犬の健康診断費用はいくらが相場?年齢・頻度・検査項目も解説!
2023年10月3日
この記事では
・健康診断を受ける年齢と頻度
・健康診断の検査内容と費用
「犬の健康診断」とは
犬も人と同様に定期的な健康診断が必要です。健康状態の把握・病気の早期発見のための総合的な検査で、問診や触診に加え血液検査・尿・糞便検査・レントゲン・エコーなどを必要に応じて組み合わせます。
基本的には年1回の検査を行いますが、犬の老化スピードは早いため、7歳から(大型犬は5歳から)年2回の実施が推奨されています。
そもそも犬の健康診断は必要?
獣医療の発達・食餌内容・飼育環境や飼い主さんの意識変化もあり犬の平均寿命が延びてきています。「アニコム 家庭どうぶつ白書 2022」によると、2020年度の犬の平均寿命は14.1歳となっています。
長く一緒に暮らせるのは喜ばしいことですが、犬も人と同様に年を重ねるにつれて様々な病気にかかることがあります。
人であれば、体調が悪いと赤ちゃんでさえ泣いて訴えます。しかし、犬は訴えることができないばかりか、本能から隠そうとさえします。
まだ若くて元気いっぱいの犬にとって「健康診断は必要か?」と疑問を持つ飼い主さんもおられることでしょう。
健康診断の目的は大きく二つ
・異常の早期発見
・血液検査などのデータを蓄積
異常の早期発見は
・QOLの維持向上を目指せる
・治療の成功率を上げることができる
・病気の進行を遅らせることができる
・苦痛の緩和や生存期間の延長ができる
健康診断を受けるタイミングは?
人には「人間ドック」があり、20歳以上であれば受けられます。また、就職すれば職場の定期検診が毎年法律で義務づけられています。
犬の場合「ドッグドック」とか「ペットドック」などとも呼ばれています。
健康診断を受けるタイミングとしては
ご家庭にワンちゃんを迎えて環境になれた頃が最初の健康診断のタイミングです。ここでは、先天性疾患の有無、心臓や頭部、股関節の状態などを視診・触診・聴診で確認します。また、糞便検査で寄生虫の検査も行います。
その後、年1回の受診が基本です。
人の健康を大きく左右するものの一つに生活習慣病があるように、犬にも生活習慣病があります。食事や運動、ストレスなど見直しが必要なケースもあるので、健康に見える犬でもチェックは必要です。
健康診断を受けるべき頻度は?
犬の健康診断は何歳から必要なのでしょうか?
健康診断の頻度や年齢には特に決まりはありませんが、前述のとおり0歳のときから受けることが望ましいでしょう。
健康診断を受ける頻度
・小型犬 6歳までは年1回 7歳からは年2回
・大型犬 4歳までは年1回 5歳からは年2回
2歳を超えると小型犬や中型犬は1年で人間の4歳分の年をとります。大型犬はなんと7歳も年をとります。これを考えると年1~2回の健康診断が必要な理由がお分かりでしょう。
特に、遺伝性疾患の多い犬種は必ず受けることをお勧めします。
遺伝性疾患の多い犬種
1位 トイプードル
2位 チワワ
3位 ミックス犬(体重10kg未満)
4位 柴犬
5位 ミニチュア・ダックスフンド
6位 ポメラニアン
7位 ヨークシャー・テリア
8位 ミニチュア・シュナウザー
参考:埼玉県獣医師会
犬の遺伝性疾患は、実際には、皮膚疾患や・膝蓋骨脱臼などの骨関節疾患・僧帽弁閉鎖不全症などの心疾患が大半を占めますが、これらの疾患のほとんどが慢性、再発性で、程度の差はあれ、生涯にわたる治療が必要です。早期に発見して対処が必要です。
犬の健康診断はどこで受けられる?内容や費用は?
