ヨークシャーテリアがなりやすい病気は?水頭症等の治療費も解説!
この記事では
・ヨークシャーテリアの飼い方
・ヨークシャーテリアの注意すべき病気と治療費
「ヨークシャーテリア」とは
ヨーキーの愛称で知られるヨークシャーテリアは、黒い大きな瞳と美しい被毛が魅力的で「動く宝石」とも称されています。
原産国はイギリスで世界一小さなテリア種です。そのルーツをたどればネズミを追い出したり捕獲するという役割を担っていました。
現在では愛玩犬として不動の人気を誇っていますが、見た目にとは裏腹に活発で勇敢な犬種です。
ヨークシャーテリアの特徴
ヨークシャーテリアの歴史
ヨークシャーテリアの外見的な特徴
被毛は生涯で7回変化すると言われています。絹のように美しい被毛はシングルコートで細くてストレート、比較的抜け毛も少ない犬種です。
被毛の色は、子犬の時はほとんど「ブラック&タン」(黒と茶系統)ですがその後どのように変化していくのかも楽しみです。
被毛のパターンとしては「ブラック&タン」「ブラック&ゴールド」「ブルー&タン」「ブルー&ゴールド」があります(ブルーとはブラックのようにも見えるがわずかに青みがかっている色)。
ちなみにウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとは別の犬種になります。
性格
ヨークシャーテリアと言う名前の通り、世界一小さなテリア種です。小さくて可愛いビジュアルですが、性格はしっかりとしたテリア気質です。
飼い方のポイント
【運動・散歩】
ヨークシャーテリアのなりやすい病気
比較的病気に強いと言われているヨークシャーテリアですが、注意しておきたい疾患について説明します。
門脈シャント(門脈体循環シャント)
【門脈シャント】とは
体の中で、消化管から吸収した栄養分、毒素、体の中で作られた老廃物などを、代謝・分解を行う肝臓へと運ぶのが門脈という血管です。
しかし、中には先天的にこの門脈と全身の静脈の間にバイパスのように血管ができて、肝臓で分解されるべき毒素や老廃物が肝臓を通らずそのまま全身に回ってしまう病気です。
原因 | 先天的要因が大きい(症状がほとんどなくシニア期になるまで発見されない場合もある) |
症状 | 多くは3か月を過ぎてから症状が出る。食欲不振 元気がない 兄弟犬に比べて小さい 嘔吐 等
肝性脳症になると ふらつき よだれ 痙攣発作を起こす 等 |
治療 | 内科的治療:食餌療法(タンパク質の制限) 抗アンモニア製剤 肝保護剤 等 (内科的治療のみだと余命2カ月から2年)
外科的治療;シャント血管の閉鎖 開腹もしくは腹腔鏡下による手術(数回に分けて行うこともある) |
治療費の目安 | 内科的治療; 通院回数平均 3回/年 一回の診療費 14,000~ 参考:どうぶつ診療費ドットコム
外科的治療:A動物病院の場合~手術費用35万円~ 術前にはCTや血管造影などの検査も必要になりトータル50~70万程度 |
水頭症
【水頭症とは】 髄液が頭蓋骨内に溜まり、脳が圧迫される病気です。
原因 | 先天性・後天性(脳炎、腫瘍等) |
症状 | 障害を受けた部位や程度によって異なる ボーっとする 元気がない 疲れやすい 嘔吐 痙攣 意識障害 等 |
治療 | ① 内科的治療:脳脊髄液の産生を抑え頭蓋内圧を下げる(利尿剤 ステロイド剤など)
② 外科的治療:頭蓋骨内の髄液を腹腔内に排泄するためのチューブを設置 |
治療費の目安 | 診察や検査費用:50,000円程度
内科的治療;3,000~5,000円/月 程度 外科的治療:200,000~500,000円程度(1週間の入院) |
膵炎
【膵炎とは】
