犬が後ろに下がるのは病気?考えられる原因や対処法について解説!
2024年4月21日
犬は言葉を話しませんが、犬のする仕草や行動をよく見ることによって、その時の気持ちや健康状態を知ることができます。
その中でも今回は、犬の「後ずさり」に注目していきます。
犬の後ずさりには、どのような心理や病気が隠れているのでしょうか。
この記事では
・犬が「後ずさり」する時に考えられる病気
・犬が「後ずさり」する時の対処法
「犬が後ろに下がる病気」とは
犬が後ろに下がる動作、いわゆる「後ずさり」をする時は、さまざまな理由が考えられますが、もしかしたら重大な病気が隠れている可能性もあります。病気が原因の場合は、身体のどこかに痛みや違和感を感じて「後ずさり」という行動が見られます。考えられる病気には、消化器疾患、椎間板ヘルニア、てんかんなどがあげられます。
犬が「後ずさり」する理由
犬が「後ずさり」するときは、どのような心理や意味が隠れているのでしょう。
ここからは、犬の「後ずさり」について考えられる理由を3つ解説していきます。
理由1:不安や緊張
犬は不安や緊張を感じている時に「後ずさり」をすることがあります。
慣れない環境や知らない人・犬との接触による不安や緊張で、このような状況から逃れたいという心理から後ずさりをします。
「どこかに隠れたい」「早く逃げ出したい」「これ以上誰も近付かないでほしい」といった気持ちの表れです。
また、知らない人が急に犬の頭を撫でてあげようと犬の頭上に手を出した時に、犬は「何かされるのでは」と不安や恐怖を感じて後ずさりをします。
犬を撫でるときはいきなり頭から触らず、手の匂いを嗅いでもらって、受け入れてくれるようなら顎の下や耳の後ろあたりを撫でるようにします。
とくに人見知りで怖がりな犬は、頭を触られるのが苦手なケースが多いので気を付けましょう。
他にも、何か新しい怪しいものに遭遇した時にクンクンと匂いを嗅ぎ、前足で触ってみたりしながら後ずさりする姿が見られることがあります。
その時は、対象物が安全なものなのかどうかを警戒しながら調べているところです。
危険なものだった時のために、いつでも逃げられるように後ずさりをしています。
犬が後ろに下がるのは、このような不安や緊張を感じている時、また、怖い時や警戒をしている時に取る行動であることが多いです。
理由2:遊びに誘っている
ポジティブな理由として、犬が「遊びに誘っている」があげられます。
もし愛犬が明るい表情で後ずさりをしていたら、「もっと遊びたい」「遊ぼうよ」「もっとかまって」という意思表示です。
しっぽを振って目を輝かせてピョンピョンと跳ねるように後ろに下がるのなら、愛犬が飼い主さんを遊びに誘っているのです。
また、お尻を上に突き出して下半身を低くする「プレイバウ」と呼ばれる誘い方もあります。
愛犬が遊びに誘ってきたら、ぜひ応じてあげてくださいね。
理由3:身体に痛みがある
犬は、身体のどこかに痛みや体調不良を感じている時、触られたくなくて後ずさりすることがあります。
後ずさりだけでなく、震えたり鳴いたり、嫌がって怒るなども痛みがある時によく見られる行動です。
病気が原因の場合は、後ずさりの他に食欲がない、嘔吐、下痢などの症状が見られるでしょう。
頭を低く下げてお尻を高く上げるポーズは、通称「祈りのポーズ」と呼ばれ、特に腹部に強い痛みを感じる時に見られます。
前述した「プレイバウ」と格好はほぼ同じですが、表情や状況が全く異なるので違いは見てすぐ分かるはずです。
また、肉球や関節など身体のどこかに違和感や痛みがある時は、気になる箇所を舐めたり噛んだりするので分かりやすいです。
痛みがさらに強くなると、痛い足を上げて歩くようになります。
もし、足をひきずるように歩く、うまく立ち上がれないなどの様子が見られたら、深刻な状況である可能性が高いです。
愛犬の様子に少しでも異変を感じたら、早急に動物病院で診てもらうようにしましょう。
身体の痛みによる犬の「後ずさり」に要注意!