実際に健康診断を受ける場合、どこで受ければよいのか、いくらかかるのか値段も気になります。
犬の健康診断は動物病院で受けられる
犬の健康診断は動物病院で受けることができます。
ただし、実施していない病院もあるので事前確認が必要です。
日本獣医師会がH27年度に実施した調査によると1365件中557件(40.8%)が対応していないと回答しているので事前確認が必要です。
犬の健康診断の内容と費用
健康診断の内容
健康診断の内容は年齢によっても異なり、いくつかのコースが設けられているのが一般的です。
・問診で日ごろの生活の状態をチェック
・視診・触診・聴診により、犬の状態を観察
・血液検査 尿検査 糞便検査
・レントゲンやエコーなどの画像検査
これらを必要に応じて組み合わせて行います。
- 問診
- 日ごろの様子や生活スタイル 食事の内容や与え方 水分摂取量 排尿の仕方 など細かく聞き取り
- 視診・触診
- 肥満度 浮腫 リンパ節 粘膜の色 皮膚・耳・口(歯の状態 歯石や歯肉炎の有無等) 腹部(張り ガスの有無など)
- 神経や骨格系(歩様 ふらつき 関節の異常 肢間の異常 など)
- 聴診
- 心音・心拍数・呼吸音の異常(循環器や呼吸器) 腸の動き
視診・触診・聴診でわかること
・貧血 結膜 角膜 白内障 歯石 歯周病 鼻 耳 などの状態
・リンパ節 乳腺 肛門 陰部 睾丸 などの状態
・皮膚炎 脱毛 四肢の状態 膝や関節の状態 爪 などの状態
・心音や肺の音(循環器 呼吸器の異常の有無)
- 尿検査
- pH 潜血 蛋白 尿糖 など
尿検査でわかること
腎臓の異常 膀胱炎 尿石症など 泌尿器疾患や糖尿病が発症していないか
- 糞便検査
- 消化管出血 寄生虫の有無 腸内環境
- 血液検査
- 血球検査 血液化学検査(10~20項目)
血液検査でわかること
・血球計算 (白血球/赤血/血小板など血液の中の細胞の数)
貧血の有無・白血球が異常に増加していないか・血小板が少なくないか など
・血液化学検査 血糖値/コレステロール/血液中のタンパク/肝臓の酵素の数値/腎臓の数値などにより各臓器機能に異常がないか など
- レントゲン
- 胸部・腹部のレントゲンが推奨されている
レントゲン検査でわかること
・呼吸器と循環器の異常の有無(心臓の大きさ 肺の透過性 気管の太さ 臓器の腫れや位置の確認)
・腰椎や骨盤の状態
その他オプションとしてエコー検査や血液検査を追加(ANP/心臓病マーカー SDMA/腎不全マーカー T4/甲状腺ホルモンなど)できる病院も多いようです。犬種の特性を踏まえ、年齢を加味して内容は獣医師と相談しながら行いましょう。
健康診断の料金
健康診断の価格が安い・高いという基準は動物病院の価格設定と検査内容によって異なります。下記の統計を見ると、3,000~5,000円で実施している動物病院もあれば50,000円以上と回答している動物病院もあります。
日本獣医師会が実施した調査によると健康診断(1日ドック)の費用は10,000~15,000円の価格帯が一番多くなっているので一つの参考にして下さい。
また、いくつかの動物病院の健康診断費用をみると、大体5,000円~30,000円の中に納まっています。
おおまかな内訳としては
・血球検査 1,000~3,000円
・血液化学 1項目 500~800円
・便検査 1,000~2,000円
・膿検査 1,000~2,000円
・レントゲン 1方向 3,000~5,00o円
・腹部エコー 3,000~5,000円
ただし、健康診断のセット価格として料金を設定している場合もあります。また多くの動物病院側が、病気の早期発見のために健康診断のキャンペーンを打ち出しています。そのタイミングで健康診断を受けると2~4割引きでかなりお得な価格で受けることができます。
犬の健康診断の注意点
健康診断は動物病院で受けることができますが、対応していない病院もあるので必ず事前に確認しましょう。
ワンちゃんを迎えたら、ワクチン接種など、必ず動物病院とのかかわりが必要になります。
かかりつけの動物病院を探す時には、健康診断を実施しているかどうかも一つのポイントではないでしょうか。
普段の診察では、主に異常のある個所の診察になります。ついでに・・・と、あれこれ全部を診てもらうことはできないでしょう。
健康診断のデータを蓄積することで、異変にいち早く気づくことができます。
また、健康診断を受ける場合、事前予約が必要になります。検査内容によっては絶食なども必要になるので、一度足を運んできちんと説明を受けた方が間違いないでしょう。
当日は犬の状態や生活習慣についても詳しく聞かれるので、普段からお世話をしている人が連れていきましょう。飼い主さんからの情報は検査をする上でもとても重要な手がかりになります。
補足:ペット保険で健康診断の費用は補償される?
全てのペット保険で、健康診断等の予防目的で健康体に施される費用は補償の対象外となっています。
唯一アニコム損保のみが、年一回無料で受けられる腸内フローラ測定を付帯サービスで備え付けており、加入したら健康になる「予防型ペット保険」を謳っています。
腸内フローラ測定の結果で健康診断が必要と判断された場合、アニコム指定の動物病院で血液検査を無料で受けることができます。
限定的ではありますが、健康診断もペット保険で補償されたら嬉しい方にはアニコム損保はおすすめです。
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
よくある質問
健康診断は犬にストレスを与えてしまわないか心配です。
犬の健康診断でかかった金額はペット保険で補償されますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
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