膵臓には消化酵素や膵液の分泌、血糖を調整するインスリンの分泌という2つの役割があります。膵炎が起こると消化液がしみ出して膵臓自体や腹腔内の臓器を損傷することで強い痛みを生じます。
膵臓の組織が破壊されるとインスリンの分泌に異常をきたすこともあり、炎症が落ち着いた後も血糖コントロール不良などの症状が続くことがあります。
原因 | (急性膵炎)高脂質な食べ物を急に多食 誤飲(串のようにとがったもの 焼き鳥など) 原因不明のものもある
脱水 クッシング症候群 など |
症状 | 嘔吐 腹痛 食欲不振 元気がない 下痢 等 |
治療 | 鎮痛剤 制吐剤 抗炎症剤などの内服 一時的な絶食 等 |
治療費の目安 | 年間治療費の平均は203,186円(中央値56,700円)参照:アニコム損保「家庭どうぶつ白書2019」 |
気管虚脱
【気管虚脱とは】
気管はホースのような形状になっており、その外側をC形の軟骨が覆うことで丸い形が保たれています。
何らかの原因で気管を覆っている軟骨の形状が変化すると気管を押しつぶした形状になり、呼吸に障害をおこす病気で、小型犬に多く見られます。
原因 | 肥満 老化 遺伝 等 加えて吠えすぎや興奮が引き金になることがある |
症状 | 「がーがー」というアヒルの鳴き声のうような呼吸音 咳 喘息様症状 重度になると呼吸困難や失神することもある |
治療 | 症状により 抗生剤 抗炎症剤 ステロイド 気管支拡張剤 等 |
治療費の目安 | 内科的治療(症状を見ながら生涯治療を続ける) 症状によって 数千円~20,000円程度/月
外科的治療:ステント(網目状の筒)などを入れて気管の形態を保持 70万円程度 |
膝蓋骨脱臼(パテラ)
【膝蓋骨脱臼とは】
後肢の膝蓋骨(ひざのお皿)があるべき位置からはずれ脱臼をおこす状態を言います。特に小型犬・トイ種によく見られます。
原因 | 先天的要因 事故 肥満や滑りやすい環境で暮らすことによる足への負担 |
症状 | 歩き方がおかしい 階段を上がりたがらない けんけん歩き ふらつく 等 |
治療 | 内科的治療:消炎剤等の内服 関節保護のための注射 レーザー治療 等
外科的治療:手術による整復 |
治療費の目安 | 内科的治療:平均 71,126円(中央値12,633円)
外科的治療:平均 220,711円(中央値196,776円) 参考:アニコム損保「家庭どうぶつ白書2019」 |
病気の予防・早期に発見するためにできること
ブラッシング
犬は全般的に皮膚疾患が多く、各保険会社の請求数をみると皮膚疾患が1位にランクされています。
ヨークシャーテリアの被毛はシングルコートで、しかも抜け毛が少ないと言われていますが、長毛なので抜け毛はすぐに毛玉になってしまいます。キレイな被毛を守るとともに、皮膚病を予防する上でもブラッシングは大切です。
【ブラッシングの目的】
・毛玉を作らない ⇒ 特に脇、顎の下、腿の内側などは要注意です。
・汚れを取り除く ⇒ 散歩から帰ったタイミングでのブラッシングが効果的。ほこりや異物を除去します。
・身体チェック ⇒ ブラッシングをしながら体を触って異変がないかどうかをチェックしましょう。
・コミュニケーション ⇒ コミュニケーション不足はストレスにつながり、しいては問題行動につながります。
歯磨き
犬にとっても歯磨きはとても大切です。犬の口腔内はアルカリ性であり虫歯菌は生息しにくい反面、歯垢は3~5日位で歯石に変化します。歯石ができると歯周病へと進んでいき、歯のみならず様々なトラブルが生じてきます。
歯磨きの習慣をつけ、歯垢が歯石に変化する前に取り去ることが大切です。小さいころから根気よくトライして歯磨き習慣をつけていきましょう。
ヨークシャーテリアにおすすめのペット保険保険は?
