この記事では
・ペット保険で療養食は補償される?
・ペット保険で補償対象外となりやすいもの
療養食とは
療養食とは、特定の病気や症状に対して食事療法が必要になった場合に、栄養成分を調整したフードを食べさせることで治療を補助する目的で作られたものです。
以下のような病気に対して療養食が処方されることがあります。
・下部尿路
・腎臓
・皮膚
・肝臓
・糖尿病
・心臓
・関節 など
療養食の与え方
療養食が処方されたからと言って、今までの食事からすぐに療養食へ変更する必要はありません。
突然フードを変えてしまうと食事を摂らなくなったり、消化器に負担がかかって嘔吐や下痢をすることがあります。
療養食は今までの食事に少しずつ混ぜていき、徐々に療養食の割合を多くしていきましょう。
療養食を食べてくれないときの対処法
ペットの病気の治療の一環として療養食にしたのに、食べてくれないことがあります。
特に警戒心が強い子や食べることにこだわりがある子は、療養食を食べてくれないケースが多いです。
その場合に試してほしい対処法を解説します。
温めたりふやかしてみる
フードをぬるま湯でふやかしたり、電子レンジで温めると香りが立つようになります。
犬は香りがする食べ物のほうが嗜好性が良くなるため、フードを食べてくれるようになることがあります。
電子レンジでフードを温める場合は、体温くらいの温度になるようにしてください。
熱くなりすぎていないか、フードを与える前に飼い主さんが指でフードを触って確認してみましょう。
飼い主さんの手からあげてみる
病気による痛さや不安、甘えなどで食事を摂らない可能性もあります。
その場合は、飼い主さんが手から直接フードをあげることで食べることがあります。
しかし、ずっと手であげてしまうと自力でフードを食べなくなってしまうことがあるため、食べるようになってきたら手からあげる頻度は減らにしましょう。
獣医師に相談する
どうしても療養食を食べない場合は獣医師に相談してみましょう。
病状や症状にはよりますが、療養食はさまざまなメーカーから販売さえているため、他の療養食にすることで食べてくれることがあります。
療養食は飼い主さんが独自で購入することもできますが、症状や病状によって栄養バランスを考えたうえで獣医師が処方しているため、勝手に他のメーカーにするのはやめましょう。
ペット保険で療養食は補償対象?
ペットの療養食は、原則的に補償対象外です。
なぜならペットの療養食は医療品にあたらないとされているためです。
たとえ医師から処方された療養食であっても、補償対象外となるので注意しましょう。
療養食に対する各ペット保険の回答
ペット保険10社が療養食に対してどのような回答をしているか、かわりやすいよう表にしてみました。
ペット保険会社 | 療養食に関する回答 |
アニコム損害保険株式会社 | 入院中の食餌として処方された療法食は補償の対象だが、持ち帰りする療法食は補償対象外 |
アイペット損害保険株式会社 | 入院中の食餌に該当しない食物および療法食は補償対象外 |
楽天損害保険株式会社 | 療養食は補償対象外(入院中の食事については保険金の支払い対象) |
ペット&ファミリー損害保険株式会社 | 療法食は補償対象外 |
PS保険 | 療法食は補償対象外 |
リトルファミリー少額短期保険株式会社 |
原則、療法食は補償対象外。ただし、入院中の食餌として与えられた療法食については補償対象になる場合がある
|
SBIプリズム少額短期保険株式会社 | 療法食は補償対象外 |
日本ペット少額短期保険株式会社 | 入院中の食餌に該当しない療養食は補償対象外 |
FPC株式会社 | 入院期間中の食餌として処方された療法食は補償対象。 ただし、持ち帰りする療法食は補償対象外 |
チューリッヒ少額短期保険 | 入院中の食餌に該当しない療法食は補償対象外 |
ペットの療養食に関しては補償対象外となっていますが、ペット保険会社によって入院中に出された食事に関しては補償されることがあります。
詳しい内容は重要事項説明書や約款に記載されており、ペット保険のホームページで確認できるところもあります。
ペット保険に加入する前に確認してみることをおすすめします。
療養食以外にペット保険で補償対象外となりやすいもの
ペット保険で補償対象外となっているのは療養食だけではありません。
その他にもペット保険の補償対象外となっていることがあります。
1つずつ詳しく確認してみましょう。
ペット保険に加入する前から発症していた病気やケガ
