犬の腎不全で痙攣が見られたら?尿毒症や末期症状、余命について解説
犬の腎不全の末期段階に現れる症状を尿毒症と言い、痙攣や震え、意識障害などの症状が現れます。痙攣が見られた場合かなり症状が進行しており余命も僅か数週間といった可能性もあります。
この記事では
・犬の尿毒症の治療法
・犬の尿毒症の予防方法
犬の尿毒症とは?腎不全の末期症状
犬の尿毒症とは、腎不全の末期症状のことです。
腎臓は、体の中のいらない老廃物や毒素を尿の中へ排出を行う臓器です。
腎臓がうまく機能しなくなると、老廃物や毒素が体内に蓄積し、急性腎不全や慢性腎臓病を引き起こします。
腎不全の病状が進み、さまざまな症状が現れた状態を尿毒症と言います。
ぴくっとする痙攣等の症状がみられることもあり早急に治療をしないと、命に関わるおそろしい病気です。
痙攣が見られた場合、かなり症状は進行しているため余命数週間で死に至ってしまう可能性もあります。
犬の尿毒症の症状
・口からアンモニア臭がする
・食欲不振
・胃腸からの出血
・嘔吐
・下痢
・けいれん など
・けいれんや発作などの神経症状
・震え
・血が混じった下痢
・尿が出ない
・呼吸が速い
・意識障害
症状はひとつとは限らず、複数の症状が見られます。
残念ながら、特に危険な症状が現れた段階では、余命は短いと言えるでしょう。
慢性腎不全による死が近づくと、「一週間ほど何も食べなくなる」「寝る時間が多くなる」等の症状がみられます。またなくなる当日や数日前には血圧が下がる影響で口の中で白い粘膜が見られるようになります。
最期は意識がもうろうとしているので、もしかしたら苦しみ等は少ないのかもしれません。穏やかに最期を看取る準備も大切なのかもしれません。
犬の尿毒症の原因
尿毒症の原因は、腎機能が低下し、有害な物質が体内に蓄積されるためです。
腎機能が弱るのは、細菌感染、免疫の異常、外傷、薬物などによる中毒、心筋症、ショックなどによる腎血流量の減少、尿路結石などによる尿路の閉寒など、さまざまな原因があります。
また、腎機能障害の他にも、泌尿器系や心臓の疾患によって尿毒症を引き起こすことがあります。
・急性腎不全
・慢性腎臓病
・尿路系疾患
・心疾患
・子宮蓄膿症 など
数ヶ月から数年にかけて腎臓の働きが徐々に低下して腎不全となります。
初期段階は無症状で、その後、水を飲む量が増え、多飲多尿の状態になり、食欲不振や嘔吐、下痢などの症状も出てきます。
尿路系疾患
尿路結石や腫瘍によって尿路がふさがれ、排泄が困難となり、尿毒症になることがあります。
心疾患
心不全などの心臓病が、腎機能への影響で尿毒症を引き起こす場合があります。
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症が原因で尿毒症を引き起こす場合もあります。メス犬特有の病気で、避妊手術を受けることで予防となります。
犬の尿毒症の治療費や治療法・検査方法
ここから、犬の尿毒症の治療法や検査方法を解説します。
犬の尿毒症の治療法
犬の尿毒症の治療は、体内にたまった老廃物を尿と一緒に除去することが主体です。
そのために、体液量や電解質のバランスの調整などの治療が行われます。
それと同時に、痙攣や痛みを抑えるための薬の投与など、症状に応じて治療します。
尿毒症は腎不全が悪化した状態ですが、病気の進行状況によっては、治療次第で腎機能が回復する可能性もあります。
ただし、病状が重度に進んでいる場合は、治療を行っても厳しく、進行をできるだけ緩やかにすることが目的となります。
・点滴(静脈点滴、皮下点滴など)
・利尿剤
・透析(血液透析、腹膜透析)
・薬物投与
点滴
点滴で水分補給を行い、体液を増やすことで尿を増やし老廃物の排出を促します。
また、点滴は脱水状態を起こしている場合の脱水の改善にもなります。
利尿剤
尿がつくられない場合、利尿剤によって尿を増やし、老廃物を体外へ排出するよう促します。
透析
血液透析は血液を一度体の外側に出し、透析器で血液中の老廃物と余計な水分を除去してから、きれいになった血液を体内に戻します。
腹膜透析は、お腹の中に透析液を入れ、腹膜を通して血液中の老廃物を透析液に引き込んで回収します。
ただし、透析治療を行える動物病院は少なく限られます。
薬物投与
吐き気や下痢の症状がある場合、吐き気止めや下痢止めを使用します。
他にも痙攣発作の症状が見られれば、抗けいれん薬を投与するなど、症状に応じてさまざまな治療を行います。
犬の尿毒症の治療費
症状にもよりますが、重度で1週間程の入院が必要な場合は5万~10万円くらい費用がかかります。
金額に差があるのは、症状や病院によって差が出てくるためです。
通院となった場合、検査費用や点滴、薬代など全て含め1回5000円~1万円程度となります。
月にすると数万円は治療費がかかることになるでしょう。
犬の尿毒症の検査方法
犬の尿毒症の検査には、以下のような方法があります。
・尿検査
・エコー検査
血液検査