ここではヨークシャーテリアに合ったおすすめのペット保険、比較・選び方について解説します。
全てのペット保険で補償の対象外である去勢の費用等の項目は除き、あくまで保険会社・プランで差別化になるポイントに絞って解説します。
他サイトのようなランキング形式ではなく、あくまで○○目線で解説していきます。
【ヨークシャーテリアのペット保険加入の選び方のポイント】
・膝蓋骨脱臼(パテラ)
・気管虚脱
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
③通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも手術は他社と比較しても手厚いか
④更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
①ヨークシャーテリアのなりやすい病気が補償されるか確認
ペット保険は保険会社によって補償する病気や、補償の対象外となる項目が異なります。
中にはヨークシャーテリアがなりやすい高額治療が必要なパテラを補償の対象外としているペット保険も存在します。例えば「プリズムコール」や「日本ペット少額短期保険:いぬとねこの保険」ではパテラも気管虚脱も補償の対象外です。
特に下記の傷病・疾患は保険会社によって補償されるかが異なりますので、必ず保険約款や重要事項説明書を確認することをおすすめします。
また公式HPでも「保険金のお支払いできない事例」の中に記載されていることがほとんどですので必ず確認しましょう。
【ヨークシャーテリアがなりやすい病気で補償の対象外か確認すべき病気】
・気管虚脱
②加入後に発症した先天性、遺伝性疾患が補償されるか
ヨークシャーテリアがなりやすい、「水頭症」「門脈シャント」は先天性、遺伝性の要素も大きい疾患です。
全てのペット保険で加入前に発症している先天性、遺伝性疾患は基本的には補償の対象外となってしまいますが、加入後に発症した先天性、遺伝性疾患を補償するかどうかは保険会社によって異なります。
こちらも併せて公式HP内の「保険金をお支払いできない事例」や保険約款・重要事項説明書を確認しましょう。
せっかく保険に加入するのであれば、ヨークシャーテリアのためにも水頭症や門脈シャントにも備えができるようにしましょう。
③通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険の中でも手術補償の手厚さを重視するのがおすすめ
ヨークシャーテリアがなりやすい病気である「水頭症」は長期もしくは複数回の治療が必要になる疾患です。また「膝蓋骨脱臼(パテラ)」は外科手術を伴う高額治療が必要になる傷病です。
そのため、ヨークシャーテリアには「通院・手術・入院を補償するフルカバー型のペット保険」に加入することがおすすめです。
また、膝蓋骨脱臼(パテラ)は平均手術費用が約22万円と高額になることが多いことから、ヨークシャーテリアにはフルカバー型の中でも手術補償が他社より手厚いペット保険に加入することをおすすめします。
特に
④更新の際に「来年度からの傷病や部位補償の対象外」とする可能性がないか
ほとんどのペット保険が一年契約となっており、契約を毎年更新していくことで終身の補償となっています。
つまり、ペット保険に加入すると毎年契約更新の審査があります。
中には「前年度にかかった傷病や慢性疾患」等の、特に治る見込みが少ない、再発の可能性が高い慢性疾患を、更新の際に「来年度から補償の対象外とします。」と条件を付け加えてくる保険会社があります。
もちろん中には「更新の際に条件を付け加えることはありません」といった記載をしているペット保険もあります。
ヨークシャーテリアがなりやすい泌尿器疾患のうち「水頭症」やてんかんは長期的な治療が必要になります。
そのため、上記のようなペット保険だと更新時の際に「来年度から水頭症に関わる治療費は補償の対象外とします」といった条件を付けられる可能性があります。
そのため、加入を検討しているペット保険会社の「更新時の対応」についても必ず確認することをおすすめします。
また、ペット保険比較アドバイザーではそういった情報も一つの記事内でまとめていますのでぜひ一度ご確認ください。
ヨークシャーテリアにおすすめのペット保険をご紹介!