ペット保険が補償開始になる以前に発症していた病気やケガは補償対象外となります。
ペット保険の多くは補償開始前に待期期間と呼ばれる時期を設けていることが多いです。
この待機期間に発症した病気やケガも補償対象外となりますので注意してください。
健康診断
人間の人間ドックも健康保険の利用ができません。
それは病気やケガによる治療が発生せず、病気の予防や早期発見をするための検査を行うためです。
ペット保険も同様に、病気の予防や早期発見を目的とする健康診断の費用については補償対象外となっています。
ただし、健康診断で発見された病気の検査費用や治療費用は補償対象です。
健康診断はペット保険の補償対象外ではありますが、ペットの病気には症状が出ないものが多く、症状が出た時にはすでに病状が進行している病気も数多くあります。
ペットの健康を保つためにも、定期的に健康診断をうけることをおすすめします。
予防接種
予防接種も健康診断同様、病気の予防を目的で行われるためペット保険の補償対象外です。
また、ノミやダミの予防薬に関してもペット保険の補償対象外です。
予防注射と合わせて動物病院から請求される初診料や再診料も補償対象外となります。
しかし、ペット保険会社によりますが、予防接種を打ったことでアレルギーや病気を発症した場合は補償対象となることがあります。
ペットに予防注を接種させることは飼い主の義務です。
予防注射は必ず決まった時期に摂取をするようにしましょう。
予防接種で予防できる病気
予防接種で防ぐことができる病気を発症した場合、その治療に対する費用は治療対象外です。
予防接種で防げる病気には以下のようなものがあります。
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルス2型感染症
・犬パラインフルエンザ
・犬レプトスピラ感染症
・犬コロナウイルス感染症
・狂犬病
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア病 など
去勢や避妊、出産に関する費用
望まない繁殖を防ぎ、生殖器系の病気を防ぐ去勢や避妊手術はペット保険の補償対象外です。
出産も基本的に補償対象外となります。
たとえ帝王切開など手術が必要になった場合でも補償対象外となりますので、注意しましょう。
また、流産や人工流産に関しても補償対象外です。
美容に関する費用
トリミングや爪切り、耳掃除、肛門腺絞りなど美容に関する事柄も治療に関係があるものではないため、ペット保険の対象外です。
また、断尾や断耳に関してもペットの補償対象外となります。
サプリや漢方薬
サプリや漢方薬等、医療品に該当しないものは、治療の一般として獣医師から処方されたものであっても、療養食同様にペット保険の補償対象外です。
また、以下の事柄も治療の一環であっても以下の治療方法は代替医療となり、ペット保険の補償対象外となります。
・アーユルヴェーダなどのインド医学
・ホメオパシー、
・アロマテラピー
・カイロプラクティック
・ハーブ療法
・免疫療法
・温泉療法 など
その他のペット保険の補償対象外になるもの
上記の他にも以下の内容はペット保険の補償対象外です。
・契約者や被保険者が故意や重大な過失によってケガなどをした場合
・マイクロチップ挿入費用 など
ペット保険によって補償が分かれる項目
ペット保険はすべてのケガや病気を補償してくれるわけではありません。
ペット保険の補償対象外となっている病気やケガも多々あります。
ここでは、ペット保険によっては補償対象外となっているケガや病気について解説します。
先天性疾患・遺伝性疾患
先天性疾患や遺伝性疾患は、生まれつき持っている病気や症状のことです。
これは遺伝子が原因で発症します。
先天性疾患や遺伝性疾患には以下のようなものはあります。
・心臓や腎臓、臓器形成不全、水頭症などの内臓系疾患
先天性疾患や遺伝性疾患は完治させることが困難な病気です。
そのため長期間の治療が必要になります。
ペット保険の加入時に告知義務がありますが、そこで先天性疾患や遺伝性疾患について隠したとしても、治療履歴によってすぐにばれます。
その場合、保険金が支払われないだけでなく、ペット保険を解約することになるので、必ず正直に告知するようにしましょう。
パテラ(膝蓋骨脱臼)
パテラ(膝蓋骨脱臼)名前の通り、は動物の後ろ足の膝の部分にある膝蓋骨(しがいこつ)という骨が正常な位置からずれてしまう病気です。
