紐やボールなどを使って遊んであげてください。
ただし足腰に負担がかからないようにするために、段差や床で滑らないようにスロープを付けたりマットを敷くなどして環境を整えてあげましょう。
もしあまり動きたがらない場合は、飼い主さんが抱っこするかカートに乗せるなどして外を見せてあげると、ストレス発散につながります。
前に記載したようにポメラニアンは気管は弱い犬種です。現在首輪をつけて散歩している方も多いかと思いますが、シニア期には気管に負担をかけないようにハーネスで散歩することをおすすめします。
また、興奮しすぎたり暑すぎる環境も気管に負担がかかるので、しつけをして興奮を抑えられるようにしたり、室内の温度調整を行い快適に過ごせるようにしてあげましょう。
肥満になるとさまざまな病気を発症しやすくなります。ポメラニアンは被毛がふわふわしているので太っても体形の変化に気づきにくいので注意が必要です。
月に1回程度は体重を計るようにし、体を触ってあばらが確認できるかどうかを確認するようにしましょう。
また、シニアになると若いころのように活発に動くことがなくなるため、若い時と同じ食事だと太ってしまうことがあります。
食事をシニア用などカロリーの低いものなどに切り替えてあげるなど食事内容を見直してみてください。
犬は歯周病になるとさまざまな病気を発症してしまうリスクが高まります。歯ブラシや歯磨きシートなどで歯と歯茎の間をきれいに磨いてあげましょう。
子犬のころからデンタルケアをしていればよいのですが、そうではない場合、口の中を触られることを嫌がることがあります。その場合は根気よくしつけをするようにしましょう。
現在ではさまざまな動物病院でドッグドッグのような全身の健康状態を確認できる検診を行っています。自分の症状を正確に伝えることができない犬の健康状態を知るために、年に1度は定期検診を受けるようにしましょう。
病気を早期発見、早期治療することは元気に長生きさせることにつながります。
ポメラニアンのペット保険を選ぶうえで重要なのが
最期に、今回ペット保険比較アドバイザーではポメラニアンにおすすめのペット保険(アニコム損保)をご紹介します。
引用:重要事項説明書
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や、既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
今回、ペット保険比較アドバイザーでは