最後に、今回ペット保険比較アドバイザーではヨークシャーテリアにおすすめのペット保険を2社ご紹介します。
おすすめの理由としては上記で説明したヨークシャーテリアのペット保険の選び方、ポイントや条件をすべて満たしているからです。
一部PS保険は手術の補償金額が1回あたり最大10万円だったり不安な点はありますが、先天性疾患や更新時の対応が他社より優れています。
ただし、細かい補償内容や金額についてはもちろん違いがありますので必ず重要事項説明書や保険約款、パンフレットや公式HPを確認してください。
あくまで参考ですが、保険料重視であればPS保険、補償内容重視であればアニコム(ふぁみりぃ)に加入することをおすすめします。
メリット | デメリット | |
・複数回通院にも強い ・手術は一回当たり最大14万円まで補償(補償割合70%プラン) |
保険料が高い
※健康割増引制度により保険の利用状況によって割増引の適応【可】 |
|
保険料が安い | ・1つの病気に対しての限度額・回数があり (更新時にリセットされない) ・手術は一回当たり最大10万円まで |
弊社の商品の保険期間は1年間ですが、ご契約には「継続契約特約」を適用して引受をさせていただいておりますので、解約等のお申し出がない限り満期後は、原則ご契約は自動的に継続となり、終身ご継続いただけます。
※ご注意
・ご契約者または弊社より別段の意思表示があった場合には、ご契約は継続となりません。
・自動的にご契約が継続とならない場合や、商品改定により保険料、補償内容などが変更となる場合があります。
引用:重要事項説明書
罹患した病気やケガにより保険の更新をお断りしたり、更新時の補償対象外にしたり、保険料を増額にすることはございません。(※保険料の改定などがあった場合、保険料は変わります。)
ケガ、病気の原因が生じた時が保険期間内であれば、皮膚病や外耳炎等の軽度の病気から、ガンや心臓病等の重大な病気まで補償の対象となります。
補償内容やそれぞれのデメリット等がより気になる場合は下記の記事を参考にしてください。
補足:先天性疾患が発症する前に!遅くとも7.8歳までには加入しよう
ペット保険は、加入する前に発症している先天性疾患や既に発症している病気や疾患は補償の対象外となります。
そのため、病気になってから保険に加入しようとしても、肝心のその病気の治療費は補償の対象外になってしまいます。
また、加入後に発見できた病気であっても先天性疾患を補償の対象外としているペット保険や、慢性疾患にかかると更新できない保険もあります。
また一般的にペット保険では8~12歳で新規加入年齢を設定していることがほとんどです。早いところでは7歳で新規加入を締め切るペット保険もあります。
「健康なうちに加入しないと意味がない」「また年齢制限に引っかからないから保険の選択肢が広がる」という意味で遅くとも7~8歳までにはペット保険の加入、少なくとも検討をすることをおすすめします。
補足ですが、アニコムやプリズムコールではシニア向けのペット保険商品もあります。
高齢・シニア向けのペット保険については下記の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
よくある質問
先天性の門脈シャントの治療費用はペット保険で補償されますか?
ヨークシャーテリアを迎えたいと思っています。家に1歳の子供がいるのですが大丈夫でしょうか?
ペット保険は必要?
ペットには公的な保険制度がありません。そのため治療費の自己負担額は100%です。
もしもの時に、お金を気にせずペットの治療に専念できるよう健康なうちにペット保険に入ることをおススメします。
また、病気になった後では加入を断られる可能性があります。
ペット保険比較表や記事を活用するのがおすすめ!
ペット保険比較アドバイザーでは、ペットに合った保険の選び方やペットの健康に関するお役立ち記事を公開しております。
記事と合わせて比較表も活用することで、ペットと飼い主様に合った保険を選ぶことができます。
また、保険会社のデメリット等も理解できるので、後悔しないペット保険選びができます。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひご活用ください。
【ヨークシャーテリアの特徴と気を付けたい病気】まとめ
今回、ペット保険比較アドバイザーでは
・ヨークシャーテリアの注意すべき病気と治療費
・ヨークシャーテリアにおすすめのペット保険