小型犬が発症しやすいとされていますが、そのほかの犬や猫でもまれに発症することがあります。
小型犬は先天的に膝関節に異常があるためパテラを発症することが多いのですが、先天性であっても年齢を重ねてから発症することも多いです。
また、高いところから落ちるなど足関節に強い衝撃を受けたことで後天的にパテラを発症することもあります。
パテラがペット保険の対象になっているかどうかはペット保険によって大きくことなります。
現在では多くのペット保険会社が補償対象内としていることが多いですが、ペット保険会社によっては補償対象外になっていたり、先天的な理由で発症した場合は補償対象外となることがあります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッションの役割をしている椎間板が、何らかの原因で飛び出してしまうことで発症する病気です。
椎間板ヘルニアを発症するのはダックスフンドやコーギーなど胴の長い動物が発症しやすいですが、老化により発症することもあります。
椎間板ヘルニアは多くのペット保険で補償対象となっていますが、ペット保険会社によっては補償対象外になっていることがあります。
歯科治療
歯科治療の中でペット保険の補償対象外となっているのは以下の治療です。
・乳歯遺残
・不正咬合
ペット保険の選ぶときに注目したいポイント
ペット保険を選ぶときには、以下のポイントに注目しましょう。
愛犬・愛猫がかかりやすい病気が補償対象かどうか
犬や猫は種類や大きさによって発症しやすい病気が異なります。
例えば、小型犬を飼われているのであればパテラ(膝蓋骨脱臼)になる可能性が高いので、補償対象となっているペット保険を選んだ方が良いでしょう。
自分の犬や猫がかかりやすい病気が補償対象となっているかどうかを事前に確認しておくのが重要です。
通院の補償範囲
ペット保険には入院や手術に特化したものと、通院・入院・通院をフルカバーしてくれるものの2種類があります。
手術や入院のみに特化したペット保険は保険料は安いですが、ペットの病気やケガは通院が多くなるものが多いため、通院を含めて補償してくれるペット保険にすることをおすすめします。
ペット保険の補償には上限が定められており、ペット保険によって利用回数や金額が異なります。
・1日当たりの上限金額は定められているが、1年あたりの支払い限度額を超えない限り何回でも利用できるもの
・1年あたりの支払い限度は定められているが、回数制限や1日当たりの上限金額のないもの
・免責金額があり、その金額を超えた場合に補償されるもの など
シニア時の保険料は高すぎないか
ペット保険は年齢を重ねていくと保険料が高くなっていくことが多いです。
ペット保険に加入した若い頃はそれほど高くない保険料であっても、シニアになったら保険料が高額になったため、ペット保険を継続できない…ということになったら意味がありません。
ペット保険の利用回数はシニア以降多くなっていきます。
そのため、シニア期にペット保険を利用できなければ、飼い主さんが大きな金銭負担をしなくてはならなくなります。
ペット保険はホームページなどで年齢ごとの保険料を確認できます。
今の年齢の時に支払う保険料だけでなく、先々の保険料も確認しておきましょう。
口コミは良いか
今では各ペット保険の口コミをさまざまなところで確認することができます。
加入を検討しているペット保険のホームページだけでなく、さまざまなところにアンテナを広げ、情報を得ることが重要です。
他の飼い主さんがどのようなことを重視してペット保険を選んでいるのかを知ることもできます。
よくある質問
急なケガで動物病院を休日に診療しました。その場合の時間外診療費は補償されますか?
ペットの正確な年齢がわからなくてもペット保険に加入できますか?
ペット保険は必要?
ペットには公的医療保険制度がありません。そのため診療費の自己負担額は100%です。
もしものときに、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
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【ペット保険は療養食も補償してくれる?補償対象について詳しく解説】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ペット保険で療養食は補償される?
・ペット保険で補償対象外となりやすいもの