愛犬が痛みによって「後ずさり」している場合、どのような病気が考えられるでしょう。
ここでは、犬が「後ずさり」する時に考えられる3つの病気について解説します。
考えられる病気1:胃腸の不調
後ずさりすることに加えて、食欲不振、嘔吐、下痢などの症状が見られるときは、胃や腸に異常が現れる消化器疾患が考えられます。
一時的に起こっている場合もありますが、症状が続くようなら何かの病気を発症している可能性があるため要注意です。
重大な病気が隠れている可能性もあるので、少しでも気になることがあれば早めに動物病院へ連れて行きましょう。
代表的な消化器疾患には以下のようなものがあります。
・急性胃腸炎
・大腸炎
・膵炎
・炎症性腸疾患(IBD)
急性胃腸炎
急性胃腸炎は、胃や腸に起こる消化管の炎症や感染です。
原因には人間用の高脂肪食品を食べたことや、異物誤飲、内部寄生虫、ストレスなどがあげられます。
大腸炎
大腸炎は、腸管内膜の急性または慢性炎症です。
寄生虫、腫瘍またはポリープ、食べ物の変化、異物誤飲などによって起こります。
大腸炎を引き起こすと排便する時に痛みを感じたり、下痢の場合は粘液や血液が混ざったりすることがあります。
膵炎
膵臓から出た液によって炎症が起こり、激しい腹痛、下痢、嘔吐などの症状が見られます。
考えられる原因は、人間用高脂肪食品を食べたことや、感染症、その他の疾患、外傷などです。
炎症性腸疾患(IBD)
原因不明で腸の炎症が起こり、慢性的な消化器症状を起こす疾患です。
発症すると2〜3週間以上にわたって嘔吐や下痢が続き、食欲がなくなり痩せていきます。
重症化すると腹水が溜まってお腹が腫れたり、血が固まりやすくなるなどさまざまな症状が現れます。
考えられる病気2:椎間板ヘルニア
犬が歩きにくそうに後ずさりしていた場合、椎間板ヘルニアの可能性が考えられます。
椎間板ヘルニアは、椎間板が脊髄という神経を押しつぶしてしまう病気のことです。
神経がダメージを受けることで、痛みや麻痺などのさまざまな症状が表れます。
初期段階で軽度(グレード1)の場合は、症状は痛みだけで元気がない、散歩に行きたがらない、体が震えている、抱っこしようとすると鳴き声をあげるなどの様子が見られます。
グレード2になると、歩きにくさから歩行時にふらついたり、後ずさりをするなどの症状が見られるようになります。
胸部や腰の部分のヘルニアでは後ろ足に麻痺が、首のヘルニアでは前足に麻痺が現れます。
さらに重度(グレード3〜5)になると、麻痺が強まり自力で立ち上がることもできず歩行困難となってしまいます。
軽度の場合は鎮痛剤などの投薬と安静にすることで改善が見られますが、重度になり麻痺がある場合は、突出した椎間板を摘出する外科手術を行います。
椎間板ヘルニアの原因は、遺伝、外傷、激しい運動、老化などです。
とくに椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種には、軟骨異栄養症犬種と呼ばれる、ダックスフンド、コーギー、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグなどがあげられます。
それ以外の犬種でも椎間板ヘルニアを発症する可能性はあるので、どの犬種も日常的に予防対策をしておくのが大切です。
予防方法は、太らせないように体重管理をする、階段の上り下りを控える、無理な姿勢をさせないなどがあります。
また、床が滑りやすいと足腰に負担がかかるため、フローリングのような床材にはカーペットやマットを敷いて対策をしましょう。
考えられる病気3:てんかん
犬が後ずさりをしている時に考えられる3つ目の病気は、てんかんです。
てんかんは神経の病気で、発作を起こすと脳から正常な信号が送られなくなり、自分の意思とは関係なく体が動いてしまいます。
犬が後ずさりをしているのを変に思い、動物病院を受診してみたら実はてんかんだったということも。
てんかんの現れ方はさまざまです。
顔の一部をヒクヒクさせるだけの場合から、バタンと横に倒れて痙攣を起こしたり、足をバタバタさせたり、失禁や排便が伴うこともあります。
犬のてんかんは、大きく分けると「特発性てんかん」と「構造的てんかん」の2つに分けられます。
犬に多いのは「特発性てんかん」で、検査をしても脳に明らかな異常なく原因が特定できません。
「構造的てんかん」は、脳腫瘍、脳炎、脳奇形、水頭症など、脳に原因となる異常が存在します。
てんかん発作は、大きな音や激しい光などの強い刺激、天候の変化、周囲の環境によって引き起こされることがあります。
もし愛犬がてんかん発作を起こしたら、慌てずに飼い主さんが落ち着いて対応することが重要です。
発作中の犬は、普段どんなにおとなしい性格でも、無意識に噛んでしまうことがあります。
心配だからと顔を撫でたり無理に抑えつけたりすると、飼い主さんが噛まれてケガをしてしまう恐れがあるので注意してください。
てんかんは、通常2〜3分で発作が落ち着くケースが多いです。
発作中の愛犬には無理に触らず、周りにあるぶつかりそうなものをどかして安全を確保し、発作が落ち着くまで見守るようにしましょう。
愛犬が落ち着いてから動物病院を受診し、今後の治療について相談してください。
犬が「後ずさり」をするときの対処法
犬が楽しそうに遊んでいる時以外に「後ずさり」をしている場合は、不安や緊張など、何らかの強いストレスを感じていたり、痛みや体調不良を起こしているサインのひとつです。
犬が後ずさりしている時の状況や、他に引き起こしている症状を見て、何が原因なのかを見極めることが大切です。
もし不安で後ずさりをしているなら、不安の対象となっているものや事柄を取り除き、優しく声をかけて落ち着かせるようにします。
また、触ろうとすると怒ったり「キャン」と鳴き声をあげたりするようなら、身体のどこかに痛みや違和感を感じているのでしょう。
犬の足に力が入らず、後ろに下がったりよろけたりしてうまく歩けない場合は、神経に異常が起こっている可能性があります。
その場合、自然に良くなることはないので早めに獣医師に診てもらいましょう。
それ以外にも、元気や食欲がない、嘔吐や下痢などの症状が見られる場合は消化器疾患の可能性があるので、直ちに動物病院を受診してください。
よくある質問
てんかんが起こりやすい犬種はいますか?
愛犬が後ずさりと下痢をしていますが元気で食欲もあります。病院へ行ったほうがいいですか?
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【犬が後ろに下がるのは病気?考えられる原因や対処法について解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬が「後ずさり」する時に考えられる病気
・犬が「後ずさり」する時の対処法