尿毒症になると、尿素窒素(BUN)やクレアチニン(CRE)、電解質、乳酸などの数値に異常が見られるようになります。
尿検査
腎臓病があると、尿たんぱくや潜血が見られたり、尿の比重が低くなります。
また、尿の量が少ない、もしくは全く出ないこともあります。
エコー検査
腎臓の萎縮や膨大、構造の変化、膀胱の腫れ、尿の蓄積、腫瘍の有無を確認できます。
犬の尿毒症の予防方法
犬の尿毒症は、尿毒症を引き起こす原因となる腎障害の早期発見・早期治療が予防につながります。
・中毒物質の誤飲誤食
・塩分を控えた食事
・定期健診
レプトスピラ症の予防
レプトスピラ症は感染症のひとつで、急性腎不全を引き起こすことがあります。
レプトスピラ症にはワクチンがあるので、定期的なワクチン接種を受けることで予防ができます。
混合ワクチンの種類によって、予防できるものが異なるので獣医師に確認してみてください
中毒物質の誤飲誤食
中毒物質の誤飲誤食も急性腎不全を引き起こす原因となります。
中毒物質は、ユリ科の植物やブドウ、レーズン、保冷剤に含まれるエチレングリコール、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの消炎鎮痛剤、農薬、除草剤、鉛などがあります。
愛犬の誤飲誤食には十分注意し、拾い食いをしないように気を付けなければなりません。
塩分を控えた食事
塩分の過剰摂取は、腎臓の負担になります。
塩分を控えたバランスの良い食事を摂ることは腎臓病の予防につながります。
定期健診
初期の慢性腎不全の場合、症状がほとんどなく尿毒症となってから病気に気が付くケースが多いです。
症状が悪化してからでは回復は難しくなってしまいます。
定期的な健康診断を受けることで早い段階で病気を発見することができ、進行を防ぐことができます。
年に1回は血液検査や尿検査を受けていると安心です。
補足:腎不全はほとんどのペット保険で補償されるが注意点もある
ほとんどのペット保険で腎不全は補償されます。しかし中には補償の対象外としているところもあるので重要事項説明書や約款を確認しましょう。
ペット保険は1年の契約となり1年ごとに更新を行う必要があります。その際、次の年から特定の病気は補償の対象外とする条件が付くことがあります。
腎不全は長期の治療が必要になるため、次年度からは補償しないという旨の条件が付いてしまう可能性があります。
ペット保険比較アドバイザーでは、犬の腎不全に対しておすすめのペット保険をご紹介します。
おすすめの理由としては、
・更新時に条件を付けないペット保険の中でも、通院に強い
の2点があります。
犬の腎不全の治療を考えると、一番おすすめはアニコムです。
アニコムに関しては窓口精算や年一回無料で受けられる腸内フローラ測定等、付帯サービスが充実しています。
また、ペットを伴わない薬の受取ができるのはアニコムだけです。
・補償内容や保険料を重視 → PS保険
一部PS保険は手術の補償金額が1回あたり最大10万円だったり不安な点はありますが、先天性疾患や更新時の対応が他社より優れています。
ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。
あくまで参考ですが、保険料重視であればPS保険、補償内容重視であればアニコム(ふぁみりぃ)に加入することをおすすめします。
メリット | デメリット | |
・複数回通院にも強い ・「腸内フローラ測定」等の予防型サービスも付帯 ・通院補償は一日当たり14,000円×年20日まで(補償割合70%プラン) ・窓口精算可能 ・ペットを伴わない薬の受取だけの治療費も補償 |
保険料が高い
※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】 |
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保険料が安い | ・1つの病気に対しての限度額・回数があり (更新時にリセットされない) ・手術は一回当たり最大10万円まで |
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。
補償内容やそれぞれのデメリット等がより気になる場合は下記の記事を参考にしてください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
犬の腎不全、尿毒症にかかりやすい犬は?
犬が痙攣を起こした時の対処方法は?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に加入することをおすすめします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【犬の腎不全とは?痙攣などの症状や治療法、予防について解説!】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・犬の尿毒症の治療法
・犬の尿毒症の予防方法